2022/04/27(水) - 18:29
AACRグルメの象徴であるネギ味噌おにぎりを頂き、大きな目的を果たした取材班。しかしその先に待つ最高の絶景ポイントへ向けて歩を進める。雄大な白馬連峰と新たな絶品グルメが待つAACRレポート後編をお届けします。(前編のレポートはこちらから)
さて、大会の折り返し地点となる白馬まではあと少し。松本平と白馬盆地の間には佐野坂峠があるのだけれど、青木湖までくれば実はほぼ登り切っているようなもの。美しい安曇野アートラインを下っていくと、これまで山ごしに見えていた白馬の山々がついに眼前に現れる。
正直、どこで撮っても絶景が待っているので取材班としてはここは逆に難しいところ。とはいえ撮れ高の面では心配ないということでもある。あっちでパシャリ、こっちでパシャリ、シャッターを切りまくりながら走っていく。
その中でもやはり圧巻なのが松川沿いの一帯。眼前に広がる白馬連峰と松川の流れを前に、参加者の皆さんも思わず立ち止り、記念撮影にいそしんでいる。もちろん私も撮影だ(笑)。80km近く走ってきたことになるが、あまりにも雄大な景色に脚の疲れも忘れてしまうほど。
そして、白馬エイドへと到着。エイドが設置されたペンションのルポゼ白馬では、レストランで提供される石窯ピザが参加者を待ち受けていた。なんと、焼き立てを提供してくれるということで、じゃんじゃん窯でピザが焼かれていく。10分ほど並んだ先でアツアツのピザをゲット。これがまた、美味しいのだ。エイド食という枠組みだけでなく、これまで食べたことのあるピザの中でも1、2位を争うレベル。
あまりの美味しさにペロリと平らげてしまう。おかわりできるエイドだったら、ずっと食べ続けている可能性すらあるので、一人一枚で良かったと思いつつ、再出発。折り返しのエイドだったので、ここからは安曇野へ向かって南へ向けて走っていく。
里山情緒あふれる安曇野アートラインの一本裏側の道を越え、再び仁科三湖へ。往路でも通った青木湖エイドが復路でもエイドステーションとなっている。つまり、もう一度直登の登りをこなさないといけないということだ。
往路では悪魔おじさんが応援してくれた坂では、なんと猫耳をつけた美少女が黄色い声で応援してくれている。辛さのあまり脳が見せた幻覚かと思いきや、周りの皆さんもダンシングでグイグイと踏んでいるのでどうやら他の人にも見えているらしい。それまで100Wキープだった出力が一瞬300Wまで上がったのは、ログに残された紛れもない事実だ。
再びの青木湖エイドで振舞われたのは野沢菜おやきとプルプルのきな粉もち。この後の安曇野エイドまでは、今大会最長区間となるのでしっかりカロリーを補給できるのは嬉しい配慮だ。
最後のエイドステーションとなる安曇野エイドまでは約36㎞。とはいえ下り基調なので、なかなかいいペースで進んでいく。特に高瀬川の土手上のルートは車も少なく見通しも良い快速コース。一気に距離を稼いでいくと、あっという間に安曇野エイドだ。
やわらか~い大福とリンゴジュースが振舞われた安曇野エイド。寒さに震えた早朝が嘘のように、ポカポカ陽気に照らされた昼下がりとあって、冷たいリンゴジュースが体に沁みる。ちなみに常温とつめたく冷やしたもの、そしてシャーベットになるまで凍らせたものの3つから選べるのだ。体感温度は人それぞれなので、なんとも嬉しい配慮である。
ここまでくれば、フィニッシュまであと一息。サクッと走ってゴールしちゃうぞ、なんて思っていたら、結構強めの向かい風でなかなか先に進まない。140㎞近く走ってきた疲労も相まってヘロヘロになりつつ、リンゴ畑の間を抜けて朝スタートした梓水苑へと駆け込んだ。
100マイルを走ってきた参加者の皆さんは走り切った達成感をあらわにしつつフィニッシュラインを越えていく。梓水苑では長野の紅玉を使った開運堂の「りんごの天使」が振舞われ、疲れ切った体にエネルギーを補給できた。もちろんAACRパネルの前には完走記念撮影の長蛇の列が。
久しぶりの大規模ロングライドイベントとなったAACR。個人的にもこんなに多くのサイクリストが絶えず走っているロングライドの取材は久しぶりだったけれど、たくさんのサイクリストが楽しみながら走っている様子を見ているだけで、なんだか楽しい気持ちに。
大変な状況の中で開催されたのは、ひとえに関係者の努力あってこそ。フィニッシュ後に参加者の方が、「スタッフの皆さんも、地元の皆さんもこんなに歓迎してくれるとは思わなかった。なんだかすごく尊いな、と思える大会で、安曇野エリアのファンになりました!」と話してくれたのが印象的で、地域の魅力を伝えるのに、やっぱり自転車というのはピッタリなのだなと再確認した1日だった。
大会実行委員長兼プロデューサー 鈴木雷太さんインタビュー
2019年以来3年ぶりのAACRとなりました。去年、一昨年と皆さんから期待されつつも、その声に応えることが出来なかったことに対して、私たちの間でも非常に申し訳ないという気持ちがありました。
今年は風向きもすこしずつ変わり、地元の方の理解を得て開催することが出来ました。刻一刻と変化する状況に対応するため、医師などにもアドバイスを求めながら感染対策を行うことで実現することができた1日です。
今日一日みなさんと走り、本当に開催できてよかったなと手ごたえを感じています。参加者の皆さんの笑顔はもちろん、エイドのボランティアスタッフも楽しそうで、関わる人が幸せになっているのだな、と感動しましたね。コロナ禍は恐ろしいですが、AACRもまた待ち望まれていた場なのだと実感しました。
1点残念なことがあるとすれば、100%の安全をテーマに掲げて、交通ルールの徹底を呼び掛けてきた積み重ねが3年のブランクで薄れてしまったことでしょうか。流石に信号無視を見かけることは無かったですが、一時停止や二段階右折といった箇所ではまだまだ甘いシーンを見かけました。
やはり地域の人たちの理解あってこそのイベントです。そして、自転車というものがしっかり認知されて発展していくうえで、交通ルールを遵守するというのは非常に大切なことですから、ここは続けて周知徹底していきたいですね。
5月の緑のAACRでは、より多くの皆さんが申し込まれているので、更に盛り上がることを期待しています!
text&photo:Naoki Yasuoka
さて、大会の折り返し地点となる白馬まではあと少し。松本平と白馬盆地の間には佐野坂峠があるのだけれど、青木湖までくれば実はほぼ登り切っているようなもの。美しい安曇野アートラインを下っていくと、これまで山ごしに見えていた白馬の山々がついに眼前に現れる。
正直、どこで撮っても絶景が待っているので取材班としてはここは逆に難しいところ。とはいえ撮れ高の面では心配ないということでもある。あっちでパシャリ、こっちでパシャリ、シャッターを切りまくりながら走っていく。
その中でもやはり圧巻なのが松川沿いの一帯。眼前に広がる白馬連峰と松川の流れを前に、参加者の皆さんも思わず立ち止り、記念撮影にいそしんでいる。もちろん私も撮影だ(笑)。80km近く走ってきたことになるが、あまりにも雄大な景色に脚の疲れも忘れてしまうほど。
そして、白馬エイドへと到着。エイドが設置されたペンションのルポゼ白馬では、レストランで提供される石窯ピザが参加者を待ち受けていた。なんと、焼き立てを提供してくれるということで、じゃんじゃん窯でピザが焼かれていく。10分ほど並んだ先でアツアツのピザをゲット。これがまた、美味しいのだ。エイド食という枠組みだけでなく、これまで食べたことのあるピザの中でも1、2位を争うレベル。
あまりの美味しさにペロリと平らげてしまう。おかわりできるエイドだったら、ずっと食べ続けている可能性すらあるので、一人一枚で良かったと思いつつ、再出発。折り返しのエイドだったので、ここからは安曇野へ向かって南へ向けて走っていく。
里山情緒あふれる安曇野アートラインの一本裏側の道を越え、再び仁科三湖へ。往路でも通った青木湖エイドが復路でもエイドステーションとなっている。つまり、もう一度直登の登りをこなさないといけないということだ。
往路では悪魔おじさんが応援してくれた坂では、なんと猫耳をつけた美少女が黄色い声で応援してくれている。辛さのあまり脳が見せた幻覚かと思いきや、周りの皆さんもダンシングでグイグイと踏んでいるのでどうやら他の人にも見えているらしい。それまで100Wキープだった出力が一瞬300Wまで上がったのは、ログに残された紛れもない事実だ。
再びの青木湖エイドで振舞われたのは野沢菜おやきとプルプルのきな粉もち。この後の安曇野エイドまでは、今大会最長区間となるのでしっかりカロリーを補給できるのは嬉しい配慮だ。
最後のエイドステーションとなる安曇野エイドまでは約36㎞。とはいえ下り基調なので、なかなかいいペースで進んでいく。特に高瀬川の土手上のルートは車も少なく見通しも良い快速コース。一気に距離を稼いでいくと、あっという間に安曇野エイドだ。
やわらか~い大福とリンゴジュースが振舞われた安曇野エイド。寒さに震えた早朝が嘘のように、ポカポカ陽気に照らされた昼下がりとあって、冷たいリンゴジュースが体に沁みる。ちなみに常温とつめたく冷やしたもの、そしてシャーベットになるまで凍らせたものの3つから選べるのだ。体感温度は人それぞれなので、なんとも嬉しい配慮である。
ここまでくれば、フィニッシュまであと一息。サクッと走ってゴールしちゃうぞ、なんて思っていたら、結構強めの向かい風でなかなか先に進まない。140㎞近く走ってきた疲労も相まってヘロヘロになりつつ、リンゴ畑の間を抜けて朝スタートした梓水苑へと駆け込んだ。
100マイルを走ってきた参加者の皆さんは走り切った達成感をあらわにしつつフィニッシュラインを越えていく。梓水苑では長野の紅玉を使った開運堂の「りんごの天使」が振舞われ、疲れ切った体にエネルギーを補給できた。もちろんAACRパネルの前には完走記念撮影の長蛇の列が。
久しぶりの大規模ロングライドイベントとなったAACR。個人的にもこんなに多くのサイクリストが絶えず走っているロングライドの取材は久しぶりだったけれど、たくさんのサイクリストが楽しみながら走っている様子を見ているだけで、なんだか楽しい気持ちに。
大変な状況の中で開催されたのは、ひとえに関係者の努力あってこそ。フィニッシュ後に参加者の方が、「スタッフの皆さんも、地元の皆さんもこんなに歓迎してくれるとは思わなかった。なんだかすごく尊いな、と思える大会で、安曇野エリアのファンになりました!」と話してくれたのが印象的で、地域の魅力を伝えるのに、やっぱり自転車というのはピッタリなのだなと再確認した1日だった。
大会実行委員長兼プロデューサー 鈴木雷太さんインタビュー
2019年以来3年ぶりのAACRとなりました。去年、一昨年と皆さんから期待されつつも、その声に応えることが出来なかったことに対して、私たちの間でも非常に申し訳ないという気持ちがありました。
今年は風向きもすこしずつ変わり、地元の方の理解を得て開催することが出来ました。刻一刻と変化する状況に対応するため、医師などにもアドバイスを求めながら感染対策を行うことで実現することができた1日です。
今日一日みなさんと走り、本当に開催できてよかったなと手ごたえを感じています。参加者の皆さんの笑顔はもちろん、エイドのボランティアスタッフも楽しそうで、関わる人が幸せになっているのだな、と感動しましたね。コロナ禍は恐ろしいですが、AACRもまた待ち望まれていた場なのだと実感しました。
1点残念なことがあるとすれば、100%の安全をテーマに掲げて、交通ルールの徹底を呼び掛けてきた積み重ねが3年のブランクで薄れてしまったことでしょうか。流石に信号無視を見かけることは無かったですが、一時停止や二段階右折といった箇所ではまだまだ甘いシーンを見かけました。
やはり地域の人たちの理解あってこそのイベントです。そして、自転車というものがしっかり認知されて発展していくうえで、交通ルールを遵守するというのは非常に大切なことですから、ここは続けて周知徹底していきたいですね。
5月の緑のAACRでは、より多くの皆さんが申し込まれているので、更に盛り上がることを期待しています!
text&photo:Naoki Yasuoka