2022/04/17(日) - 11:27
「副鼻腔炎で苦しんだ時期を乗り越え掴んだ勝利。私を信じ続けてくれたチームに感謝したい」とは、パリ〜ルーベ・ファムを制したエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)の言葉。敗れたコペッキーやシャベイなど、第2回大会を終えた選手たちのコメントを紹介します。
1位 エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)
信じられない。様々な思いが頭の中を駆け巡っている。
私にとってこの春は辛く、1ヶ月に渡り副鼻腔炎(ちくのう症)に苦しめられ、思うような走りができないでいた。ずっと力を発揮できない自分にフラストレーションを感じでいた。とても辛い時期を支え、励ましてくれた家族とボーイフレンドに感謝を伝えたい。
また、そんな中でも私を信じてくれたトレック・セガフレードにも感謝したい。トップコンディションではない私を「あなたは大丈夫。勝利を狙える」と励まし、この場に連れてきてくれた。そしてチームの言う通り勝利することができた。呼吸が重要な自転車競技において、呼吸が阻害される副鼻腔炎は辛かった。だからアムステルゴールドレースとブラバンツペイに出場せず、抗生物質を服用して回復に専念することができた。その成果が勝利という形でやってきたんだ。
アタックするのなら最初から自分の力を信じ続けなければならない。とにかく全力でペダルを踏んだ。「つべこべ言わず行けよ」って自分を鼓舞しながらね。そして地獄のような石畳から一転、自転車競技の歴史が詰まったヴェロドロームは天国のようだった。その時私は、走り続ける理由である家族やボーイフレンド、チームメイトのことを考えていた。
正直、表彰台には素晴らしい走りを見せてくれたチームメイト全員と上がりたかった。完璧な走りだったルシンダ(ブラント)をはじめ、すべてのセクターでチームメイトそれぞれが役割を全うした。彼女たちがいなければ、私は1勝もできていないだろう。また、失格になったエリーザ・バルサモも勝利への後押しとなってくれた。スティッキーボトルは起こりうることだが、ルールなので仕方ない。彼女に対し少しだけ同情の気持ちがあるよ。
これで私の名前がシャワー室に飾られる。私はエリーザというただの人でしかないが、いまだけはパリ〜ルーベのチャンピオンだ。
2位 ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)
完全にレースをコントロールしていた展開から、0.5秒で状況が一変した。突然私たちは全力で追走しなければならない立場に陥った。だが追走は叶わなかった。とても落ち込んでいる。
我々の目的は力を使わないルシンダや他のチームにプレッシャーを与えることだった。私も先頭で追走集団を牽引したが、力の使いすぎないよう気をつけいた。ロンゴボルギーニのチームメイトたちは(追走集団の中で)隠れるのが上手く、フルスピードで追いかけたが、最後まで差を埋めることはできなかった。今日のエリーザは本当に強かったということだ。
悔しいという感情しかいまはない。脚の調子は良く、展開の主導権を握っていた。今日は私たちの日ではなかったということだ。
3位 ルシンダ・ブラント(オランダ、トレック・セガフレード)
この1週間、ずっとヴェロドロームに突入する自分の姿を想像していた。どんなに気持ちがいいのだろうって。でも現実は(2位を争う)スプリントに集中していたため、そんなことを考える暇なんてなかった。疲労が見えていたとはいえ、スプリントするロッタは手強かった。3位という順位が、今日の自分が掴むことができる最大限の結果だったんだと思う。
ロッタと共に飛び出した時は、後続集団にチームメイトが控える理想的な展開だった。私たちは十分なメンバーが追走集団にいたので、私は(コペッキーとバスティアネッリに)ただついていくだけだった。そして再び集団がひと塊になってエリーザが仕掛け、その後彼女の姿を見ることはなかった。
心から楽しむことができたレースだった。もちろん苦しかったが、同時に楽しかった。本当にこのレースが好き。いまは回復に専念し、また絶対に戻ってくる。
4位 エリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム)
悔しさと共に、満足感もある。このレースは本当に苦しい。でも観客とレースの雰囲気は素晴らしく、存分に楽しみながら自分を限界まで追い込むことができた。このレースのおかげで、いかに自分が自転車競技を愛しているかを再認識することができた。
序盤の落車から集団復帰を果たすことができ、調子も良かった。チームメイトによるサポートは手厚く、特にティファニー・クロムウェルの助けは大きかった。最後のスプリントはベストを尽くすことができたよ。
5位 マルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)
混沌の中ですらレースの素晴らしさを感じることができた。石畳は辛く、その過酷さを乗り越えた者だけがトップになれる。我々のチーム力は素晴らしく、彼女たちのおかげで5位という結果を得ることができた。最後のヴェロドロームに突入した瞬間は鳥肌が立った。素晴らしい記憶とともに、次なるレースに向けて準備したい。
6位 フローイチェ・マッカイ(オランダ、チームDSM)
なんて日だ。最初の石畳セクターで不運が起こり、集団復帰に力を使わなければならなかった。そして表彰台を争い、私は6位だった。石畳(を管理してくれた運営者)に多大な感謝を伝えたい。
8位 シャンタル・ブラーク(オランダ、SDワークス)
私たちは死にものぐるいだった。予想通りのレース展開に持ち込むことができ、チームメイトはそれぞれの力を発揮しているように見えた。ロンゴボルギーニがアタックするまでは、我々がレースをコントロールしていた。
1つ前のレースで、私たちが展開を支配したため、他のチームが追走を私たちに任せてきた。そして最後はできる限り高い順位を狙うだけだった。今日はエリーザが1番強かった。
15位 マルタ・バスティアネッリ(イタリア、UAEチームADQ)
アタックしたが、結果に結びつくことはなかった。力の限りを尽くした結果なので何の不満もない。来年また挑戦するかどうかは分からないが、有名なルーベでシャワーを浴びるシーンを撮り忘れたので、そのためにも来年戻ってこようかな。
16位 ティファニー・クロムウェル(オーストラリア、キャニオン・スラム)
落車によってチームメイトが脱落していっても、私たちはお互いをサポートしあい、決して諦めなかった。エリーズ(シャベイ)が力を尽くし4位に入った。その結果を彼女は誇るべきだと思う。
text:Sotaro.Arakawa
1位 エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)
信じられない。様々な思いが頭の中を駆け巡っている。
私にとってこの春は辛く、1ヶ月に渡り副鼻腔炎(ちくのう症)に苦しめられ、思うような走りができないでいた。ずっと力を発揮できない自分にフラストレーションを感じでいた。とても辛い時期を支え、励ましてくれた家族とボーイフレンドに感謝を伝えたい。
また、そんな中でも私を信じてくれたトレック・セガフレードにも感謝したい。トップコンディションではない私を「あなたは大丈夫。勝利を狙える」と励まし、この場に連れてきてくれた。そしてチームの言う通り勝利することができた。呼吸が重要な自転車競技において、呼吸が阻害される副鼻腔炎は辛かった。だからアムステルゴールドレースとブラバンツペイに出場せず、抗生物質を服用して回復に専念することができた。その成果が勝利という形でやってきたんだ。
アタックするのなら最初から自分の力を信じ続けなければならない。とにかく全力でペダルを踏んだ。「つべこべ言わず行けよ」って自分を鼓舞しながらね。そして地獄のような石畳から一転、自転車競技の歴史が詰まったヴェロドロームは天国のようだった。その時私は、走り続ける理由である家族やボーイフレンド、チームメイトのことを考えていた。
正直、表彰台には素晴らしい走りを見せてくれたチームメイト全員と上がりたかった。完璧な走りだったルシンダ(ブラント)をはじめ、すべてのセクターでチームメイトそれぞれが役割を全うした。彼女たちがいなければ、私は1勝もできていないだろう。また、失格になったエリーザ・バルサモも勝利への後押しとなってくれた。スティッキーボトルは起こりうることだが、ルールなので仕方ない。彼女に対し少しだけ同情の気持ちがあるよ。
これで私の名前がシャワー室に飾られる。私はエリーザというただの人でしかないが、いまだけはパリ〜ルーベのチャンピオンだ。
2位 ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)
完全にレースをコントロールしていた展開から、0.5秒で状況が一変した。突然私たちは全力で追走しなければならない立場に陥った。だが追走は叶わなかった。とても落ち込んでいる。
我々の目的は力を使わないルシンダや他のチームにプレッシャーを与えることだった。私も先頭で追走集団を牽引したが、力の使いすぎないよう気をつけいた。ロンゴボルギーニのチームメイトたちは(追走集団の中で)隠れるのが上手く、フルスピードで追いかけたが、最後まで差を埋めることはできなかった。今日のエリーザは本当に強かったということだ。
悔しいという感情しかいまはない。脚の調子は良く、展開の主導権を握っていた。今日は私たちの日ではなかったということだ。
3位 ルシンダ・ブラント(オランダ、トレック・セガフレード)
この1週間、ずっとヴェロドロームに突入する自分の姿を想像していた。どんなに気持ちがいいのだろうって。でも現実は(2位を争う)スプリントに集中していたため、そんなことを考える暇なんてなかった。疲労が見えていたとはいえ、スプリントするロッタは手強かった。3位という順位が、今日の自分が掴むことができる最大限の結果だったんだと思う。
ロッタと共に飛び出した時は、後続集団にチームメイトが控える理想的な展開だった。私たちは十分なメンバーが追走集団にいたので、私は(コペッキーとバスティアネッリに)ただついていくだけだった。そして再び集団がひと塊になってエリーザが仕掛け、その後彼女の姿を見ることはなかった。
心から楽しむことができたレースだった。もちろん苦しかったが、同時に楽しかった。本当にこのレースが好き。いまは回復に専念し、また絶対に戻ってくる。
4位 エリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム)
悔しさと共に、満足感もある。このレースは本当に苦しい。でも観客とレースの雰囲気は素晴らしく、存分に楽しみながら自分を限界まで追い込むことができた。このレースのおかげで、いかに自分が自転車競技を愛しているかを再認識することができた。
序盤の落車から集団復帰を果たすことができ、調子も良かった。チームメイトによるサポートは手厚く、特にティファニー・クロムウェルの助けは大きかった。最後のスプリントはベストを尽くすことができたよ。
5位 マルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)
混沌の中ですらレースの素晴らしさを感じることができた。石畳は辛く、その過酷さを乗り越えた者だけがトップになれる。我々のチーム力は素晴らしく、彼女たちのおかげで5位という結果を得ることができた。最後のヴェロドロームに突入した瞬間は鳥肌が立った。素晴らしい記憶とともに、次なるレースに向けて準備したい。
6位 フローイチェ・マッカイ(オランダ、チームDSM)
なんて日だ。最初の石畳セクターで不運が起こり、集団復帰に力を使わなければならなかった。そして表彰台を争い、私は6位だった。石畳(を管理してくれた運営者)に多大な感謝を伝えたい。
8位 シャンタル・ブラーク(オランダ、SDワークス)
私たちは死にものぐるいだった。予想通りのレース展開に持ち込むことができ、チームメイトはそれぞれの力を発揮しているように見えた。ロンゴボルギーニがアタックするまでは、我々がレースをコントロールしていた。
1つ前のレースで、私たちが展開を支配したため、他のチームが追走を私たちに任せてきた。そして最後はできる限り高い順位を狙うだけだった。今日はエリーザが1番強かった。
15位 マルタ・バスティアネッリ(イタリア、UAEチームADQ)
アタックしたが、結果に結びつくことはなかった。力の限りを尽くした結果なので何の不満もない。来年また挑戦するかどうかは分からないが、有名なルーベでシャワーを浴びるシーンを撮り忘れたので、そのためにも来年戻ってこようかな。
16位 ティファニー・クロムウェル(オーストラリア、キャニオン・スラム)
落車によってチームメイトが脱落していっても、私たちはお互いをサポートしあい、決して諦めなかった。エリーズ(シャベイ)が力を尽くし4位に入った。その結果を彼女は誇るべきだと思う。
text:Sotaro.Arakawa
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