4月6日に閉幕した6日間のステージレース「ツアー・オブ・タイランド」。チーム右京のネイサン・アール(オーストラリア)が第6ステージで区間優勝とともに山岳賞を獲得し、総合では小石祐馬が2位、レイモンド・クレダーが3位と結果を残した。



チーム右京にとって3年振りの出場となったツアー・オブ・タイランド2022チーム右京にとって3年振りの出場となったツアー・オブ・タイランド2022 photo:Tour of Thailand
コロナ禍で2シーズンに渡り外国人選手たちが活動できなかったチーム右京コロナ禍で2シーズンに渡り外国人選手たちが活動できなかったチーム右京 photo:Tour of Thailand4月1日(金)から4月6日(水)にかけて、タイで開催された6日間のステージレース「ツアー・オブ・タイランド(2.1)」。ラオスとの国境に面するタイ東部ムクダーハーンを舞台に、4月でも気温が30度を上回る灼熱のなか合計105名の選手たちが熱い戦いを繰り広げた。

コロナ禍による渡航困難のなか、スタートラインにはチーム右京をはじめマレーシアやドイツ、オーストラリアなど各国のコンチネンタルチーム、そして地元タイやシンガポールのナショナルチームなど19チームが集結。チーム右京は小石祐馬、石橋学、宇賀隆貴の日本人3名に加え、ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア)やレイモンド・クレダー(オランダ)、ネイサン・アール(オーストラリア)を混ぜた6名チームで臨んだ。

集団スプリントに持ち込まれた初日をマルセリ・ボグスワフスキ(ポーランド、HREマゾフシェ・セルチェポルスキ)が制すと、翌日の第2ステージも同じチームのアラン・バナシェク(ポーランド)がクレダーを下し勝利。クレダーは続く第3、4ステージもハリフ・サレ(マレーシア、テレングアヌポリゴン・プロサイクリングチーム)に敗れて3日連続の2位に甘んじたものの、ボーナスタイムを積み重ね、第3、4ステージでリーダージャージを着用した。

第2ステージを制したアラン・バナシェク(ポーランド、HREマゾフシェ・セルチェポルスキ)第2ステージを制したアラン・バナシェク(ポーランド、HREマゾフシェ・セルチェポルスキ) photo:Tour of Thailand連日気温が30度を越え、放水車が選手の身体を冷やすため出動した連日気温が30度を越え、放水車が選手の身体を冷やすため出動した photo:Tour of Thailand
灼熱のタイ東部を進む選手たち灼熱のタイ東部を進む選手たち photo:Tour of Thailand
第3、4ステージと2日連続勝利を挙げたアラン・バナシェク(ポーランド、HREマゾフシェ・セルチェポルスキ)第3、4ステージと2日連続勝利を挙げたアラン・バナシェク(ポーランド、HREマゾフシェ・セルチェポルスキ) photo:Tour of Thailand

小石祐馬を含む5名が逃げ切り、小集団スプリントでナッタポル・ジュムチャット(タイ、タイナショナルチーム)が勝利した第5ステージ。この日クレダーがリーダージャージを失い総合2位と順位を下げたが、逃げ切った小石が4位にジャンプアップし、チーム右京にとって総合優勝を射程圏内に捉えたまま最終日へ。

第6ステージはスタートからラスト1kmまで平坦が続き、最後に最大勾配11%の峠が現れる今大会唯一の登坂フィニッシュ。残り5kmで逃げ集団を捉えたプロトンからネイサン・アール(オーストラリア、チーム右京)が残り100mで飛び出し、元チームスカイでも活躍した新戦力がチーム移籍後初勝利を掴みとった。

登坂フィニッシュの第6ステージを制したネイサン・アール(オーストラリア、チーム右京)登坂フィニッシュの第6ステージを制したネイサン・アール(オーストラリア、チーム右京) photo:Tour of Thailand
第6ステージの優勝と共に山岳賞を獲得したネイサン・アール(オーストラリア、チーム右京)第6ステージの優勝と共に山岳賞を獲得したネイサン・アール(オーストラリア、チーム右京) photo:Tour of Thailand
2020年にチーム右京に加入したものの、コロナ禍でレース活動ができず、今大会がチームとして走る最初のレースだったアール。「言葉がない。チーム右京に加入後、チームに勝利をもたらすまでとても長い時間がかかってしまった。ベンジャミン・ダイボールがスピードを上げ、アシストしてくれたおかげだ」と、山岳賞も合わせて獲得したアールは自身のSNSでコメントしている。

総合優勝は連日上位フィニッシュしてボーナスタイムを積み重ねたバナシェクの手に。総合2位には最終日もステージ5位に入った小石が入り、クレダーが3位とチーム右京が総合表彰台に2人も選手を送り込む上々の結果となった。

ツアー・オブ・タイランド2022総合表彰台:2位小石祐馬(チーム右京)、1位アラン・バナシェク(ポーランド、HREマゾフシェ・セルチェポルスキ)、3位レイモンド・クレダー(オランダ、チーム右京)ツアー・オブ・タイランド2022総合表彰台:2位小石祐馬(チーム右京)、1位アラン・バナシェク(ポーランド、HREマゾフシェ・セルチェポルスキ)、3位レイモンド・クレダー(オランダ、チーム右京) photo:Tour of Thailand
総合2位でUCIポイントを85点獲得した小石は「2年ぶりに海外に出てレースを走るので色々と大変でしたが、無事に総合で表彰台に乗ることができて安心です」とコメント。「今はバスに揺られながらバンコクまでの帰り道で。海外に行くのが大変な時期にレースを走れた事に感謝です」と思いを綴っている。

また、コロナ禍で日本に戻ることができず、2年近くもレースを走れないというブランクを乗り越えたクレダーは「2年という時を経て、ようやくプロトンに戻ってくることができた。自分の調子を疑い、スプリントできるか不安だったが、個人的に成功と呼べる6日間となった。チームとチームメイトに感謝し、休養を経てツアー・オブ・ジャパンに向けて準備していきたい」と喜びと今シーズンへの意欲を表している。
ツアー・オブ・タイランド2022 ステージ優勝者
第1ステージ マルセリ・ボグスワフスキ(ポーランド、HREマゾフシェ・セルチェポルスキ)
第2ステージ アラン・バナシェク(ポーランド、HREマゾフシェ・セルチェポルスキ)
第3ステージ ハリフ・サレ(マレーシア、テレングアヌポリゴン・プロサイクリングチーム)
第4ステージ ハリフ・サレ(マレーシア、テレングアヌポリゴン・プロサイクリングチーム)
第5ステージ ナッタポル・ジュムチャット(タイ、タイナショナルチーム)
第6ステージ ネイサン・アール(オーストラリア、チーム右京)
個人総合成績
1位 アラン・バナシェク(ポーランド、HREマゾフシェ・セルチェポルスキ) 21:27:52
2位 小石祐馬(チーム右京) 0:18
3位 レイモンド・クレダー(オランダ、チーム右京) 0:27
その他の特別賞
ポイント賞 アラン・バナシェク(ポーランド、HREマゾフシェ・セルチェポルスキ)
山岳賞 ネイサン・アール(オーストラリア、チーム右京)
チーム総合 テレングアヌポリゴン・プロサイクリングチーム
text:Sotaro.Arakawa
photo:Tour of Thailand
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