2022/04/06(水) - 14:00
フランスのレーシングバイクブランド、タイムがブランド初となるグラベルバイク"ADHX(Alpe d’Huez X)"を発表。DSM社の超高分子素材ダイニーマを使用することで、優れた性能を発揮するグラベルレーサーへと仕上げられた。
カーボンフレームのスペシャリストとして、多くのイノベーションをもたらしてきたフレンチブランド、タイム。カーボン繊維を自社で編み込み成形するRTM工法を採用する数少ないブランドとして、現在に至るまで高い評価を獲得してきた。
現在、タイムのラインアップにはエアロロードのサイロン、そしてクライミングバイクのAlpe d’Huezというピュアロードレーサーのみがラインアップされてきた。しかし、押し寄せるグラベルライドムーブメントは、ついにフランスの老舗をも動かすことに成功し、ついにタイム初のグラベルバイク"ADHX"が発表されることに。
ADHX、つまりAlpe d’Huez Xのイニシャリズムだというモデル名から察せられる通り、フレーム形状自体はAlpe d’Huezを彷彿とさせるフォルムに仕上げられており、その高いパフォーマンスを予感させる。
実際のところ、タイムはこのADHXを「ファスト・グラベルマシン」として位置づけており、最大タイヤクリアランス38Cという設計からも速さを追求した思想が窺い知れる。過剰なスペックを削ぎ落し、純粋に速さを求めたADHXは、グラベルレースを目標とするようなレーサーや長距離をこなすアドベンチャーライダーにとって、魅力的な選択となるだろう。
しかし、ADHXはただ、Alpe d’ Huezのタイヤクリアランスを広げただけではない。タイムが誇るRTM工法による編カーボン繊維構造のメリットを最大限に活かすため、新たな素材"ダイニーマ"が投入されていることが大きな技術的特徴だ。
ダイニーマとはグローバルサイエンス企業であるDSM(チームDSMのスポンサーでもある)が開発した超高分子量ポリエチレン繊維。同重量のスチールと比較して15倍の強度を持ちながら水に浮くほどの低比重の繊維として、対切創手袋の素材や海洋係留ロープとして鋼線ロープを置き換えるなど幅広い分野で用いられてきた。自転車界においても、スペシャライズドの超軽量シューズ、S-WORKS EXOSのアッパーに採用されるなど活用の幅は広がっている。
今回、タイムはそのダイニーマをRTM工法によってカーボン繊維に編み込むことで、一般的なカーボンプリプレグ構造を上回る性能を獲得することに成功。非常に優れた特性を持っているダイニーマだが、高熱に弱いため従来のカーボンプリプレグを焼成する方法では使用できず、より低温で成形するRTM工法だからこそ利用可能なのだという。
ADHXでは、このダイニーマ繊維をヘッドチューブやダウンチューブ、トップチューブの交差する箇所に編み込むことで、剛性や重量への悪影響を与えることなく強度を飛躍的に向上させることが可能に。大きなインパクトを受けた際にもフレーム破断のリスクが最小限にとどめられるという。オンロードバイクよりも厳しい環境下に置かれるグラベルバイクとして高い性能を確保した。
大きな力がかかるエンドには航空機やレーシングカーにも用いられるフォージドカーボンが使用されている。短い繊維を超高圧高温で焼結したフォージドカーボンは、繊維比率が60%にも及ぶためドリル加工にも耐えうる強度を誇るという。
タイム初となるケーブルフル内装システムを採用したこともADHXの特徴だ。デダのS-DCRシステムによって、ヘッドセットからケーブルをフレーム内部へと導入。一般的なハンドル/ステムにも対応するが、同社のDCRキットを使用すればハンドルステムから直接フレームへとケーブルを完全内蔵することも可能となっている。
トップチューブにはボトルケージ規格のマウントポイントが用意されるほか、フロントシングルにも対応。ディレイラーマウントを取り外した跡をすっきり仕上げるシングルカバーも用意され、どんな組み方をしてもすっきりとしたシルエットを崩さない配慮がされている。
レーシングブランドとして名を馳せたタイムが送り出すグラベルバイク、ADHXはフレームセットでの展開となる。サイズはXSからXLまでの5種類。重量は1,025g(Sサイズ、塗装前)。最大タイヤクリアランスは38Cとなっている。カラーはグロスブラック、グロスアンバー、グロスフォレスト、グロスコバルトの4種類。価格は495,000円(税込)。
タイム ADHX
フレーム素材:BCS Carbon Fiber – Dyneema® Enhanced
シートポスト径:ø27.2mm
最大タイヤ幅:38c
BB:BB386
サイズ:XS, S, M, L, XL
カラー:グロスブラック、グロスアンバー、グロスフォレスト、グロスコバルト
価格:495,000円(税込)
カーボンフレームのスペシャリストとして、多くのイノベーションをもたらしてきたフレンチブランド、タイム。カーボン繊維を自社で編み込み成形するRTM工法を採用する数少ないブランドとして、現在に至るまで高い評価を獲得してきた。
現在、タイムのラインアップにはエアロロードのサイロン、そしてクライミングバイクのAlpe d’Huezというピュアロードレーサーのみがラインアップされてきた。しかし、押し寄せるグラベルライドムーブメントは、ついにフランスの老舗をも動かすことに成功し、ついにタイム初のグラベルバイク"ADHX"が発表されることに。
ADHX、つまりAlpe d’Huez Xのイニシャリズムだというモデル名から察せられる通り、フレーム形状自体はAlpe d’Huezを彷彿とさせるフォルムに仕上げられており、その高いパフォーマンスを予感させる。
実際のところ、タイムはこのADHXを「ファスト・グラベルマシン」として位置づけており、最大タイヤクリアランス38Cという設計からも速さを追求した思想が窺い知れる。過剰なスペックを削ぎ落し、純粋に速さを求めたADHXは、グラベルレースを目標とするようなレーサーや長距離をこなすアドベンチャーライダーにとって、魅力的な選択となるだろう。
しかし、ADHXはただ、Alpe d’ Huezのタイヤクリアランスを広げただけではない。タイムが誇るRTM工法による編カーボン繊維構造のメリットを最大限に活かすため、新たな素材"ダイニーマ"が投入されていることが大きな技術的特徴だ。
ダイニーマとはグローバルサイエンス企業であるDSM(チームDSMのスポンサーでもある)が開発した超高分子量ポリエチレン繊維。同重量のスチールと比較して15倍の強度を持ちながら水に浮くほどの低比重の繊維として、対切創手袋の素材や海洋係留ロープとして鋼線ロープを置き換えるなど幅広い分野で用いられてきた。自転車界においても、スペシャライズドの超軽量シューズ、S-WORKS EXOSのアッパーに採用されるなど活用の幅は広がっている。
今回、タイムはそのダイニーマをRTM工法によってカーボン繊維に編み込むことで、一般的なカーボンプリプレグ構造を上回る性能を獲得することに成功。非常に優れた特性を持っているダイニーマだが、高熱に弱いため従来のカーボンプリプレグを焼成する方法では使用できず、より低温で成形するRTM工法だからこそ利用可能なのだという。
ADHXでは、このダイニーマ繊維をヘッドチューブやダウンチューブ、トップチューブの交差する箇所に編み込むことで、剛性や重量への悪影響を与えることなく強度を飛躍的に向上させることが可能に。大きなインパクトを受けた際にもフレーム破断のリスクが最小限にとどめられるという。オンロードバイクよりも厳しい環境下に置かれるグラベルバイクとして高い性能を確保した。
大きな力がかかるエンドには航空機やレーシングカーにも用いられるフォージドカーボンが使用されている。短い繊維を超高圧高温で焼結したフォージドカーボンは、繊維比率が60%にも及ぶためドリル加工にも耐えうる強度を誇るという。
タイム初となるケーブルフル内装システムを採用したこともADHXの特徴だ。デダのS-DCRシステムによって、ヘッドセットからケーブルをフレーム内部へと導入。一般的なハンドル/ステムにも対応するが、同社のDCRキットを使用すればハンドルステムから直接フレームへとケーブルを完全内蔵することも可能となっている。
トップチューブにはボトルケージ規格のマウントポイントが用意されるほか、フロントシングルにも対応。ディレイラーマウントを取り外した跡をすっきり仕上げるシングルカバーも用意され、どんな組み方をしてもすっきりとしたシルエットを崩さない配慮がされている。
レーシングブランドとして名を馳せたタイムが送り出すグラベルバイク、ADHXはフレームセットでの展開となる。サイズはXSからXLまでの5種類。重量は1,025g(Sサイズ、塗装前)。最大タイヤクリアランスは38Cとなっている。カラーはグロスブラック、グロスアンバー、グロスフォレスト、グロスコバルトの4種類。価格は495,000円(税込)。
タイム ADHX
フレーム素材:BCS Carbon Fiber – Dyneema® Enhanced
シートポスト径:ø27.2mm
最大タイヤ幅:38c
BB:BB386
サイズ:XS, S, M, L, XL
カラー:グロスブラック、グロスアンバー、グロスフォレスト、グロスコバルト
価格:495,000円(税込)
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