イタリアのワンデーレース第44回GPインダストリア&アルティジアナート(1.Pro)が3月27日に開催され、残り1km地点で抜け出したディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)が今季初勝利を飾った。



クサンドロ・ムーリッセ(ベルギー)を中心に強力なメンバーを揃えたアルペシン・フェニックスクサンドロ・ムーリッセ(ベルギー)を中心に強力なメンバーを揃えたアルペシン・フェニックス photo:CorVos
ヘント〜ウェヴェルヘムが開催された3月27日、イタリアのトスカーナ地方にて第44回GPインダストリア&アルティジアナート(1.Pro)が行われた。コースはラ・ルチアーノの街を中心に2つの周回コースをそれぞれ周る192.2km。前半は平坦路を6周、後半はサン・バロント(距離8km/平均3.5%)を含むコースを4周してフィニッシュするアタッカーに有利なレイアウトだ。

今年はヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア)のアスタナカザフスタンや、マルク・ヒルシ(スイス)とディエゴ・ウリッシ(イタリア)を擁するUAEチームエミレーツなど4つのワールドチームを含めた21チームが参加。スタートラインにはクサンドロ・ムーリッセ(ベルギー、アルペシン・フェニックス)や成長著しいフィリッポ・ザナ(イタリア、バルディアーニCSFファイザネ)なども顔を揃えた。

序盤から逃げた5名によるエスケープは、アルペシン・フェニックス率いるメイン集団に早々に捕らえられ、サン・バロントが組み込まれた周回コースに入ると集団は一つにまとまる。ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード)のアタックに追従したチャド・ヘイガ(アメリカ、ヒューマンパワードヘルス)が先行する形でラスト1周回の鐘が鳴った。

地元レースで終盤に見せ場を作ったヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナカザフスタン)地元レースで終盤に見せ場を作ったヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナカザフスタン) photo:CorVos
レース終盤積極的に動いてウリッシの勝利に貢献したマルク・ヒルシ(スイス)レース終盤積極的に動いてウリッシの勝利に貢献したマルク・ヒルシ(スイス) photo:CorVos
共にワールドツアーで長く走ってきた2人による逃げを、ヒルシが牽引するメイン集団がキャッチ。すると残り8km地点から15名まで減ったプロトンからヒルシとニコラ・エデ(フランス、アルケア・サムシック)が飛び出しリードを奪った。

しかしヒルシとエデの逃げを、単独になったエースたちが協力して引き戻し、今度はニバリがカウンターアタックを試みるも決まない。集団からヒルシの動きで脚を溜めていたウリッシと、マキシム・ブエ(フランス、アルケア・サムシック)ら4名が加速し、追走集団がフィニッシュ直前で合流を果たすものの、ウリッシが得意の小集団スプリントを制した。

追走を振り切り勝利したディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)追走を振り切り勝利したディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
「シーズン初勝利を母国イタリアの地で挙げることができ、これ以上なく嬉しい。見事な働きを見せてくれたチームメイトに感謝したい。最高のチームワークがこの結果に繋がった。この後は短い休養の後、次なる連戦に臨む予定だ。今日の勝利がモチベーションを更に高めてくれるだろう」と、シーズン序盤から好調をキープしつつもここまで勝利のなかったウリッシは語った。

また、2位にはガスプロム・ルスヴェロが活動停止処分を受けて以来イタリアナショナルチームの一員としてレースを走るアレッサンドロ・フェデーリが入った。
GPインダストリア&アルティジアナート2022結果
1位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) 4:31:10
2位 アレッサンドロ・フェデーリ(イタリア)
3位 クサンドロ・ムーリッセ(ベルギー、アルペシン・フェニックス)
4位 ナトナエル・テスファツィオン(エリトリア、ドローンホッパー・アンドローニジョカトリ)
5位 アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア)
6位 マキシム・ブエ(フランス、アルケア・サムシック)
7位 トニー・ガロパン(フランス、トレック・セガフレード)
8位 アントニオ・ティベーリ(イタリア、トレック・セガフレード)
9位 マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)
10位 アレッサンドロ・ヴェッレ(イタリア、アルケア・サムシック)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos