2022/02/21(月) - 08:24
UCIワールドツアーがアラブ首長国連邦で開幕。UAEツアー初日の大集団スプリントでヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス)がライバル勢を抑え込んだ。
UCIロードレースの中で最も格式高いワールドツアーシリーズが、いよいよアラブ首長国連邦を舞台にしたUAEツアーで開幕した。
ジロ・デ・イタリア主催者RCSスポルトが中東の石油産油国アラブ首長国連邦を舞台に手がけ、1月のツアー・ダウンアンダー中止によるワールドツアー開幕戦となった大会には17のUCIワールドツアーチーム(コフィディスが人数を集められず参加辞退)と3のUCIプロチームを含む合計20チームが集結した。
7日間続くステージ構成の内訳は、スプリントステージが4、ジュベルジャイスとジュベルハフィート山頂へのフィニッシュがそれぞれ1つずつ、個人タイムトライアルが1つというバランスが取れたもの。もちろん中東レース名物の横風分断の可能性も含まれており、メンバー構成も含めてグランツールの予行演習には最適といえる。
母国開催であり、ツール・ド・フランスに次ぐ重要レースとして参戦するUAEチームエミレーツは昨年覇者タデイ・ポガチャル(スロベニア)やジョアン・アルメイダ(ポルトガル)を筆頭とした一軍メンバーをずらり揃えたものの、スプリントエースを担うフェルナンド・ガビリア(コロンビア)が3度目のコロナ陽性となったため、ボーラ・ハンスグローエから移籍したパスカル・アッカーマン(ドイツ)が代役参戦中だ。
総合優勝を狙うのはポガチャルをはじめ、2020年総合勝者アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)や、今季既に良い走りを見せているアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)、ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)といったメンバー。
また、スプリンターもマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)、アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)、ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)、ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス)、サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)と非常に豪華。ワールドツアーレース初戦にふさわしいメンバーが揃い踏みを果たしている。
UCIロードレースの中で最も格式高いワールドツアーシリーズが、いよいよアラブ首長国連邦を舞台にしたUAEツアーで開幕した。
ジロ・デ・イタリア主催者RCSスポルトが中東の石油産油国アラブ首長国連邦を舞台に手がけ、1月のツアー・ダウンアンダー中止によるワールドツアー開幕戦となった大会には17のUCIワールドツアーチーム(コフィディスが人数を集められず参加辞退)と3のUCIプロチームを含む合計20チームが集結した。
7日間続くステージ構成の内訳は、スプリントステージが4、ジュベルジャイスとジュベルハフィート山頂へのフィニッシュがそれぞれ1つずつ、個人タイムトライアルが1つというバランスが取れたもの。もちろん中東レース名物の横風分断の可能性も含まれており、メンバー構成も含めてグランツールの予行演習には最適といえる。
母国開催であり、ツール・ド・フランスに次ぐ重要レースとして参戦するUAEチームエミレーツは昨年覇者タデイ・ポガチャル(スロベニア)やジョアン・アルメイダ(ポルトガル)を筆頭とした一軍メンバーをずらり揃えたものの、スプリントエースを担うフェルナンド・ガビリア(コロンビア)が3度目のコロナ陽性となったため、ボーラ・ハンスグローエから移籍したパスカル・アッカーマン(ドイツ)が代役参戦中だ。
総合優勝を狙うのはポガチャルをはじめ、2020年総合勝者アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)や、今季既に良い走りを見せているアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)、ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)といったメンバー。
また、スプリンターもマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)、アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)、ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)、ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス)、サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)と非常に豪華。ワールドツアーレース初戦にふさわしいメンバーが揃い踏みを果たしている。
UAEツアー2022ステージリスト
2月20日(日) | 第1ステージ | マディナ・ザヤド〜マディナ・ザヤド(184km) | 平坦 |
2月21日(月) | 第2ステージ | フダイリアットアイランド〜アブダビブレークウォーター(176km) | 平坦 |
2月22日(火) | 第3ステージ | アジュマーン〜アジュマーン(9km) | 個人タイムトライアル |
2月23日(水) | 第4ステージ | フジャイラ城砦〜ジュベルジャイス(181km) | 山頂フィニッシュ |
2月24日(木) | 第5ステージ | ラス・アル・カイマコーニッシュ〜アル・マルジャンアイランド(182km) | 平坦 |
2月25日(金) | 第6ステージ | ドバイ国際博覧会会場〜ドバイ国際博覧会会場(180km) | 平坦 |
2月26日(土) | 第7ステージ | アル・アイン〜ジュベルハフィート(148km) | 山頂フィニッシュ |
UAEツアーの開幕といえばスプリントステージ。マディナ・ザヤドを出発し、真っ直ぐに45号線を南下してモレブ砂丘で折り返すコースは一見ド平坦ながら、砂丘のアップダウンを経るため獲得標高は1,300mを越える。ガスプロムとバルディアーニが2人ずつ送り込み、ロット・スーダルのクサンドレス・フェルフローゼム(ベルギー)が加わった逃げグループが先行し、スプリントを目指すメイン集団が追いかけるという構図が長く続いた。
横風の危険性をはらみつつも、結局集団は一つのまま逃げグループを視界に捉え、タイム差調整を行いながら残り20km地点で引き戻す。砂漠を突き抜ける一直線の幹線道路には向かい風が吹きつけたため、スプリントに向けた本格的ペースアップが行われたのは残り10kmを切ってからだった。
片道4車線の一本道を、スプリンターチームはもちろんのこと、総合エースの危険回避を狙うチームも横一列にトレインを並べて段階的にスピードアップを果たしていく。50km/h、60km/h、そして65km/h超。バイクエクスチェンジ・ジェイコやグルパマFDJが隊列先頭を維持し、フラムルージュ(残り1km)を駆け抜けた。
しかしフランス・オーストラリア連合トレインは、右側から加速したカヴェンディッシュエースのミケル・モルコフ(デンマーク、クイックステップ・アルファヴィニル)に突き崩される。その背後に滑り込んだUAE新加入アッカーマンの加速を皮切りに、スプリンターによる高速バトルが始まった。
アッカーマンはトップスピードに持ち込めず、その後ろからフィリプセンとカヴェンディッシュがスプリント。囲まれて踏めないカヴを尻目にフィリプセンが伸び、後方から追い上げるフルーネウェーヘンをフェンス側に潰しながらフィニッシュへ。進路妨害をアピールするフルーネウェーヘンの前で、ベネットとヴィヴィアーニを押さえつけたフィリプセンが右手を振り上げた。
「本当に素晴らしいシーズンインになった。向かい風の時は追い込むスプリントができるけれど、今日は最後に追い風が吹く高速スプリントだった。思い通りにフルガスで走ることができたよ。僕はプロ初年度はUAEに所属していたけれど、移籍するまでこのレースを走ることはできなかった。ハイレベルのスプリンターが揃う素晴らしいレース。ここで上手く走ることは本当に重要なんだ」と、今シーズン初レースで初勝利を挙げたフィリプセンは話し、真っ赤な総合リーダージャージを受け取っている。
昨年のような横風分断や落車が起きなかったため、総合勢は全員無事にフィリプセンと同タイムフィニッシュ。翌日はアブダビ市街地を駆け巡る平坦ステージで、今のところ強風は吹かない予報。涙を飲んだスプリンターがフィリプセンへのリベンジを誓う。
横風の危険性をはらみつつも、結局集団は一つのまま逃げグループを視界に捉え、タイム差調整を行いながら残り20km地点で引き戻す。砂漠を突き抜ける一直線の幹線道路には向かい風が吹きつけたため、スプリントに向けた本格的ペースアップが行われたのは残り10kmを切ってからだった。
片道4車線の一本道を、スプリンターチームはもちろんのこと、総合エースの危険回避を狙うチームも横一列にトレインを並べて段階的にスピードアップを果たしていく。50km/h、60km/h、そして65km/h超。バイクエクスチェンジ・ジェイコやグルパマFDJが隊列先頭を維持し、フラムルージュ(残り1km)を駆け抜けた。
しかしフランス・オーストラリア連合トレインは、右側から加速したカヴェンディッシュエースのミケル・モルコフ(デンマーク、クイックステップ・アルファヴィニル)に突き崩される。その背後に滑り込んだUAE新加入アッカーマンの加速を皮切りに、スプリンターによる高速バトルが始まった。
アッカーマンはトップスピードに持ち込めず、その後ろからフィリプセンとカヴェンディッシュがスプリント。囲まれて踏めないカヴを尻目にフィリプセンが伸び、後方から追い上げるフルーネウェーヘンをフェンス側に潰しながらフィニッシュへ。進路妨害をアピールするフルーネウェーヘンの前で、ベネットとヴィヴィアーニを押さえつけたフィリプセンが右手を振り上げた。
「本当に素晴らしいシーズンインになった。向かい風の時は追い込むスプリントができるけれど、今日は最後に追い風が吹く高速スプリントだった。思い通りにフルガスで走ることができたよ。僕はプロ初年度はUAEに所属していたけれど、移籍するまでこのレースを走ることはできなかった。ハイレベルのスプリンターが揃う素晴らしいレース。ここで上手く走ることは本当に重要なんだ」と、今シーズン初レースで初勝利を挙げたフィリプセンは話し、真っ赤な総合リーダージャージを受け取っている。
昨年のような横風分断や落車が起きなかったため、総合勢は全員無事にフィリプセンと同タイムフィニッシュ。翌日はアブダビ市街地を駆け巡る平坦ステージで、今のところ強風は吹かない予報。涙を飲んだスプリンターがフィリプセンへのリベンジを誓う。
UAEツアー2022第1ステージ結果
1位 | ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | 4:42:34 |
2位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | |
3位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | |
4位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | |
5位 | エミルス・リエピンス(ラトビア、トレック・セガフレード) | |
6位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | |
7位 | マックス・カンター(ドイツ、モビスター) | |
8位 | オラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
9位 | トム・デヴリーント(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
10位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ) |
個人総合成績
1位 | ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | 4:42:34 |
2位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | |
3位 | ドミトリ・ストラコフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ) | |
4位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | |
5位 | アレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニ CSFファイザネ) | |
6位 | クサンドレス・フェルフローゼム(ベルギー、ロット・スーダル) | |
7位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | |
8位 | エミルス・リエピンス(ラトビア、トレック・セガフレード) | |
9位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | |
10位 | マックス・カンター(ドイツ、モビスター) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス) |
ヤングライダー賞 | ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス) |
チーム総合成績 | ボーラ・ハンスグローエ |
text:So Isobe
photo:CorVos, UAE tour
photo:CorVos, UAE tour
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