トップシクロクロス選手、トーン・アールツ(ベルギー)の尿検体から禁止物質が検出されたことを所属チームが発表した。アールツは「聞いたこともない製品名で、どうやって体に入ったか分からない」と無実を主張している。



トーン・アールツ(中央、ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)トーン・アールツ(中央、ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) photo:CorVos
トーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)の尿サンプルから検出されたのは、禁止薬物としてリスト登録されているレトロゾール。乳がんの治療薬や排卵誘発剤として使用されるレトロゾールだが、テストステロンを上昇させ、マスキング剤としての用途もあることで知られている。

尿サンプルは1月19日の競技外チェックで採取されたもの。ヨーロッパのシクロクロスカレンダーは小規模レースを残すのみとなっているが、現在アールツはチームから暫定的な出場停止指示を受けているという。

先週末のX2Oバドカマートロフェーでシリーズランキング相互優勝を確定させたアールツは無実を主張。「アスリートとして生活する中で受け取りたくない通知を受けてしまった。僕の世界は暗転してしまった。製品名すら聞いたことがなかったし、どのように身体に入ったのかも分からない。今は全くレースに集中できないので、チームと相談して、物事が明らかになるまでシーズンを終えることにした」と話している。

「僕のことを少しでも知っている人なら、誰でも僕がドーピングに反対し、アスリートとして模範であることに力を尽くしてきたことを知っている。僕は自分の無実を証明するためにできる限りのことをする。Bサンプルの分析と更なる調査を待つ間、コメントは差し控えさせてもらいたい」とチームリリースでコメントしている。

また、チームは「この結果を受け、トーンが禁止物質を含む可能性のある製品を服用していないという話を受け入れた。彼に関するより良い続報に期待している」と話している。

text:So.Isobe

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