2022/02/14(月) - 18:30
JCLの都市型エキシビションレース「みなとみらいサイクルフェス」が横浜の赤レンガパークで開催された。熱戦が繰り広げられたJCLエキシビションレースは小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)がスプリントを制した。ファン交流イベントとして行われた自転車教室や走行会など、選手とファンの交流の様子も併せてレポートしていく。
1周400mの特設コース photo:Michinari TAKAGI
2月12日(土)にJCLの都市型エキシビションレース「みなとみらいサイクルフェス」が開催された。大会前には降雪予報が出され前日まで開催が危ぶまれていたが、ふたを開けてみれば雲ひとつない快晴となり、路面もドライな状況に。最高気温こそ10℃を下回っていたが、太陽の日差しが暖かく穏やかな天候の中行われた。
みなとみらいサイクルフェスの舞台となったのは横浜市の認定歴史的建造物である赤レンガ倉庫付近の「赤レンガパーク」。横浜みなとみらい地区の代表的な観光施設である赤レンガ倉庫の前に、1周400mの特設コースが用意された。広いオーバルコーナーと狭く鋭角に曲がるコーナー、舗装路ではなくタイルが敷き詰められた路面と、短い一方でテクニカルなコース設定は観客を沸かすに十分。
みなとみらいサイクルフェスの舞台は赤レンガ倉庫付近の赤レンガパーク photo:Michinari TAKAGI
一般走行会は3回に分けて実施された photo:Itaru Mitsui
一般走行会の参加者と一緒に走るキナンレーシングチームの山本元喜と畑中勇介 photo:Michinari TAKAGI
横浜ベイブリッジと大さん橋ターミナルを背景に走る参加者の皆さん photo:Michinari TAKAGI
走行会を楽しむ親子のサイクリスト photo:Michinari TAKAGI
小学生を対象としたキナンレーシングチームの安全教室も実施 photo:Itaru Mitsui
エキシビションレースの前にはこの日だけ走れるレースコースを利用し、選手との交流もできる一般走行会が実施された。密にならないよう全三回とされた走行会では、JCL選手とトークをしながら走るファンの方や横浜の景色を楽しみながら走る親子など、それぞれの楽しみ方で満喫していた。
走行会の他にも、交流イベントの一環として小学生を対象とした自転車教室も実施された。キナンレーシングチームの鈴木宏幸をコーチに迎え、多くの小学生が適切なタイミングでのブレーキングやバランス感覚を養う一本橋などに真剣に取り組んでいた。
熱戦が繰り広げられたエキシビションレース
JCLの8チーム計16名の選手が特設コースのスタートラインに並ぶ photo:Itaru Mitsui
赤レンガ倉庫前を駆け抜けるJCLの選手たち photo:Itaru Mitsui
メインイベントとして開催されたエキシビションレースは400mの周回コースを30周する12kmのクリテリウム。出場したのはJCLの8チームから計16名の選手がチームごとにコールアップされ、特設コースのスタートラインに並んだ。
スタート直後からタイトなコーナーが続き、コース幅も普段のレースより狭いこともあり、集団は一気に一列棒状に。主導権を取ったのはベテランの畑中勇介(キナンレーシングチーム)。逃げを狙うチームがアタックを繰り出す中で、勢いよく飛び出した山本元喜(キナンレーシングチーム)に林伶音(ヴィクトワール広島)と横塚浩平(VC福岡)、高木三千成(さいたまディレーブ)が追いつく形で、4名の逃げ集団が形成された。
序盤のアタック合戦の中、4名の逃げ集団が形成された photo:Itaru Mitsui
コースの特性上、一列棒状でハイペースな展開となった photo:Itaru Mitsui
ラスト4周にカウンターアタックで形成された宇賀隆貴(チーム右京相模原)たち photo:Itaru Mitsui
逃げがコンスタントにペースを刻む中、差が開いていくメイン集団をスプリンターの小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)を有する宇都宮ブリッツェンとチーム右京相模原がコントロールし始め、終盤にかけて徐々に逃げ集団とのタイム差を縮めていく。
逃げを捕えたラスト4周でカウンターアタックを仕掛けた小野寺玲と宇賀隆貴(チーム右京相模原)。そこに海野晋作(レバンテフジ静岡)が単独ブリッジに成功する。このままフィニッシュへとなだれ込んだ3名のスプリントを小野寺が制し、優勝を決めた。
3名のゴールスプリントを小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が制した photo:Itaru Mitsui
表彰式ではシャンパンの代わりにイチゴミルクシェイクで乾杯 photo:Itaru Mitsui
レース後には観客に囲まれながら表彰式が行われた。赤レンガ倉庫では同日開催で「ストロベリーフェスティバル2022」が開催されていたこともあり、シャンパンの代わりにイチゴミルクシェイクが用意された。優勝した小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)と2位の宇賀隆貴(チーム右京相模原)、3位の海野晋作(レバンテフジ静岡)はお互いの健闘を讃え、乾杯した。
「これだけ大勢の人の中、レースができたことが嬉しいですね。横浜は自分が元々住んでいた街でもあり、感慨深いものがありました。集団待機で勝ちに行くというこれまでのスタイルを変えていきたいと望み、自分から動いて掴んだ展開でした。スプリント力のある宇賀選手は警戒していましたが、最後に良いラインを取れたので100%のスプリントを出し切れました」と優勝した小野寺。「今年は『ロードレースでも勝てる小野寺』として認知されるように、これまでとは違うスタイル、違う自分を見せていこうと思います!」と今シーズンのビジョンを語った。
レース後にはJCL選手らと一緒に写真を撮ったり、トークしたりと久しぶりに選手とファンの交流も行われ、和やかな雰囲気のまま無事にイベントは終了。イベントを締めくくる閉会式には、エキシビションレースに出場した選手全員が参加し、楽しい1日を締めくくった。
選手とファンが久しぶりに交流する場になっていた photo:Michinari TAKAGI
赤レンガ倉庫を背景に選手と記念撮影 photo:Michinari TAKAGI
イベントの最後にはエキシビションレースに出場した選手全員が整列 photo:Itaru Mitsui
今回、私(高木)はさいたまディレーブ所属の選手として走る機会に恵まれたが、選手生活の中でまさか赤レンガ倉庫の前でレースが出来る機会があるとは思わなかった。普段の赤レンガパークは自転車乗入れ禁止のため、赤レンガ倉庫と海を見ながら走ることができる貴重な機会でもあり、ファンの方と共に走った走行会では横浜の景色を楽しませてもらった。
普段のレースでは考えられないほど多くの観客が集まっていたのも著名な観光スポットである赤レンガ倉庫だからこそ。絶えることのない声援の中で走るという貴重な機会であり、応援される選手として純粋に嬉しく、またロードレースという競技の人気を高めていくという面でも大きな意義があったのではないかと思う。
こういった機会にロードレース、そして自転車の魅力をより多くの人に体験してもらうことで、また次の機会につながっていくはずだ。多くの人の目に触れる都市型イベントが定期的に開催される日が来ることが待ち遠しい。
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2月12日(土)にJCLの都市型エキシビションレース「みなとみらいサイクルフェス」が開催された。大会前には降雪予報が出され前日まで開催が危ぶまれていたが、ふたを開けてみれば雲ひとつない快晴となり、路面もドライな状況に。最高気温こそ10℃を下回っていたが、太陽の日差しが暖かく穏やかな天候の中行われた。
みなとみらいサイクルフェスの舞台となったのは横浜市の認定歴史的建造物である赤レンガ倉庫付近の「赤レンガパーク」。横浜みなとみらい地区の代表的な観光施設である赤レンガ倉庫の前に、1周400mの特設コースが用意された。広いオーバルコーナーと狭く鋭角に曲がるコーナー、舗装路ではなくタイルが敷き詰められた路面と、短い一方でテクニカルなコース設定は観客を沸かすに十分。
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エキシビションレースの前にはこの日だけ走れるレースコースを利用し、選手との交流もできる一般走行会が実施された。密にならないよう全三回とされた走行会では、JCL選手とトークをしながら走るファンの方や横浜の景色を楽しみながら走る親子など、それぞれの楽しみ方で満喫していた。
走行会の他にも、交流イベントの一環として小学生を対象とした自転車教室も実施された。キナンレーシングチームの鈴木宏幸をコーチに迎え、多くの小学生が適切なタイミングでのブレーキングやバランス感覚を養う一本橋などに真剣に取り組んでいた。
熱戦が繰り広げられたエキシビションレース
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メインイベントとして開催されたエキシビションレースは400mの周回コースを30周する12kmのクリテリウム。出場したのはJCLの8チームから計16名の選手がチームごとにコールアップされ、特設コースのスタートラインに並んだ。
スタート直後からタイトなコーナーが続き、コース幅も普段のレースより狭いこともあり、集団は一気に一列棒状に。主導権を取ったのはベテランの畑中勇介(キナンレーシングチーム)。逃げを狙うチームがアタックを繰り出す中で、勢いよく飛び出した山本元喜(キナンレーシングチーム)に林伶音(ヴィクトワール広島)と横塚浩平(VC福岡)、高木三千成(さいたまディレーブ)が追いつく形で、4名の逃げ集団が形成された。
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逃げを捕えたラスト4周でカウンターアタックを仕掛けた小野寺玲と宇賀隆貴(チーム右京相模原)。そこに海野晋作(レバンテフジ静岡)が単独ブリッジに成功する。このままフィニッシュへとなだれ込んだ3名のスプリントを小野寺が制し、優勝を決めた。
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レース後には観客に囲まれながら表彰式が行われた。赤レンガ倉庫では同日開催で「ストロベリーフェスティバル2022」が開催されていたこともあり、シャンパンの代わりにイチゴミルクシェイクが用意された。優勝した小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)と2位の宇賀隆貴(チーム右京相模原)、3位の海野晋作(レバンテフジ静岡)はお互いの健闘を讃え、乾杯した。
「これだけ大勢の人の中、レースができたことが嬉しいですね。横浜は自分が元々住んでいた街でもあり、感慨深いものがありました。集団待機で勝ちに行くというこれまでのスタイルを変えていきたいと望み、自分から動いて掴んだ展開でした。スプリント力のある宇賀選手は警戒していましたが、最後に良いラインを取れたので100%のスプリントを出し切れました」と優勝した小野寺。「今年は『ロードレースでも勝てる小野寺』として認知されるように、これまでとは違うスタイル、違う自分を見せていこうと思います!」と今シーズンのビジョンを語った。
レース後にはJCL選手らと一緒に写真を撮ったり、トークしたりと久しぶりに選手とファンの交流も行われ、和やかな雰囲気のまま無事にイベントは終了。イベントを締めくくる閉会式には、エキシビションレースに出場した選手全員が参加し、楽しい1日を締めくくった。
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今回、私(高木)はさいたまディレーブ所属の選手として走る機会に恵まれたが、選手生活の中でまさか赤レンガ倉庫の前でレースが出来る機会があるとは思わなかった。普段の赤レンガパークは自転車乗入れ禁止のため、赤レンガ倉庫と海を見ながら走ることができる貴重な機会でもあり、ファンの方と共に走った走行会では横浜の景色を楽しませてもらった。
普段のレースでは考えられないほど多くの観客が集まっていたのも著名な観光スポットである赤レンガ倉庫だからこそ。絶えることのない声援の中で走るという貴重な機会であり、応援される選手として純粋に嬉しく、またロードレースという競技の人気を高めていくという面でも大きな意義があったのではないかと思う。
こういった機会にロードレース、そして自転車の魅力をより多くの人に体験してもらうことで、また次の機会につながっていくはずだ。多くの人の目に触れる都市型イベントが定期的に開催される日が来ることが待ち遠しい。
みなとみらいサイクルフェス エキシビションレース結果
1位 | 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) |
2位 | 宇賀隆貴(チーム右京相模原) |
3位 | 海野晋作(レバンテフジ静岡) |
text:Michinari TAKAGI
photo:Itaru Mitsui & Michinari TAKAGI
photo:Itaru Mitsui & Michinari TAKAGI
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