ピドコック「簡単なレースではなかった」ファンデルハール「ベルギー勢は悔しがっているはず」

「戦略を立て臨んできたベルギー勢に真っ向から立ち向かった。ストレスの大きいなかで勝てて本当に嬉しい」とは、アルカンシエルを獲得したトーマス・ピドコック（イギリス）。2位のファンデルハールや、それぞれ敗因を語るベルギー勢のコメントを紹介します。

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優勝　トーマス・ピドコック（イギリス）

アルカンシエルを身に纏ったトーマス・ピドコック（イギリス） photo:Nobuhiko Tanabe
世界選手権はいつも厳しいレースになる。路面がドライになれば戦略の重要度が上がり、ベルギー勢は予想通りに戦略的なレースをしてきた。僕は彼らに真っ向から立ち向かう気持ちで挑み、そうしたらチャンスがやってきたので掴みにいったんだ。

もしワウト（ファンアールト）とマチュー（ファンデルプール）がいたら、僕の勝つ可能性は低かっただろう。みんな「2人がいなければ勝つのは容易い」と言うが、誰が出場しようが強い気持ちでレースに向かわないと勝利は掴めない。

僕たち（英国チーム）はプランを持ってこのレースに挑み、それを愚直に実行した。とても上手く行って本当に良かった。1週間前にここアメリカにやってきて以来、ずっとホテルに閉じ込められていた。そのストレスを跳ねのけ、優勝することができて本当に嬉しいよ。

2位　ラース・ファンデルハール（オランダ）

冷静な走りで2位を掴んだラース・ファンデルハール（オランダ） photo:Nobuhiko Tanabe
金メダルを逃してしまった。でもこのレースの様子では2位が最高の結果だっただろう。今日の調子は非常によかっただけに、どうしてもアルカンシエルが欲しかった。残念だよ。でも僕以上にベルギー勢は悔しいだろうね。彼らは僕につけ入るスペースを与えてしまい、イゼルビットのために自らの成績を犠牲にしてピドコックを追っていた。これ以上は望めないとは思わないまでも、今年はとても良いシーズンだったよ。

3位　エリ・イゼルビット（ベルギー）

ベルギー勢最高位も、悔しさを浮かべるエリ・イゼルビット（ベルギー） photo:Nobuhiko Tanabe
出来ることは全てやったし、大きなミスもなかった。全体のペースは速かったものの、ピドコックはその上を行く速さだった。これが僕たちの全力だ。ラース（ファンデルハール）は後半に飛ばし、ピドコックはその差を徐々に広げていった。

もちろんアルカンシエルを逃して悔しいが、全ての勝利は等しく素晴らしい。もちろんアルカンシエルに多少の特別感はあるけどね。

4位　マイケル・ファントーレンハウト（ベルギー）

表彰台に一歩及ばなかったマイケル・ファントーレンハウト（ベルギー） photo:Nobuhiko Tanabe
一刻も早くピドコックの後ろにつくべきだった。小さな登りで加速し、後続の僕らはラインを妨げられてしまった。彼を自由に行かせるべきではなかった。後ろにつきさえすれば、さすがの彼も僕たちを引き離すことはできなかっただろう。2番手にいた僕は、チームのためピドコックとの差を埋めるべく懸命に踏んだ。でも次第にそれが難しいことがわかってきたんだ。

ベストを尽くした結果の4位だ。表彰台に上がれず悔しいが、加速したエリ（イゼルビット）とラース（ファンデルハール）についていく脚は残っていなかった。

6位　トーン・アールツ（ベルギー）

序盤は積極的に攻めるも結果に結びつかなかったトーン・アールツ（ベルギー） photo:Nobuhiko Tanabe
マチューとワウトのいない絶好の機会だった。しかし、ここの暑い気候は僕たちベルギー人に味方しなかったようだ。その結果トム（ピドコック）とラースにプレッシャーを与えることができなかった。ピドコックは慌てることなく勝利を掴み取った。ベルギー人が勝つにはまた違うコースが必要だったね。

8位　ローレンス・スウェーク（ベルギー）

レース後にベルギー勢の協調を訴えたローレンス・スウェーク（ベルギー） photo:Nobuhiko Tanabe
ベルギーチームとしてもっと協力し合うべきだった。皆が自己犠牲ではなく自分の順位に固執したのが敗因だろう。そうすれば先頭との差を詰められたはずだし、ピドコックに勝っていたとまでは言わないまでもベルギーにもう一つメダルが増えていただろう。

text:Sotaro.Arakawa
photo:Nobuhiko Tanabe