2021/12/30(木) - 14:57
いよいよ2022年まであと2日。コロナ禍に翻弄されつつも、2021年の海外ロードレースカレンダーはほぼ本来通りのスケジュールで進み、白熱した素晴らしいドラマを生み出した。今年の3大グランツールと”モニュメント”を中心に、前後編でプレイバックします。
コロナ禍による半年に及ぶレース休止期間と、それを取り返すシーズン後半の超レース過密期間を消化した2020年を終え、2021年の海外ロードレースカレンダーは「ウィズコロナ時代」を示すかのようにほぼ本来通りのスケジュールに。ただしツアー・ダウンアンダーやGPケベック&モンレアル(カナダ)の開催中止や、パリ〜ルーベの秋開催など影響を受けたレースも少なくはなかった。
ワールドツアー初戦のUAEツアーでは昨年ツール覇者のタデイ・ポガチャル(スロベニア)がその実力を遺憾無く発揮して総合優勝し、もはやモニュメントに次ぐステータスを得たストラーデビアンケではシエナ市街地の坂でアラフィリップとベルナルを打ち負かしたマチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)が初優勝。そうして迎えたモニュメント(ワンデークラシックの中で最も格式高いレース)初戦のミラノ〜サンレモには、世界屈指のトップ選手がずらり勢揃いした。
2年ぶりの春開催となった「ラ・プリマヴェーラ」は、やはり終盤の連続丘越え区間でジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)やワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が激しいアタック合戦を繰り広げたものの、一瞬の隙を突いたヤスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)が独走に持ち込み、迫り来る追走集団を振り切ってフィニッシュ。これぞミラノ〜サンレモと形容できる、0秒差の劇的勝利でキャリア最大の勝利を打ち立てたのだった。
ミラノ〜サンレモで活躍したストゥイヴェンやファンアールト、ファンデルプールといった大柄なクラシックハンターは、休むことなくまだ暗く寒いベルギー・フランドルへ。セミクラシックを経て、パリ〜ルーベが10月開催となったことでこの時期開催される唯一無二の”石畳レースの頂点”となったロンド・ファン・フラーデレンで再戦した。
前回大会から5ヶ月というショートスパンで開催された”クラシックの王様”は、中盤以降様々な思惑が絡み合うアタックの応酬となり、名物登坂「オウデ・クワレモント」でファンデルプールとカスパー・アスグリーン(デンマーク、エレガント・クイックステップ)が抜け出し、ファンアールトを引きちぎって逃げ切り。スプリントで先行するファンデルプールを抜き去り、アスグリーンが自身初のモニュメント制覇を果たしている。
パリ〜ルーベを待ち遠しく想いつつ、ロンドを最後に世間の注目は「北のクラシック」から「アルデンヌクラシック」に移行。アムステルゴールドレースをファンアールトが、ラ・フレーシュ・ワロンヌをアラフィリップが制す中、最終戦であり最も格調高いリエージュ〜バストーニュ〜リエージュを制したのは波に乗るポガチャルだった。
決着がついたのは最大の勝負どころである「ラ・ロッシュ・オ・フォーコン」で抜け出した5名の精鋭グループによるスプリント。アラフィリップやバルベルデを退け、伸びやかな加速力でポガチャルがモニュメント初制覇。登坂のみならず、スプリント力も一級品であることを世間に見せつけた。
5月に入るといよいよグランツール初戦ジロ・デ・イタリアが開幕!フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)の開幕個人TT優勝とマリアローザ獲得で幕明けた”コルサ・ローザ”は、その後タコ・ファンデルホールン(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)の逃げ切りや、アッティラ・ヴァルテル(ハンガリー、グルパマFDJ)によるハンガリー人選手としてグランツールで初の総合リーダージャージ獲得を挟みつつ、9日目には未舗装&急勾配の1級山岳カンポ・フェリーチェでエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)が自身初のグランツールステージ優勝とマリアローザ獲得を果たした。
昨年ツールの失敗を帳消しにするかのごとく、その後ベルナルは難関山岳が現れるたびにリードを確固たるものにし、コルティナ・ダンペッツォを登って下る16日目の短縮クイーンステージでは区間2勝目をゲット。第3週目には少し調子を崩したものの、大会終盤に持ち直し、第104代ジロ・デ・イタリア勝者に輝いた。
コロナ禍による半年に及ぶレース休止期間と、それを取り返すシーズン後半の超レース過密期間を消化した2020年を終え、2021年の海外ロードレースカレンダーは「ウィズコロナ時代」を示すかのようにほぼ本来通りのスケジュールに。ただしツアー・ダウンアンダーやGPケベック&モンレアル(カナダ)の開催中止や、パリ〜ルーベの秋開催など影響を受けたレースも少なくはなかった。
ワールドツアー初戦のUAEツアーでは昨年ツール覇者のタデイ・ポガチャル(スロベニア)がその実力を遺憾無く発揮して総合優勝し、もはやモニュメントに次ぐステータスを得たストラーデビアンケではシエナ市街地の坂でアラフィリップとベルナルを打ち負かしたマチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)が初優勝。そうして迎えたモニュメント(ワンデークラシックの中で最も格式高いレース)初戦のミラノ〜サンレモには、世界屈指のトップ選手がずらり勢揃いした。
2年ぶりの春開催となった「ラ・プリマヴェーラ」は、やはり終盤の連続丘越え区間でジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)やワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が激しいアタック合戦を繰り広げたものの、一瞬の隙を突いたヤスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)が独走に持ち込み、迫り来る追走集団を振り切ってフィニッシュ。これぞミラノ〜サンレモと形容できる、0秒差の劇的勝利でキャリア最大の勝利を打ち立てたのだった。
ミラノ〜サンレモで活躍したストゥイヴェンやファンアールト、ファンデルプールといった大柄なクラシックハンターは、休むことなくまだ暗く寒いベルギー・フランドルへ。セミクラシックを経て、パリ〜ルーベが10月開催となったことでこの時期開催される唯一無二の”石畳レースの頂点”となったロンド・ファン・フラーデレンで再戦した。
前回大会から5ヶ月というショートスパンで開催された”クラシックの王様”は、中盤以降様々な思惑が絡み合うアタックの応酬となり、名物登坂「オウデ・クワレモント」でファンデルプールとカスパー・アスグリーン(デンマーク、エレガント・クイックステップ)が抜け出し、ファンアールトを引きちぎって逃げ切り。スプリントで先行するファンデルプールを抜き去り、アスグリーンが自身初のモニュメント制覇を果たしている。
パリ〜ルーベを待ち遠しく想いつつ、ロンドを最後に世間の注目は「北のクラシック」から「アルデンヌクラシック」に移行。アムステルゴールドレースをファンアールトが、ラ・フレーシュ・ワロンヌをアラフィリップが制す中、最終戦であり最も格調高いリエージュ〜バストーニュ〜リエージュを制したのは波に乗るポガチャルだった。
決着がついたのは最大の勝負どころである「ラ・ロッシュ・オ・フォーコン」で抜け出した5名の精鋭グループによるスプリント。アラフィリップやバルベルデを退け、伸びやかな加速力でポガチャルがモニュメント初制覇。登坂のみならず、スプリント力も一級品であることを世間に見せつけた。
5月に入るといよいよグランツール初戦ジロ・デ・イタリアが開幕!フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)の開幕個人TT優勝とマリアローザ獲得で幕明けた”コルサ・ローザ”は、その後タコ・ファンデルホールン(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)の逃げ切りや、アッティラ・ヴァルテル(ハンガリー、グルパマFDJ)によるハンガリー人選手としてグランツールで初の総合リーダージャージ獲得を挟みつつ、9日目には未舗装&急勾配の1級山岳カンポ・フェリーチェでエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)が自身初のグランツールステージ優勝とマリアローザ獲得を果たした。
昨年ツールの失敗を帳消しにするかのごとく、その後ベルナルは難関山岳が現れるたびにリードを確固たるものにし、コルティナ・ダンペッツォを登って下る16日目の短縮クイーンステージでは区間2勝目をゲット。第3週目には少し調子を崩したものの、大会終盤に持ち直し、第104代ジロ・デ・イタリア勝者に輝いた。
Amazon.co.jp