2021/11/08(月) - 08:56
JCXシリーズ第2戦として幕張クロスが開催され、C1では序盤から他の選手を圧倒した織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が大会3連覇を達成。CL1では石田唯(早稲田大学)がJCXシリーズ初優勝を果たした。
11月7日、今年も千葉県千葉市の幕張メッセに隣接する幕張海浜公園にて幕張クロスがJCXシリーズの第2戦として開催された。10月に行われたJCXシリーズの開幕戦となった「ルノーつくば presents 茨城シクロクロス第2戦取手ステージ」から約1か月。12月に土浦で行われる全日本選手権に向けて、これから4週連続で続くJCXシリーズ戦の最初のレースとなった。
終日晴れ間が続く好天の中開催された幕張クロス。来場者には事前に健康チェックシートの提出が義務付けられ、入場にあたっても検温が実施されるなど、感染症対策も実施。同日には千葉公園でのMTB全日本選手権や、栃木県ではJCL(ジャパンサイクルリーグ)のレースが開催されるなど、イベントが多数開催されていた中でも、トップカテゴリーとなるC1レースが開始される頃には多くの観客が観戦に訪れていた。
コースは例年同様"忍者返し"と呼ばれるテクニカルセクションやシケインなどテクニックで差がつくエリアと、芝生エリアのハイスピードエリアを組み合わせた、テクニックもパワーも要求される全長2.5kmのコースだ。
メインレースとなるC1には85名の選手が出走。同日、千葉公園にてMTB XCCの全日本選手権が開催された関係で、全日本チャンピオンの沢田時(チームブリヂストンサイクリング)らのエントリーはなかったものの、織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)や小坂光(宇都宮ブリッツェン)といったトップライダー達がスタートラインに並んだ。
1周目こそ団子状態で進むが、2周目に実力差を見せつけるように抜け出したのは織田だった。後方では小坂と斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)がパックを組み、さらに後方スタートだった副島達海(Limited Team 846)が他の選手をごぼう抜きする形で小坂、斎藤のパックに追い付く。関東では名前を聞かない副島だが、昨シーズンまでジュニアカテゴリーでJCFの強化指定に選ばれており、U-23に昇格した今シーズンは先日行われた関西シクロクロス開幕戦富田林でいきなりC1初優勝を果たした選手だ。
織田が軽快に飛ばす中、2位争いは周回ごとに順位を入れ替える形で、目まぐるしく順位が入れ替わった。6周目に副島が小坂、斎藤から若干遅れ、7周目に斎藤もコース中盤の"忍者返し"セクションでパンクさせて2位争いから脱落。小坂は単独2位で最終周を迎えた。
織田は最後までミスすることなく安定したレースを展開し、2位小坂とは1分以上差をつけ、フルラップ完走は28名までに減らす圧倒的な力でJCXシリーズ2連勝、そして大会3連覇を飾った。2位はこちらも終始安定したレースを見せた小坂が入り、3位にはJCX初表彰台となる副島が入った。
「沢田選手が不在の中でのレースだったので、今回は勝たなければならないレースだと思っていて、無事に勝てて良かったです。今日のレースはトレーニングプランの中に入れていたので、しっかりと追い込めて良かったです」と振り返る織田。喜ぶというよりも、勝てて安堵するような様子がそこにはあった。
「全日本ロードの後にオフを取ってしまったので、今はコンディションを作り直している段階。シクロクロスの全日本に向けてコンディションを上げていきたい」と、12月の全日本選手権に向けて織田は語ってくれた。
テクニックが勝負を分けたCL1 石田唯がJCX初勝利
もう一つのメインレースであるCL1には19名の選手が出走。10月に行われたJCX開幕戦を制した渡部春雅(明治大学)や、昨シーズンのJCXランキングで2位に入っている中島瞳(弱虫ペダルサイクリングチーム)らがスタートラインに並んだ。
1周目から渡部と福田咲絵(AX cyclocross team)や石田唯(早稲田大学)、中島が抜け出すと、2周目には渡部が単独先行を開始。2位パックには福田、石田が入り、中島は3名から遅れてしまう。
順調にレースを展開するかと思われた渡部だが、3周目のコース中盤にある"忍者返し"セクションでタイヤをパンクさせてしまい、2位パックの福田、石田に逆転されてしまう。フィジカルで勝る福田と、テクニックで勝る石田は、それぞれ得意なエリアで前に出るが、お互いを突き放すまでには至らず、パックでのレースが続く。
そんな中、最終周に入る前のコース後半にある"忍者返し"セクションで、同セクションを乗車でクリアする石田に対して、福田は降車してしまい、若干の差が生まれた。懸命に石田を追う福田だが、一度ついてしまった差を取り戻すことはできず、石田が独走でJCXシリーズ初優勝を飾った。
「芝生エリアではフィジカル的に福田選手の方が、未舗装路では自分の方が得意だったので、芝生エリアで千切られないように我慢して最後までいけたので、理想的な展開だったかなと思います」と石田はレースを振り返る。
「シクロクロスでは次のレースが全日本選手権になります。大学の近くでシクロクロスの練習ができる場所があるので、テクニック面はそこで練習しようと思っています。フィジカル面はトラックの全日本選手権に向けて仕上げていくつもりなので、そこで合わせられればと思います」と、同日開催となるトラックとシクロクロスの全日本選手権を両方出る意欲を石田は見せた。
※トラックの全日本選手権は4日間開催で、出場種目によってはシクロクロスの全日本選手権へも出場可能な可能性がある
その他カテゴリー
CM1では太田好政(Rapha Cycling Club)が2位パックを形成する生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス)、山本誠一(DEVOTION)、田崎友康(ToyoFrame)を突き放して優勝。C2では1分前スタートしたジュニアカテゴリのトップに迫る快走を見せたアレクサンダー・ジェームス(Nil)が優勝を飾った。
来週11月13日および14日は、4週連続となるJCXシリーズの2戦目(シリーズとしては3戦目)としてRaphaスーパークロス野辺山が開催。2年ぶりの開催となるRaphaスーパークロス野辺山は、2日目となる14日のレースをUCIレースとして開催する予定だ(1日目はJCXレースとして開催)。
11月7日、今年も千葉県千葉市の幕張メッセに隣接する幕張海浜公園にて幕張クロスがJCXシリーズの第2戦として開催された。10月に行われたJCXシリーズの開幕戦となった「ルノーつくば presents 茨城シクロクロス第2戦取手ステージ」から約1か月。12月に土浦で行われる全日本選手権に向けて、これから4週連続で続くJCXシリーズ戦の最初のレースとなった。
終日晴れ間が続く好天の中開催された幕張クロス。来場者には事前に健康チェックシートの提出が義務付けられ、入場にあたっても検温が実施されるなど、感染症対策も実施。同日には千葉公園でのMTB全日本選手権や、栃木県ではJCL(ジャパンサイクルリーグ)のレースが開催されるなど、イベントが多数開催されていた中でも、トップカテゴリーとなるC1レースが開始される頃には多くの観客が観戦に訪れていた。
コースは例年同様"忍者返し"と呼ばれるテクニカルセクションやシケインなどテクニックで差がつくエリアと、芝生エリアのハイスピードエリアを組み合わせた、テクニックもパワーも要求される全長2.5kmのコースだ。
メインレースとなるC1には85名の選手が出走。同日、千葉公園にてMTB XCCの全日本選手権が開催された関係で、全日本チャンピオンの沢田時(チームブリヂストンサイクリング)らのエントリーはなかったものの、織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)や小坂光(宇都宮ブリッツェン)といったトップライダー達がスタートラインに並んだ。
1周目こそ団子状態で進むが、2周目に実力差を見せつけるように抜け出したのは織田だった。後方では小坂と斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)がパックを組み、さらに後方スタートだった副島達海(Limited Team 846)が他の選手をごぼう抜きする形で小坂、斎藤のパックに追い付く。関東では名前を聞かない副島だが、昨シーズンまでジュニアカテゴリーでJCFの強化指定に選ばれており、U-23に昇格した今シーズンは先日行われた関西シクロクロス開幕戦富田林でいきなりC1初優勝を果たした選手だ。
織田が軽快に飛ばす中、2位争いは周回ごとに順位を入れ替える形で、目まぐるしく順位が入れ替わった。6周目に副島が小坂、斎藤から若干遅れ、7周目に斎藤もコース中盤の"忍者返し"セクションでパンクさせて2位争いから脱落。小坂は単独2位で最終周を迎えた。
織田は最後までミスすることなく安定したレースを展開し、2位小坂とは1分以上差をつけ、フルラップ完走は28名までに減らす圧倒的な力でJCXシリーズ2連勝、そして大会3連覇を飾った。2位はこちらも終始安定したレースを見せた小坂が入り、3位にはJCX初表彰台となる副島が入った。
「沢田選手が不在の中でのレースだったので、今回は勝たなければならないレースだと思っていて、無事に勝てて良かったです。今日のレースはトレーニングプランの中に入れていたので、しっかりと追い込めて良かったです」と振り返る織田。喜ぶというよりも、勝てて安堵するような様子がそこにはあった。
「全日本ロードの後にオフを取ってしまったので、今はコンディションを作り直している段階。シクロクロスの全日本に向けてコンディションを上げていきたい」と、12月の全日本選手権に向けて織田は語ってくれた。
テクニックが勝負を分けたCL1 石田唯がJCX初勝利
もう一つのメインレースであるCL1には19名の選手が出走。10月に行われたJCX開幕戦を制した渡部春雅(明治大学)や、昨シーズンのJCXランキングで2位に入っている中島瞳(弱虫ペダルサイクリングチーム)らがスタートラインに並んだ。
1周目から渡部と福田咲絵(AX cyclocross team)や石田唯(早稲田大学)、中島が抜け出すと、2周目には渡部が単独先行を開始。2位パックには福田、石田が入り、中島は3名から遅れてしまう。
順調にレースを展開するかと思われた渡部だが、3周目のコース中盤にある"忍者返し"セクションでタイヤをパンクさせてしまい、2位パックの福田、石田に逆転されてしまう。フィジカルで勝る福田と、テクニックで勝る石田は、それぞれ得意なエリアで前に出るが、お互いを突き放すまでには至らず、パックでのレースが続く。
そんな中、最終周に入る前のコース後半にある"忍者返し"セクションで、同セクションを乗車でクリアする石田に対して、福田は降車してしまい、若干の差が生まれた。懸命に石田を追う福田だが、一度ついてしまった差を取り戻すことはできず、石田が独走でJCXシリーズ初優勝を飾った。
「芝生エリアではフィジカル的に福田選手の方が、未舗装路では自分の方が得意だったので、芝生エリアで千切られないように我慢して最後までいけたので、理想的な展開だったかなと思います」と石田はレースを振り返る。
「シクロクロスでは次のレースが全日本選手権になります。大学の近くでシクロクロスの練習ができる場所があるので、テクニック面はそこで練習しようと思っています。フィジカル面はトラックの全日本選手権に向けて仕上げていくつもりなので、そこで合わせられればと思います」と、同日開催となるトラックとシクロクロスの全日本選手権を両方出る意欲を石田は見せた。
※トラックの全日本選手権は4日間開催で、出場種目によってはシクロクロスの全日本選手権へも出場可能な可能性がある
その他カテゴリー
CM1では太田好政(Rapha Cycling Club)が2位パックを形成する生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス)、山本誠一(DEVOTION)、田崎友康(ToyoFrame)を突き放して優勝。C2では1分前スタートしたジュニアカテゴリのトップに迫る快走を見せたアレクサンダー・ジェームス(Nil)が優勝を飾った。
来週11月13日および14日は、4週連続となるJCXシリーズの2戦目(シリーズとしては3戦目)としてRaphaスーパークロス野辺山が開催。2年ぶりの開催となるRaphaスーパークロス野辺山は、2日目となる14日のレースをUCIレースとして開催する予定だ(1日目はJCXレースとして開催)。
幕張クロス2021 C1(2.5km×8Laps)
1位 | 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) | 57分40秒398 |
2位 | 小坂光(宇都宮ブリッツェン) | +1分17秒468 |
3位 | 副島達海(Limited Team 846) | +1分28秒449 |
4位 | 斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT) | +2分1秒464 |
5位 | 島田真琴(ペダル) | +2分32秒781 |
6位 | 加藤健悟(臼杵レーシング) | +2分47秒531 |
CL1(2.5km×6Laps)
1位 | 石田唯(早稲田大学) | 49分37秒179 |
2位 | 福田咲絵(AX cyclocross team) | +21秒000 |
3位 | 渡部春雅(明治大学) | +1分20秒140 |
4位 | 中島瞳(弱虫ペダルサイクリングチーム) | +2分28秒953 |
5位 | 西形舞(TRC PANAMA REDS) | +3分43秒726 |
6位 | 西山みゆき | +4分48秒254 |
C2(2.5km×5Laps)
1位 | アレクサンダー・ジェームス(Nil | 38分52秒835 |
2位 | 神村泰輝(かみたい) | +11秒027 |
3位 | 山田拓海(早稲田大学) | +37秒914 |
C3(2.0km×4Laps)
1位 | 田渕君幸(TRYCLE.ing) | 25分48秒472 |
2位 | 橋本優樹(SNEL) | +19秒680 |
3位 | ティム・ステルツァー(Boulder Junior Cycling) | +21秒367 |
C4A(2.0km×4Laps)
1位 | 影森信一郎(多摩ポタ) | 26分37秒913 |
2位 | 久野田匠(MIVRO) | +10秒918 |
3位 | 篠崎蒼平 | +26秒246 |
C4B(2.0km×4Laps)
1位 | 椿大志(Champion System Japan Test Team) | 26分2秒530 |
2位 | 権田歩人(Avenir Yamanashi Yamanakako) | +5秒286 |
3位 | 小川正樹 | +52秒993 |
CL2+3(2.0km×4Laps)
1位 | 植竹海貴(Y'sRoad) | 28分54秒191 |
2位 | 金子尚代(Rapha Cycling Club) | +7秒878 |
3位 | 小林慧美(SUBARU・CYCLING・CLUB) | +1分1秒824 |
CM1(2.5km×5Laps)
1位 | 太田好政(Rapha Cycling Club) | 38分53秒601 |
2位 | 生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス) | +16秒418 |
3位 | 山本誠一(DEVOTION) | +28秒922 |
CM2(2.0km×4Laps)
1位 | 佐々木正(CICADA UNITED) | 26分7秒792 |
2位 | 山本敦(竹芝サイクルクロスレーシング) | +19秒766 |
3位 | 日向隼人(SBC Vertex Racing Club) | +21秒473 |
CM3(2.0km×4Laps)
1位 | 中島由裕 | 26分54秒687 |
2位 | 田口樹紀(サイクルボーグ@TAG) | +1分27秒117 |
3位 | 岡部健太(TEAM montagna) | +1分36秒984 |
WM(2.0km×4Laps)
1位 | 安藤沙弥(SHIDO-WORKS) | +28分11秒753 |
2位 | 森知多(SNEL) | +3分39秒375 |
CJ(2.5km×5Laps)
1位 | 永野昇海(イナーメ信濃山形) | 39分44秒577 |
2位 | 藤本元貴(NAMIBIA PROJECT Cycling Team) | +3分29秒750 |
U17(2.0km×4Laps)
1位 | 澤井千洋(SNEL) | 24分51秒245 |
2位 | 石川太郎(TEAM AGRI withAST FOREST) | +1分2秒793 |
3位 | 室伏碧透(AVENTURA VICTORIA RACING ) | +2分56秒305 |
U15(2.0km×4Laps)
1位 | 松村拓弥 | 25分59秒527 |
2位 | 山田駿太郎(Team GRM) | +4秒414 |
3位 | 佐竹清亮(アラスカワークス) | +44秒390 |
CK3(ショートコース×4Laps)
1位 | 三上将醐(アスリチューン・コラッジョU-19) | 13分54秒366 |
2位 | 成瀬謙汰 | +29秒082 |
3位 | 横田壮一郎(イオンバイクJr.レーシング) | +1分2秒457 |
CK2(ショートコース×4Laps)
1位 | 渡井健太(AVENTURA CYCLING ESTRELLA) | 14分24秒093 |
2位 | 飯島大也 | +44秒394 |
3位 | 成瀬奏音 | +1分5秒059 |
CK1(ショートコース×4Laps)
1位 | 飯島花怜 | 17分32秒023 |
2位 | 宮崎暖大(イオンバイクJr.アカデミー) | -1Lap |
3位 | 吉川結和(イオンバイクJr.アカデミー) | -1Lap |
text&photo:Itaru Mitsui
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