2021/11/06(土) - 20:38
MTB XCE種目の全日本選手権が千葉県千葉市にある千葉公園で開催され、男子エリートは森下尚仁(Click八幡)、女子エリートは川口うらら(日本体育大学)、男子マスターズは岡本紘幸(EXLUBproject)がそれぞれ制した。
開会式で挨拶する神谷俊一千葉市長 photo:Itaru Mitsui
東京オリンピック日本代表となり、現役を退いた山本幸平も登場 photo:Itaru Mitsui
「都市型公園で行われるマウンテンバイク日本一決定戦!!」というキャッチフレーズの通り、JR千葉駅から徒歩10分という立地にある千葉公園にて開催される「TIPSTAR Urban MTB Festival in 千葉公園」内のメインイベントとして、「第34回全日本自転車競技選手権大会-マウンテンバイク XCC/XCE(クロスカントリー・ショート・トラック/クロスカントリー・エリミネーター)」が開催。
イベントの演出は千葉公園で毎年ナイトアートフェスを運営している「チーム Yohas」が担当し、「“公式”日本一決定戦レースで、公園の特設コースを舞台に、スピーディーかつ迫力満点のエンターテインメントとしても楽しめる大会」という主催者のメッセージの通り、公園内にはアクション性のあるショートコースが設営され、2年連続となる都市公園でのMTB全日本選手権を多くの観客が楽しんでいた。
観客で賑わう会場 photo:Itaru Mitsui
会場には多くのキッチンカーが並ぶ photo:Itaru Mitsui
フライオーバーセクションではジャンプを披露する選手も photo:Itaru Mitsui
XCOの試走をする山本幸平(Dream Seeker MTB Racing Team) photo:Itaru Mitsui
一般公開された「TIPSTAR DOME CHIBA」 photo:Itaru Mitsui
また、隣接するTIPSTAR DOME CHIBAでは、今年の10月から新しい形の競輪「PIST6」が開催されており、翌週11月13日からの有観客開催を前に一般観客へのバンクウォークやショーの公開が行われた。多くの方々が走路やショーへ興味関心を持ったようだった。
4人一組で行われるXCE(クロスカントリー・エリミネーション) photo:Itaru Mitsui
2種目を2日間に分けて開催されたMTB全日本選手権の大会初日はXCE(クロスカントリー・エリミネーター)種目。XCEは"エリミネーター"という名前が表す通り、4人1組のレースでゴール順位下位2名がエリミネート=除外される形で行われ、最終的に残った4名による決勝レースが行われる。
コースは「舗装路」「未舗装路」「フライオーバー」「ロックセクション」があり、とても変化に富みつつも、1周約1分程度で走り抜けられるスピードコースだ。
男子エリート:19歳の新鋭、森下尚仁が優勝
男子エリートで予選1位となった永田隼也(TEAM A&F-OAKLEY) photo:Itaru Mitsui
男子エリートのスタート photo:Itaru Mitsui
男子エリート決勝戦でリードを奪う森下尚仁(Click八幡) photo:Itaru Mitsui
最初はタイムトライアル形式での予選が行われ、男子エリートは35名中32名が、それ以外のカテゴリーは全選手が予選を突破。男子エリートでは永田隼也(TEAM A&F/OAKLEY)が、女子エリートでは川口うらら(日本体育大学)が、男子マスターズでは古郡今日史(minzuuBike)がぞれぞれトップタイムを出して、次のラウンドへ駒を進めた。
男子エリートでは昨年チャンピオンである澤木紀雄(acu-power Racing Team)がロックセクションで転倒し1/4決勝で敗退、予選トップの永田も1/2決勝で敗退となり、以下の4名が決勝へ進出した。
北林力(DreamSeekermtbracingteam)
森下尚仁(Click八幡)
中村龍吉(acu-power RACING TEAM)
竹之内悠(ToyoFrame)
スタートでは中村が先頭で第一コーナーへ入るものの、中村、北林、竹之内がアウト側へ膨らんでしまい、イン側をついた森下が先頭でバック側の未舗装路エリアへと進入。森下、中村、北林、竹之内の順で若干車間が空きながらレースは進んだ。2周目のロックセクションで中村、北林が森下に迫りプレッシャーをかけるも、森下は先頭を譲らず最後のフライオーバーセクションへ。
フライオーバーセクションでは左右のエスケープゾーンにそれぞれ森下と中村が分かれパスを試みたものの、そこでも差がつかずにスプリント合戦へ。最後は両者がハンドルを投げる大接戦となったが、わずかな差で19歳森下が中村を下し、全日本チャンピオンに輝いた。
僅差でゴールスプリントを制した森下尚仁(Click八幡)(写真右) photo:Itaru Mitsui
男子エリート表彰式 photo:Itaru Mitsui
森下は小学生時代からMTBに乗っていたものの、今年登録してCJシリーズを走り始めたばかり。XCOでは4月に行われた菖蒲谷でチャレンジを、5月に行われたびわ湖高島でアドバンスを制し、エリートへ昇格。その後は7月に行われた富士見パノラマXCOを走っただけで、それ以来のレースだったという。今レースがエリートカテゴリー2戦目での全日本優勝となった。
「レース前はトップ8に入れれば100点という感じで、決勝に進出できた時点で今日の課題はクリアできたかなという感じでした。なので、決勝は気負うことなく楽しもうと思っていました。スタートでは遅れてしまったのですが、1コーナーで運よくイン側が空いたのでトップに立つことができました」と森下は決勝を振り返る。明日のXCCも走る森下は「明日はトップ10に入れれば」と謙虚に明日の目標を語ってくれた。
女子エリート:川口うららが2連覇達成
女子エリートで予選1位となった川口うらら(日本体育大学) photo:Itaru Mitsui
女子エリートのスタート photo:Itaru Mitsui
競り合う川口うらら(日本体育大学)と小林あか里(信州大学) photo:Itaru Mitsui
女子エリートは出走人数が7名だったため、出走選手全員が1/2決勝へ進出。さらに決勝へはMTBで実績のある以下の4名が進出した。
川口うらら(日本体育大学)
矢吹優夏(B.B.Q)
松本璃奈(RIDE MASHUN SPECIALIZED)
小林あか里(信州大学)
ホールショットを決めた川口を先頭に1コーナーを抜け、後続は小林、松本、矢吹の順。トップ2名が順調に進む中、松本はロックセクションでトラブル。矢吹が3位へ上がる。
小林も積極的に攻めて川口にプレッシャーをかけるものの、川口は落ち着いて対処。2周目のロックセクションでも順位が入れ替わることはなく勝負は最後のストレートへ持ち込まれ、川口が小林を突き放してガッツポーズ。見事に大会2連覇を達成するとともに、先月行われたロード全日本選手権での女子U23カテゴリーに続く、今シーズン2つ目の全日本タイトルを獲得となった。
女子エリートでガッツポーズを挙げる川口うらら(日本体育大学) photo:Itaru Mitsui
女子エリート表彰式 photo:Itaru Mitsui
「(XCEは)普段走らない種目なのでイメージがつきにくかったのですが、XCOやロードに比べれば競い合いが激しい種目だと思っていました。ただ、スタートさえ決められれば勝てると思っていたので、集中して臨みました。スタートを決めたのであとはもがくだけだと思って、必死にペダルを踏み込みました」と川口は振り返る。明日のXCCに向けては「明日は頭を使いながら、楽しみつつ、納得できる内容で勝ちたいなと思います」と、2日連続の優勝狙いを公言した。
男子マスターズ:岡本紘幸が逃げ切り勝利
男子マスターズで優勝した岡本紘幸(EXLUBproject) photo:Itaru Mitsui
男子マスターズでは古郡今日史(minzuuBike)と岡本紘幸(EXLUBproject)、斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)、そして石川正道(Champion System Japan Test Team)というメンバーが決勝へ進出し、ホールショットを決めた岡本が一度も後続に抜かれることなく、大会2連覇を達成した。
明日は同会場でXCC種目が開催される。会場内にはキッチンカーも多く、ゆっくり食べながらの観戦も可能だ。
また、明日は東京オリンピックのXCO種目で日本代表で、今シーズン限りでの引退を表明している山本幸平(Dream Seeker MTB Racing Team)も出場予定となっている。アクセスの良い千葉公園で、世界でレースを続けてきた山本幸平の走りを、そして北林兄弟(共にDream Seeker MTB Racing Team)や沢田時(TEAM BRIDGESTONE Cycling)らトップ選手の熱い走りを観に、会場に足を運んでみては?
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「都市型公園で行われるマウンテンバイク日本一決定戦!!」というキャッチフレーズの通り、JR千葉駅から徒歩10分という立地にある千葉公園にて開催される「TIPSTAR Urban MTB Festival in 千葉公園」内のメインイベントとして、「第34回全日本自転車競技選手権大会-マウンテンバイク XCC/XCE(クロスカントリー・ショート・トラック/クロスカントリー・エリミネーター)」が開催。
イベントの演出は千葉公園で毎年ナイトアートフェスを運営している「チーム Yohas」が担当し、「“公式”日本一決定戦レースで、公園の特設コースを舞台に、スピーディーかつ迫力満点のエンターテインメントとしても楽しめる大会」という主催者のメッセージの通り、公園内にはアクション性のあるショートコースが設営され、2年連続となる都市公園でのMTB全日本選手権を多くの観客が楽しんでいた。
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また、隣接するTIPSTAR DOME CHIBAでは、今年の10月から新しい形の競輪「PIST6」が開催されており、翌週11月13日からの有観客開催を前に一般観客へのバンクウォークやショーの公開が行われた。多くの方々が走路やショーへ興味関心を持ったようだった。
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2種目を2日間に分けて開催されたMTB全日本選手権の大会初日はXCE(クロスカントリー・エリミネーター)種目。XCEは"エリミネーター"という名前が表す通り、4人1組のレースでゴール順位下位2名がエリミネート=除外される形で行われ、最終的に残った4名による決勝レースが行われる。
コースは「舗装路」「未舗装路」「フライオーバー」「ロックセクション」があり、とても変化に富みつつも、1周約1分程度で走り抜けられるスピードコースだ。
男子エリート:19歳の新鋭、森下尚仁が優勝
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最初はタイムトライアル形式での予選が行われ、男子エリートは35名中32名が、それ以外のカテゴリーは全選手が予選を突破。男子エリートでは永田隼也(TEAM A&F/OAKLEY)が、女子エリートでは川口うらら(日本体育大学)が、男子マスターズでは古郡今日史(minzuuBike)がぞれぞれトップタイムを出して、次のラウンドへ駒を進めた。
男子エリートでは昨年チャンピオンである澤木紀雄(acu-power Racing Team)がロックセクションで転倒し1/4決勝で敗退、予選トップの永田も1/2決勝で敗退となり、以下の4名が決勝へ進出した。
北林力(DreamSeekermtbracingteam)
森下尚仁(Click八幡)
中村龍吉(acu-power RACING TEAM)
竹之内悠(ToyoFrame)
スタートでは中村が先頭で第一コーナーへ入るものの、中村、北林、竹之内がアウト側へ膨らんでしまい、イン側をついた森下が先頭でバック側の未舗装路エリアへと進入。森下、中村、北林、竹之内の順で若干車間が空きながらレースは進んだ。2周目のロックセクションで中村、北林が森下に迫りプレッシャーをかけるも、森下は先頭を譲らず最後のフライオーバーセクションへ。
フライオーバーセクションでは左右のエスケープゾーンにそれぞれ森下と中村が分かれパスを試みたものの、そこでも差がつかずにスプリント合戦へ。最後は両者がハンドルを投げる大接戦となったが、わずかな差で19歳森下が中村を下し、全日本チャンピオンに輝いた。
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森下は小学生時代からMTBに乗っていたものの、今年登録してCJシリーズを走り始めたばかり。XCOでは4月に行われた菖蒲谷でチャレンジを、5月に行われたびわ湖高島でアドバンスを制し、エリートへ昇格。その後は7月に行われた富士見パノラマXCOを走っただけで、それ以来のレースだったという。今レースがエリートカテゴリー2戦目での全日本優勝となった。
「レース前はトップ8に入れれば100点という感じで、決勝に進出できた時点で今日の課題はクリアできたかなという感じでした。なので、決勝は気負うことなく楽しもうと思っていました。スタートでは遅れてしまったのですが、1コーナーで運よくイン側が空いたのでトップに立つことができました」と森下は決勝を振り返る。明日のXCCも走る森下は「明日はトップ10に入れれば」と謙虚に明日の目標を語ってくれた。
女子エリート:川口うららが2連覇達成
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女子エリートは出走人数が7名だったため、出走選手全員が1/2決勝へ進出。さらに決勝へはMTBで実績のある以下の4名が進出した。
川口うらら(日本体育大学)
矢吹優夏(B.B.Q)
松本璃奈(RIDE MASHUN SPECIALIZED)
小林あか里(信州大学)
ホールショットを決めた川口を先頭に1コーナーを抜け、後続は小林、松本、矢吹の順。トップ2名が順調に進む中、松本はロックセクションでトラブル。矢吹が3位へ上がる。
小林も積極的に攻めて川口にプレッシャーをかけるものの、川口は落ち着いて対処。2周目のロックセクションでも順位が入れ替わることはなく勝負は最後のストレートへ持ち込まれ、川口が小林を突き放してガッツポーズ。見事に大会2連覇を達成するとともに、先月行われたロード全日本選手権での女子U23カテゴリーに続く、今シーズン2つ目の全日本タイトルを獲得となった。
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「(XCEは)普段走らない種目なのでイメージがつきにくかったのですが、XCOやロードに比べれば競い合いが激しい種目だと思っていました。ただ、スタートさえ決められれば勝てると思っていたので、集中して臨みました。スタートを決めたのであとはもがくだけだと思って、必死にペダルを踏み込みました」と川口は振り返る。明日のXCCに向けては「明日は頭を使いながら、楽しみつつ、納得できる内容で勝ちたいなと思います」と、2日連続の優勝狙いを公言した。
男子マスターズ:岡本紘幸が逃げ切り勝利
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男子マスターズでは古郡今日史(minzuuBike)と岡本紘幸(EXLUBproject)、斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)、そして石川正道(Champion System Japan Test Team)というメンバーが決勝へ進出し、ホールショットを決めた岡本が一度も後続に抜かれることなく、大会2連覇を達成した。
明日は同会場でXCC種目が開催される。会場内にはキッチンカーも多く、ゆっくり食べながらの観戦も可能だ。
また、明日は東京オリンピックのXCO種目で日本代表で、今シーズン限りでの引退を表明している山本幸平(Dream Seeker MTB Racing Team)も出場予定となっている。アクセスの良い千葉公園で、世界でレースを続けてきた山本幸平の走りを、そして北林兄弟(共にDream Seeker MTB Racing Team)や沢田時(TEAM BRIDGESTONE Cycling)らトップ選手の熱い走りを観に、会場に足を運んでみては?
MTB全日本選手権2021 XCE 男子エリート結果
1位 | 森下尚仁(Click八幡) |
2位 | 中村龍吉(acu-power RACING TEAM) |
3位 | 北林力(DreamSeekermtbracingteam) |
MTB全日本選手権2021 XCE 女子エリート結果
1位 | 川口うらら(日本体育大学) |
2位 | 小林あか里(信州大学) |
3位 | 矢吹優夏(B.B.Q) |
MTB全日本選手権2021 XCE 男子マスターズ結果
1位 | 岡本紘幸(EXLUBproject) |
2位 | 斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT) |
3位 | 古郡今日史(minzuuBike) |
MTB全日本選手権2021 XCE 女子マスターズ結果
1位 | 広瀬由紀(Cyclone) |
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