2021/10/13(水) - 12:17
フランスのプロチーム「デルコ」の事実上解散が発覚。パリ〜ルーベにモンドリアンカラーで登場したチームが14年の歴史に幕を閉じることとなった。また今年6月に新スポンサーと5年契約を結んだクベカ・ネクストハッシュにも、いま存続の危機が訪れている。
「決断はこの数日の間に下された。動揺させたくなかったため選手たちにはツール・ド・ヴァンデとパリ〜ツールの後に伝えた。チームの財政面は長きに渡り厳しく、それを隠すつもりもなかった」とベンジャミン・ジロー監督は仏DirectVeloのインタビューに答えた。
「この業界の人なら我々がどれだけ困難な状況にいたのかわかってくれるだろう。そんな苦境にもかかわらず、チームに残ってくれた選手やスタッフは最後まで強い意志で戦い続けてくれ、パリ〜ツールというビックレースで良い結果(9位)を掴むことができた。デルコはもはやチームを越え家族に近い存在だ。だが、それももう終わりだと自分に納得させなければならない。悲しいよ」。
2008年にフランスのアマチュアチームとして発足したデルコ(当時VCラ・ポム・マルセイユ)は、2011年にコンチネンタルチーム、2016年からスポンサーにデルコやプロヴァンスを迎えプロコンチネンタルチーム(現在のプロチーム)に昇格した。2020年には日本企業NIPPOを加え、別府史之、中根英登(共にEFエデュケーション・NIPPO)、岡篤志、石上優大(共にNIPPO・プロヴァンス・PTSコンチ)ら4人の日本人選手が所属。しかし、昨年6月に発足時から率いてきたフレデリック・ロスタン氏が退くと、メインスポンサーのNIPPOとプロヴァンスが撤退し、今年は一部選手やスタッフへの給与の遅延などを理由に選手が退団していくなか、新たなスポンサー探しも難航していた。
一方で毎年のように財政難に直面しているクベカ・ネクストハッシュにも、いまチーム存続の危機が訪れている。
チームの経営に関わる人物は、「我々はチーム存続に向けて全力を尽くしており、現在のパートナー(スポンサー)と新たなパートナー候補に対して熱心な活動を続けている。しかし、UCI(国際自転車競技連合)とCPA(プロ選手協会)の要求に従い、選手たちに他チームへの移籍交渉ができる機会を与えた」と、英CyclingNewsの取材に対し回答した。
昨年末もメインスポンサーであるNTTの撤退で危機に瀕していたチームだったが、今季開幕直前にスイスのアパレルブランド「アソス」が救済の手を差し伸べ、ツール・ド・フランス直前の今年6月にイギリスの金融企業「ネクストハッシュ」と5年間の共同タイトルスポンサー契約を締結。しかし8月には選手やスタッフに対する給与の遅れが発覚するなど、スポンサーシップの実態が疑問視されていた。
チームには現在、9月5日付けで引退したファビオ・アル(イタリア)やマッテオ・ペルッキ(イタリア)を除く25名の選手が所属しており、そのうち移籍が明らかになっているのはミヒャエル・ゴグル(オーストリア)を含む3名。またヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー)ら7名には来年以降の契約が残されている。
text:Sotaro.Arakawa
「決断はこの数日の間に下された。動揺させたくなかったため選手たちにはツール・ド・ヴァンデとパリ〜ツールの後に伝えた。チームの財政面は長きに渡り厳しく、それを隠すつもりもなかった」とベンジャミン・ジロー監督は仏DirectVeloのインタビューに答えた。
「この業界の人なら我々がどれだけ困難な状況にいたのかわかってくれるだろう。そんな苦境にもかかわらず、チームに残ってくれた選手やスタッフは最後まで強い意志で戦い続けてくれ、パリ〜ツールというビックレースで良い結果(9位)を掴むことができた。デルコはもはやチームを越え家族に近い存在だ。だが、それももう終わりだと自分に納得させなければならない。悲しいよ」。
2008年にフランスのアマチュアチームとして発足したデルコ(当時VCラ・ポム・マルセイユ)は、2011年にコンチネンタルチーム、2016年からスポンサーにデルコやプロヴァンスを迎えプロコンチネンタルチーム(現在のプロチーム)に昇格した。2020年には日本企業NIPPOを加え、別府史之、中根英登(共にEFエデュケーション・NIPPO)、岡篤志、石上優大(共にNIPPO・プロヴァンス・PTSコンチ)ら4人の日本人選手が所属。しかし、昨年6月に発足時から率いてきたフレデリック・ロスタン氏が退くと、メインスポンサーのNIPPOとプロヴァンスが撤退し、今年は一部選手やスタッフへの給与の遅延などを理由に選手が退団していくなか、新たなスポンサー探しも難航していた。
一方で毎年のように財政難に直面しているクベカ・ネクストハッシュにも、いまチーム存続の危機が訪れている。
チームの経営に関わる人物は、「我々はチーム存続に向けて全力を尽くしており、現在のパートナー(スポンサー)と新たなパートナー候補に対して熱心な活動を続けている。しかし、UCI(国際自転車競技連合)とCPA(プロ選手協会)の要求に従い、選手たちに他チームへの移籍交渉ができる機会を与えた」と、英CyclingNewsの取材に対し回答した。
昨年末もメインスポンサーであるNTTの撤退で危機に瀕していたチームだったが、今季開幕直前にスイスのアパレルブランド「アソス」が救済の手を差し伸べ、ツール・ド・フランス直前の今年6月にイギリスの金融企業「ネクストハッシュ」と5年間の共同タイトルスポンサー契約を締結。しかし8月には選手やスタッフに対する給与の遅れが発覚するなど、スポンサーシップの実態が疑問視されていた。
チームには現在、9月5日付けで引退したファビオ・アル(イタリア)やマッテオ・ペルッキ(イタリア)を除く25名の選手が所属しており、そのうち移籍が明らかになっているのはミヒャエル・ゴグル(オーストリア)を含む3名。またヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー)ら7名には来年以降の契約が残されている。
text:Sotaro.Arakawa
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