2021/10/10(日) - 19:55
UCI1.2クラスのレース「おおいたアーバンクラシック」が、大分市の大分スポーツ公園周辺コースで行われ、フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)が終盤を独走に持ち込んで優勝した。
おおいたアーバンクラシック 2年ぶりのUCIレースのスタートライン phoro:Satoru Kato
OITAサイクルフェス2日目は、UCI1.2クラスのワンデーレース「おおいたアーバンクラシック」。UCIポイントを獲得できる国内レースとしては、5月のツアー・オブ・ジャパン以来2例目のレースとなる。同レースは2018年に初めてUCIレースとして開催。初代優勝者は現NIPPO・プロヴァンス・PTSコンチに所属する石上優大だった。昨年はコロナ禍によりUCIレースとしての開催が見送られたため、2年ぶりのUCIレースとなった。
大分スポーツ公園周辺の丘陵地帯を利用したコース 左奥に見える丸い屋根は昭和電工ドーム phoro:Satoru Kato
少し色づいた街路樹の並木道を長く伸びた集団が抜けていく phoro:Satoru Kato
コースは、大分スポーツ公園をスタート・フィニッシュとする1周11.6km。公園内道路を含む周辺の公道を使用し、斜度のきつい登りは無いものの、丘陵地帯特有のアップダウンの繰り返しがジワジワと選手の脚を削っていくレイアウト。集団が決して有利とは言えず、2018年、2019年共に小集団が逃げ切る展開で勝負が決まっている。
2019年ラグビーW杯会場にもなった昭和電工ドーム大分前を横目にスタート phoro:Satoru Kato
序盤からアタックと吸収が繰り返されて落ち着かない時間が続く phoro:Satoru Kato
レース中盤になっても神経質な展開が続く phoro:Satoru Kato
早朝から30℃に迫ろうかという暑さの中、13周150.8kmのレースがスタート。序盤からアタックが繰り返されるも、2周以上続く逃げとならず、集団がその都度吸収していく。レースをコントロールしようとするチームも無かったことから、前半は流れが定まらない状態で周回が消化されていく。
7周目に形成された7名の先頭集団 phoro:Satoru Kato
レース後半に入った7周目、7名が先行する。メンバーは以下の通り。
山本大喜(キナンサイクリングチーム)
小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)
小石祐馬(チーム右京相模原)
岡本隼(愛三工業レーシングチーム)
西尾勇人(那須ブラーゼン)
風間翔眞(シマノレーシング)
7周目 先頭集団を追ってシエルブルー鹿屋がメイン集団を牽引 phoro:Satoru Kato
9周目 メイン集団は宇都宮ブリッツェンが先頭で牽き始める phoro:Satoru Kato
10周目 シマノレーシングがメイン集団を牽引 phoro:Satoru Kato
メイン集団は、先頭集団にメンバーを送り込めなかったシエルブルー鹿屋が牽引。その後宇都宮ブリッツェン、シマノレーシングと引き継がれていくが、7名との差は4分近くまで広がる。10周目に入っても差が縮まる傾向にはならず、勝負は先行した7名に絞られた。
短い坂でペースアップを図るフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) phoro:Satoru Kato
フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)、小石祐馬(チーム右京相模原)、山本大喜(キナンサイクリングチーム)で最終周回へ phoro:Satoru Kato
残り3周となる11周目、マンセボがアタックして先頭集団は崩壊。山本と小石が追従し、3名となって最終周回に入る。その直後マンセボがさらにアタックすると、山本も小石もついて行けない。残り約7kmを独走したマンセボがそのまま逃げ切って優勝を決めた。2位は山本、3位に小石。4位争いとなったメイン集団の先頭は孫崎大樹(スパークルおおいた)が取り、地元チームにツアー・オブ・ジャパン東京ステージ以来のUCIポイントをもたらした。(10.11訂正)
残り7kmを独走したフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)が優勝 phoro:Satoru Kato
メイン集団の先頭は孫崎大樹(スパークルおおいたレーシングチーム)が取って4位に phoro:Satoru Kato
表彰式 phoro:Satoru Kato
「カントクの腕のおかげです」と、お決まりのポーズ phoro:Satoru Kato
「前半はチームの動きで助けられた。各チーム1人ずつの逃げが出来て、それに乗ってレースを進められたのがラッキーで良い展開になった。ラスト7kmで独走するまで待たないといけないくらいハードなコースだった。優勝したことはとても嬉しい。」と、表彰式で喜びを語ったマンセボ。自身は2016年以来のUCIレース優勝と言ったが、2019年のツール・ド・フィリピン第1ステージ優勝と総合優勝が直近でのUCIレース優勝となる。
マトリックスパワータグの安原監督は、「前の晩にみんなでミーティングしたのも関係なく、マンセボ1人で引きちぎって勝ってしまった。各チーム1人ずつ先頭に入ったとみんな安心していたけれど、マンセボ1人入ったら3人分と思わないといけない。これでウチが勝ったと確信した」と話す。
「昨日のクリテリウムは惜しかったというか、ウォームアップみたいなものだから、8割・9割は今日のレースにかけていた。マンセボが勝ってくれて結果オーライではあるけれど、もう少しウチのメンバーも動いてもらいたかった」と、チームとして久々の勝利にも反省点を挙げた。
2位 山本大喜「マンセボを追いたかったけれど足がつってしまった」
2位 山本大喜(キナンサイクリングチーム) phoro:Satoru Katoマンセボを追ったものの、届かず2位となった山本は「チームは兄(山本元喜)とのダブルエースで臨む作戦だったので、自分が逃げに乗った時点でチームからの指示はGoでした。最後にマンセボ選手がアタックした時はついて行きたかったけれど、その瞬間足がつってしまって出遅れてしまいました。でもそれ以上にマンセボ選手のアタックのキレが良かったですね。その後はタイム差が開いていき、力差を感じました。今シーズンは調子良くて力を見せられたと思うけれど、UCIレース優勝が出来ていないのであと一歩足りないと感じています。今回優勝したマンセボ選手は誰からもマークされている状態で勝っているので、自分もそれくらい力をつけないといけないと思っています」
3位 小石祐馬「もっとフレッシュな状態で先頭に加わりたかった」
3位 小石祐馬(チーム右京相模原) phoro:Satoru Kato「7名が先行して1分、2分と差がついて、勝負は前で決まると感じました。7名の中では出来るだけ体力を使わないようにしていましたが、レースの進行と共に暑くなるし風が強くなるしで、消耗していました。それが最後に響いてしまったかなと感じています。チーム内でサポートし合ってもっとフレッシュな状態で7名に入れたら良かったのですが、それは今後のチームの課題です。
全日本選手権に向けては、パフォーマンス自体は良かったので、個人タイムトライアルは自信があります。ロードレースは今回と違って日本人選手だけのレースになるし、今日のレースで誰が調子が良いのかもわかったので、優勝を狙っていきます」
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OITAサイクルフェス2日目は、UCI1.2クラスのワンデーレース「おおいたアーバンクラシック」。UCIポイントを獲得できる国内レースとしては、5月のツアー・オブ・ジャパン以来2例目のレースとなる。同レースは2018年に初めてUCIレースとして開催。初代優勝者は現NIPPO・プロヴァンス・PTSコンチに所属する石上優大だった。昨年はコロナ禍によりUCIレースとしての開催が見送られたため、2年ぶりのUCIレースとなった。
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コースは、大分スポーツ公園をスタート・フィニッシュとする1周11.6km。公園内道路を含む周辺の公道を使用し、斜度のきつい登りは無いものの、丘陵地帯特有のアップダウンの繰り返しがジワジワと選手の脚を削っていくレイアウト。集団が決して有利とは言えず、2018年、2019年共に小集団が逃げ切る展開で勝負が決まっている。
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早朝から30℃に迫ろうかという暑さの中、13周150.8kmのレースがスタート。序盤からアタックが繰り返されるも、2周以上続く逃げとならず、集団がその都度吸収していく。レースをコントロールしようとするチームも無かったことから、前半は流れが定まらない状態で周回が消化されていく。
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レース後半に入った7周目、7名が先行する。メンバーは以下の通り。
山本大喜(キナンサイクリングチーム)
小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)
小石祐馬(チーム右京相模原)
岡本隼(愛三工業レーシングチーム)
西尾勇人(那須ブラーゼン)
風間翔眞(シマノレーシング)
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メイン集団は、先頭集団にメンバーを送り込めなかったシエルブルー鹿屋が牽引。その後宇都宮ブリッツェン、シマノレーシングと引き継がれていくが、7名との差は4分近くまで広がる。10周目に入っても差が縮まる傾向にはならず、勝負は先行した7名に絞られた。
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残り3周となる11周目、マンセボがアタックして先頭集団は崩壊。山本と小石が追従し、3名となって最終周回に入る。その直後マンセボがさらにアタックすると、山本も小石もついて行けない。残り約7kmを独走したマンセボがそのまま逃げ切って優勝を決めた。2位は山本、3位に小石。4位争いとなったメイン集団の先頭は孫崎大樹(スパークルおおいた)が取り、地元チームにツアー・オブ・ジャパン東京ステージ以来のUCIポイントをもたらした。(10.11訂正)
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「前半はチームの動きで助けられた。各チーム1人ずつの逃げが出来て、それに乗ってレースを進められたのがラッキーで良い展開になった。ラスト7kmで独走するまで待たないといけないくらいハードなコースだった。優勝したことはとても嬉しい。」と、表彰式で喜びを語ったマンセボ。自身は2016年以来のUCIレース優勝と言ったが、2019年のツール・ド・フィリピン第1ステージ優勝と総合優勝が直近でのUCIレース優勝となる。
マトリックスパワータグの安原監督は、「前の晩にみんなでミーティングしたのも関係なく、マンセボ1人で引きちぎって勝ってしまった。各チーム1人ずつ先頭に入ったとみんな安心していたけれど、マンセボ1人入ったら3人分と思わないといけない。これでウチが勝ったと確信した」と話す。
「昨日のクリテリウムは惜しかったというか、ウォームアップみたいなものだから、8割・9割は今日のレースにかけていた。マンセボが勝ってくれて結果オーライではあるけれど、もう少しウチのメンバーも動いてもらいたかった」と、チームとして久々の勝利にも反省点を挙げた。
2位 山本大喜「マンセボを追いたかったけれど足がつってしまった」
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3位 小石祐馬「もっとフレッシュな状態で先頭に加わりたかった」
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全日本選手権に向けては、パフォーマンス自体は良かったので、個人タイムトライアルは自信があります。ロードレースは今回と違って日本人選手だけのレースになるし、今日のレースで誰が調子が良いのかもわかったので、優勝を狙っていきます」
おおいたアーバンクラシック 結果(150.8km)
1位 | フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) | 3時間30分48秒 |
2位 | 山本大喜(キナンサイクリングチーム) | +53秒 |
3位 | 小石祐馬(チーム右京相模原) | +2分3秒 |
4位 | 孫﨑大樹(スパークルおおいた) | +5分1秒 |
5位 | 阿曽圭佑(ヴィクトワール広島) | |
6位 | 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム) |
text&photo:Satoru Kato
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