2021/10/04(月) - 08:31
泥で過酷なマッドレース。まさに「北の地獄」と形容できる第118回パリ〜ルーベでソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)が勝利。自身初のモニュメント制覇を達成した。
ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が登場 photo:CorVos
初出場を叶えたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) photo:CorVos
雨のコンピエーニュをスタートしていく photo:CorVos
2019年4月14日以来、実に2年半、903日ぶりに開催されたパリ〜ルーベ男子レース。フランスの首都パリから80km北に位置するコンピエーニュをスタートし、ベルギー国境に近いルーベまで北上する257kmは、前日の女子レースに続き大会としてはヨハン・ムセーウが優勝した2002年以来約20年ぶりの雨模様となった。
「クラシックの女王」あるいは「北の地獄」、はたまた「地獄の日曜日」と畏れられる一大決戦。通過する石畳(パヴェ)の数は2019年から1つ増えた合計30セクターで、合計距離はなんと55kmに及ぶ。泥水にまみれ、まっすぐ走ることもままならないパヴェなど悪条件が重なったにも関わらず、この日は後半を待たずしてアタックが掛かり続けたため、ほぼ同じコースレイアウトで行われた2019年大会(ドライ)と比べてフィニッシュタイムが3分遅いだけという過酷な展開となった。
パリ〜ルーベ2021 コースプロフィール photo:A.S.O.
エース/準エース級選手が多数含まれた31名のエスケープ photo:CorVos
泥飛沫を上げながらメイン集団がパヴェセクターを通過 photo:CorVos
かつてベルナール・イノーが着用したモンドリアンカラーの特別復刻ジャージに身を包んだデルコを先頭にコンピエーニュを出発。リアルスタートが掛かると同時にミッチェル・ドッカー(オーストラリア、EFエデュケーション・NIPPO)が落車するという不穏な空気の中、およそ40kmを要して31名の巨大な逃げが生まれた。
ユンボ・ヴィズマ(ローセン、ファンフーイドンク、アッフィニ)とイネオス・グレナディアーズ(ロウ、モスコン、ドゥール)、そしてロット・スーダル(フェルメルシュ、スウェニー、ファンデルサンド)が3名ずつ加え、グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、AG2Rシトロエン)、ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス)、シュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・NIPPO)、ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)など、エース/準エース級選手がたっぷり入った強力グループが逃げることに。
残り161.4km地点の最初のパヴェ区間「セクター30 トロワヴィル〜アンシー」に入ったタイミングで、メイン集団とのタイム差は1分40秒。1つセクターを越えただけで先頭からダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)がパンクで遅れ、メイン集団も早速細切れ(多くの選手は追走ののち合流)に。レースは1/30の時点で早くもサバイバルレースの様相を呈した。
セクター27「サンピトン」で先頭31名からニルス・エーコフ(オランダ、チームDSM)とフロリアン・フェルメルシュ(ベルギー、ロット・スーダル)が先行 photo:CorVos
精鋭グループ内で距離を消化するワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)とマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) photo:CorVos
セクター19「トルエー=ド=アランベール」ではメイン集団内で2度の落車が起きる photo:CorVos
見せ場を作れずに終わったペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
先頭グループ内で動きが生じたのはセクター27「サンピトン」だった。フェルメルシュのペースアップでロウとニルス・エーコフ(オランダ、チームDSM)、マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、クベカ・ネクストハッシュ)が先行したものの、セクター24「カペル~リュヌ」でロウが遅れ、ヴァルシャイドも落車。追走グループも人数が減り、メイン集団も30名強まで絞り込まれていった。
メイン集団では110km以上を残してマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)がペースアップを試み、ライバルのワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が追従するシーンも。雨が上がったことで泥の粘度が増し、よりスリッピーになったパヴェ区間ではあらゆるところで選手たちが足元をすくわれ路肩に投げ出されていく。カオス極まる状況下、最高難易度を誇るセクター19「トルエー=ド=アランベール」に入る頃、メイン集団(だったもの)は13名にまで絞られていた。
そのグループでさえ2度の落車で人数が減り、足止めを食らったファンアールトは追走を経て復帰に成功。その後先頭2名と追走グループが合流して6名となり、欧州王者ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)はギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)らと共にメイン集団を抜け出したが、思うように先頭との差が詰まらなかったことでやがて引き戻される。続くセクター15「ティヨワ〜サール=エ=ロジエール」ではファンデルプールが再び加速した。
度重なるアタックを仕掛けたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) photo:CorVos
ファンフーイドンクのアシストを受けて追走を試みるワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)だが、追いつくことはなかった photo:CorVos
残り52.8kmから独走に持ち込んだジャンニ・モスコン(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)だが、パンクと落車でリードを失う photo:CorVos
距離2.4km、難易度4つ星セクターの右に左に曲がる連続コーナー区間で現シクロクロス世界王者が抜け出したことでセレクションが掛かり、ベルギーチャンピオンジャージを着るファンアールトは遅れを取ってしまう。「それまでは調子良かったものの、(アタックするマチューとの)距離を空けすぎていた。僕自身のせいだった」と悔やむファンアールトはアシストと共に追走したものの、最後まで元いたグループに戻ることはできなかった。
ファンデルプールのアタックに反応したコルブレッリやボワヴァン、バティスト・プランカールト(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)はぐいぐいペースを上げ、前からこぼれ落ちてきたグループを捉え、そして抜け出していく。一方先頭グループでは残り54.1km地点のセクター12「オシー〜ベルシー(難易度4つ星)」でモスコンが逃げメンバーを置き去りにして単独先頭に立った。
「パリ〜ルーベは最も美しいレースの一つ。距離を残してアタックしてみた。カードを切ってみようと思ったんだ」と、残り52.8kmから独走に持ち込んだモスコンは急速に乾いていくパヴェを飛ばしに飛ばす。ファンデルプールグループはモスコン以外の逃げメンバーを全て捉え、1対複数の状況に持ち込んだもののむしろモスコンのリードは拡大。次なる5つ星「モンサン=ぺヴェル」で1分20秒までタイムは広がった。
逃げ切りの可能性を大きくしたモスコンだったがしかし、残り30km地点で後輪パンクに見舞われた。チームカーからスペアバイクを受け取ってペースを取り戻したものの、空気圧が高すぎたためかセクター7「シソワン〜ブルゲル」でスリップダウン。脱落したチェーンを復帰させることで手間取り、タイム差は一気に10秒台まで縮まってしまった。
マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)のアタックをフォローするソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
ファンデルプールとコルブレッリ、フェルメルシュがルーベのベロドロームを目指す photo:CorVos
続くセクター5「カンファナン=ぺヴェル」でファンデルプールがアタックした後方でボワヴァンが、そして止まりきれずに中継バイクが落車してしまう。モスコンは跳ねるタイヤを押さえ込みながらリードを保ったものの、900mの舗装路を挟んで突入した最後の5つ星、セクター4「カルフール=ド=ラルブル」で遂に飲み込まれ脱落。先頭がファンデルプールとコルブレッリ、そしてフェルメルシュの3名になると同時にコルブレッリがペースアップを図った。
パリ〜ルーベ初出場の3人は、ファンアールトなど力尽きた後続グループを置き去りにして残る距離を消化していく。実績を誇るファンデルプールとコルブレッリに対し、先日の世界選手権U23個人TTで3位に入った22歳フェルメルシュはこの日序盤の逃げから生き残り、さらに2人と同等の力でローテーションを回すなど存在感を発揮。逆に残り3km地点でアタックを仕掛けるも当然ビッグスター2人はがっちり食らいついて離さなかった。
ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)がスプリントでファンデルプールとフェルメルシュを下した photo:CorVos
バイクを高く振りかざすソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
7位に終わったワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) photo:CorVos
6時間超の激闘を経て、ペースダウンしながら荒れたコンクリート舗装のヴェロドロームに突入した3人。パリ〜ルーベを締めくくる500mバンク1周半。バックストレート終盤でフェルメルシュが仕掛け、それを確認したコルブレッリは加速力でファンデルプールを外に押し出してフェルメルシュのスリップストリームへ。サドルに腰を下ろしたまま踏み込んだコルブレッリが最終盤に先頭に立ち、フィニッシュラインを越えると同時に両手を挙げる。好調コルブレッリがファンデルプールとフェルメルシュを退け、初出場のパリ〜ルーベで勝利した。
両手でバイクを振り上げ、地面に転がりながら歓喜の声を上げた欧州王者。頭を抱えながら男泣きするコルブレッリが、遅れてやってきたチームメイトやスタッフと抱擁を交わし続けた。
「僕にとって初めてのパリ〜ルーベ。勝ったなんて全く信じられない。今朝の時点で勝ちを意識することすらできなかった。全くプレッシャーを感じることなくスタートし、常に夢見てきたレースを全力で楽しもうとだけ思っていた。距離を重ねるごとに調子が上がっていったので自ら希望に向けて攻撃したんだ」。泥にまみれたままインタビューに答え、炎燃え盛る表彰式でパヴェでできたトロフィーを高く掲げた。
2位フェルメルシュ、1位コルブレッリ、3位ファンデルプール photo:CorVos
パヴェでできた優勝トロフィーを掲げるソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
今期イタリア選手権とヨーロッパ選手権を制すなど、シーズン後半にかけてコンディションを高めたコルブレッリが初のモニュメント制覇。世界選手権では噛み合わず10位に終わった悔しさを、それ以上のタフレースで返すことになった。イタリア人選手のパリ〜ルーベ優勝は1999年のアンドレア・タフィ以来だ。
ファンデルプールの度重なるアタックを追い、スプリントでファンデルプールを上回り2位に入ったフェルメルシュは大きく株を上げた。「シクロクロス選手として走った経験が役に立った。石畳上で滑る感覚は今でも身体に染み付いていたんだ。スプリント力のある二人に対してサプライズアタックを仕掛ける必要があったけれど失敗。最後は脚が攣ってコルブレッリに交わされてしまった」と、その知られざるポテンシャルを披露することに。3位に終わったファンデルプールは苦い表情を見せ続けていたものの、「とても素敵なレースだった。自分の走りには満足している。ずっと忘れることのできない記憶になった」と話している。
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2019年4月14日以来、実に2年半、903日ぶりに開催されたパリ〜ルーベ男子レース。フランスの首都パリから80km北に位置するコンピエーニュをスタートし、ベルギー国境に近いルーベまで北上する257kmは、前日の女子レースに続き大会としてはヨハン・ムセーウが優勝した2002年以来約20年ぶりの雨模様となった。
「クラシックの女王」あるいは「北の地獄」、はたまた「地獄の日曜日」と畏れられる一大決戦。通過する石畳(パヴェ)の数は2019年から1つ増えた合計30セクターで、合計距離はなんと55kmに及ぶ。泥水にまみれ、まっすぐ走ることもままならないパヴェなど悪条件が重なったにも関わらず、この日は後半を待たずしてアタックが掛かり続けたため、ほぼ同じコースレイアウトで行われた2019年大会(ドライ)と比べてフィニッシュタイムが3分遅いだけという過酷な展開となった。
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かつてベルナール・イノーが着用したモンドリアンカラーの特別復刻ジャージに身を包んだデルコを先頭にコンピエーニュを出発。リアルスタートが掛かると同時にミッチェル・ドッカー(オーストラリア、EFエデュケーション・NIPPO)が落車するという不穏な空気の中、およそ40kmを要して31名の巨大な逃げが生まれた。
ユンボ・ヴィズマ(ローセン、ファンフーイドンク、アッフィニ)とイネオス・グレナディアーズ(ロウ、モスコン、ドゥール)、そしてロット・スーダル(フェルメルシュ、スウェニー、ファンデルサンド)が3名ずつ加え、グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、AG2Rシトロエン)、ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス)、シュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・NIPPO)、ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)など、エース/準エース級選手がたっぷり入った強力グループが逃げることに。
残り161.4km地点の最初のパヴェ区間「セクター30 トロワヴィル〜アンシー」に入ったタイミングで、メイン集団とのタイム差は1分40秒。1つセクターを越えただけで先頭からダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)がパンクで遅れ、メイン集団も早速細切れ(多くの選手は追走ののち合流)に。レースは1/30の時点で早くもサバイバルレースの様相を呈した。
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メイン集団では110km以上を残してマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)がペースアップを試み、ライバルのワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が追従するシーンも。雨が上がったことで泥の粘度が増し、よりスリッピーになったパヴェ区間ではあらゆるところで選手たちが足元をすくわれ路肩に投げ出されていく。カオス極まる状況下、最高難易度を誇るセクター19「トルエー=ド=アランベール」に入る頃、メイン集団(だったもの)は13名にまで絞られていた。
そのグループでさえ2度の落車で人数が減り、足止めを食らったファンアールトは追走を経て復帰に成功。その後先頭2名と追走グループが合流して6名となり、欧州王者ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)はギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)らと共にメイン集団を抜け出したが、思うように先頭との差が詰まらなかったことでやがて引き戻される。続くセクター15「ティヨワ〜サール=エ=ロジエール」ではファンデルプールが再び加速した。
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ファンデルプールのアタックに反応したコルブレッリやボワヴァン、バティスト・プランカールト(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)はぐいぐいペースを上げ、前からこぼれ落ちてきたグループを捉え、そして抜け出していく。一方先頭グループでは残り54.1km地点のセクター12「オシー〜ベルシー(難易度4つ星)」でモスコンが逃げメンバーを置き去りにして単独先頭に立った。
「パリ〜ルーベは最も美しいレースの一つ。距離を残してアタックしてみた。カードを切ってみようと思ったんだ」と、残り52.8kmから独走に持ち込んだモスコンは急速に乾いていくパヴェを飛ばしに飛ばす。ファンデルプールグループはモスコン以外の逃げメンバーを全て捉え、1対複数の状況に持ち込んだもののむしろモスコンのリードは拡大。次なる5つ星「モンサン=ぺヴェル」で1分20秒までタイムは広がった。
逃げ切りの可能性を大きくしたモスコンだったがしかし、残り30km地点で後輪パンクに見舞われた。チームカーからスペアバイクを受け取ってペースを取り戻したものの、空気圧が高すぎたためかセクター7「シソワン〜ブルゲル」でスリップダウン。脱落したチェーンを復帰させることで手間取り、タイム差は一気に10秒台まで縮まってしまった。
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続くセクター5「カンファナン=ぺヴェル」でファンデルプールがアタックした後方でボワヴァンが、そして止まりきれずに中継バイクが落車してしまう。モスコンは跳ねるタイヤを押さえ込みながらリードを保ったものの、900mの舗装路を挟んで突入した最後の5つ星、セクター4「カルフール=ド=ラルブル」で遂に飲み込まれ脱落。先頭がファンデルプールとコルブレッリ、そしてフェルメルシュの3名になると同時にコルブレッリがペースアップを図った。
パリ〜ルーベ初出場の3人は、ファンアールトなど力尽きた後続グループを置き去りにして残る距離を消化していく。実績を誇るファンデルプールとコルブレッリに対し、先日の世界選手権U23個人TTで3位に入った22歳フェルメルシュはこの日序盤の逃げから生き残り、さらに2人と同等の力でローテーションを回すなど存在感を発揮。逆に残り3km地点でアタックを仕掛けるも当然ビッグスター2人はがっちり食らいついて離さなかった。
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6時間超の激闘を経て、ペースダウンしながら荒れたコンクリート舗装のヴェロドロームに突入した3人。パリ〜ルーベを締めくくる500mバンク1周半。バックストレート終盤でフェルメルシュが仕掛け、それを確認したコルブレッリは加速力でファンデルプールを外に押し出してフェルメルシュのスリップストリームへ。サドルに腰を下ろしたまま踏み込んだコルブレッリが最終盤に先頭に立ち、フィニッシュラインを越えると同時に両手を挙げる。好調コルブレッリがファンデルプールとフェルメルシュを退け、初出場のパリ〜ルーベで勝利した。
両手でバイクを振り上げ、地面に転がりながら歓喜の声を上げた欧州王者。頭を抱えながら男泣きするコルブレッリが、遅れてやってきたチームメイトやスタッフと抱擁を交わし続けた。
「僕にとって初めてのパリ〜ルーベ。勝ったなんて全く信じられない。今朝の時点で勝ちを意識することすらできなかった。全くプレッシャーを感じることなくスタートし、常に夢見てきたレースを全力で楽しもうとだけ思っていた。距離を重ねるごとに調子が上がっていったので自ら希望に向けて攻撃したんだ」。泥にまみれたままインタビューに答え、炎燃え盛る表彰式でパヴェでできたトロフィーを高く掲げた。
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今期イタリア選手権とヨーロッパ選手権を制すなど、シーズン後半にかけてコンディションを高めたコルブレッリが初のモニュメント制覇。世界選手権では噛み合わず10位に終わった悔しさを、それ以上のタフレースで返すことになった。イタリア人選手のパリ〜ルーベ優勝は1999年のアンドレア・タフィ以来だ。
ファンデルプールの度重なるアタックを追い、スプリントでファンデルプールを上回り2位に入ったフェルメルシュは大きく株を上げた。「シクロクロス選手として走った経験が役に立った。石畳上で滑る感覚は今でも身体に染み付いていたんだ。スプリント力のある二人に対してサプライズアタックを仕掛ける必要があったけれど失敗。最後は脚が攣ってコルブレッリに交わされてしまった」と、その知られざるポテンシャルを披露することに。3位に終わったファンデルプールは苦い表情を見せ続けていたものの、「とても素敵なレースだった。自分の走りには満足している。ずっと忘れることのできない記憶になった」と話している。
パリ〜ルーベ2021結果
1位 | ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 6:01:57 |
2位 | フロリアン・フェルメルシュ(ベルギー、ロット・スーダル) | |
3位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) | |
4位 | ジャンニ・モスコン(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:44 |
5位 | イブ・ランパールト(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 1:16 |
6位 | クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) | |
7位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) | |
8位 | トム・ファンアスブロック(ベルギー、イスラエル・スタートアップネイション) | |
9位 | ギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション) | |
10位 | ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
11位 | ヨナス・ルッチ(ドイツ、EFエデュケーション・NIPPO) | |
12位 | マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、チームDSM) | 3:17 |
13位 | アントニー・テュルジス(フランス、トタルエネルジー) | |
14位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | 4:40 |
15位 | ジャンニ・フェルメルシュ(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | |
16位 | セバスティアン・ラングフェルド(オランダ、EFエデュケーション・NIPPO) | 4:45 |
17位 | マルコ・ハラー(オーストリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 6:21 |
18位 | アモリ・カピオ(ベルギー、アルケア・サムシック) | |
19位 | バティスト・プランカールト(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
20位 | ルーカ・モッツァート(イタリア、B&BホテルズKTM) |
text:So Isobe
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