2021/09/04(土) - 10:02
「まるで夢のようだ。信じられない」と語るのは区間3勝目を挙げたマグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・NIPPO)。スプリントで敗れたオリヴェイラやシモンズ、明日について語るログリッチなどブエルタ第19ステージを終えた選手たちのコメントを紹介します。
ステージ1位 マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・NIPPO)
信じられない。これが夢ならば覚めないでほしいぐらいだ。まさか逃げ切れると思わなかった。勝利を意識し始めたのは残り5、6km地点から。メイン集団が僕らにタイム差を与えてくれないとてもハードなステージだった。逃げ集団では常に協力体制を維持していたわけではなく、いくつかのアタックによって人数も絞られた。最後は上手くこなした登りの疲れが、みんなの脚に現れたのだろう。
チームメイトのローソン・クラドックの働きは素晴らしく、彼と一緒じゃなければこの勝利はなかっただろう。ローソンは他の選手によるアタックを封じ込めるスピードで前を引いてくれた。クイン・シモンズの後ろで残り300m地点の最終コーナーを通過し、彼が先に加速したので、その後ろから飛び出す完璧なスプリントになった。
(今大会の3勝の中で)登りフィニッシュだった最初の勝利が最もスペクタクルだった。高い山のない母国デンマークには似たような登りが多いからね。同じレースで3勝目を挙げるなんて、本当に信じられないよ。
ステージ2位 ルイ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)
1つ目の山岳で遅れそうになるほど集団のペースは速かった。だが残り50kmから脚に力が戻っていった。30秒差だったので逃げ切れるとは思わなかったが、みんなで協力して走ることができた。2位という結果は悔しいものの、明日の朝になれば少しはマシな気分になるんじゃないかな。
ステージ3位 クイン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード)
いまは悔しさでいっぱいだ。だが、まさか初めてのグランツールの第19ステージで勝利を争えるとは思わなかった。将来に向けて良い一歩になったと思う。明らかに今日は彼(コルト)が一番強かった。これほど力を使いながら勝利を逃すなんて悔しいが、まだ僕は20歳だ。必ずまたここに戻ってくる。
ステージ4位 アンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)
再び過酷なステージとなったものの、もはやこのブエルタでは珍しいことじゃない。メイン集団とのタイム差は広がらなかったが、協力して逃げることができた。プロトンがペースを上げたこともあり、最後の25kmは全力だった。だからフィニッシュ手前ですでに脚は空っぽで、スプリントが不可能だった。だがこの3週間とこのブエルタがどれほど厳しいものだったかを考えれば、勝利を狙う位置まで迫れただけで満足だよ。
ステージ5位 アントニー・ルー(フランス、グルパマFDJ)
逃げに乗ることでアルノー(デマール)のスプリントの手助けになると思っていたが、彼は登りで遅れてしまった。1日を通してフルガスだったよ。単独での戦いは難しかったが、後悔したくなかったので全ての動きに反応した。最後はマグナスとバジオーリの動きに注意していたものの、先頭交代をするだけで脚はもう限界だった。ペースがものすごく速かったからね。
ステージ6位 アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・スーダル)
0kmからフルガスで、プロトンが大きなタイム差を許してくれることはなかった。最後は逃げ集団とチームDSM&バイクエクスチェンジとの追いかけっこだった。自分の走りには満足しているものの、勝利が欲しかった。はじめてのグランツールでまたトップ10に入ることができた。そして第3週目でも変わらない走りができることも証明できた。この調子のままグランツールデビューを走り切りたい。
ステージ7位 ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーション・NIPPO)
僕とマグナスが幸運にも逃げに乗ることができたが、メイン集団がタイム差を許さないとても難しく速いステージだった。マグナスの勝利はとても嬉しい。ステージ3勝だ。かなり良いブエルタになったね。みんな彼の髭を見るべきだ。あんな髭の選手が負けるわけないのだからね。
マイヨロホ プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)
とてもハードな日になった。スタートからフィニッシュまでハイペースで進んだ。僕たちチームにとっては強力な逃げ集団が形成されても構わなかった。だが、終わりに向かっているブエルタで勝利を狙うチームがハイテンポを刻む気持ちも理解できるよ。
これが50回目のマイヨロホ獲得だとは知らなかったし、良い意味で驚いたよ。明日以降、その数字を伸ばせるといいね。明日は決して簡単なステージではない。また日曜のタイムトライアルも集中しなければならない。グランツールの毒が最終日に襲ってくることは、誰よりも僕が知っているからね。
このまま集中を切らすことなく、マイヨロホを持ち帰れるよう最大限の走りをしたい。思い描いた結果で、この3週間を締めくくれるだけの力が残っているといいね。
トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
これまでで一番ハードなステージだった。登りをフルスロットルで越え、下りの後に再び登りをフルスロットル。最悪だったよ。
新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)
相変わらず、厳しいステージが続いています。今日もスタートからフィニッシュまで全速力で駆け抜けた感じ。平坦ステージではなく、獲得標高3000m越えるステージでアベレージスピード43km/hは一日中、脚が痛かった。明日が自分にとっては最終日みたいなものだ。(最終ステージは個人タイムトライアルのため)20ステージのコースはリエージュみたいなステージだね。多分、明日も全力疾走だろう(苦笑)今日でかなり消耗したが、残ってる力を振り絞って良い締め括りにしたいと思う。
第7ステージで棄権したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
肋骨は依然として痛むものの、順調に回復している。いまはシチリアに戻りイル・ロンバルディア(10月9日)を目指すつもりだ。2022年シーズンも現役を続ける予定だ。僕にはまだ仲間を勝利に導く力とモチベーションがあるのだからね。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
ステージ1位 マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・NIPPO)
信じられない。これが夢ならば覚めないでほしいぐらいだ。まさか逃げ切れると思わなかった。勝利を意識し始めたのは残り5、6km地点から。メイン集団が僕らにタイム差を与えてくれないとてもハードなステージだった。逃げ集団では常に協力体制を維持していたわけではなく、いくつかのアタックによって人数も絞られた。最後は上手くこなした登りの疲れが、みんなの脚に現れたのだろう。
チームメイトのローソン・クラドックの働きは素晴らしく、彼と一緒じゃなければこの勝利はなかっただろう。ローソンは他の選手によるアタックを封じ込めるスピードで前を引いてくれた。クイン・シモンズの後ろで残り300m地点の最終コーナーを通過し、彼が先に加速したので、その後ろから飛び出す完璧なスプリントになった。
(今大会の3勝の中で)登りフィニッシュだった最初の勝利が最もスペクタクルだった。高い山のない母国デンマークには似たような登りが多いからね。同じレースで3勝目を挙げるなんて、本当に信じられないよ。
ステージ2位 ルイ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)
1つ目の山岳で遅れそうになるほど集団のペースは速かった。だが残り50kmから脚に力が戻っていった。30秒差だったので逃げ切れるとは思わなかったが、みんなで協力して走ることができた。2位という結果は悔しいものの、明日の朝になれば少しはマシな気分になるんじゃないかな。
ステージ3位 クイン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード)
いまは悔しさでいっぱいだ。だが、まさか初めてのグランツールの第19ステージで勝利を争えるとは思わなかった。将来に向けて良い一歩になったと思う。明らかに今日は彼(コルト)が一番強かった。これほど力を使いながら勝利を逃すなんて悔しいが、まだ僕は20歳だ。必ずまたここに戻ってくる。
ステージ4位 アンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)
再び過酷なステージとなったものの、もはやこのブエルタでは珍しいことじゃない。メイン集団とのタイム差は広がらなかったが、協力して逃げることができた。プロトンがペースを上げたこともあり、最後の25kmは全力だった。だからフィニッシュ手前ですでに脚は空っぽで、スプリントが不可能だった。だがこの3週間とこのブエルタがどれほど厳しいものだったかを考えれば、勝利を狙う位置まで迫れただけで満足だよ。
ステージ5位 アントニー・ルー(フランス、グルパマFDJ)
逃げに乗ることでアルノー(デマール)のスプリントの手助けになると思っていたが、彼は登りで遅れてしまった。1日を通してフルガスだったよ。単独での戦いは難しかったが、後悔したくなかったので全ての動きに反応した。最後はマグナスとバジオーリの動きに注意していたものの、先頭交代をするだけで脚はもう限界だった。ペースがものすごく速かったからね。
ステージ6位 アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・スーダル)
0kmからフルガスで、プロトンが大きなタイム差を許してくれることはなかった。最後は逃げ集団とチームDSM&バイクエクスチェンジとの追いかけっこだった。自分の走りには満足しているものの、勝利が欲しかった。はじめてのグランツールでまたトップ10に入ることができた。そして第3週目でも変わらない走りができることも証明できた。この調子のままグランツールデビューを走り切りたい。
ステージ7位 ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーション・NIPPO)
僕とマグナスが幸運にも逃げに乗ることができたが、メイン集団がタイム差を許さないとても難しく速いステージだった。マグナスの勝利はとても嬉しい。ステージ3勝だ。かなり良いブエルタになったね。みんな彼の髭を見るべきだ。あんな髭の選手が負けるわけないのだからね。
マイヨロホ プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)
とてもハードな日になった。スタートからフィニッシュまでハイペースで進んだ。僕たちチームにとっては強力な逃げ集団が形成されても構わなかった。だが、終わりに向かっているブエルタで勝利を狙うチームがハイテンポを刻む気持ちも理解できるよ。
これが50回目のマイヨロホ獲得だとは知らなかったし、良い意味で驚いたよ。明日以降、その数字を伸ばせるといいね。明日は決して簡単なステージではない。また日曜のタイムトライアルも集中しなければならない。グランツールの毒が最終日に襲ってくることは、誰よりも僕が知っているからね。
このまま集中を切らすことなく、マイヨロホを持ち帰れるよう最大限の走りをしたい。思い描いた結果で、この3週間を締めくくれるだけの力が残っているといいね。
トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
これまでで一番ハードなステージだった。登りをフルスロットルで越え、下りの後に再び登りをフルスロットル。最悪だったよ。
新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)
相変わらず、厳しいステージが続いています。今日もスタートからフィニッシュまで全速力で駆け抜けた感じ。平坦ステージではなく、獲得標高3000m越えるステージでアベレージスピード43km/hは一日中、脚が痛かった。明日が自分にとっては最終日みたいなものだ。(最終ステージは個人タイムトライアルのため)20ステージのコースはリエージュみたいなステージだね。多分、明日も全力疾走だろう(苦笑)今日でかなり消耗したが、残ってる力を振り絞って良い締め括りにしたいと思う。
第7ステージで棄権したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
肋骨は依然として痛むものの、順調に回復している。いまはシチリアに戻りイル・ロンバルディア(10月9日)を目指すつもりだ。2022年シーズンも現役を続ける予定だ。僕にはまだ仲間を勝利に導く力とモチベーションがあるのだからね。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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