ツールのプロバイク特集第10弾は、エンリク・マス(スペイン)を総合6位に送り込んだモビスターのチームバイク。キャニオンのAEROAD CFRやTTバイクのSPEEDMAXを紹介していこう。



メインバイクとなるキャニオン AEROAD CFRメインバイクとなるキャニオン AEROAD CFR photo:Makoto.AYANO
ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)をエースに据え、アレハンドロ・バルベルデやマルク・ソレルら歴戦のスペイン勢を送り込んだモビスター。ロペスは相次いだ落車の犠牲となり第19ステージでレースを去ったものの、代わりにエースを担ったエンリク・マスが6位に入る健闘を見せた。

チームバイクは今年もキャニオンだが、昨年と異なるのはほぼすべての選手がエアロロードであるAEROADの最新モデルであるAEROAD CFRを使用したこと。軽量モデルのUltimateの存在感が一気に薄れたというのも大きな変化である。ちなみにTTバイクのSPEEDMAXもディスクモデルを使用しており、全ステージにおいてディスクブレーキバイクを使用した。

ロペスのバイクは対策済みのハンドルが装着され、フル内装仕様とされたロペスのバイクは対策済みのハンドルが装着され、フル内装仕様とされた photo:Makoto.AYANO平坦ステージでは454NSWを採用していた平坦ステージでは454NSWを採用していた photo:Makoto.AYANO

コンポーネントはスラムのRED eTap AXS。ビッグサイズのチェーンリングを使用するコンポーネントはスラムのRED eTap AXS。ビッグサイズのチェーンリングを使用する
ほぼ全ての選手が新しいVENTO INFINITO CARBON2を着用ほぼ全ての選手が新しいVENTO INFINITO CARBON2を着用 photo:Makoto.AYANOボトルケージはエリートのLeggeroで、ボトル自体も軽量なFLYボトルケージはエリートのLeggeroで、ボトル自体も軽量なFLY photo:Makoto.AYANO


なお、AEROAD CFRは春先のレースでハンドルが破損するというトラブルが起きたため、ケーブルフル内装ではなく外装仕様となっていた。一部のエース級選手のみ対策済みのハンドルを使用した上でフル内装仕様で走っていたようだ。

組み合わせるコンポーネントはスラムで無線電動変速のRED eTap AXSを使用している。合わせてホイールもジップを使用しており、ステージに合わせて303NSWと454NSWを適材適所に使い分けていた。

タイムトライアルでは前輪に858 NSW、後輪にSUPER 9を組み合わせる。タイヤはコンチネンタルのプロ供給専用品COMPETITION PRO LTD(25mm)をメインに使用しているが、タイムトライアルでは前輪にはGRANPRIX TTやGRAND PRIX 5000TLを使用していた。

今年からSPEEDMAX SF SLX DISCを使用する今年からSPEEDMAX SF SLX DISCを使用する photo:Makoto.AYANO
TTバイクの前輪は858NSW、タイヤはGP5000 TL。TTバイクの前輪は858NSW、タイヤはGP5000 TL。 photo:Makoto.AYANOジップのSUPER9を使用ジップのSUPER9を使用 photo:Makoto.AYANO

複雑な造形のDHバーが装着されている複雑な造形のDHバーが装着されている photo:Makoto.AYANOリムブレーキ仕様のSPEEDMAXもスペアバイクとして用意されていたリムブレーキ仕様のSPEEDMAXもスペアバイクとして用意されていた photo:Makoto.AYANO


モビスターはフィジークのサポートを受けており、サドルとシューズを同ブランドで統一。サドルはそれぞれの好みを反映しているが、シューズに関してはほぼ全ての選手が新しいVENTO INFINITO CARBON2を着用していた。

ボトルケージはエリートのLeggeroで、ボトル自体も軽量なFLY。バーテープはリザードスキンで、サイクルコンピューターはガーミン、ペダルはルックを使用している。

text:Naoki Yasuoka
photo:Makoto.AYANO


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