超級山岳フィニッシュのブルゴス最終日にヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・NIPPO)が勝利。ロマン・バルデ(フランス、チームDSM)が脱落し、ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)が逆転総合優勝を飾った。
総合首位で最終決戦に挑むロマン・バルデ(フランス、チームDSM)
ブエルタ・ア・ブルゴス2021第5ステージ コースマップ&プロフィール 1週間後に開幕を控えるブエルタ・ア・エスパーニャの前哨戦、ブエルタ・ア・ブルゴス(UCI2.Pro)もいよいよ最終日。マイヨロホを見据えるオールラウンダー勢が、このレースの名物峠である超級山岳ラグナス・デ・ネイラ(登坂距離12km/平均勾配6.2%)で火花を散らした。
この日はマークス・ブルグハート(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)やローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーション・NIPPO)、セップ・ファンマルク(ベルギー、イスラエル・スタートアップネイション)、ゴンサロ・セラーノ(スペイン、モビスター)など、山岳決戦を見据える有力チームが強力なメンバーを逃げに載せる。最大5分リードを得た先頭グループは、差を1分半以上維持したまま超級山岳ラグナス・デ・ネイラの登坂区間へと入った。
ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーション・NIPPO)ら、強力な6名がエスケープ
山岳区間でペースメイクを行うバイクエクスチェンジ
先頭6名は逃げ切りを目指して互いにアタックを仕掛け合ったものの、登坂力が拮抗していたため抜け出すには至らない。その後方を突き進むメイン集団ではバーレーン・ヴィクトリアスが組織的なペースメイクを行ったことで急速にタイム差は縮小。残り2.5km地点でジロ・デ・イタリア総合2位ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)が牽く集団に引き戻された。
このラグナス・デ・ネイラで、バーレーン・ヴィクトリアスのチーム力は他を圧倒した。逃げグループを吸収したカウンターでマーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・ヴィクトリアス)が仕掛け、総合首位ロマン・バルデ(フランス、チームDSM)が脱落。パデュンが引き戻された後もサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)が2020年ズイフトアカデミー優勝でアルペシン・フェニックス入りを果たしたジェイ・ヴァイン(オーストラリア、アルペシン・フェニックス)と共に攻撃を続けた。
ライバル勢から遅れたロマン・バルデ(フランス、チームDSM)
ベルナルを抜き去るヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・NIPPO)とエイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター)
残り500mのタイミングで先頭グループはヴァイン、ブイトラゴ、ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・NIPPO)、エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)、エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター)の5名。ベルナルのアタックはカーシーとルビオに封じ込められ、フィニッシュまで350m以上を残してカーシーが飛び立った。
長い手足を振る独特なダンシングでルビオを千切ったカーシーが、ロングスパートを成功させてフィニッシュ。ルビオとサイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ)が2位、3位に入り、間隔を空けてベルナルたちが13秒遅れでフィニッシュ。首位バルデが大きく遅れたことで、ステージ6位に食い込んだランダが逆転総合優勝を叶えた。
ルビオを引き離してフィニッシュしたヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・NIPPO)
「正直言って良いコンディションではなかった。ずっと耐えていたけれど、フィニッシュに向けて徐々にコンディションとポジションを上げていったんだ」と、ジロ・デ・イタリアを総合8位で終え、今季初勝利を掴んだカーシーは言う。「最後の上りで何かが変わり、ライバルたちを驚かすことができた」。
また、総合優勝を飾ったランダは「落車と怪我をした後に表彰台の頂点に立てるなんて素晴らしい気分だ。今日はステージ優勝を目標にし、登坂でレースを厳しいものにした。マークとサンティアゴでアタックをしたが、最終的に総合成績を守ったという結果に満足している。ブエルタに向けてとても良い感触を掴むことができた。ベストコンディションまでにはもう数週間必要だと感じている。僕たちの目標に向けて一日一日進んでいると思う」と、2015年以来となるブエルタ参戦に向けて弾みをつけた。
総合成績トップスリー。2位アル、1位ランダ、3位パデュン
総合優勝したミケル・ランダ(スペイン)とチーム総合成績で優勝した新城幸也ら、バーレーン・ヴィクトリアスのメンバー
また、この日も新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)と中根英登(EFエデュケーション・NIPPO)は集団牽引に力を尽くしてフィニッシュ。中根は「ヒューがステージ優勝!!この勝利に関われた事が最高に嬉しい!!」とTwitterで書き記している。


この日はマークス・ブルグハート(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)やローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーション・NIPPO)、セップ・ファンマルク(ベルギー、イスラエル・スタートアップネイション)、ゴンサロ・セラーノ(スペイン、モビスター)など、山岳決戦を見据える有力チームが強力なメンバーを逃げに載せる。最大5分リードを得た先頭グループは、差を1分半以上維持したまま超級山岳ラグナス・デ・ネイラの登坂区間へと入った。


先頭6名は逃げ切りを目指して互いにアタックを仕掛け合ったものの、登坂力が拮抗していたため抜け出すには至らない。その後方を突き進むメイン集団ではバーレーン・ヴィクトリアスが組織的なペースメイクを行ったことで急速にタイム差は縮小。残り2.5km地点でジロ・デ・イタリア総合2位ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)が牽く集団に引き戻された。
このラグナス・デ・ネイラで、バーレーン・ヴィクトリアスのチーム力は他を圧倒した。逃げグループを吸収したカウンターでマーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・ヴィクトリアス)が仕掛け、総合首位ロマン・バルデ(フランス、チームDSM)が脱落。パデュンが引き戻された後もサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)が2020年ズイフトアカデミー優勝でアルペシン・フェニックス入りを果たしたジェイ・ヴァイン(オーストラリア、アルペシン・フェニックス)と共に攻撃を続けた。


残り500mのタイミングで先頭グループはヴァイン、ブイトラゴ、ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・NIPPO)、エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)、エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター)の5名。ベルナルのアタックはカーシーとルビオに封じ込められ、フィニッシュまで350m以上を残してカーシーが飛び立った。
長い手足を振る独特なダンシングでルビオを千切ったカーシーが、ロングスパートを成功させてフィニッシュ。ルビオとサイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ)が2位、3位に入り、間隔を空けてベルナルたちが13秒遅れでフィニッシュ。首位バルデが大きく遅れたことで、ステージ6位に食い込んだランダが逆転総合優勝を叶えた。

「正直言って良いコンディションではなかった。ずっと耐えていたけれど、フィニッシュに向けて徐々にコンディションとポジションを上げていったんだ」と、ジロ・デ・イタリアを総合8位で終え、今季初勝利を掴んだカーシーは言う。「最後の上りで何かが変わり、ライバルたちを驚かすことができた」。
また、総合優勝を飾ったランダは「落車と怪我をした後に表彰台の頂点に立てるなんて素晴らしい気分だ。今日はステージ優勝を目標にし、登坂でレースを厳しいものにした。マークとサンティアゴでアタックをしたが、最終的に総合成績を守ったという結果に満足している。ブエルタに向けてとても良い感触を掴むことができた。ベストコンディションまでにはもう数週間必要だと感じている。僕たちの目標に向けて一日一日進んでいると思う」と、2015年以来となるブエルタ参戦に向けて弾みをつけた。


また、この日も新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)と中根英登(EFエデュケーション・NIPPO)は集団牽引に力を尽くしてフィニッシュ。中根は「ヒューがステージ優勝!!この勝利に関われた事が最高に嬉しい!!」とTwitterで書き記している。
ブエルタ・ア・ブルゴス2021第5ステージ結果
1位 | ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・NIPPO) | 3:23:53 |
2位 | エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター) | 0:05 |
3位 | サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ) | 0:07 |
4位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:13 |
5位 | ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、アルペシン・フェニックス) | 0:14 |
6位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:16 |
7位 | サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:29 |
8位 | ファビオ・アル(イタリア、クベカ・ネクストハッシュ) | 0:37 |
9位 | マーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:39 |
10位 | ミケル・ビスカラ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) | 0:43 |
89位 | 中根英登(EFエデュケーション・NIPPO) | |
113位 | 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) |
個人総合成績
1位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
2位 | ファビオ・アル(イタリア、クベカ・ネクストハッシュ) | |
3位 | マーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
4位 | パヴェル・シヴァコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ) | |
5位 | ダビ・デラクルス(スペイン、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | ロマン・バルデ(フランス、チームDSM) | |
7位 | エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター) | |
8位 | サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
9位 | ジョフリー・ブシャール(フランス、AG2Rシトロエン) | |
10位 | セバスティアン・ライヒェンバッハ(スイス、グルパマFDJ) |
その他の特別賞
山岳賞 | ロマン・バルデ(フランス、チームDSM) |
ポイント賞 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) |
ヤングライダー賞 | エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター) |
チーム総合成績 | バーレーン・ヴィクトリアス |
text:Sotaro.Arakawa
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