2021/07/18(日) - 08:50
今大会2度目の個人タイムトライアルで争われたツール第20ステージ。ステージ2勝目を挙げたワウト・ファンアールトや、2位のアスグリーン、ステージ8位に入り大会2連覇を手中に収めたポガチャル、今大会躍進したヴィンゲゴーなどのコメントを紹介します。
ステージ1位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)
今大会ステージ2勝目を飾ったワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:Bettiniphoto
ツール・ド・フランスのタイムトライアルで勝利を挙げることは、僕の選手人生の目標でもあった。ここ2日は今日のために調整していたので、勝利することできて嬉しいよ。登りもあった最初(第5ステージ)のタイムトライアルより、今日のコースの方が体重が重い僕に向いていた。だから完璧なレースとなったよ。
ホットシートに腰を掛けた直後の数分は、身体がオーバーヒートするまで踏んだから本当の意味で熱かったよ。その後はいつものように他の選手の走りを見るストレスフルな時間だったが、アスグリーンやキュングなどのTTスペシャリストに対し十分なタイムマージンがあり、総合上位陣の中間計測タイムを見ても抜かれる心配はないと思っていた。
僕たちのチームにとって困難の多いツールになったが、いつものように戦い抜き、ステージ3勝とヨナスの総合2位という結果を得ることができた。4人しか残っていないチームにしては上出来だし、戦い続けた僕らチームを誇りに思う。
ステージ2位 カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)
21秒及ばずステージ2位のカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:Kei Tsuji
今日のスタートには多くの強い選手が並び、勝利は難しいと思っていたので表彰台という結果に満足している。特に長く厳しい3週間を送り、五輪の前というレースで得られたこの結果は嬉しいよ。序盤の数kmはアスファルトが荒れ、道もかなり凸凹していたのでリズムを掴むのが難しかった。だから2つある長い直線に集中した。トップ3に入れたのは良い結果だし、今年最初のポディウムフィニッシュとなった。
ステージ3位&総合2位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)
フィニッシュに向かって追い込むヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) photo:Kei Tsuji
初出場のツールで総合2位なんて思いもしない結果だよ。ここへはプリモシュ(ログリッチ)のアシストとして参加し、彼をサポートしながら総合順位でも上位に食い込めればいいなという程度だった。不運にもプリモシュを失い、僕にチャンスが巡ってきた。とても素晴らしいし、まだ実感が湧かないよ。
ステージ4位 シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)
ヨーロッパチャンピオンのシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)はステージ4位 photo:Kei Tsuji
もちろん今日は勝ちたかった。調子も良く、スタートからモチベーションも高かった。ただ、それで空回りしてしまったのだろう。スタートから踏みすぎてしまったんだ。僕はTTスペシャリストなのでいつもなら対処できたのだが、ツールという舞台では簡単じゃなかった。自信もあり、ツールで2度も2位になっていることから、どうしても勝利が欲しかった。おそらく興奮し過ぎてしまい、一度レッドゾーンに入るとこのようなタイムトライアルでは取り戻せないんだ。コンディションも脚も良かったので、東京には自信をもって挑むことができる。
ステージ5位 シュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・NIPPO)
ステージ5位に入ったシュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・NIPPO) photo:Kei Tsuji
3週間のツールを越え、今日の走りはとてもラッキーだったと言える。とにかくベストを尽くすことができた。脚の調子は最悪だったが、選手全員が疲労のピークにあることだろう。そんななか全力が出せたのでハッピーだよ。
ステージ8位&マイヨジョーヌ&マイヨアポワ(山岳賞)&マイヨブラン(ヤングライダー賞) タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)
実質的に総合優勝を決めたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:Bettiniphoto
フィニッシュした瞬間は、ただただ嬉しかった。コース上を速く走行していても、沿道の応援が聞こえ励みになった。暑さに苦しみながらも、楽しみながら進んでいた。フィニッシュラインが徐々に近づいていく感覚は言葉で言い表せないぐらいだったよ。
力を尽くして踏んだが、第5ステージの走りとは全く違うものだった。良い準備ができたおかげでベストを尽くことができ、脚の疲れはあったものの僕にとって今日の走りはスーパーグッドだった。いまの感情を去年と比べることはできない。全く異なる気持ちだよ。
監督(で闘病中)のアラン・パイパーと今年1月振りに会うことができた。この第20ステージを彼やチーム、友人、家族、たくさんのファンのサポートを受けながら走れたことを幸せに思う。(ツール2連覇という歴史的な価値など)そういうことは将来考えるよ。いまはこの嬉しい気持ちを楽しみたい。
ステージ23位&総合3位 リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)
ステージ23位のリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) photo:Kei Tsuji
ポガチャルはとても強く、テレビでは簡単そうに映るステージでも、実際は難しい局面の連続だった。素晴らしいレースをしたポガチャルを祝福したい。
僕らは積極的に戦ったと思うし、これからも戦い続ける。個人的に、僕はプロになって5年しかたっていないんだ。それでグランツールの表彰台に3回上がるなんて素晴らしい結果だ。引き続き強みを伸ばし、弱点を克服するよう頑張っていきたい。だけどいまは、ツール・ド・フランスでトップ3に入った喜びを噛み締めたい。
ステージ26位&総合5位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)
ステージ26位のウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji
アップダウンや凸凹の多いタフなコースだったが、僕にとって普遍的なステージとなった。何か特別なことをするというよりも、今日は3週間の厳しいレースを越えてきた脚にどれだけ力が残っているかが試されるステージだった。もちろん総合4位に上がることを狙っていたので残念な気持ちもあるが、5位という結果にも満足している。僕にとってこのツール・ド・フランスは成功と言えるだろう。
ステージ31位&総合4位 ベン・オコーナー(オーストラリア、アージェードゥーゼール・シトロエン)
ステージ31位のベン・オコーナー(オーストラリア、アージェードゥーゼール・シトロエン) photo:Kei Tsuji
昨日はこのツール・ド・フランスでの自分の走りに対して感傷的になっていた。そして今日は嬉しさに満ち溢れている。オーストラリア人選手として、新たな一歩を踏み出した気持ちだ。今大会の初日に鎖骨を骨折したかと思うほど酷い落車をした。結果的に数針縫うだけで済んだが、他のチームも同様に落車した。それを考えると感動もひとしおだよ。
ステージ53位&総合8位 ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)
ステージ53位のギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) photo:Kei Tsuji
フランス人の総合最高位である8位はとても嬉しい結果だ。9位のペリョ・ビルバオとの差は僅かだったので、今日は懸命に踏んだ。調子は良くなかったが、それはビルバオも同じだったようだね。このタイムトライアルに向けて準備してくれたスタッフや、3週間をともに走ってきたチーム全体に感謝を伝えたい。
ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
2年振りのツールを総合42位で終えることになるゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:Makoto AYANO
良い天気と道路、観客の中を1人走るのは良い瞬間だったね。もちろん今大会はアップダウンの連続だったし、精神的には最もタフなツールだったと言えるだろう。ここには総合優勝を、最低でも表彰台を狙ってきたんだ。それが第8ステージで消え去り、それでもレースを走り続けなくてはならなかった。もちろん理想からはほど遠く、ただ走るために1年トレーニングを積んできたわけではない。だが、そんな中でも走ってきたことを誇りに思う。明日パリで息子に会えるのが楽しみだ。今大会唯一の良い瞬間となるんじゃないかな。
text:Sotaro.Arakawa
ステージ1位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)
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ツール・ド・フランスのタイムトライアルで勝利を挙げることは、僕の選手人生の目標でもあった。ここ2日は今日のために調整していたので、勝利することできて嬉しいよ。登りもあった最初(第5ステージ)のタイムトライアルより、今日のコースの方が体重が重い僕に向いていた。だから完璧なレースとなったよ。
ホットシートに腰を掛けた直後の数分は、身体がオーバーヒートするまで踏んだから本当の意味で熱かったよ。その後はいつものように他の選手の走りを見るストレスフルな時間だったが、アスグリーンやキュングなどのTTスペシャリストに対し十分なタイムマージンがあり、総合上位陣の中間計測タイムを見ても抜かれる心配はないと思っていた。
僕たちのチームにとって困難の多いツールになったが、いつものように戦い抜き、ステージ3勝とヨナスの総合2位という結果を得ることができた。4人しか残っていないチームにしては上出来だし、戦い続けた僕らチームを誇りに思う。
ステージ2位 カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)
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今日のスタートには多くの強い選手が並び、勝利は難しいと思っていたので表彰台という結果に満足している。特に長く厳しい3週間を送り、五輪の前というレースで得られたこの結果は嬉しいよ。序盤の数kmはアスファルトが荒れ、道もかなり凸凹していたのでリズムを掴むのが難しかった。だから2つある長い直線に集中した。トップ3に入れたのは良い結果だし、今年最初のポディウムフィニッシュとなった。
ステージ3位&総合2位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)
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初出場のツールで総合2位なんて思いもしない結果だよ。ここへはプリモシュ(ログリッチ)のアシストとして参加し、彼をサポートしながら総合順位でも上位に食い込めればいいなという程度だった。不運にもプリモシュを失い、僕にチャンスが巡ってきた。とても素晴らしいし、まだ実感が湧かないよ。
ステージ4位 シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)
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もちろん今日は勝ちたかった。調子も良く、スタートからモチベーションも高かった。ただ、それで空回りしてしまったのだろう。スタートから踏みすぎてしまったんだ。僕はTTスペシャリストなのでいつもなら対処できたのだが、ツールという舞台では簡単じゃなかった。自信もあり、ツールで2度も2位になっていることから、どうしても勝利が欲しかった。おそらく興奮し過ぎてしまい、一度レッドゾーンに入るとこのようなタイムトライアルでは取り戻せないんだ。コンディションも脚も良かったので、東京には自信をもって挑むことができる。
ステージ5位 シュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・NIPPO)
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3週間のツールを越え、今日の走りはとてもラッキーだったと言える。とにかくベストを尽くすことができた。脚の調子は最悪だったが、選手全員が疲労のピークにあることだろう。そんななか全力が出せたのでハッピーだよ。
ステージ8位&マイヨジョーヌ&マイヨアポワ(山岳賞)&マイヨブラン(ヤングライダー賞) タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)
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フィニッシュした瞬間は、ただただ嬉しかった。コース上を速く走行していても、沿道の応援が聞こえ励みになった。暑さに苦しみながらも、楽しみながら進んでいた。フィニッシュラインが徐々に近づいていく感覚は言葉で言い表せないぐらいだったよ。
力を尽くして踏んだが、第5ステージの走りとは全く違うものだった。良い準備ができたおかげでベストを尽くことができ、脚の疲れはあったものの僕にとって今日の走りはスーパーグッドだった。いまの感情を去年と比べることはできない。全く異なる気持ちだよ。
監督(で闘病中)のアラン・パイパーと今年1月振りに会うことができた。この第20ステージを彼やチーム、友人、家族、たくさんのファンのサポートを受けながら走れたことを幸せに思う。(ツール2連覇という歴史的な価値など)そういうことは将来考えるよ。いまはこの嬉しい気持ちを楽しみたい。
ステージ23位&総合3位 リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)
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ポガチャルはとても強く、テレビでは簡単そうに映るステージでも、実際は難しい局面の連続だった。素晴らしいレースをしたポガチャルを祝福したい。
僕らは積極的に戦ったと思うし、これからも戦い続ける。個人的に、僕はプロになって5年しかたっていないんだ。それでグランツールの表彰台に3回上がるなんて素晴らしい結果だ。引き続き強みを伸ばし、弱点を克服するよう頑張っていきたい。だけどいまは、ツール・ド・フランスでトップ3に入った喜びを噛み締めたい。
ステージ26位&総合5位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)
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アップダウンや凸凹の多いタフなコースだったが、僕にとって普遍的なステージとなった。何か特別なことをするというよりも、今日は3週間の厳しいレースを越えてきた脚にどれだけ力が残っているかが試されるステージだった。もちろん総合4位に上がることを狙っていたので残念な気持ちもあるが、5位という結果にも満足している。僕にとってこのツール・ド・フランスは成功と言えるだろう。
ステージ31位&総合4位 ベン・オコーナー(オーストラリア、アージェードゥーゼール・シトロエン)
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ステージ53位&総合8位 ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)
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フランス人の総合最高位である8位はとても嬉しい結果だ。9位のペリョ・ビルバオとの差は僅かだったので、今日は懸命に踏んだ。調子は良くなかったが、それはビルバオも同じだったようだね。このタイムトライアルに向けて準備してくれたスタッフや、3週間をともに走ってきたチーム全体に感謝を伝えたい。
ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
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良い天気と道路、観客の中を1人走るのは良い瞬間だったね。もちろん今大会はアップダウンの連続だったし、精神的には最もタフなツールだったと言えるだろう。ここには総合優勝を、最低でも表彰台を狙ってきたんだ。それが第8ステージで消え去り、それでもレースを走り続けなくてはならなかった。もちろん理想からはほど遠く、ただ走るために1年トレーニングを積んできたわけではない。だが、そんな中でも走ってきたことを誇りに思う。明日パリで息子に会えるのが楽しみだ。今大会唯一の良い瞬間となるんじゃないかな。
text:Sotaro.Arakawa
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