2021/07/05(月) - 13:50
Jプロツアー第9戦となる「西日本ロードクラシック広島大会」が、7月3日と4日の2日間にわたり広島県中央森林公園で開催された。4日に行われたJプロツアーのレースは、終盤に残った4名でのスプリント勝負となり、小森亮平(マトリックスパワータグ)が優勝した。3日に行われた女子チャンピオンシップは、植竹海貴(Y's Road)が今季7勝目を挙げた。
7月後半に開幕した昨年に比べ、今年は3月の開幕以降順調にレースカレンダーを消化してきたJプロツアーだったが、6月27日に福島県古殿町で予定されていた第8戦「古殿ロードレース」が中止となり、半月ほどのインターバルを経て「西日本ロードクラシック広島大会」が開催された。
同じ広島県中央森林公園では全日本選手権が予定されていたが、6月20日まで広島県に出されていた緊急事態宣言により使用出来ず延期となったため、3月末のJプロツアー第4戦「広島さくらロードレース」以来のレースとなった。
今回はチームブリヂストンサイクリングとエカーズが欠場。リーダーチームのマトリックスパワータグはフランシスコ・マンセボとアイラン・フェルナンデスらが不在のため6名での出走となるなどして、ロードレースとしては少人数の55名がスタートラインに並んだ。
初日は時々雨が降ってくることもあったが、Jプロツアーが行われた2日目は雲は多めながらも梅雨の晴れ間となって気温と湿度が上昇。12周147.6kmのレース距離は暑さとの戦いにもなった。
スタート直後からアタックと吸収が繰り返されたのち、2周目に4名が飛び出す。さらに5名が合流して9名の先頭集団が形成される。
メンバーは、小森亮平(マトリックスパワータグ)、住吉宏太、當原隼人(以上愛三工業レーシングチーム)、尾形尚彦、風間翔眞(以上シマノレーシング)、香山飛龍、井上文成(以上弱虫ペダルサイクリングチーム)、冨尾大地、白川幸希(以上CIEL BLEU KANOYA)。
メイン集団は地元チームのeNShare レーシングチームが牽引。先頭集団との差は2分から3分で推移しながら周回を重ねていく。
レースが後半に入ると、メイン集団では追走の動きが活性化する。7周目、安原大貴(マトリックスパワータグ)鈴木譲(愛三工業レーシングチーム)、湊諒(シマノレーシング)、入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)の4名が合流し、先頭集団は13名となる。この動きでメイン集団は崩壊し、4分以上遅れて10名前後の集団が続いていく状態となる。
9周目、先頭集団から白川がアタック。入部が追走して合流し、20秒前後の差をつけて先行する。残り3周となる10周目の登り区間で白川が遅れ、入部単独で先行を続けるものの、小森、冨尾ら7名の追走集団が吸収する。
残り2周、3連トンネルに続く登りで井上がアタック。小森、冨尾、入部が追従し、4名となって最終周回に入っていく。後続は1分以上差が開き、勝負は4名に絞られた。
残り5km過ぎからの登り区間で先手を打ったのは小森。しかし他の3名も遅れずに続いていく。3連トンネルに入ると入部がアタックするも決まらず。入部は展望台への登りで再度アタックするが、その後の下りで他の3名が追いつく。勝負は残り300mのスプリントへ。
ホームストレートに姿を現した4名はスプリント開始。残り200mあたりから小森が先頭に出る。井上と冨尾が追いすがるが届かず、小森が先着。地元広島でJプロツアー初優勝を決めた。
「ローカルレースでは勝っているけれど、メジャーレースはU23の全日本で優勝して以来なので、初優勝みたいなものですね」と話す小森。久々の優勝に表情がほころぶ。
「シマノと愛三が最初の逃げにメンバーを乗せたので、これは今追わないとレース後半に不利になると思って追走しました。でもそれが最後まで行くとは正直思っていませんでした。その後(安原)大貴が追走集団で追いついてきて、後ろとの差が縮まらなくなったあたりで、このまま行きそうだと感じました。
最後に残った4人では、こういう展開に強い入部と、力のある冨尾(大地)を警戒していました。出来ればスプリントにしたくなかったけれど、登りでアタックした入部にちぎられそうになっていたので、スプリントになってしまったという感じです」と、レースを振り返る。
「練習していても、ホセ(・ビセンテ・トリビオ)や(小林)海が僕なんかよりずっと強いのはわかっているけれど、彼らがいるからこそ思い切って自分の走りが出来たことが良かったと思います。これも監督のおかげです!」と、安原監督へのお礼でコメントを締めた。
一方、終盤に攻撃を繰り返した入部は敢闘賞を獲得した。
「チームとして先手を打つのと、井上君が足を溜められると考えて、アタックした白川君に合流しました。その後追いつかれた後も井上君が攻撃して、追走した小森さんと冨尾のところにうまくジャンプ出来ました。最後はスプリントに持ち込みたくなかったので、井上君と2人残ったのを利用して引きちぎりたかったのですが、力が及びませんでした。僕自身やっと調子が上向いてきて、優勝のチャンスがあったので悔しかったですけれど、今日は小森さんが『かかって』ましたね。
チームとしては前に前に展開することが出来て、攻撃の形も見えたので、それをさらに進化させて勝ちにつなげられるようにしたいです。次の石川でも良い走りが出来るようにしたいですね」と、コメントした。
7月後半に開幕した昨年に比べ、今年は3月の開幕以降順調にレースカレンダーを消化してきたJプロツアーだったが、6月27日に福島県古殿町で予定されていた第8戦「古殿ロードレース」が中止となり、半月ほどのインターバルを経て「西日本ロードクラシック広島大会」が開催された。
同じ広島県中央森林公園では全日本選手権が予定されていたが、6月20日まで広島県に出されていた緊急事態宣言により使用出来ず延期となったため、3月末のJプロツアー第4戦「広島さくらロードレース」以来のレースとなった。
今回はチームブリヂストンサイクリングとエカーズが欠場。リーダーチームのマトリックスパワータグはフランシスコ・マンセボとアイラン・フェルナンデスらが不在のため6名での出走となるなどして、ロードレースとしては少人数の55名がスタートラインに並んだ。
初日は時々雨が降ってくることもあったが、Jプロツアーが行われた2日目は雲は多めながらも梅雨の晴れ間となって気温と湿度が上昇。12周147.6kmのレース距離は暑さとの戦いにもなった。
スタート直後からアタックと吸収が繰り返されたのち、2周目に4名が飛び出す。さらに5名が合流して9名の先頭集団が形成される。
メンバーは、小森亮平(マトリックスパワータグ)、住吉宏太、當原隼人(以上愛三工業レーシングチーム)、尾形尚彦、風間翔眞(以上シマノレーシング)、香山飛龍、井上文成(以上弱虫ペダルサイクリングチーム)、冨尾大地、白川幸希(以上CIEL BLEU KANOYA)。
メイン集団は地元チームのeNShare レーシングチームが牽引。先頭集団との差は2分から3分で推移しながら周回を重ねていく。
レースが後半に入ると、メイン集団では追走の動きが活性化する。7周目、安原大貴(マトリックスパワータグ)鈴木譲(愛三工業レーシングチーム)、湊諒(シマノレーシング)、入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)の4名が合流し、先頭集団は13名となる。この動きでメイン集団は崩壊し、4分以上遅れて10名前後の集団が続いていく状態となる。
9周目、先頭集団から白川がアタック。入部が追走して合流し、20秒前後の差をつけて先行する。残り3周となる10周目の登り区間で白川が遅れ、入部単独で先行を続けるものの、小森、冨尾ら7名の追走集団が吸収する。
残り2周、3連トンネルに続く登りで井上がアタック。小森、冨尾、入部が追従し、4名となって最終周回に入っていく。後続は1分以上差が開き、勝負は4名に絞られた。
残り5km過ぎからの登り区間で先手を打ったのは小森。しかし他の3名も遅れずに続いていく。3連トンネルに入ると入部がアタックするも決まらず。入部は展望台への登りで再度アタックするが、その後の下りで他の3名が追いつく。勝負は残り300mのスプリントへ。
ホームストレートに姿を現した4名はスプリント開始。残り200mあたりから小森が先頭に出る。井上と冨尾が追いすがるが届かず、小森が先着。地元広島でJプロツアー初優勝を決めた。
「ローカルレースでは勝っているけれど、メジャーレースはU23の全日本で優勝して以来なので、初優勝みたいなものですね」と話す小森。久々の優勝に表情がほころぶ。
「シマノと愛三が最初の逃げにメンバーを乗せたので、これは今追わないとレース後半に不利になると思って追走しました。でもそれが最後まで行くとは正直思っていませんでした。その後(安原)大貴が追走集団で追いついてきて、後ろとの差が縮まらなくなったあたりで、このまま行きそうだと感じました。
最後に残った4人では、こういう展開に強い入部と、力のある冨尾(大地)を警戒していました。出来ればスプリントにしたくなかったけれど、登りでアタックした入部にちぎられそうになっていたので、スプリントになってしまったという感じです」と、レースを振り返る。
「練習していても、ホセ(・ビセンテ・トリビオ)や(小林)海が僕なんかよりずっと強いのはわかっているけれど、彼らがいるからこそ思い切って自分の走りが出来たことが良かったと思います。これも監督のおかげです!」と、安原監督へのお礼でコメントを締めた。
一方、終盤に攻撃を繰り返した入部は敢闘賞を獲得した。
「チームとして先手を打つのと、井上君が足を溜められると考えて、アタックした白川君に合流しました。その後追いつかれた後も井上君が攻撃して、追走した小森さんと冨尾のところにうまくジャンプ出来ました。最後はスプリントに持ち込みたくなかったので、井上君と2人残ったのを利用して引きちぎりたかったのですが、力が及びませんでした。僕自身やっと調子が上向いてきて、優勝のチャンスがあったので悔しかったですけれど、今日は小森さんが『かかって』ましたね。
チームとしては前に前に展開することが出来て、攻撃の形も見えたので、それをさらに進化させて勝ちにつなげられるようにしたいです。次の石川でも良い走りが出来るようにしたいですね」と、コメントした。
Jプロツアー第9戦 西日本ロードクラシック 結果(147.6km)
1位 | 小森亮平(マトリックスパワータグ) | 3時間48分37秒 |
2位 | 井上文成(弱虫ペダル サイクリングチーム) | +0秒 |
3位 | 冨尾大地(シエルブルー鹿屋) | +0秒 |
4位 | 入部正太朗(弱虫ペダル サイクリングチーム) | +0秒 |
5位 | 安原大貴(マトリックスパワータグ) | +58秒 |
6位 | 鈴木 譲(愛三工業レーシングチーム) | +1分7秒 |
中間スプリント賞
1回目 風間翔眞(シマノレーシング)
2回目 対象者なし
3回目 安原大貴(マトリックスパワータグ)
敢闘賞 入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)
Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
U23リーダー 山本哲央(TEAM BRIDGESTONE Cycling)
女子チャンピオンシップは植竹海貴が優勝
「JBCF女子チャンピオンシップ」として開催された女子のJフェミニンツアー。6周73.8kmのレースは1周目から大幅に集団の人数が絞られ、レース後半に入るまでに植竹海貴(Y's Road)、唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)、伊藤優以(Team ZERO UNO FRONTIER)の3名が残る。
4周目に伊藤が遅れ、植竹と唐見のマッチレースに。最終周回、3連トンネルへ向かう登りで唐見が遅れ、植竹が単独先行する。そのままフィニッシュまで独走した植竹が今季7勝目を挙げた。
1回目 風間翔眞(シマノレーシング)
2回目 対象者なし
3回目 安原大貴(マトリックスパワータグ)
敢闘賞 入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)
Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
U23リーダー 山本哲央(TEAM BRIDGESTONE Cycling)
女子チャンピオンシップは植竹海貴が優勝
「JBCF女子チャンピオンシップ」として開催された女子のJフェミニンツアー。6周73.8kmのレースは1周目から大幅に集団の人数が絞られ、レース後半に入るまでに植竹海貴(Y's Road)、唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)、伊藤優以(Team ZERO UNO FRONTIER)の3名が残る。
4周目に伊藤が遅れ、植竹と唐見のマッチレースに。最終周回、3連トンネルへ向かう登りで唐見が遅れ、植竹が単独先行する。そのままフィニッシュまで独走した植竹が今季7勝目を挙げた。
女子 結果(73.8km)
1位 | 植竹海貴(Y's Road) | 2時間12分2秒 |
2位 | 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム ) | +14秒 |
3位 | 伊藤優以(Team ZERO UNO FRONTIER) | +3分36秒 |
E1 結果(123km)
1位 | 鎌田晃輝(松山学院高等学校自転車競技部) | 3時間10分23秒 |
2位 | 小橋勇利(YURIFitCyclingTEAM) | +7秒 |
3位 | 中川真也(TTG ミトロング-V) | +7秒 |
4位 | 佐藤信哉(VC福岡エリート) | +9秒 |
5位 | 奥村祐希(サイファアスリートクラブ岡山) | +19秒 |
6位 | 中島雅人(VC福岡エリート) | +27秒 |
E2・E3 結果
E2(73.8km) | E3(61.5km) | |||
---|---|---|---|---|
1位 | 森本凛太郎(松山学院高等学校自転車競技部) | 1時間53分40秒 | 森口寛己(JIN CYCLING TEAM) | 1時間35分0秒 |
2位 | 梶塚力斗(ZERO BIKE FACTORY) | +41秒 | 布田直也(MiNERVA-asahi) | +16秒 |
3位 | 中村一登(Team Grandi Petit) | +3分7秒 | 南 広樹(TeamZenko) | |
4位 | 細川健太(TEAM YOU CAN) | 4分4秒 | 柳瀬 豪(アーティファクトレーシングチーム) | +18秒 |
5位 | 井上健志(チームGINRIN熊本) | 4分6秒 | 石橋宏介(VC VELOCE) | |
6位 | 日置江 草太(サイクルフリーダム・レーシング) | 4分8秒 | 木綿崚介(ヴィファリスト) | +20秒 |
U15 結果(36.9km)
1位 | 中尾涼介(フォアライン) | 1時間2分28秒 |
2位 | 平山雷斗(BUCYO COFFEE/CLT Cycling Team) | +10秒 |
3位 | 広野達徳(チームGINRIN熊本) | +17秒 |
4位 | 福永航平(TeamUKYO Reve) | +1分19秒 |
5位 | 武西憲進(エキップuレーシング) | +1分20秒 |
6位 | 新藤大翔(埼玉ユース自転車競技部) | +1分24秒 |
Y(ユース)結果(61.5km)
1位 | 綿貫遙人(TEAM SANREMO) | 1時間45分14秒 |
2位 | 楠本颯太(松山学院高等学校自転車競技部) | +1秒 |
3位 | 島崎将男(帯広南商業高等学校)※オープン参加 | + |
4位 | 木綿崚介(ヴィファリスト) | |
5位 | 三木颯一郎(松山学院高等学校 自転車競技部) | +2秒 |
6位 | 石田航太(松山学院高等学校 自転車競技部) |
マスターズ 結果(73.8km)
1位 | 佐藤信哉(VC福岡エリート) | 1時間57分26秒 |
2位 | 中川真也(TTG ミトロング-V) | +2秒 |
3位 | 小林孝臣(ミルキーウェイ和歌山) | +17秒 |
4位 | 山本 敦(SBC Vertex Racing Team) | +1分40秒 |
5位 | 福原 大(サイタマサイクルプロジェクト) | +1分43秒 |
6位 | 杉山文崇(山口県自転車競技連盟・我逢人) | +1分54秒 |
text&photo:Satoru Kato
フォトギャラリー
Amazon.co.jp