2021/06/28(月) - 02:23
6月27日に開催されたツール・ド・フランス第2ステージでマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)が2度アタック。3級山岳ミュール=ド=ブルターニュを制してグランツールステージ初優勝を飾り、ボーナスタイムにより祖父が果たせなかったマイヨジョーヌに初めて袖を通した。
ブルターニュらしさ溢れる2日連続の3級山岳フィニッシュ
前日のステージ1位ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)とステージ2位マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) photo:Luca Bettini
6月27日(日)第2ステージ
ペロス=ギレック〜ミュール=ド=ブルターニュ ゲルレダン
距離:183.5km
獲得標高差:2,300m
天候:雨のち晴れ
気温:19度
6月27日(日)第2ステージ ペロス=ギレック〜ミュール=ド=ブルターニュ ゲルレダン 183.5km image:A.S.O.
6月27日(日)第2ステージ ペロス=ギレック〜ミュール=ド=ブルターニュ ゲルレダン 183.5km image:A.S.O.
開幕から2日連続の3級山岳フィニッシュ。ブルターニュ地方を走る第2ステージは引き続きパンチャー向きで、海沿いのペロス=ギレックから内陸のミュール=ド=ブルターニュまでの183.5kmコースには6つのカテゴリー山岳が詰め込まれた。前日よりも難易度が低いとはいえ、獲得標高差は2,300mある。
最後は3年ぶりの登場となる3級山岳ミュール=ド=ブルターニュ(全長2km・平均6.9%)の周回コース。15.3km地点で一旦通過するフィニッシュラインは、3級山岳の山頂であると同時にボーナスポイント(8秒、5秒、2秒)でもある。ラ・フレーシュ・ワロンヌの「ユイの壁」のような壁感はないが、前半にかけて10%の勾配が続く登りはパンチャーのために仕立てられたもの。僅差の総合成績の変動にも注目が集まった。
カテゴリー山岳とスプリントポイント
72.8km地点 4級山岳サントバルブ峠(全長900m・平均6.6%)
85km地点 スプリントポイント
103.2km地点 4級山岳ポルディック峠(全長2.1km・平均3.2%)
115.2km地点 4級山岳サンブリュー峠(全長1km・平均8%)
165.2km地点 4級山岳ヴィラージュ・ド・ミュール=ド=ブルターニュ(全長1.6km・平均4.1%)
168.2km地点 ボーナス/3級山岳ミュール=ド=ブルターニュ(全長2km・平均6.9%)
183.5km地点 3級山岳ミュール=ド=ブルターニュ(全長2km・平均6.9%)
前日に落車したクリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・スタートアップネイション)は第2ステージをスタートすることに photo:Luca Bettini
バッテリー残量をマスクに記すカルロス・バルベロ(スペイン、クベカ・ネクストハッシュ) photo:Kei Tsuji
干潮のタイミングで干上がったビーチを横目にスタート photo:Luca Bettini
スヘリンフとペレスがマイヨアポワをかけてバトル
前日の大落車の影響で、包帯を巻く選手たちの姿が目立ったスタート地点。リタイア者3名に加えてマルク・ソレル(スペイン、モビスター)がスタートせず、180名の選手たちが晴れ間の覗くペロス=ギレックから動き出した。
ペロス=ギレックをスタートしていく180名の選手たち photo:Kei Tsuji
ロイック・ヴリーヘン(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)のファーストアタックで幕開けた戦いは、最終的な6名の逃げグループ形成に至る。山岳賞3位のアントニー・ペレス(フランス、コフィディス)が逃げに乗ったため、マイヨアポワのイーデ・スヘリンフ(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)も2日連続の逃げに滑り込んでいる。
逃げグループを形成した6名
イーデ・スヘリンフ(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)山岳賞1位
アントニー・ペレス(フランス、コフィディス)山岳賞3位
ジェレミー・カボ(フランス、トタルエネルジー)
エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)
ウィリアム・クラーク(オーストラリア、トレック・セガフレード)
ヨナス・コッホ(ドイツ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
サイモン・クラーク(オーストラリア、クベカ・ネクストハッシュ)やイーデ・スヘリンフ(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)を含む逃げ photo:Kei Tsuji
2日連続で長時間の集団牽引を担ったティム・デクレルク(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:Luca Bettini
曇り空のブルターニュ地方と、幾つもの橋を渡るプロトン photo:Kei Tsuji
逃げ続けるジェレミー・カボ(フランス、トタルエネルジー)とエドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) photo:Luca Bettini
総合で5分43秒遅れのペレスを含む6名の逃げ。『トラクター』ことティム・デクレルク(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)の集団牽引によってタイム差の拡大は4分で止まる。4級山岳をそれぞれ1回ずつ先頭通過したスヘリンフとペレスが山岳賞のポイント差をフリダシに戻すと、3つ目の4級山岳サンブリュー峠でトゥーンスがアタック。ここにカボが追いついて、他の4名はメイン集団に引き戻された。
2019年のジャパンカップクリテリウムで勝利したスプリンターの30歳トゥーンスと、グランツール初出場の29歳カボの2人逃げ。タイム差1分30秒で残り30kmを迎えたが、ポジション取りに伴ってスピードが上がるメイン集団を吹き切るのは不可能だった。独走に持ち込み、ステージ敢闘賞を獲得することになるトゥーンスも残り18km地点で吸収。メイン集団は一つのまま、いよいよ1回目の3級山岳ミュール=ド=ブルターニュに突入した。
ボーナスタイム獲得のためにファンデルプールが動く
天気予報通りステージ前半にかけて通り雨が選手たちを濡らしたが、後半は初夏らしい暖かい陽光がブルターニュ地方に降り注ぐ。コロナ禍をすっかり脱したかのような盛り上がりの3級山岳ミュール=ド=ブルターニュで、ファンデルプールが真っ先に動いた。
1度目の3級山岳ミュール=ド=ブルターニュを先頭通過するマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) photo:Luca Bettini
急勾配区間を踏み抜き、追い風の吹く緩斜面を快走したファンデルプールはそのまま3級山岳ミュール=ド=ブルターニュを先頭で通過。スタート時点で18秒遅れの総合20位につけていたファンデルプールがボーナスタイム8秒を獲得し、2番手のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)と3番手プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)がそれぞれ5秒と2秒を獲得。マイヨジョーヌのジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)がボーナスタイム0秒獲得に終わったため、ここでファンデルプールとの総合タイム差は10秒まで縮まる。
ボーナスタイム獲得というミッションを果たしたファンデルプールはペースを落とし、約80名に絞られたメイン集団はイネオス・グレナディアーズにコントロールされる形で2回目の3級山岳ミュール=ド=ブルターニュ登坂へ。リッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)が牽引するメイン集団から、フィニッシュまで1.2kmを残してナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック)が仕掛けた。
ファンデルプールが自らキンタナを封じ込めると、フラムルージュ通過後に今度はソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)がカウンター。この動きに乗じて、残り800mでファンデルプールが今一度加速した。
1回目の3級山岳ミュール=ド=ブルターニュを登るプロトン photo:Kei Tsuji
残り800mでアタックするソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:Kei Tsuji
コルブレッリのアタックに反応するマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) photo:Kei Tsuji
鮮やかな2度のアタックでマイヨジョーヌを手にしたファンデルプール
「祖父が果たせなかった夢を果たしたい」と開幕前に語っていたファンデルプールが、再び先頭で3級山岳ミュール=ド=ブルターニュを駆け上がった。牽制によってペースの上がらないメイン集団を突き放して、追い風に乗ってファンデルプールがフィニッシュまで独走した。
天を指差してフィニッシュするマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) photo:Luca Bettini
6秒遅れでフィニッシュするプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)やタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:Luca Bettini
天を指差してフィニッシュしたファンデルプール。ポガチャルとログリッチという『いつものスロベニアンコンビ』が6秒遅れでフィニッシュし、マイヨジョーヌのアラフィリップは8秒遅れのステージ5位に。ボーナスタイム10秒により、総合首位の座はアラフィリップからファンデルプールに移った。
溢れ出る涙に目を赤らめながら、ファンデルプールはインタビューにこう答えた。「昨日よりもずっと調子が良かった。おそらく昨日はストレスが大きすぎたんだと思う。今日はマイヨジョーヌを着る最後のチャンスだった。マイヨジョーヌを手にするためには、最初の登坂で動く以外に方法がなかったんだ。そして残り800mでアタックすると誰もついてこなかった。最後の500mは苦しみそのものだったけど、勝つためには踏み続けるしかなかった」。
ステージ初優勝を飾ったマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) photo:Luca Bettini
初めてマイヨジョーヌに袖を通したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) photo:Luca Bettini
UCIの許可を得て大会初日に着用した特別な『メルシーププ』ジャージではなくノーマルジャージでの勝利になったが、祖父のレイモン・プリドールが果たせなかったマイヨジョーヌ着用の夢を、彼の死後1年半後に果たした孫のファンデルプール。「ステージ優勝だけでなく、マイヨジョーヌを手にしたと分かったのはフィニッシュから5分ぐらい経ってから。本当に信じられない結果になった。残念ながら祖父はもういないけど、もしここにいたらどれだけ喜んでくれていたことか」。
プリドールの義理の息子で、マチューの父親アドリ・ファンデルプールは1984年にマイヨジョーヌを着用。アドリとマチューは、ツールの史上初めて揃ってマイヨジョーヌを着た親子となった。
第2ステージを終えて総合1位ファンデルプールと総合2位アラフィリップのタイム差は8秒。ここにポガチャルとログリッチが13秒差と14秒差で続いている。ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)も好調ぶりを見せる一方で、23秒遅れでフィニッシュしたゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)は総合10位から20位にダウンしている。
2度の3級山岳先頭通過でマイヨアポワも手にしたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) photo:Luca Bettini
マイヨヴェールはジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)がキープ photo:Luca Bettini
マイヨブランはタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)のまま photo:Luca Bettini
ステージ敢闘賞を獲得したエドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) photo:Luca Bettini
ブルターニュらしさ溢れる2日連続の3級山岳フィニッシュ
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6月27日(日)第2ステージ
ペロス=ギレック〜ミュール=ド=ブルターニュ ゲルレダン
距離:183.5km
獲得標高差:2,300m
天候:雨のち晴れ
気温:19度
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開幕から2日連続の3級山岳フィニッシュ。ブルターニュ地方を走る第2ステージは引き続きパンチャー向きで、海沿いのペロス=ギレックから内陸のミュール=ド=ブルターニュまでの183.5kmコースには6つのカテゴリー山岳が詰め込まれた。前日よりも難易度が低いとはいえ、獲得標高差は2,300mある。
最後は3年ぶりの登場となる3級山岳ミュール=ド=ブルターニュ(全長2km・平均6.9%)の周回コース。15.3km地点で一旦通過するフィニッシュラインは、3級山岳の山頂であると同時にボーナスポイント(8秒、5秒、2秒)でもある。ラ・フレーシュ・ワロンヌの「ユイの壁」のような壁感はないが、前半にかけて10%の勾配が続く登りはパンチャーのために仕立てられたもの。僅差の総合成績の変動にも注目が集まった。
カテゴリー山岳とスプリントポイント
72.8km地点 4級山岳サントバルブ峠(全長900m・平均6.6%)
85km地点 スプリントポイント
103.2km地点 4級山岳ポルディック峠(全長2.1km・平均3.2%)
115.2km地点 4級山岳サンブリュー峠(全長1km・平均8%)
165.2km地点 4級山岳ヴィラージュ・ド・ミュール=ド=ブルターニュ(全長1.6km・平均4.1%)
168.2km地点 ボーナス/3級山岳ミュール=ド=ブルターニュ(全長2km・平均6.9%)
183.5km地点 3級山岳ミュール=ド=ブルターニュ(全長2km・平均6.9%)
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スヘリンフとペレスがマイヨアポワをかけてバトル
前日の大落車の影響で、包帯を巻く選手たちの姿が目立ったスタート地点。リタイア者3名に加えてマルク・ソレル(スペイン、モビスター)がスタートせず、180名の選手たちが晴れ間の覗くペロス=ギレックから動き出した。
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ロイック・ヴリーヘン(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)のファーストアタックで幕開けた戦いは、最終的な6名の逃げグループ形成に至る。山岳賞3位のアントニー・ペレス(フランス、コフィディス)が逃げに乗ったため、マイヨアポワのイーデ・スヘリンフ(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)も2日連続の逃げに滑り込んでいる。
逃げグループを形成した6名
イーデ・スヘリンフ(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)山岳賞1位
アントニー・ペレス(フランス、コフィディス)山岳賞3位
ジェレミー・カボ(フランス、トタルエネルジー)
エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)
ウィリアム・クラーク(オーストラリア、トレック・セガフレード)
ヨナス・コッホ(ドイツ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
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総合で5分43秒遅れのペレスを含む6名の逃げ。『トラクター』ことティム・デクレルク(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)の集団牽引によってタイム差の拡大は4分で止まる。4級山岳をそれぞれ1回ずつ先頭通過したスヘリンフとペレスが山岳賞のポイント差をフリダシに戻すと、3つ目の4級山岳サンブリュー峠でトゥーンスがアタック。ここにカボが追いついて、他の4名はメイン集団に引き戻された。
2019年のジャパンカップクリテリウムで勝利したスプリンターの30歳トゥーンスと、グランツール初出場の29歳カボの2人逃げ。タイム差1分30秒で残り30kmを迎えたが、ポジション取りに伴ってスピードが上がるメイン集団を吹き切るのは不可能だった。独走に持ち込み、ステージ敢闘賞を獲得することになるトゥーンスも残り18km地点で吸収。メイン集団は一つのまま、いよいよ1回目の3級山岳ミュール=ド=ブルターニュに突入した。
ボーナスタイム獲得のためにファンデルプールが動く
天気予報通りステージ前半にかけて通り雨が選手たちを濡らしたが、後半は初夏らしい暖かい陽光がブルターニュ地方に降り注ぐ。コロナ禍をすっかり脱したかのような盛り上がりの3級山岳ミュール=ド=ブルターニュで、ファンデルプールが真っ先に動いた。
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急勾配区間を踏み抜き、追い風の吹く緩斜面を快走したファンデルプールはそのまま3級山岳ミュール=ド=ブルターニュを先頭で通過。スタート時点で18秒遅れの総合20位につけていたファンデルプールがボーナスタイム8秒を獲得し、2番手のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)と3番手プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)がそれぞれ5秒と2秒を獲得。マイヨジョーヌのジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)がボーナスタイム0秒獲得に終わったため、ここでファンデルプールとの総合タイム差は10秒まで縮まる。
ボーナスタイム獲得というミッションを果たしたファンデルプールはペースを落とし、約80名に絞られたメイン集団はイネオス・グレナディアーズにコントロールされる形で2回目の3級山岳ミュール=ド=ブルターニュ登坂へ。リッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)が牽引するメイン集団から、フィニッシュまで1.2kmを残してナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック)が仕掛けた。
ファンデルプールが自らキンタナを封じ込めると、フラムルージュ通過後に今度はソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)がカウンター。この動きに乗じて、残り800mでファンデルプールが今一度加速した。
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鮮やかな2度のアタックでマイヨジョーヌを手にしたファンデルプール
「祖父が果たせなかった夢を果たしたい」と開幕前に語っていたファンデルプールが、再び先頭で3級山岳ミュール=ド=ブルターニュを駆け上がった。牽制によってペースの上がらないメイン集団を突き放して、追い風に乗ってファンデルプールがフィニッシュまで独走した。
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天を指差してフィニッシュしたファンデルプール。ポガチャルとログリッチという『いつものスロベニアンコンビ』が6秒遅れでフィニッシュし、マイヨジョーヌのアラフィリップは8秒遅れのステージ5位に。ボーナスタイム10秒により、総合首位の座はアラフィリップからファンデルプールに移った。
溢れ出る涙に目を赤らめながら、ファンデルプールはインタビューにこう答えた。「昨日よりもずっと調子が良かった。おそらく昨日はストレスが大きすぎたんだと思う。今日はマイヨジョーヌを着る最後のチャンスだった。マイヨジョーヌを手にするためには、最初の登坂で動く以外に方法がなかったんだ。そして残り800mでアタックすると誰もついてこなかった。最後の500mは苦しみそのものだったけど、勝つためには踏み続けるしかなかった」。
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UCIの許可を得て大会初日に着用した特別な『メルシーププ』ジャージではなくノーマルジャージでの勝利になったが、祖父のレイモン・プリドールが果たせなかったマイヨジョーヌ着用の夢を、彼の死後1年半後に果たした孫のファンデルプール。「ステージ優勝だけでなく、マイヨジョーヌを手にしたと分かったのはフィニッシュから5分ぐらい経ってから。本当に信じられない結果になった。残念ながら祖父はもういないけど、もしここにいたらどれだけ喜んでくれていたことか」。
プリドールの義理の息子で、マチューの父親アドリ・ファンデルプールは1984年にマイヨジョーヌを着用。アドリとマチューは、ツールの史上初めて揃ってマイヨジョーヌを着た親子となった。
第2ステージを終えて総合1位ファンデルプールと総合2位アラフィリップのタイム差は8秒。ここにポガチャルとログリッチが13秒差と14秒差で続いている。ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)も好調ぶりを見せる一方で、23秒遅れでフィニッシュしたゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)は総合10位から20位にダウンしている。
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ツール・ド・フランス2021第2ステージ結果
1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) | 4:18:30 |
2位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 0:00:06 |
3位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | |
4位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
5位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:00:08 |
6位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | |
7位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | |
8位 | セルヒオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO) | |
9位 | ピエール・ラトゥール(フランス、トタルエネルジー) | |
10位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
28位 | ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:00:23 |
30位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター) | |
31位 | ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ・プレミアテック) | |
DNS | マルク・ソレル(スペイン、モビスター) |
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) | 8:57:25 |
2位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:00:08 |
3位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 0:00:13 |
4位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 0:00:14 |
5位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:24 |
6位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:00:26 |
7位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | |
8位 | セルヒオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO) | |
9位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | |
10位 | ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) |
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 66pts |
2位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) | 50pts |
3位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) | 45pts |
マイヨアポワ(山岳賞)
1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) | 4pts |
2位 | イーデ・スヘリンフ(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | 4pts |
3位 | アントニー・ペレス(フランス、コフィディス) | 3pts |
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 8:57:38 |
2位 | セルヒオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO) | 0:00:13 |
3位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) |
チーム総合成績
1位 | ユンボ・ヴィスマ | 26:53:36 |
2位 | アスタナ・プレミアテック | 0:00:32 |
3位 | バーレーン・ヴィクトリアス | 0:00:43 |
text:Kei Tsuji in Mûr-de-Bretagne, France
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