2021/06/16(水) - 14:28
2012年ツール・ド・フランスで新人賞を獲得するなど、アメリカ屈指のステージレーサーとして活躍したティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、EFエデュケーション・NIPPO)が引退を発表。6月20日のアメリカ国内選手権が現役最終レースになる。
ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、EFエデュケーション・NIPPO) photo:CorVos
「(引退の)時が来た。そして準備は整った。自分が築いてきたキャリアを誇りに思っているし、目標達成のためにどれだけの努力をしてきたか、またどこまで到達できたのかもわかっている。結果はさておき、自分の最大限の力を発揮できたと思っている。ただ、その力をもう少しだけ頻繁に出すことができればよかった。だが、これまでの走りには満足している」。
6月16日にチームの公式サイトで引退を発表したヴァンガーデレンは1988年生まれの32歳。2010年にチームHTC・コロンビアでプロデビューすると、同年のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネでいきなり総合3位に入り、21歳で臨んだ2012年のツール・ド・フランスでは総合5位で新人賞ジャージを獲得。その後もUSAプロチャレンジで2度、ツアー・オブ・カリフォルニアで1度総合優勝するなどアメリカ屈指のステージレーサーとして活躍した。
2012年ツール・ド・フランスでマイヨブランを獲得したティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、当時BMCレーシング) (c)Makoto.AYANO
2013年ツアー・オブ・カリフォルニア 総合優勝に輝いた(アメリカ、当時BMCレーシング) photo:CorVos
2015年のツール・ド・フランスでは総合3位につけながら第17ステージで棄権したティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、当時BMCレーシング) photo:CorVos
しかし、ヴァンガーデレンは決して順風満帆の選手人生ではなかったと話す。「多くの人が(引退が)早すぎると言うもの理解できる。なぜなら彼らは僕が若くして残した数々の結果を見ているからね。だが僕は何年もに渡り高いレベルを維持することはできたものの、その次のレベルに達することはできなかった。みんなはそれが見たかったのだろう」。
直近の勝利は2017年のジロ・デ・イタリア第18ステージ。2019年のドーフィでも総合2位に入る活躍を見せていたヴァンガーデレンだったが、「正直言うと、もう自転車選手として(チームに)貢献できないと思っていた。一度自分の能力が落ち始めると、その力を効果的に発揮する方法を考えなくてはならない」と、引退理由について語る。
2017年のジロ・デ・イタリア第18ステージで優勝したティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、当時BMCレーシング) photo:CorVos
近年はヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・NIPPO)のアシストを務めたティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ) photo:CorVos
そんなヴァンガーデレンを奮起させたのが、山岳アシストを務めた昨年のブエルタ・ア・エスパーニャで総合3位のヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・NIPPO)の存在だったと言う。
「ヒュー・カーシーの成長が僕に走るモチベーションを与えてくれた。彼の手助けをする良きメンター(師匠)になりたかった。まだ良いクライマーではあったから、山岳で彼に力を貸すことができると思ったんだ。トップレベルのクライマーが集う20人の集団には残れなくても、ヒューのようなエースのアシストはできる。だから(ジロでは)チームに貢献するために何ができるのかを常に考えながら走っていた。だが本音を言うと、8名のロースターの中にもう自分は必要ないと思ったんだ」。
ヴァンガーデレンの現役最後のレースは6月20日にテネシー州ノックスビルで行われるアメリカ国内選手権。引退後の詳細については明らかにしていない。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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「(引退の)時が来た。そして準備は整った。自分が築いてきたキャリアを誇りに思っているし、目標達成のためにどれだけの努力をしてきたか、またどこまで到達できたのかもわかっている。結果はさておき、自分の最大限の力を発揮できたと思っている。ただ、その力をもう少しだけ頻繁に出すことができればよかった。だが、これまでの走りには満足している」。
6月16日にチームの公式サイトで引退を発表したヴァンガーデレンは1988年生まれの32歳。2010年にチームHTC・コロンビアでプロデビューすると、同年のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネでいきなり総合3位に入り、21歳で臨んだ2012年のツール・ド・フランスでは総合5位で新人賞ジャージを獲得。その後もUSAプロチャレンジで2度、ツアー・オブ・カリフォルニアで1度総合優勝するなどアメリカ屈指のステージレーサーとして活躍した。
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しかし、ヴァンガーデレンは決して順風満帆の選手人生ではなかったと話す。「多くの人が(引退が)早すぎると言うもの理解できる。なぜなら彼らは僕が若くして残した数々の結果を見ているからね。だが僕は何年もに渡り高いレベルを維持することはできたものの、その次のレベルに達することはできなかった。みんなはそれが見たかったのだろう」。
直近の勝利は2017年のジロ・デ・イタリア第18ステージ。2019年のドーフィでも総合2位に入る活躍を見せていたヴァンガーデレンだったが、「正直言うと、もう自転車選手として(チームに)貢献できないと思っていた。一度自分の能力が落ち始めると、その力を効果的に発揮する方法を考えなくてはならない」と、引退理由について語る。
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そんなヴァンガーデレンを奮起させたのが、山岳アシストを務めた昨年のブエルタ・ア・エスパーニャで総合3位のヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・NIPPO)の存在だったと言う。
「ヒュー・カーシーの成長が僕に走るモチベーションを与えてくれた。彼の手助けをする良きメンター(師匠)になりたかった。まだ良いクライマーではあったから、山岳で彼に力を貸すことができると思ったんだ。トップレベルのクライマーが集う20人の集団には残れなくても、ヒューのようなエースのアシストはできる。だから(ジロでは)チームに貢献するために何ができるのかを常に考えながら走っていた。だが本音を言うと、8名のロースターの中にもう自分は必要ないと思ったんだ」。
ヴァンガーデレンの現役最後のレースは6月20日にテネシー州ノックスビルで行われるアメリカ国内選手権。引退後の詳細については明らかにしていない。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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