2021/06/08(火) - 10:43
雨のツール・ド・スイス2日目。終盤のアタック合戦に加わり、マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)と共に逃げたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)が圧倒的なスプリント力で勝利した。
ノイウハウゼン・アム・ラインファルからラーヘンまで南下する178kmで争われたツール・ド・スイス第2ステージ。中盤までは平坦基調だが、後半に入ると2級山岳が連続し、最後の山頂はフィニッシュまで6.3km地点。アタッカーや「登れるスプリンター」に有利な展開が予想された。
トム・ボーリ(スイス、コフィディス)、ニコラス・ズコウスキー&マッテオ・ダルシン(共にカナダ、ラリーサイクリング)、クラウディオ・インホフ(スイス、スイスナショナルチーム)というスイス+カナダ連合4人がエスケープし、グルパマFDJがコントロール下に置くメイン集団から5分リードを得る。
後半の山岳区間に入るとステージ優勝を狙うアルペシン・フェニックスやドゥクーニンク・クイックステップが牽引役に加わり、先頭グループも脚力差が現れたことでタイム差は縮小の一途へ。2つめの2級山岳オーバーリッケン山頂でボーリが飛び出し、雨に濡れたその下りでインホフが合流。こうしてスイス人選手2人を、カナダ人選手2人とメイン集団がそれぞれ追いかける形にレース状況は変化した。
バイクエクスチェンジが猛烈ペースで集団牽引を行い、逃げグループとの差を詰めながら集団の人数を絞り込む。先頭ではトラック長距離選手のインホフが持ち前のスピードで逃げ続けたものの、チャージをかける集団には敵わない。ラスト10kmを切って始まる平均勾配8%オーバーの3級山岳リッチストラッセでインホフは飲み込まれ、ここからクライマー勢によるアタック合戦が幕開けた。
エディ・ダンバー(アイルランド、イネオス・グレナディアーズ)のアタックによって30名弱のメイン集団が一列棒状となり、続いてアルカンシエルを着るジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が加速する。
マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)やリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)、マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)がアラフィリップに飛びついたその背後で、一定ペースで踏んだマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)やヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ・プレミアテック)も合流して山頂を通過した。総合首位シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)は17秒遅れで最後の下りへと入った。
世界屈指のクライマーとパンチャーによる9名の先頭グループは、アタックと吸収を繰り返しながらウェット路面をダウンヒル。勾配が緩んだタイミングでファンデルプールが抜け出し、ここに唯一追いついたシャフマンの2人がアラフィリップたちから数秒リードでフラムルージュを通過する。マンホールの蓋や部分的な石畳が連続し、そしてコーナーの多い市街地コースは逃げる二人に味方した。
残り400mを切ってワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス)が若干ペースダウンした二人に追いついたものの、フィニッシュラインを目掛けてファンデルプールが踏み込むと二人に為す術は無し。爆発的な加速でリードを築いたオランダチャンピオンが勝利した。
「特に終盤は雨が降ったりとめちゃくちゃ面白いステージだった。僕にぴったりのクラシックレースのようなコースレイアウト。チームは素晴らしい走りをしてくれて、僕が言った通りキツい展開に持ち込んでくれた。仕事を成し遂げられて本当に嬉しい」と、フランドルクラシック終了後、MTBワールドカップ転戦を経てロード復帰戦で勝利したファンデルプールは話している。
リーダージャージを着るキュングは22秒遅れの追走グループ内でフィニッシュしたため、アラフィリップから僅か1秒差でリーダージャージをキープ。翌日はよりアップダウン激しい丘陵ステージとなるため、リーダージャージが誰の手に渡るかに注目が集まる。
ノイウハウゼン・アム・ラインファルからラーヘンまで南下する178kmで争われたツール・ド・スイス第2ステージ。中盤までは平坦基調だが、後半に入ると2級山岳が連続し、最後の山頂はフィニッシュまで6.3km地点。アタッカーや「登れるスプリンター」に有利な展開が予想された。
トム・ボーリ(スイス、コフィディス)、ニコラス・ズコウスキー&マッテオ・ダルシン(共にカナダ、ラリーサイクリング)、クラウディオ・インホフ(スイス、スイスナショナルチーム)というスイス+カナダ連合4人がエスケープし、グルパマFDJがコントロール下に置くメイン集団から5分リードを得る。
後半の山岳区間に入るとステージ優勝を狙うアルペシン・フェニックスやドゥクーニンク・クイックステップが牽引役に加わり、先頭グループも脚力差が現れたことでタイム差は縮小の一途へ。2つめの2級山岳オーバーリッケン山頂でボーリが飛び出し、雨に濡れたその下りでインホフが合流。こうしてスイス人選手2人を、カナダ人選手2人とメイン集団がそれぞれ追いかける形にレース状況は変化した。
バイクエクスチェンジが猛烈ペースで集団牽引を行い、逃げグループとの差を詰めながら集団の人数を絞り込む。先頭ではトラック長距離選手のインホフが持ち前のスピードで逃げ続けたものの、チャージをかける集団には敵わない。ラスト10kmを切って始まる平均勾配8%オーバーの3級山岳リッチストラッセでインホフは飲み込まれ、ここからクライマー勢によるアタック合戦が幕開けた。
エディ・ダンバー(アイルランド、イネオス・グレナディアーズ)のアタックによって30名弱のメイン集団が一列棒状となり、続いてアルカンシエルを着るジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が加速する。
マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)やリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)、マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)がアラフィリップに飛びついたその背後で、一定ペースで踏んだマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)やヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ・プレミアテック)も合流して山頂を通過した。総合首位シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)は17秒遅れで最後の下りへと入った。
世界屈指のクライマーとパンチャーによる9名の先頭グループは、アタックと吸収を繰り返しながらウェット路面をダウンヒル。勾配が緩んだタイミングでファンデルプールが抜け出し、ここに唯一追いついたシャフマンの2人がアラフィリップたちから数秒リードでフラムルージュを通過する。マンホールの蓋や部分的な石畳が連続し、そしてコーナーの多い市街地コースは逃げる二人に味方した。
残り400mを切ってワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス)が若干ペースダウンした二人に追いついたものの、フィニッシュラインを目掛けてファンデルプールが踏み込むと二人に為す術は無し。爆発的な加速でリードを築いたオランダチャンピオンが勝利した。
「特に終盤は雨が降ったりとめちゃくちゃ面白いステージだった。僕にぴったりのクラシックレースのようなコースレイアウト。チームは素晴らしい走りをしてくれて、僕が言った通りキツい展開に持ち込んでくれた。仕事を成し遂げられて本当に嬉しい」と、フランドルクラシック終了後、MTBワールドカップ転戦を経てロード復帰戦で勝利したファンデルプールは話している。
リーダージャージを着るキュングは22秒遅れの追走グループ内でフィニッシュしたため、アラフィリップから僅か1秒差でリーダージャージをキープ。翌日はよりアップダウン激しい丘陵ステージとなるため、リーダージャージが誰の手に渡るかに注目が集まる。
ツール・ド・スイス2021第2ステージ結果
1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) | 4:12:30 |
2位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:01 |
3位 | ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:04 |
4位 | イバン・ガルシア(スペイン、モビスター) | |
5位 | マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | |
7位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション) | |
8位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
9位 | ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ・プレミアテック) | |
10位 | アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・スーダル) | 0:09 |
個人総合成績
1位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | 4:24:52 |
2位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:01 |
3位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:02 |
4位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) | 0:06 |
5位 | イバン・ガルシア(スペイン、モビスター) | 0:12 |
6位 | マティア・カッタネオ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
7位 | リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | 0:13 |
8位 | ニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・NIPPO) | 0:25 |
9位 | ジーノ・マーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:30 |
10位 | アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・スーダル) | 0:33 |
その他の特別賞
ポイント賞 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) |
山岳賞 | トム・ボーリ(スイス、コフィディス) |
ヤングライダー賞 | ニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・NIPPO) |
チーム総合成績 | ドゥクーニンク・クイックステップ |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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