2021/05/30(日) - 06:07
大会最後の難関山岳コースが設定されたジロ・デ・イタリア第20ステージで、中盤の下り区間で抜け出した総合2位ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス)がチームメイトの力を借りて逃げ切り勝利。カルーゾを除くライバルたちからタイム差を奪ったエガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ)はマリアローザを着て最終個人TTに挑むことに。
5月29日(土)第20ステージ
ヴェルバニア〜アルペ・モッタ(ヴァッレ・スプルーガ)164km ★★★★★
ジロの最終日前日は安定の難易度5つ星。中盤にかけて隣国スイスを走る164kmコースの獲得標高差は3,700m(主催者発表は4,200m)。とにかく長い1級山岳サンベルナルディーノ峠(登坂距離23.7km・平均勾配6.2%)と1級山岳シュプリューゲンパス=スプルガ峠(登坂距離8.9km・平均勾配7.3%)という2つの標高2,000m超峠をクリアしてイタリアに戻ると、そこから1級山岳アルペ・モッタ(登坂距離7.3km・平均勾配7.6%)を登り返してフィニッシュを迎える。
1級山岳アルペ・モッタの中腹には最大3秒のボーナスタイム獲得が可能な第2スプリントポイントが設定されており、フィニッシュラインが引かれているのはそこからさらに勾配10%近い山道を進んだ先にあるスキーリゾート地アルペ・モッタ。このジロ初登場となるアルプスの山道で、第104回大会の山岳決戦が締めくくられる。
最終日の個人タイムトライアルでステージ優勝が期待されるフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)の故郷ヴェルバニアをスタート後すぐ、レースはポイント賞3位のフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)のファーストアタックで幕開けた。スプリンターにとってポイント獲得のラストチャンスである第1スプリントポイント(16.9km地点)に向かって猛烈なアタック合戦が繰り広げられた結果、ガビリアが集団先頭通過を果たしてみせる。しかしガビリアはダヴィデ・チモライ(イタリア、イスラエル・スタートアップネイション)からポイント賞2位の座を奪うことはできなかった。同時に、ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が実質的にポイント賞1位を確定させている。
ここでマリアチクラミーノ争いは落ち着きを見せたが、マリアアッズーラ争いが絡むアタック合戦は継続。山岳賞1位ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール・シトロエン)が逃げに乗ることはなかったが、最終的に形成された8名の逃げグループの中に山岳賞上位の選手は見当たらなかった。逃げに乗った山岳賞9位のドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)が仮に3つの1級山岳をすべて先頭通過してもブシャールに21ポイント届かない計算。ブシャールの山岳賞獲得がこの時点でほぼ確定した。
逃げグループを形成した8名
ルイス・フェルファーク(ベルギー、アルペシン・フェニックス)総合55分31秒遅れ
ドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)
フェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)
タコ・ファンデルホールン(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
シモン・ペロー(スイス、アンドローニジョカトリ・シデルメク)
ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ)
ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バルディアーニ・CSF・ファイザネ)
マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、モビスター)
ニコ・デンツ(ドイツ、チームDSM)
逃げグループ形成後しばらくはヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)を含む「逃げに選手を送り込めなかったチーム」による抵抗が続いたものの、快調にローテーションを回す先頭8名とのタイム差は拡大する一方。隣国スイスに入り、レースが落ち着きを見せるとバイクエクスチェンジとドゥクーニンク・クイックステップが集団牽引を開始。主にこの2チームが率いるメイン集団が逃げグループとのタイム差を5分以内に抑え込みながら、最初の1級山岳サンベルナルディーノ峠に差し掛かった。
進むにつれて沿道の雪壁が高くなる1級山岳サンベルナルディーノ峠で先頭がフェルファークとグロスシャートナー、ペロー、ヴィスコンティ、アルバネーゼの5名に絞られる中、メイン集団ではチームDSMのペースアップがスタート。ニコラス・ロッシュ(アイルランド、チームDSM)らの牽引によって人数が絞られたメイン集団は、この1級山岳サンベルナルディーノ峠の下り区間で大きな動きを見せる。スイッチバックが連続する下りで、チームDSMの3名が抜け出した。
クリス・ハミルトン(オーストラリア)とマイケル・ストーラー(オーストラリア)にエスコートされる形で総合6位ロマン・バルデ(フランス、チームDSM)がメイン集団から飛び出すと、下り区間でそのまま先頭の逃げグループまで追いついてしまう。続いて総合2位のダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)がペリョ・ビルバオ(スペイン)とともにここに合流。こうして総合2位と総合6位の選手を含む逃げグループが、イネオス・グレナディアーズ率いるメイン集団に対して25秒のリードをもって続く1級山岳シュプリューゲンパス=スプルガ峠に挑む展開に。
ビルバオとストーラーが献身的にペーシングする逃げグループは、この1級山岳シュプリューゲンパス=スプルガ峠でリードを45秒まで拡大することに成功した。イネオス・グレナディアーズは徐々にアシストを失いながらも、ジョナタン・カストロビエホ(スペイン)が登りと下りでペースを作って逃げグループとのタイム差を押さえ込む。雨に濡れた1級山岳シュプリューゲンパス=スプルガ峠を安全に下りきったメイン集団は、先頭から40秒遅れでいよいよ最後の1級山岳アルペ・モッタに差し掛かった。
逃げる総合2位と総合6位と、追いかける総合1位と総合3位、総合4位、総合5位。残り6.5km地点まで逃げグループを引き続けた末に力尽きたビルバオの背中を叩き、感謝の気持ちを伝えたカルーゾが自らペースを上げる。イタリア人ファンの大歓声に包まれた登りでバルデを置き去りにしたカルーゾが独走態勢に入った。
カストロビエホからダニエル・マルティネス(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)の牽引に切り替わったメイン集団は1級山岳アルペ・モッタで崩壊した。早々に遅れたトビアス・フォス(ノルウェー、ユンボ・ヴィスマ)やダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)に続いて、ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・NIPPO)やアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック)がマルティネスのハイペースに対応できずに千切れていく。続いて、前日のステージ優勝者である総合3位サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ)までもが遅れた。
第2スプリントポイントでボーナスタイム3秒を獲得したカルーゾは20秒程度のリードを保ったまま残り2km。マルティネスの強力な引きが終わるとベルナルが発進し、粘り強く食らいついたジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)を振り切って単独追走を開始する。しかし先頭カルーゾのペースは最後まで落ちなかった。
40秒のリードで1級山岳アルペ・モッタの登坂を開始したカルーゾが、追いすがるベルナルに24秒差をつけての逃げ切り勝利。フィニッシュまで約55kmを残した下り区間で飛び出し、チームDSMと協力して先行する展開に持ち込んだカルーゾがステージ初優勝を飾った。
ステージ2位ベルナルに続いてマリアローザキープの立役者であるマルティネスがステージ3位に入り、カルーゾとともに逃げの展開を作ったバルデがステージ4位に。総合トップ10の顔ぶれは変わらなかったが、バルデが総合7位から総合5位にジャンプアップすることに成功。総合2位カルーゾは総合1位ベルナルとのタイム差を合計30秒詰め、1分59秒差で最終個人タイムトライアルを迎えることになった。
「フィニッシュが近づくと、色んなことが走馬灯のように頭の中を駆け巡ったよ」と、グランツールステージ初優勝を飾った33歳のカルーゾは語る。これまでツール・ド・フランスとブエルタ・ア・エスパーニャのチームタイムトライアルで勝利した経験があるものの、個人のステージ優勝はこれが初めて。
「これまでの犠牲やトレーニング、チームメイトたちのことを思った。特にペリョ・ビルバオは今日の勝利に欠かせない存在であり、心から感謝したい。下り区間でのアタックは予定していたものではなくて、チームDSMの選手が飛び出したのを見てビルバオと一緒についていったんだ。今日、夢をかなえることができた。世界で一番幸せな男だ」。チームにステージ2勝目をもたらしたカルーゾは、イタリアの期待を背負って最終日の個人タイムトライアルに挑む。
「さすがにカルーゾとのタイム差が広がり始めたときは焦ったけど、チームメイトたちが素晴らしい走りを見せてくれたおかげでレース状況はコントロールできていた」と、カルーゾを除く総合ライバルたちからタイム差を奪ったベルナルは語る。本人が認める「現状最も強いイェーツ」との総合タイム差は2分49秒から3分23秒にまで広がった。
「明日の個人タイムトライアルに自信を胸に挑みたい。2分のリードをもっているし、とにかく全力を尽くすだけだ。最終的なリードは2分でも1秒でも関係ない。とにかくトロフィーに名前を刻みたい」。2019年ツール・ド・フランスを制した24歳が、第二の故郷であるイタリア最大のレースで総合優勝に王手をかけた。
5月29日(土)第20ステージ
ヴェルバニア〜アルペ・モッタ(ヴァッレ・スプルーガ)164km ★★★★★
ジロの最終日前日は安定の難易度5つ星。中盤にかけて隣国スイスを走る164kmコースの獲得標高差は3,700m(主催者発表は4,200m)。とにかく長い1級山岳サンベルナルディーノ峠(登坂距離23.7km・平均勾配6.2%)と1級山岳シュプリューゲンパス=スプルガ峠(登坂距離8.9km・平均勾配7.3%)という2つの標高2,000m超峠をクリアしてイタリアに戻ると、そこから1級山岳アルペ・モッタ(登坂距離7.3km・平均勾配7.6%)を登り返してフィニッシュを迎える。
1級山岳アルペ・モッタの中腹には最大3秒のボーナスタイム獲得が可能な第2スプリントポイントが設定されており、フィニッシュラインが引かれているのはそこからさらに勾配10%近い山道を進んだ先にあるスキーリゾート地アルペ・モッタ。このジロ初登場となるアルプスの山道で、第104回大会の山岳決戦が締めくくられる。
最終日の個人タイムトライアルでステージ優勝が期待されるフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)の故郷ヴェルバニアをスタート後すぐ、レースはポイント賞3位のフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)のファーストアタックで幕開けた。スプリンターにとってポイント獲得のラストチャンスである第1スプリントポイント(16.9km地点)に向かって猛烈なアタック合戦が繰り広げられた結果、ガビリアが集団先頭通過を果たしてみせる。しかしガビリアはダヴィデ・チモライ(イタリア、イスラエル・スタートアップネイション)からポイント賞2位の座を奪うことはできなかった。同時に、ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が実質的にポイント賞1位を確定させている。
ここでマリアチクラミーノ争いは落ち着きを見せたが、マリアアッズーラ争いが絡むアタック合戦は継続。山岳賞1位ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール・シトロエン)が逃げに乗ることはなかったが、最終的に形成された8名の逃げグループの中に山岳賞上位の選手は見当たらなかった。逃げに乗った山岳賞9位のドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)が仮に3つの1級山岳をすべて先頭通過してもブシャールに21ポイント届かない計算。ブシャールの山岳賞獲得がこの時点でほぼ確定した。
逃げグループを形成した8名
ルイス・フェルファーク(ベルギー、アルペシン・フェニックス)総合55分31秒遅れ
ドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)
フェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)
タコ・ファンデルホールン(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
シモン・ペロー(スイス、アンドローニジョカトリ・シデルメク)
ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ)
ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バルディアーニ・CSF・ファイザネ)
マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、モビスター)
ニコ・デンツ(ドイツ、チームDSM)
逃げグループ形成後しばらくはヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)を含む「逃げに選手を送り込めなかったチーム」による抵抗が続いたものの、快調にローテーションを回す先頭8名とのタイム差は拡大する一方。隣国スイスに入り、レースが落ち着きを見せるとバイクエクスチェンジとドゥクーニンク・クイックステップが集団牽引を開始。主にこの2チームが率いるメイン集団が逃げグループとのタイム差を5分以内に抑え込みながら、最初の1級山岳サンベルナルディーノ峠に差し掛かった。
進むにつれて沿道の雪壁が高くなる1級山岳サンベルナルディーノ峠で先頭がフェルファークとグロスシャートナー、ペロー、ヴィスコンティ、アルバネーゼの5名に絞られる中、メイン集団ではチームDSMのペースアップがスタート。ニコラス・ロッシュ(アイルランド、チームDSM)らの牽引によって人数が絞られたメイン集団は、この1級山岳サンベルナルディーノ峠の下り区間で大きな動きを見せる。スイッチバックが連続する下りで、チームDSMの3名が抜け出した。
クリス・ハミルトン(オーストラリア)とマイケル・ストーラー(オーストラリア)にエスコートされる形で総合6位ロマン・バルデ(フランス、チームDSM)がメイン集団から飛び出すと、下り区間でそのまま先頭の逃げグループまで追いついてしまう。続いて総合2位のダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)がペリョ・ビルバオ(スペイン)とともにここに合流。こうして総合2位と総合6位の選手を含む逃げグループが、イネオス・グレナディアーズ率いるメイン集団に対して25秒のリードをもって続く1級山岳シュプリューゲンパス=スプルガ峠に挑む展開に。
ビルバオとストーラーが献身的にペーシングする逃げグループは、この1級山岳シュプリューゲンパス=スプルガ峠でリードを45秒まで拡大することに成功した。イネオス・グレナディアーズは徐々にアシストを失いながらも、ジョナタン・カストロビエホ(スペイン)が登りと下りでペースを作って逃げグループとのタイム差を押さえ込む。雨に濡れた1級山岳シュプリューゲンパス=スプルガ峠を安全に下りきったメイン集団は、先頭から40秒遅れでいよいよ最後の1級山岳アルペ・モッタに差し掛かった。
逃げる総合2位と総合6位と、追いかける総合1位と総合3位、総合4位、総合5位。残り6.5km地点まで逃げグループを引き続けた末に力尽きたビルバオの背中を叩き、感謝の気持ちを伝えたカルーゾが自らペースを上げる。イタリア人ファンの大歓声に包まれた登りでバルデを置き去りにしたカルーゾが独走態勢に入った。
カストロビエホからダニエル・マルティネス(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)の牽引に切り替わったメイン集団は1級山岳アルペ・モッタで崩壊した。早々に遅れたトビアス・フォス(ノルウェー、ユンボ・ヴィスマ)やダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)に続いて、ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・NIPPO)やアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック)がマルティネスのハイペースに対応できずに千切れていく。続いて、前日のステージ優勝者である総合3位サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ)までもが遅れた。
第2スプリントポイントでボーナスタイム3秒を獲得したカルーゾは20秒程度のリードを保ったまま残り2km。マルティネスの強力な引きが終わるとベルナルが発進し、粘り強く食らいついたジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)を振り切って単独追走を開始する。しかし先頭カルーゾのペースは最後まで落ちなかった。
40秒のリードで1級山岳アルペ・モッタの登坂を開始したカルーゾが、追いすがるベルナルに24秒差をつけての逃げ切り勝利。フィニッシュまで約55kmを残した下り区間で飛び出し、チームDSMと協力して先行する展開に持ち込んだカルーゾがステージ初優勝を飾った。
ステージ2位ベルナルに続いてマリアローザキープの立役者であるマルティネスがステージ3位に入り、カルーゾとともに逃げの展開を作ったバルデがステージ4位に。総合トップ10の顔ぶれは変わらなかったが、バルデが総合7位から総合5位にジャンプアップすることに成功。総合2位カルーゾは総合1位ベルナルとのタイム差を合計30秒詰め、1分59秒差で最終個人タイムトライアルを迎えることになった。
「フィニッシュが近づくと、色んなことが走馬灯のように頭の中を駆け巡ったよ」と、グランツールステージ初優勝を飾った33歳のカルーゾは語る。これまでツール・ド・フランスとブエルタ・ア・エスパーニャのチームタイムトライアルで勝利した経験があるものの、個人のステージ優勝はこれが初めて。
「これまでの犠牲やトレーニング、チームメイトたちのことを思った。特にペリョ・ビルバオは今日の勝利に欠かせない存在であり、心から感謝したい。下り区間でのアタックは予定していたものではなくて、チームDSMの選手が飛び出したのを見てビルバオと一緒についていったんだ。今日、夢をかなえることができた。世界で一番幸せな男だ」。チームにステージ2勝目をもたらしたカルーゾは、イタリアの期待を背負って最終日の個人タイムトライアルに挑む。
「さすがにカルーゾとのタイム差が広がり始めたときは焦ったけど、チームメイトたちが素晴らしい走りを見せてくれたおかげでレース状況はコントロールできていた」と、カルーゾを除く総合ライバルたちからタイム差を奪ったベルナルは語る。本人が認める「現状最も強いイェーツ」との総合タイム差は2分49秒から3分23秒にまで広がった。
「明日の個人タイムトライアルに自信を胸に挑みたい。2分のリードをもっているし、とにかく全力を尽くすだけだ。最終的なリードは2分でも1秒でも関係ない。とにかくトロフィーに名前を刻みたい」。2019年ツール・ド・フランスを制した24歳が、第二の故郷であるイタリア最大のレースで総合優勝に王手をかけた。
ジロ・デ・イタリア2021第20ステージ結果
マリアローザ 個人総合成績
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 135pts |
2位 | ダヴィデ・チモライ(イタリア、イスラエル・スタートアップネイション) | 118pts |
3位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | 116pts |
マリアアッズーラ 山岳賞
1位 | ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール・シトロエン) | 184pts |
2位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | 140pts |
3位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 99pts |
マリアビアンカ ヤングライダー賞
チーム総合成績
1位 | イネオス・グレナディアーズ | 257:47:02 |
2位 | ユンボ・ヴィスマ | 0:26:01 |
3位 | チームDSM | 0:26:02 |
text:Kei Tsuji
photo:CorVos, LaPresse
photo:CorVos, LaPresse
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