イェーツ「チームの頑張りに応える勝利」ベルナル「頭を使い賢く登った」

残り6kmから飛び出したサイモン・イェーツ（イギリス、バイクエクスチェンジ）が勝利を掴んだジロ第18ステージ。2位に入ったアルメイダや、遅れを最小限に留めたベルナル、粘り強い走りを見せたカルーゾなどのコメントを紹介します。

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ステージ位1&総合3位　サイモン・イェーツ（イギリス、バイクエクスチェンジ）

独走でフィニッシュしたサイモン・イェーツ（イギリス、バイクエクスチェンジ） photo:LaPresse
本当に嬉しい。チームが序盤から集団をコントロールする素晴らしい働きをしてくれて、それを勝利という結果に繋げることができた。イネオスが一定のテンポで登っていたので、アタックしてもそのまま行かせてくれると思ったんだ。エガン（ベルナル）が昨日ツイッターか何かで、僕が仕掛けてもついていかずテンポで走る、と書いていたからね。だから飛び出し、追ってこなかったのでその言葉が正しいとわかった。その後はただ全力で踏むだけだった。

今日はベストを尽くすことだけを考えていた。最後の登りは厳しかったが、最難関ステージというほどではなかった。明日はだいぶ異なるステージで、標高の高い厳しい山岳が待っている。何ができるかわからないが、全力で踏むだけだ。

3年ぶりにステージ優勝を飾ったサイモン・イェーツ（イギリス、バイクエクスチェンジ） photo:LaPresse
とにかくこのステージ優勝が嬉しいよ。今日は30秒を稼いだが、（ベルナルとのタイム差は）まだ3分近くある。彼を倒すのが不可能なのかはわからないが、この調子を保つことができれば明日もまた仕掛けるつもりだ。

（第1週目に抱えていた）問題は解決したし、調子は最高だ。しかし総合優勝は簡単ではない。タイム差が大きいがカルーゾには近づいたが、彼の方がタイムトライアルで有利なので、それまでに逆にタイム差をつけなければならない。

ステージ位2位&総合8位　ジョアン・アルメイダ（ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ）

ステージ優勝まであと一歩届かなかったジョアン・アルメイダ（ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ） photo:CorVos
まずは完璧な働きをしてくれたチームに感謝したい。今日は調子が良く、自信もあったから早めにアタックして何が起きるのかを見てみたんだ。この厳しい山岳で他の総合勢と争い、調子の良さを示すことができて嬉しい。優勝を逃し再び2位だったのは残念だが、総合タイムを稼ぐことができた。残りのステージで何ができるか楽しみだよ。

ステージ3位&マリアローザ&ヤングライダー賞　エガン・ベルナル（コロンビア、イネオス・グレナディアーズ）

イェーツから28秒遅れでフィニッシュにたどり着くエガン・ベルナル（コロンビア、イネオス・グレナディアーズ） photo:CorVos
調子も数値も良かったので満足している。もちろん今日最も強かったのはイェーツだが、僕のコンディションも悪くなかった。アタックしてすぐ10秒、20秒、30秒と離されていく難しい状況だったが、僕の登坂も決して遅いわけではなかった。

レースが始まる前はもっと早い段階で遅れ、明日は逆にタイム差を奪いにいかなければならない状況にあると予想していた。しかし今はその真逆の状況にいる。5秒か10秒ほど早くフィニッシュできたかもしれないが、必要ないところで力を使い、状況を悪化させたくなかった。まだアドバンテージがあるので、最後の数百メートルで力を出し尽くすべきではないと判断したんだ。余力を残した状態で、向かい風の真っ向勝負が予想されるタイムトライアルに臨みたいからね。

リードは失ったものの、マリアローザを守ったエガン・ベルナル（コロンビア、イネオス・グレナディアーズ） photo:LaPresse
自分の脚の状態は予想していたレベルにある。好調なイェーツと僕を比べ、みんな「エガンは終わった」と言うかもしれないが、イェーツが単純に強すぎるのだと思う。明日も今日のような脚と調子であれば大丈夫だろう。また、表彰台に立つ2人からタイム差を守ることができればいいね。明日もこのピンクを着ていられれば最高だ。

序盤戦で作ったアドバンテージを守らなければならない。なぜならこのジャージはチームのみんなで掴んだものだからだ。だから間違いを犯して失いたくはない。このジャージをミラノまで着続けられるように、賢い走りをしたい。

ステージ位4位&総合2位　ダミアーノ・カルーゾ（イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス）

総合3位のイェーツにタイム差を詰められたダミアーノ・カルーゾ（イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス） photo:CorVos
適切なタイミングで力を発揮することができた。イェーツについていこうとしたのが間違いだったのかもしれない。しかしそんなこと誰に分かるだろう？だが、自分自身やそれを求める人たちのためにも、ついていかなければならなかった。

最も強かったイェーツの栄誉を称えたい。彼は登りで誰よりも強かった。祝福したい。明日は山頂フィニッシュで、日曜の夕方には（総合順位の）結論が出る。

ステージ位5位&総合4位　アレクサンドル・ウラソフ（ロシア、アスタナ・プレミアテック）

数日前よりは大分調子も回復し、脚も動いてくれた。最終山岳ではベストを尽くした。チームは完璧な働きをしてくれて、最も急勾配な区間の前まで、僕を完璧な位置に運んでくれた。そのおかげで最後の数kmまで力を蓄えることができたんだ。ここ数日の厳しいステージを越え、今日の自分の走りにはとても満足しているし、最後の山岳ステージと個人タイムトライアルに向けたモチベーションと自信に繋がった。

カルーソをアシストするペリョ・ビルバオ（スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス）

この18日間で当初の計画からは大きな変更を強いられた。しかし、エースがダミアーノ（カルーゾ）になっただけで状況は予想していた通りになっている。

彼をサポートすることができて光栄に思っている。彼は長い間、エースにとって最高のアシスト選手だった。彼は自分の仕事を完璧に遂行する選手で、ずっとエースのアシストというキャリアを送ってきた。だから彼のような選手のアシストができることに喜びしかない。僕は彼と同じような立場の選手だ。だから彼が表彰台で大会を終えることができれば、それほど嬉しいことはない。

ステージ67位　新城幸也（バーレーン・ヴィクトリアス）

笛を口に1級山岳アルペ・ディ・メーラを下る新城幸也（バーレーン・ヴィクトリアス） photo:CorVos
今日もアタック合戦は速かった。最初1時間のアベレージスピードが53km/hだったとか…。50km以上に渡り、逃げが決まったが直ぐにバイクエクスチェンジのコントロールが始まった。その後、4級山岳の下りでクイックステップがペースアップし、集団が分裂したが、チームはまとまっていたので、回避出来た。

今日は暑さも昨日よりは暑くて、ボトル運びもやった。チームは最後の登り前までに7ヶ所のエクストラの補給所を配置していたが、それだけでは足りないくらいだった。今日のメインの役目だった最後の登りに向けて、位置取りして、後はゆっくりと自分のペースでゴールを目指した。

ダミアーノは今日も好調で総合2位をキープ。頼もしい限りだ！山場は残り1ステージ。可能な限り集団に留まり、少しでもダミアーノの力になれればと思う。

バイクエクスチェンジ　マシュー・ホワイト監督

とても嬉しい。チーム一丸となってレースをコントロールし、サイモンが力を発揮できる位置まで連れて行くことができた。ここ数日はチームとして前向きに走ることができ、総合順位を上げるため、ライバルたちにプレッシャーをかけたかった。選手たちの働きは素晴らしく、レースを厳しいものにしてくれた。そして最終山岳のサイモンはとても積極的で、優勝にふさわしい走りでタイム差を稼ぐことができた。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos