2021/05/28(金) - 19:52
ツアー・オブ・ジャパンが第1ステージ・富士山で開幕。宇都宮ブリッツェンの増田成幸が富士山五合目まで登る激坂ヒルクライムレースを制して優勝した。11秒差の2位にトマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)、44秒差の3位に山本大喜(キナンサイクリングチーム)が入った。
今年のツアー・オブ・ジャパンは、新型コロナウィルス感染拡大が収束していない中、異例ずくめで開催されることになった。
例年8日間開催となるところを3日間に縮小し、海外チーム出場が困難な状況であることからUCI2.2クラスとして国内チームのみ出場のUCIレースとされた。さらに国内レースとしては初めて「レースバブル」を運用し、出場チームと大会関係者を隔離状態に置いて感染拡大防止を図る。大会前日にシマノレーシングチームからPCR検査陽性者が出たことで出場辞退となってしまったのは残念だが、コントロールされた中での大会開催が裏付けられたともいえるだろう。
初日の富士山ステージは、富士スピードウェイ西ゲート前をスタートし、東京五輪の個人タイムトライアルコースにも使用する1周13kmの周回コースを4周したのち、ふじあざみラインを登って富士山五合目にフィニッシュする78.8km。ラスト150mからは斜度20%の坂を登るように改められたことで、タイム差が確実に広がる設定となった。
当日は朝から薄雲が広がるも、富士山はハッキリと姿を見せる。暑すぎず、寒すぎずという気候の中、レースはスタートした。
リアルスタートが切られると、6名の先頭集団が形成される。メンバーは、草場啓吾、大前翔(以上、愛三工業レーシングチーム)、安原大貴(マトリックスパワータグ)、渡邊翔太郎(那須ブラーゼン)、孫崎大樹(スパークルおおいた)、小出樹(京都産業大学)。メイン集団は宇都宮ブリッツェンがコントロール。チーム右京相模原、キナンサイクリングチームと続く隊列が出来上がり、40秒から50秒の差を維持して続く。
3周目に入り、草場、安原、渡邉の3名となった先頭集団を、チーム右京相模原もコントロールに加わったメイン集団が徐々に追い詰めていく。4周を終えて周回コースを離れたところで、メイン集団が先行していた3名を吸収。ひとつの集団となって富士山へ向かう。
ふじあざみラインに入ると、集団前方にマトリックスパワータグが集まってペースアップを開始。いきなり12%の斜度が立ち上がる登り口で早くも集団はバラバラになっていく。
4kmほど進んだところで留目夕陽(日本ナショナルチーム)が単独先行を開始し、10名ほどまで絞られた集団が追従していく。ふじあざみラインの中間点となる馬返しに差し掛かったところで、トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)が加速して留目を一気に吸収。その勢いのまま、ルバはさらに加速して集団を振り切りにかかると、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)のみが追従する。
後方からは山本大喜(キナンサイクリングチーム)がフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)を振り切って追走するものの、2人には合流できない。勝負は増田とルバに絞られた。
残り1km、ルバが遅れて増田が先行。差が一気に開いていく。苦しそうな表情を見せながらも、上体を低くした独特のポジションを維持した増田はそのままフィニッシュまで逃げ切り優勝。2位のルバに11秒差をつけた。
増田成幸コメント
「初日がクイーンステージで、色々考えずヨーイドンで全力を尽くすだけだったので、シンプルなレースだったと思う。馬返しまでに逃げを射程圏に収めていれば優勝できる可能性が高くなるとチームに伝えていたが、チームは集団コントロールなどで動いてくれた。トマ選手と抜け出した時は苦しかったけれど、優勝できたことでチームの働きに報いることが出来たと思う。
2位と10秒ほどついた差は、明日の中間スプリントやフィニッシュのボーナスタイムで追いつけるので、それほど大きな差ではないと考えている。明日と明後日しかないので、チームとミーティングしてこのジャージをしっかり守れるようにしたい。」
明日は神奈川県相模原市での第2ステージ。増田が言う通り、ボーナスタイムを巡る争いとなるのか?
今年のツアー・オブ・ジャパンは、新型コロナウィルス感染拡大が収束していない中、異例ずくめで開催されることになった。
例年8日間開催となるところを3日間に縮小し、海外チーム出場が困難な状況であることからUCI2.2クラスとして国内チームのみ出場のUCIレースとされた。さらに国内レースとしては初めて「レースバブル」を運用し、出場チームと大会関係者を隔離状態に置いて感染拡大防止を図る。大会前日にシマノレーシングチームからPCR検査陽性者が出たことで出場辞退となってしまったのは残念だが、コントロールされた中での大会開催が裏付けられたともいえるだろう。
初日の富士山ステージは、富士スピードウェイ西ゲート前をスタートし、東京五輪の個人タイムトライアルコースにも使用する1周13kmの周回コースを4周したのち、ふじあざみラインを登って富士山五合目にフィニッシュする78.8km。ラスト150mからは斜度20%の坂を登るように改められたことで、タイム差が確実に広がる設定となった。
当日は朝から薄雲が広がるも、富士山はハッキリと姿を見せる。暑すぎず、寒すぎずという気候の中、レースはスタートした。
リアルスタートが切られると、6名の先頭集団が形成される。メンバーは、草場啓吾、大前翔(以上、愛三工業レーシングチーム)、安原大貴(マトリックスパワータグ)、渡邊翔太郎(那須ブラーゼン)、孫崎大樹(スパークルおおいた)、小出樹(京都産業大学)。メイン集団は宇都宮ブリッツェンがコントロール。チーム右京相模原、キナンサイクリングチームと続く隊列が出来上がり、40秒から50秒の差を維持して続く。
3周目に入り、草場、安原、渡邉の3名となった先頭集団を、チーム右京相模原もコントロールに加わったメイン集団が徐々に追い詰めていく。4周を終えて周回コースを離れたところで、メイン集団が先行していた3名を吸収。ひとつの集団となって富士山へ向かう。
ふじあざみラインに入ると、集団前方にマトリックスパワータグが集まってペースアップを開始。いきなり12%の斜度が立ち上がる登り口で早くも集団はバラバラになっていく。
4kmほど進んだところで留目夕陽(日本ナショナルチーム)が単独先行を開始し、10名ほどまで絞られた集団が追従していく。ふじあざみラインの中間点となる馬返しに差し掛かったところで、トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)が加速して留目を一気に吸収。その勢いのまま、ルバはさらに加速して集団を振り切りにかかると、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)のみが追従する。
後方からは山本大喜(キナンサイクリングチーム)がフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)を振り切って追走するものの、2人には合流できない。勝負は増田とルバに絞られた。
残り1km、ルバが遅れて増田が先行。差が一気に開いていく。苦しそうな表情を見せながらも、上体を低くした独特のポジションを維持した増田はそのままフィニッシュまで逃げ切り優勝。2位のルバに11秒差をつけた。
増田成幸コメント
「初日がクイーンステージで、色々考えずヨーイドンで全力を尽くすだけだったので、シンプルなレースだったと思う。馬返しまでに逃げを射程圏に収めていれば優勝できる可能性が高くなるとチームに伝えていたが、チームは集団コントロールなどで動いてくれた。トマ選手と抜け出した時は苦しかったけれど、優勝できたことでチームの働きに報いることが出来たと思う。
2位と10秒ほどついた差は、明日の中間スプリントやフィニッシュのボーナスタイムで追いつけるので、それほど大きな差ではないと考えている。明日と明後日しかないので、チームとミーティングしてこのジャージをしっかり守れるようにしたい。」
明日は神奈川県相模原市での第2ステージ。増田が言う通り、ボーナスタイムを巡る争いとなるのか?
ツアー・オブ・ジャパン 第1ステージ富士山 結果(78.8km)
1位 | 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) | 2時間35分52秒 |
2位 | トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム) | +11秒 |
3位 | 山本大喜(キナンサイクリングチーム) | +44秒 |
4位 | フランシスコ・マンセボ・ペレス(マトリックスパワータグ) | +1分24秒 |
5位 | 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム) | +2分2秒 |
6位 | 小林 海(マトリックスパワータグ) | +2分38秒 |
ポイント賞(第1ステージ富士山終了時)
1位 | 草場啓吾(愛三工業レーシングチーム) | 6p |
2位 | 大前 翔(愛三工業レーシングチーム) | 5p |
3位 | 孫崎大樹(スパークルおおいた) | 3p |
山岳賞(第1ステージ富士山終了時)
1位 | 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) | 15p |
2位 | トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム) | 12p |
3位 | 山本大喜(キナンサイクリングチーム) | 10p |
チーム総合順位
1位 | マトリックスパワータグ | 7時間55分37秒 |
2位 | キナンサイクリングチーム | +36秒 |
3位 | チームブリヂストンサイクリング | +11分42秒 |
text:Satoru Kato
Photo:Satoru Kato, Kensaku SAKAI, UTSUNOMIYA Blitzen
Photo:Satoru Kato, Kensaku SAKAI, UTSUNOMIYA Blitzen
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