獲得標高が4,000mを越えるブエルタ・ア・アンダルシアのクイーンステージでモビスターがレースを支配した。強力なアシストを得たミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター)が狙い通りステージ優勝を飾るとともに総合首位浮上を叶えた。
アンダルシアの山岳地帯を駆け巡るクイーンステージ photo:CorVos
ブエルタ・ア・アンダルシア(UCI2.Pro)の総合成績を決定付けるクイーンステージがいよいよやってきた。ここまでの2日間も厳しい山岳ステージだったものの、内陸の山岳地帯をぐるぐる駆け巡るこの日は3級、1級、1級、2級、2級、3級と標高1,000〜1,500mクラスのカテゴリー山岳が平坦区間無しで連続。前日の激坂バトルを制したイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)と総合2位ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター)がどう戦うかに注目が集まった。
獲得標高が4,000mを越えるこの日はニキータ・スタルノフ(カザフスタン、アスタナ・プレミアテック)たち11名のエスケープが2〜3分リードで先行する。後半の総合争いを見据えてモビスターがエクトル・カレテロ(スペイン)を逃げに送り込んだ一方、守るイネオス・グレナディアーズはメンバー全員をヘイターの側に配置した。
イネオス・グレナディアーズがメイン集団を牽引 photo:CorVos
レースが活性化したのはフィニッシュまで20kmを残した2級山岳「アルト・コラード(登坂距離6.7km/平均6.5%)」だった。先行グループがペースアップによって割れ、1分以内にまで迫ったメイン集団では初日勝者のゴンサロ・セラーノ(スペイン、モビスター)の捨て身の牽引によってヘイターが脱落してしまう。完全にペースダウンしたヘイターを見てロペス自ら攻撃に転じた。
エクトル・カレテロ(スペイン、モビスター)のアシストを得て走るミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター) photo:CorVos
勢いよく飛び出したロペスは、逃げグループに入っていたカレテロのアシストを得て頂上をクリア。同じく逃げていたジェームズ・ピッコリ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)や、ロペスに同調したアントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)たち合計6名が下りをこなし、頂上にフィニッシュが引かれた3級山岳「プエルト・デ・オンサレス(登坂距離4km/平均5.8%)」に入った。
カレテロのペースメイクは追走するカルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)たちを寄せ付けず、フィニッシュまで1kmを切るとロペスがステージ優勝に向けてハイペースを刻み始める。王者の走りで突き進んだ"スーパーマン"ロペスが、トールクとピッコリを引き離してクイーンステージ制覇を遂げた。
クイーンステージを制したミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター) photo:CorVos
「本当に特別な日になった。昨日2位に終わった悔しさを晴らすべくチーム一丸となって臨んだんだ。チームは素晴らしい走りをしてくれたし、特にエクトルはキーマンだった。総合争いが起きた時のサポートを期待して彼を逃げに送り込んだけれど、僕は最後まで牽引してくれた彼に付いていくだけで良かった」と、チームワークに感謝するロペス。昨年のジロ・デ・イタリア初日個人TTでの落車でシーズンを終え、コロンビア帰国後の今年1月にはコロナウイルスに罹患するなどシーズンインが遅れていたものの、不安を吹き飛ばす走りでリーダージャージに袖を通した。
リーダージャージを獲得したミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター) photo:CorVos
アンダルシア翌日、翌々日は集団スプリント、もしくはアタッカー向きのステージであり、ロペスの総合優勝は手堅い。「この先の2日間は警戒しながら走りたい。最後までこのリーダージャージを守るつもりだ。この勝利はコロンビアの人々やモビスターブランド、僕の家族や嫁、子どもたち、2日前に誕生日を迎えた母親に捧げたい。本当は昨日勝利で祝うつもりだったけれど、1日待たなければいけなくなったね」とロペスは話している。

ブエルタ・ア・アンダルシア(UCI2.Pro)の総合成績を決定付けるクイーンステージがいよいよやってきた。ここまでの2日間も厳しい山岳ステージだったものの、内陸の山岳地帯をぐるぐる駆け巡るこの日は3級、1級、1級、2級、2級、3級と標高1,000〜1,500mクラスのカテゴリー山岳が平坦区間無しで連続。前日の激坂バトルを制したイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)と総合2位ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター)がどう戦うかに注目が集まった。
獲得標高が4,000mを越えるこの日はニキータ・スタルノフ(カザフスタン、アスタナ・プレミアテック)たち11名のエスケープが2〜3分リードで先行する。後半の総合争いを見据えてモビスターがエクトル・カレテロ(スペイン)を逃げに送り込んだ一方、守るイネオス・グレナディアーズはメンバー全員をヘイターの側に配置した。

レースが活性化したのはフィニッシュまで20kmを残した2級山岳「アルト・コラード(登坂距離6.7km/平均6.5%)」だった。先行グループがペースアップによって割れ、1分以内にまで迫ったメイン集団では初日勝者のゴンサロ・セラーノ(スペイン、モビスター)の捨て身の牽引によってヘイターが脱落してしまう。完全にペースダウンしたヘイターを見てロペス自ら攻撃に転じた。

勢いよく飛び出したロペスは、逃げグループに入っていたカレテロのアシストを得て頂上をクリア。同じく逃げていたジェームズ・ピッコリ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション)や、ロペスに同調したアントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)たち合計6名が下りをこなし、頂上にフィニッシュが引かれた3級山岳「プエルト・デ・オンサレス(登坂距離4km/平均5.8%)」に入った。
カレテロのペースメイクは追走するカルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)たちを寄せ付けず、フィニッシュまで1kmを切るとロペスがステージ優勝に向けてハイペースを刻み始める。王者の走りで突き進んだ"スーパーマン"ロペスが、トールクとピッコリを引き離してクイーンステージ制覇を遂げた。

「本当に特別な日になった。昨日2位に終わった悔しさを晴らすべくチーム一丸となって臨んだんだ。チームは素晴らしい走りをしてくれたし、特にエクトルはキーマンだった。総合争いが起きた時のサポートを期待して彼を逃げに送り込んだけれど、僕は最後まで牽引してくれた彼に付いていくだけで良かった」と、チームワークに感謝するロペス。昨年のジロ・デ・イタリア初日個人TTでの落車でシーズンを終え、コロンビア帰国後の今年1月にはコロナウイルスに罹患するなどシーズンインが遅れていたものの、不安を吹き飛ばす走りでリーダージャージに袖を通した。

アンダルシア翌日、翌々日は集団スプリント、もしくはアタッカー向きのステージであり、ロペスの総合優勝は手堅い。「この先の2日間は警戒しながら走りたい。最後までこのリーダージャージを守るつもりだ。この勝利はコロンビアの人々やモビスターブランド、僕の家族や嫁、子どもたち、2日前に誕生日を迎えた母親に捧げたい。本当は昨日勝利で祝うつもりだったけれど、1日待たなければいけなくなったね」とロペスは話している。
ブエルタ・ア・アンダルシア2021第1ステージ結果
1位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター) | 5:03:26 |
2位 | アントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:02 |
3位 | ジェームズ・ピッコリ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション) | 0:06 |
4位 | フレン・アメスケタ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA) | 0:17 |
5位 | ミケル・ビスカラ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) | 0:28 |
6位 | エクトル・カレテロ(スペイン、モビスター) | 1:25 |
7位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | 1:29 |
8位 | トムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード) | |
9位 | ヨナタン・ラストラ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA) | 1:41 |
10位 | オスカル・ロドリゲス(スペイン、アスタナ・プレミアテック) | 2:07 |
個人総合成績
1位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター) | 14:02:31 |
2位 | アントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:20 |
3位 | フレン・アメスケタ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA) | 0:55 |
4位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | 1:40 |
5位 | トムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード) | 1:47 |
6位 | ジェームズ・ピッコリ(カナダ、イスラエル・スタートアップネイション) | 1:50 |
7位 | ヨナタン・ラストラ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA) | 1:51 |
8位 | ミケル・ビスカラ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) | 1:52 |
9位 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 2:13 |
10位 | オスカル・ロドリゲス(スペイン、アスタナ・プレミアテック) | 2:40 |
その他の特別賞
山岳賞 | ルイス・マテ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) |
ポイント賞 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、モビスター) |
チーム総合成績 | カハルラル・セグロスRGA |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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