2021/05/16(日) - 23:26
5月15日(土)、Jプロツアー第6戦「群馬CSCロードレース 5月大会」が開催された。JプロツアーとE1の交流戦として行われたレースは、最終周回に飛び出した小集団でのスプリント勝負となり、山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)が優勝した。女子は植竹海貴(Y's Road)が5勝目を挙げた。
5月の連休明け最初のレースとなったJプロツアー第6戦「群馬CSCロードレース 5月大会」は、E1クラスタとの交流戦としての開催。交流戦はこの大会の他に、6月の「群馬CSCロードレース6月大会」と、9月の「交流戦9月大会(2日間開催)」の計4レースが予定されており、「群馬カップ」としてJプロツアーとは別に4戦の総合成績も争われる。
前日は夏の暑さとなった関東地方だが、レース当日は朝から雲が広がり、最高気温が20℃に満たない涼しさ。標高が若干高い場所にある群馬サイクルスポーツセンターでは風の冷たさもあって寒さを感じるほど。低い雲がかかると細かい雨粒が落ちてくる中でのレースとなった。
E1から40名がエントリーしたレースは、6kmサーキットを22周する132kmで行われた。
スタート直後からアタックが繰り返される中、留目夕陽(JCF強化指定選抜チーム)の単独先行をきっかけに5名の先頭集団が形成される。メンバーは、留目、沢田時(チームブリヂストンサイクリング)、川野碧己(弱虫ペダルサイクリングチーム)、小林弘幸(リオモ・ベルマーレ・レーシングチーム)、白川幸希(シエルブルー鹿屋)。
7周目、1分以上遅れたメイン集団から、フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)と、大町健斗(eNShare レーシングチーム)が追走して、先行する5名に合流する。2人を見送ったメイン集団は、JCF強化指定選抜チームのメンバーが集団前方に集まっていたが、レース後半に入るとシマノレーシングと愛三工業レーシングチームがコントロールを開始。先頭集団との差を徐々に縮めていく。
これに呼応して、先頭集団でマンセボがペースアップを図ると、徐々に人数が絞られていく。最後はマンセボと共に先頭集団に合流した大町が残ったが16周目に遅れ、マンセボが単独で先行を続ける。しかしメイン集団との差はその後さらに縮まり、19周目に吸収。レースは最終盤で振り出しに戻った。
残り2周となる21周目に入ると、JCF強化指定選抜チームのメンバーが次々とアタック。昨年10月以来のレースという石上優大も飛び出すが、ペースの上がった集団に飲まれていく。最終周回に入ると、小林海(マトリックスパワータグ)、木村圭佑(シマノレーシング)、伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)ら5名が抜け出して最後の登りをクリア。その後マンセボ、山本哲夫(チームブリヂストンサイクリング)、中井唯晶(シマノレーシング)らが追いつき、勝負はスプリントに持ち込まれた。
マンセボと山本が先頭で競り合いながらホームストレートの残り100mに姿を現す。残り50mから前に出た山本を見て、マンセボがスプリントをやめた。この瞬間、山本のJプロツアー初勝利が決まった。
チームブリヂストンサイクリングは、トラックのネイションズカップに出場している橋本英也、窪木一茂、今村駿介らが不在。さらに近谷涼が競輪学校に入所して主力メンバーを欠く中での参戦となったが、今年加入の若手がその穴を補って見せた。
「エース級メンバーが不在で人数が少ない中でのレースだったが、層の厚さを見せられたと思う。後手を踏んで(集団を)引かされるようなことにならないように、序盤の逃げに沢田選手を送り込み、後半も良い形でレースを進められたと思う。最後のスプリントはマンセボ選手が強すぎて、どうやってまくって行くかを考えたが、あれがベストだったと思う」と、レースを振り返る山本。チームブリヂストンサイクリングとしては前戦の窪木に続き連勝となったが「この調子で勝ち進んでいきたい」と話す。
「ツアー・オブ・ジャパンにも今回のメンバーで出場するので、狙えるところで狙っていきたい。全日本選手権は多分U23での出場になると思うが、タイムトライアルとロードレースの両方獲れるように頑張りたい」と、今後の目標を語った。
E1クラスタの選手では、18秒遅れのメイン集団でフィニッシュした寺崎武郎(バルバレーシングクラブ)の12位が最高位。他に、エリートリーダージャージを着る松木健治(VC VELOCE)ら5名がメイン集団で完走した。
5月の連休明け最初のレースとなったJプロツアー第6戦「群馬CSCロードレース 5月大会」は、E1クラスタとの交流戦としての開催。交流戦はこの大会の他に、6月の「群馬CSCロードレース6月大会」と、9月の「交流戦9月大会(2日間開催)」の計4レースが予定されており、「群馬カップ」としてJプロツアーとは別に4戦の総合成績も争われる。
前日は夏の暑さとなった関東地方だが、レース当日は朝から雲が広がり、最高気温が20℃に満たない涼しさ。標高が若干高い場所にある群馬サイクルスポーツセンターでは風の冷たさもあって寒さを感じるほど。低い雲がかかると細かい雨粒が落ちてくる中でのレースとなった。
E1から40名がエントリーしたレースは、6kmサーキットを22周する132kmで行われた。
スタート直後からアタックが繰り返される中、留目夕陽(JCF強化指定選抜チーム)の単独先行をきっかけに5名の先頭集団が形成される。メンバーは、留目、沢田時(チームブリヂストンサイクリング)、川野碧己(弱虫ペダルサイクリングチーム)、小林弘幸(リオモ・ベルマーレ・レーシングチーム)、白川幸希(シエルブルー鹿屋)。
7周目、1分以上遅れたメイン集団から、フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)と、大町健斗(eNShare レーシングチーム)が追走して、先行する5名に合流する。2人を見送ったメイン集団は、JCF強化指定選抜チームのメンバーが集団前方に集まっていたが、レース後半に入るとシマノレーシングと愛三工業レーシングチームがコントロールを開始。先頭集団との差を徐々に縮めていく。
これに呼応して、先頭集団でマンセボがペースアップを図ると、徐々に人数が絞られていく。最後はマンセボと共に先頭集団に合流した大町が残ったが16周目に遅れ、マンセボが単独で先行を続ける。しかしメイン集団との差はその後さらに縮まり、19周目に吸収。レースは最終盤で振り出しに戻った。
残り2周となる21周目に入ると、JCF強化指定選抜チームのメンバーが次々とアタック。昨年10月以来のレースという石上優大も飛び出すが、ペースの上がった集団に飲まれていく。最終周回に入ると、小林海(マトリックスパワータグ)、木村圭佑(シマノレーシング)、伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)ら5名が抜け出して最後の登りをクリア。その後マンセボ、山本哲夫(チームブリヂストンサイクリング)、中井唯晶(シマノレーシング)らが追いつき、勝負はスプリントに持ち込まれた。
マンセボと山本が先頭で競り合いながらホームストレートの残り100mに姿を現す。残り50mから前に出た山本を見て、マンセボがスプリントをやめた。この瞬間、山本のJプロツアー初勝利が決まった。
チームブリヂストンサイクリングは、トラックのネイションズカップに出場している橋本英也、窪木一茂、今村駿介らが不在。さらに近谷涼が競輪学校に入所して主力メンバーを欠く中での参戦となったが、今年加入の若手がその穴を補って見せた。
「エース級メンバーが不在で人数が少ない中でのレースだったが、層の厚さを見せられたと思う。後手を踏んで(集団を)引かされるようなことにならないように、序盤の逃げに沢田選手を送り込み、後半も良い形でレースを進められたと思う。最後のスプリントはマンセボ選手が強すぎて、どうやってまくって行くかを考えたが、あれがベストだったと思う」と、レースを振り返る山本。チームブリヂストンサイクリングとしては前戦の窪木に続き連勝となったが「この調子で勝ち進んでいきたい」と話す。
「ツアー・オブ・ジャパンにも今回のメンバーで出場するので、狙えるところで狙っていきたい。全日本選手権は多分U23での出場になると思うが、タイムトライアルとロードレースの両方獲れるように頑張りたい」と、今後の目標を語った。
E1クラスタの選手では、18秒遅れのメイン集団でフィニッシュした寺崎武郎(バルバレーシングクラブ)の12位が最高位。他に、エリートリーダージャージを着る松木健治(VC VELOCE)ら5名がメイン集団で完走した。
Jプロツアー第6戦 群馬CSCロードレース5月大会 結果(132km)
敢闘賞 大町健斗(eNShare レーシングチーム)
中間スプリント賞
1回目 大町健斗(eNShare レーシングチーム)
2回目 対象者なし
3回目 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)
Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
U23リーダー 山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)
Jエリートツアーリーダー 松木健治(VC VELOCE)
U19リーダー 川田翔太(ボンシャンスACA)
女子 下りアタックを決めた植竹海貴が5勝目
女子のレースには、東京五輪女子MTB代表の今井美穂がJCF強化選抜チームから参戦した。
14周84kmのレースは、スタート直後から岩元杏奈(日本体育大学)がペースアップして集団の人数を絞っていく。2周目までに残ったのは、岩元、今井、唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)、大堀博美(MOPS)、植竹海貴(Y's Road)の5名。レース前半に積極的に動いた岩元は後半に入ると遅れ、今井も遅れて3名が残る。
残り2周、植竹がペースアップすると大堀が遅れ、唐見と2人になって最終周回に入る。その直後、コース前半の下り区間で植竹がアタックして唐見を引き離す。独走態勢となった植竹はそのままフィニッシュまで逃げ切り、今季5勝目を挙げた。
「今日は攻めの走りをするつもりでいたが、スプリント周回を一度も取れなかったのが悔しい。岩元さんが序盤からバンバン行ってついていくのが大変だった。最後は2人になって、唐見さんは登りが速いので心臓破りで引き離せなかったたらスプリント勝負になってしまうので、それを避けたかったので下りで仕掛けてみた」と話す植竹。5勝目の実感を聞かれると「マークが厳しくなって好きにさせてもらえないようになった」と言う。
全日本選手権に備え、3月の広島さくらロードレースで初めて広島中央森林公園のコースを走ったという植竹。昨年は怪我もあってレースに出られなかった期間が長かっただけに「怪我をしないように、トレーニングを積んで全日本選手権につなげていきたい」と、今後の目標を語った。
中間スプリント賞
1回目 大町健斗(eNShare レーシングチーム)
2回目 対象者なし
3回目 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)
Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
U23リーダー 山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)
Jエリートツアーリーダー 松木健治(VC VELOCE)
U19リーダー 川田翔太(ボンシャンスACA)
女子 下りアタックを決めた植竹海貴が5勝目
女子のレースには、東京五輪女子MTB代表の今井美穂がJCF強化選抜チームから参戦した。
14周84kmのレースは、スタート直後から岩元杏奈(日本体育大学)がペースアップして集団の人数を絞っていく。2周目までに残ったのは、岩元、今井、唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)、大堀博美(MOPS)、植竹海貴(Y's Road)の5名。レース前半に積極的に動いた岩元は後半に入ると遅れ、今井も遅れて3名が残る。
残り2周、植竹がペースアップすると大堀が遅れ、唐見と2人になって最終周回に入る。その直後、コース前半の下り区間で植竹がアタックして唐見を引き離す。独走態勢となった植竹はそのままフィニッシュまで逃げ切り、今季5勝目を挙げた。
「今日は攻めの走りをするつもりでいたが、スプリント周回を一度も取れなかったのが悔しい。岩元さんが序盤からバンバン行ってついていくのが大変だった。最後は2人になって、唐見さんは登りが速いので心臓破りで引き離せなかったたらスプリント勝負になってしまうので、それを避けたかったので下りで仕掛けてみた」と話す植竹。5勝目の実感を聞かれると「マークが厳しくなって好きにさせてもらえないようになった」と言う。
全日本選手権に備え、3月の広島さくらロードレースで初めて広島中央森林公園のコースを走ったという植竹。昨年は怪我もあってレースに出られなかった期間が長かっただけに「怪我をしないように、トレーニングを積んで全日本選手権につなげていきたい」と、今後の目標を語った。
女子 結果(84km)
1位 | 植竹海貴(Y's Road) | 2時間27分50秒 |
2位 | 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) | +22秒 |
3位 | 大堀博美(MOPS) | +1分8秒 |
E2結果(84km)
1位 | 前田凌輔(ORCA CYCLING TEAM) | 2時間11分25 |
2位 | 松本一成(SNEL CYCLOCROSS TEAM) | +0秒 |
3位 | 森榮晃彦(パラティアムTOKYO) | |
4位 | 小泉啓仁(FORCE) | +4秒 |
5位 | 渡邉翔悟(日本体育大学) | |
6位 | 増子雄士(Astama Cycling Team) |
E3結果(60km)
1位 | 初川弘浩(ORCA CYCLING TEAM) | 1時間30分49秒 |
2位 | 鬼形卓也(COW GUMMA) | +0秒 |
3位 | 日置江草太(サイクルフリーダム・レーシング) | |
4位 | 河村敦人(EXTENDED VAX SAYAMA) | |
5位 | 渡辺悠太(川口市自転車競技連盟) | |
6位 | 北村 翔太(日本体育大学) |
text:Satoru Kato
photo:Satoru Kato, Kensaku SAKAI
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