2021/05/10(月) - 18:17
ドイツのアルプシュタットを舞台に山本幸平、北林力、北林仁参戦のUCI MTBワールドカップ初戦が開催。男子エリートでヴィクトール・コレツキー(フランス、KMCオルベア)が、女子エリートでU23世界王者のロアナ・ルコント(フランス、マッシバイクス)が勝利した。
ドイツ、バーデンヴュルテンベルク州にある街アルプシュタットでUCI MTBワールドカップが開幕した。オリンピックイヤーとなる今年、クロスカントリーとダウンヒルは共に6戦が開催され、その幕開けとなるアルプシュタットには日本ナショナルチームとしてドリームシーカーMTBレーシングチームの山本幸平(エリート)、北林力・北林仁(U23)が参戦を果たした。
有観客にて開催するべく、チームと関係者は毎日PCR検査を行い、チーム、関係者、観客と分別された「バブル」形式を採った今大会。37カ国から総勢154名がスタートした男子エリートレースでスタートダッシュを決め、レース序盤戦をリードしたのは金曜日のショートトラックを制したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)とブラジルチャンピオンのヘンリケ・アヴァンチーニ(キャノンデールファクトリーレーシング)だった。
スタートループを飛ばした2人はやがて前世界チャンピオン&現欧州チャンピオンのニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシング)率いる後続グループに捕らえられ、その中には11列目スタートから怒涛の追い上げを見せたトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)の姿もあった。
中盤にかけてシューターやオンドレイ・シンク(チェコ、クロス・オーレンサイクリング)、スイスナショナルチームのメンバーとしてツール・ド・ロマンディを走ったマティアス・フルッキガー(スイス、トムスRNスイスバイクチーム)といった面々がハイペースを刻むと、ファンデルプールやアヴァンチーニ、世界チャンピオンのヨルダン・サルー(フランス、スペシャライズドファクトリーレーシング)たちは脱落。シューター、フルッキガー、ヴィクトール・コレツキー(フランス、KMCオルベア)が逃げ、ここにシンクが追いついた状態で最終周回に突入した。
登りでリードしたフルッキガーはドロッパーシートポストのワイヤー切れというメカトラブルに見舞われて脱落。ジュリアン・アブサロンの持つワールドカップ最多勝記録タイ(33勝)が懸かったシューターとコレツキーが抜け出し、下りでシューターが猛烈なアタックに打って出た。
リスクを背負って飛ばし、僅かなリードを稼いだシューターだったが、コレツキーは下り後のペダリング区間で辛くも合流。そのまま先頭に立って最終コーナーを抜け、真っ先に加速したコレツキーがシューターを打破した。
ワールドカップ初優勝を遂げたコレツキーは、2019年10月に修善寺で開催されたテストイベントで2位に入った27歳。ショートトラック覇者ファンデルプールは7位と遅れたことで、ワールドカップランキングでも首位に。メカトラを抱えたフルッキガーはシンクを退け3位、レース前に「次戦のショートトラック参加権(16位以内)に入る必要がある」と話していたピドコックは5位という好成績でレースを終えている。
また、2年ぶりの欧州レース復帰を果たした山本幸平は100位で完走。「自分の求める場所はここだと噛み締めながら走りました。苦しいけれどこれが世界のサーキット。今回、そして来週(チェコ)しかワールドカップを走る機会はありませんので、気持ちをしっかりと持って走れたと思います」と振り返っている。山本や北林兄弟は来週の第2戦を走ってから帰国し、集大成である東京五輪に向けて調整を行う予定だ。
スター選手揃いの女子エリートレースではU23世界チャンピオンのロアナ・ルコント(フランス、マッシバイクス)が圧倒的な力を披露した。
昨シーズン自身初のワールドカップ制覇を遂げ、勢いそのままにU23世界チャンピオンに輝き、今季既に欧州レースで勝ち星を重ねてきた21歳の速さは他を圧倒。キャニオン・スラムから移籍した世界チャンピオンのポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、アブソリュートアブサロン)やケイト・コートニー(アメリカ、スコット・スラムMTBレーシング)たちが続いたものの、その差は1分にまで広がった。
エリートトップ選手の追撃を寄せ付けず、ルコントが約1分リードで圧勝。2位にはフェランプレヴォが入り、波に乗るフランスがワンツー、男女エリートレースで共に優勝とワールドカップ第1戦を席巻した。
ドイツ、バーデンヴュルテンベルク州にある街アルプシュタットでUCI MTBワールドカップが開幕した。オリンピックイヤーとなる今年、クロスカントリーとダウンヒルは共に6戦が開催され、その幕開けとなるアルプシュタットには日本ナショナルチームとしてドリームシーカーMTBレーシングチームの山本幸平(エリート)、北林力・北林仁(U23)が参戦を果たした。
有観客にて開催するべく、チームと関係者は毎日PCR検査を行い、チーム、関係者、観客と分別された「バブル」形式を採った今大会。37カ国から総勢154名がスタートした男子エリートレースでスタートダッシュを決め、レース序盤戦をリードしたのは金曜日のショートトラックを制したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)とブラジルチャンピオンのヘンリケ・アヴァンチーニ(キャノンデールファクトリーレーシング)だった。
スタートループを飛ばした2人はやがて前世界チャンピオン&現欧州チャンピオンのニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシング)率いる後続グループに捕らえられ、その中には11列目スタートから怒涛の追い上げを見せたトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)の姿もあった。
中盤にかけてシューターやオンドレイ・シンク(チェコ、クロス・オーレンサイクリング)、スイスナショナルチームのメンバーとしてツール・ド・ロマンディを走ったマティアス・フルッキガー(スイス、トムスRNスイスバイクチーム)といった面々がハイペースを刻むと、ファンデルプールやアヴァンチーニ、世界チャンピオンのヨルダン・サルー(フランス、スペシャライズドファクトリーレーシング)たちは脱落。シューター、フルッキガー、ヴィクトール・コレツキー(フランス、KMCオルベア)が逃げ、ここにシンクが追いついた状態で最終周回に突入した。
登りでリードしたフルッキガーはドロッパーシートポストのワイヤー切れというメカトラブルに見舞われて脱落。ジュリアン・アブサロンの持つワールドカップ最多勝記録タイ(33勝)が懸かったシューターとコレツキーが抜け出し、下りでシューターが猛烈なアタックに打って出た。
リスクを背負って飛ばし、僅かなリードを稼いだシューターだったが、コレツキーは下り後のペダリング区間で辛くも合流。そのまま先頭に立って最終コーナーを抜け、真っ先に加速したコレツキーがシューターを打破した。
ワールドカップ初優勝を遂げたコレツキーは、2019年10月に修善寺で開催されたテストイベントで2位に入った27歳。ショートトラック覇者ファンデルプールは7位と遅れたことで、ワールドカップランキングでも首位に。メカトラを抱えたフルッキガーはシンクを退け3位、レース前に「次戦のショートトラック参加権(16位以内)に入る必要がある」と話していたピドコックは5位という好成績でレースを終えている。
また、2年ぶりの欧州レース復帰を果たした山本幸平は100位で完走。「自分の求める場所はここだと噛み締めながら走りました。苦しいけれどこれが世界のサーキット。今回、そして来週(チェコ)しかワールドカップを走る機会はありませんので、気持ちをしっかりと持って走れたと思います」と振り返っている。山本や北林兄弟は来週の第2戦を走ってから帰国し、集大成である東京五輪に向けて調整を行う予定だ。
スター選手揃いの女子エリートレースではU23世界チャンピオンのロアナ・ルコント(フランス、マッシバイクス)が圧倒的な力を披露した。
昨シーズン自身初のワールドカップ制覇を遂げ、勢いそのままにU23世界チャンピオンに輝き、今季既に欧州レースで勝ち星を重ねてきた21歳の速さは他を圧倒。キャニオン・スラムから移籍した世界チャンピオンのポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、アブソリュートアブサロン)やケイト・コートニー(アメリカ、スコット・スラムMTBレーシング)たちが続いたものの、その差は1分にまで広がった。
エリートトップ選手の追撃を寄せ付けず、ルコントが約1分リードで圧勝。2位にはフェランプレヴォが入り、波に乗るフランスがワンツー、男女エリートレースで共に優勝とワールドカップ第1戦を席巻した。
男子エリート結果
1位 | ヴィクトール・コレツキー(フランス、KMCオルベア) | 1:20:23 |
2位 | ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシング) | 0:02 |
3位 | マティアス・フルッキガー(スイス、トムスRNスイスバイクチーム) | 0:23 |
4位 | オンドレイ・シンク(チェコ、クロス・オーレンサイクリング) | 0:25 |
5位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:29 |
6位 | アントン・クーパー(ニュージーランド、トレックファクトリーレーシングXC) | 0:30 |
7位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) | 1:13 |
8位 | アラン・ハースリー(南アフリカ、キャノンデールファクトリーレーシング) | 1:19 |
9位 | トマ・グリオ(フランス、マッシバイクス) | 1:33 |
10位 | ヘンリケ・アヴァンチーニ(キャノンデールファクトリーレーシング) | 2:05 |
100位 | 山本幸平(日本ナショナルチーム) |
女子エリート結果
1位 | ロアナ・ルコント(フランス、マッシバイクス) | 1:21:38 |
2位 | ポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、アブソリュートアブサロン) | 0:53 |
3位 | ハイリー・バッテン(アメリカ、トリニティレーシング) | 1:15 |
4位 | ケイト・コートニー(アメリカ、スコット・スラムMTBレーシング) | 1:20 |
5位 | ヤナ・ベロモイナ(ウクライナ、チームCSTポストNLバーファンMTB) | 1:30 |
6位 | アン・テルプストラ(オランダ、ゴーストファクトリーレーシング) | 1:47 |
7位 | リンダ・インダーガンド(スイス、リブファクトリー) | 1:57 |
8位 | ラウラ・スティッガー(オーストラ、スペシャライズドファクトリーレーシング) | 2:11 |
9位 | ジェニー・リスヴェッツ(スウェーデン、チーム31:アウトライド) | 2:54 |
10位 | シーナ・フライ(スイス、スペシャライズドファクトリーレーシング) | 3:03 |
男子U23結果
1位 | カーター・ウッズ(カナダ) |
2位 | デーヴィッド・リスト(ドイツ) |
3位 | シモーネ・アヴォンデット(イタリア) |
47位 | 北林力(日本ナショナルチーム) |
123位 | 北林仁(日本ナショナルチーム) |
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