ツアー・オブ・ジ・アルプスはクイーンステージとなる第4ステージを迎えた。ダウンヒルで速さをみせたペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)が優勝。この日が命日のミケーレ・スカルポーニに勝利を捧げた。
アルプスの山々を縫うように駆け抜けるツアー・オブ・ジ・アルプス2021第4ステージ (c)Bettini Photo/Vitesse
ツアー・オブ・ジ・アルプス2021第4ステージコースプロフィール (c)Vitesseナトゥルンスからピエーヴェ・ディ・ボーノまで、トレンティーノ=アルト・アディジェ州内を南下する168.6kmコースは第45回ツアー・オブ・ジ・アルプスのクイーンステージ。前半から標高差1400mのノンカテゴリー登坂をこなし、中盤に標高1682mの1級山岳パッソ・ カンポ・カルロ・マーニョを越え、長い下りを経てフィニッシュ前に用意された2級山岳ボニプラーティ(登坂距離10km/平均勾配6.8%)に挑む。
この日は前日2位に甘んじたフェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、ボーラ・ ハンスグローエ)やハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア、バーレーン・ヴィクトリアス)、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ・プレミアテック)といった2日連続逃げメンバーに加え、未だ復調過程にあるクリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・スタートアップネイション)、ニコラス・ロッシュ(アイルランド、チームDSM)といったメンバーがエスケープ。逃げ切りやエースの為の前待ちなど、様々な思惑を持った9名が先行した。
クリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・スタートアップネイション)を含む9名が先行する (c)Josef Vaishar/Vitesse
メイン集団ではリーダーチームのバイクエクスチェンジが牽引役を担い、残り50km地点で1分強と逃げ切りを許さない姿勢を見せる。2級山岳ボニプラーティが目前に迫った残り20km地点でのタイム差は20秒。登りに向けて位置取りを激しく争うメイン集団は残り19kmであっさりと逃げメンバーを飲み込んだ。
最大勾配10.1%のボニプラーティではパヴェル・シヴァコフ(ロシア)を総合エースに据えるイネオス・グレナディアーズがハイペースを刻んだ。レオナルド・バッソ(イタリア)やイバン・ソーサ(コロンビア)の牽引でメイン集団をふるいに掛け、ダニエル・マルティネス(コロンビア)にバトンタッチすると約15名だけに絞り込まれる。その状況下で真っ先に仕掛けたのは総合8位ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションNIPPO)だった。
イネオス・グレナディアーズ勢が登りでペースを上げる (c)tornati.cc/Vitesse
最終の2級山岳で抜け出したサイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ)とアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック) (c)Bettini Photo/Vitesse
カーシーのアタックにはイェーツ自ら反応。やがてイェーツ、カーシー、アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック)とダニエル・マーティン(アイルランド、 イスラエル・スタートアップネイション)が先行したが、前日の落車が響くシヴァコフはチーム一丸となったペースメイクの甲斐なく遅れてしまう。最終的に15位フィニッシュしたシヴァコフは総合成績を2位から5位へと下げることに。余裕のクライミングを見せるイェーツと、苦しみながらもフォローするウラソフの2人がボニプラーティ頂上を越えてダウンヒルに入った。
つづら折れが続く下りでは追走マーティンがオーバーランで落車(怪我なし)し、反対に登りで遅れていた総合3位ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)が残り2km地点で先頭2人にジョイン。猛スピードで下りを攻め続けるビルバオは2人から僅かなリードを奪ってフィニッシュ前に到達し、追いつかれざまにスプリントを始め、そのまま先頭でフィニッシュ。ダウンヒルを味方につけたビルバオが勝利した。
アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック)とのスプリント勝負で先行するペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) (c)Bettini Photo/Vitesse
スプリント勝負を制したペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) (c)Josef Vaishar/Vitesse
「昨日も最後までチャレンジしたけれど勝利には届かなかった。どうしてもこのレースでステージ優勝したいと思っていたんだ。今日は大きなチャンスがあると思っていたし、有利な条件が揃っていた。火曜日は残念な結果に終わり、昨日復調するとともに総合3位に。明日も厳しい戦いになると思うけれど、この総合成績を守りたい」と言うビルバオ。シヴァコフが遅れたことで、ビルバオが総合2位に、ウラソフが総合3位にジャンプアップを果たしている。
「今日は僕たちにとって大切な日で、誰もがスカルポーニのために自ら勝利を捧げたいと思っていた」と加えるビルバオ。ちょうど4年前のこの日、ミケーレ・スカルポーニは交通事故によって急逝。当時アスタナに所属していたビルバオにとって、リスクを冒してでも勝ち取りたい勝利だったと話した。
スカルポーニ捧げる勝利をあげたペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) (c)Josef Vaishar/Vitesse


この日は前日2位に甘んじたフェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、ボーラ・ ハンスグローエ)やハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア、バーレーン・ヴィクトリアス)、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ・プレミアテック)といった2日連続逃げメンバーに加え、未だ復調過程にあるクリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・スタートアップネイション)、ニコラス・ロッシュ(アイルランド、チームDSM)といったメンバーがエスケープ。逃げ切りやエースの為の前待ちなど、様々な思惑を持った9名が先行した。

メイン集団ではリーダーチームのバイクエクスチェンジが牽引役を担い、残り50km地点で1分強と逃げ切りを許さない姿勢を見せる。2級山岳ボニプラーティが目前に迫った残り20km地点でのタイム差は20秒。登りに向けて位置取りを激しく争うメイン集団は残り19kmであっさりと逃げメンバーを飲み込んだ。
最大勾配10.1%のボニプラーティではパヴェル・シヴァコフ(ロシア)を総合エースに据えるイネオス・グレナディアーズがハイペースを刻んだ。レオナルド・バッソ(イタリア)やイバン・ソーサ(コロンビア)の牽引でメイン集団をふるいに掛け、ダニエル・マルティネス(コロンビア)にバトンタッチすると約15名だけに絞り込まれる。その状況下で真っ先に仕掛けたのは総合8位ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションNIPPO)だった。


カーシーのアタックにはイェーツ自ら反応。やがてイェーツ、カーシー、アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック)とダニエル・マーティン(アイルランド、 イスラエル・スタートアップネイション)が先行したが、前日の落車が響くシヴァコフはチーム一丸となったペースメイクの甲斐なく遅れてしまう。最終的に15位フィニッシュしたシヴァコフは総合成績を2位から5位へと下げることに。余裕のクライミングを見せるイェーツと、苦しみながらもフォローするウラソフの2人がボニプラーティ頂上を越えてダウンヒルに入った。
つづら折れが続く下りでは追走マーティンがオーバーランで落車(怪我なし)し、反対に登りで遅れていた総合3位ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)が残り2km地点で先頭2人にジョイン。猛スピードで下りを攻め続けるビルバオは2人から僅かなリードを奪ってフィニッシュ前に到達し、追いつかれざまにスプリントを始め、そのまま先頭でフィニッシュ。ダウンヒルを味方につけたビルバオが勝利した。


「昨日も最後までチャレンジしたけれど勝利には届かなかった。どうしてもこのレースでステージ優勝したいと思っていたんだ。今日は大きなチャンスがあると思っていたし、有利な条件が揃っていた。火曜日は残念な結果に終わり、昨日復調するとともに総合3位に。明日も厳しい戦いになると思うけれど、この総合成績を守りたい」と言うビルバオ。シヴァコフが遅れたことで、ビルバオが総合2位に、ウラソフが総合3位にジャンプアップを果たしている。
「今日は僕たちにとって大切な日で、誰もがスカルポーニのために自ら勝利を捧げたいと思っていた」と加えるビルバオ。ちょうど4年前のこの日、ミケーレ・スカルポーニは交通事故によって急逝。当時アスタナに所属していたビルバオにとって、リスクを冒してでも勝ち取りたい勝利だったと話した。

ツアー・オブ・ジ・アルプス2021第4ステージ
1位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | 4:39:42 |
2位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック) | |
3位 | サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ) | |
4位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック) | 0:58 |
5位 | ジェフェルソン・セペダオルティス(エクアドル、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | 1:06 |
6位 | ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションNIPPO) | |
7位 | ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFエデュケーションNIPPO) | 1:16 |
8位 | ロマン・バルデ(フランス、チームDSM) | |
9位 | ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
10位 | マッテーオ・ファッブロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 1:22 |
87位 | 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) | 14:32 |
個人総合成績
1位 | サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ) | 15:31:48 |
2位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:58 |
3位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック) | 1:06 |
4位 | ジェフェルソン・セペダオルティス(エクアドル、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | 2:18 |
5位 | パヴェル・シヴァコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ) | 2:37 |
6位 | ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションNIPPO) | |
7位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック) | 2:54 |
8位 | ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFエデュケーションNIPPO) | 3:12 |
9位 | ロマン・バルデ(フランス、チームDSM) | |
10位 | ニック・シュルツ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) | 3:36 |
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