5つのカテゴリー山岳が登場したパリ~ニース第6ステージは、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が圧巻の2勝目。ログリッチがマイヨジョーヌを保持した一方で、新人賞ジャージのブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)が落車でレースを去っている。
山岳賞アントニー・ペレス(フランス、コフィディス)と話すプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) (c)CorVos
パリ~ニース2021 第6ステージ クイーンステージを翌日に控えたパリ〜ニース(UCIワールドツアー)6日目の舞台は、ブリニョールからビヨットに向かう今大会最長の202.5km。中盤に1級山岳を含む5つのカテゴリー山岳を越え、フィニッシュには2kmの登坂が待ち受ける。
逃げグループにも勝機があるこの日に飛び出したのは、総合で2分24秒遅れのケニー・エリッソンド(フランス、トレック・セガフレード)を含む6名。マイヨ・アポワ(山岳賞)を狙うアントニー・ペレス(フランス、コフィディス)を中心に、アルプ=マリティームの山々を順調に消化していった。
逃げに乗った6名
ジュリアン・エルファレス(フランス、EFエデュケーションNIPPO)
ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、クベカ・アソス)
アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・プレミアテック)
ケニー・エリッソンド(フランス、トレック・セガフレード):総合2分24秒遅れ
アントニー・ペレス(フランス、コフィディス):山岳ランキング1位
ジョナタン・イヴェール(フランス、B&Bホテルズ KTM)
パリ~ニース2021の第6ステージはブリニョールからビヨットに向かう今大会最長の202.5km (c)CorVos
山岳賞アントニー・ペレス(フランス、コフィディス)ら6名が逃げる (c)CorVos
一方メイン集団では、新人賞ジャージを着用し総合で3位につけていたブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)が落車。チームの発表によると重症ではないものの、何針か縫う怪我を負いレースを去ることになった。
すべてのカテゴリー山岳を首位で通過し、23ポイントを加算したマイヨ・アポワのペレスが集団に戻っていくと、バーレーン・ヴィクトリアスやバイクエクスチェンジが交代でメイン集団をコントロールし、タイム差を詰めていく。そして25kmにも及ぶ長い下りが終わると、残り20km地点から始まる全長2km/平均6.8%の登りで、逃げ集団から一人また一人と吸収されていった。
唯一抵抗を見せたケニー・エリッソンドが最後のスプリントポイントをトップで通過すると、残り14km地点のラウンドアバウトから197cmの長身ヨナス・ルッチ(ドイツ、EFエデュケーションNIPPO)がシッティングのままアタック。すぐさまエリッソンドに合流すると、一時9秒差まで縮まったタイム差を20秒まで広げ、身長差28cmの二人がフィニッシュを目指し突き進む。
集団コントロールには新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)も加わった (c)CorVos
ヨナス・ルッチ(ドイツ、EFエデュケーションNIPPO)がケニー・エリッソンド(フランス、トレック・セガフレード)に合流し逃げ続ける (c)CorVos
残り7kmを過ぎ、総合5位につけるアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック)がパンクするも、チームメイトのバイクを素早く受け取り無事集団に復帰。そのままフィニッシュ地点の待つ距離1.9km/平均勾配5.1%の登坂に入ると、集団はフラムルージュ手前で最後まで粘ったルッチを捉えた。
フロリアン・セネシャル(フランス)が前日にスプリント勝利を挙げたマイヨヴェールのサム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)の為に集団を引くが、距離1.9km/平均勾配5.1%の登りはピュアスプリンターたちには厳しく、ベネットを含めたスプリンターたちの脚が止まり脱落。
残り500mで役目を終えたセネシャルと入れ替わるようにギヨーム・マルタン(コフィディス、フランス)がスピードを上げるも、番手についたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)がスプリントを開始。苦悶な表情を浮かべるクリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス)やマイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ)を置き去りに、スロベニアチャンピオンが家族の待つフィニッシュラインに先頭で飛び込んだ。
クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス)らをスプリントで下したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) (c)CorVos
登りスプリントを制したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) (c)CorVos
「こうやって勝てたのは素晴らしいし、とてもハッピーだよ。今日は選手全員にとって長くタフなステージだった。スタートからハイペースだった。しかし最後まで走り切る脚が残っていた」と語るのは、キャリア50勝まであと一つと迫ったログリッチ。今大会2勝目とボーナスタイム10秒を手に入れ、総合2位のマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)とのタイム差を41秒まで広げた。
この日のスタート直前、レース主催者が第7、第8ステージのコース短縮を発表。これはニース市が新型コロナウイルス感染拡大を受け、週末のロックダウンを決定したため。第7ステージのスタート地点はニースからル・ブロックに変更され、フィニッシュ地点はそのままに距離が166.5kmから119.2kmに短縮された。またニース市内で行われる予定だった最終日の第8ステージは、ル・プラン・デュ・バールからルヴァンまでの92.7km(110.5km)に変更。最終ステージがキャンセルになった昨年同様、2年連続でニースにたどり着くことなく閉幕することとなった。
第7ステージは1級山岳ヴァルドゥブロール/ラ・コルミアーヌ(全長16.3km/平均6.2%)が待ち受ける山岳フィニッシュ。総合優勝争いの行方が明らかになるクイーンステージだ。
マイヨジョーヌを堅守したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) (c)CorVos


逃げグループにも勝機があるこの日に飛び出したのは、総合で2分24秒遅れのケニー・エリッソンド(フランス、トレック・セガフレード)を含む6名。マイヨ・アポワ(山岳賞)を狙うアントニー・ペレス(フランス、コフィディス)を中心に、アルプ=マリティームの山々を順調に消化していった。
逃げに乗った6名
ジュリアン・エルファレス(フランス、EFエデュケーションNIPPO)
ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、クベカ・アソス)
アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・プレミアテック)
ケニー・エリッソンド(フランス、トレック・セガフレード):総合2分24秒遅れ
アントニー・ペレス(フランス、コフィディス):山岳ランキング1位
ジョナタン・イヴェール(フランス、B&Bホテルズ KTM)


一方メイン集団では、新人賞ジャージを着用し総合で3位につけていたブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)が落車。チームの発表によると重症ではないものの、何針か縫う怪我を負いレースを去ることになった。
すべてのカテゴリー山岳を首位で通過し、23ポイントを加算したマイヨ・アポワのペレスが集団に戻っていくと、バーレーン・ヴィクトリアスやバイクエクスチェンジが交代でメイン集団をコントロールし、タイム差を詰めていく。そして25kmにも及ぶ長い下りが終わると、残り20km地点から始まる全長2km/平均6.8%の登りで、逃げ集団から一人また一人と吸収されていった。
唯一抵抗を見せたケニー・エリッソンドが最後のスプリントポイントをトップで通過すると、残り14km地点のラウンドアバウトから197cmの長身ヨナス・ルッチ(ドイツ、EFエデュケーションNIPPO)がシッティングのままアタック。すぐさまエリッソンドに合流すると、一時9秒差まで縮まったタイム差を20秒まで広げ、身長差28cmの二人がフィニッシュを目指し突き進む。


残り7kmを過ぎ、総合5位につけるアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック)がパンクするも、チームメイトのバイクを素早く受け取り無事集団に復帰。そのままフィニッシュ地点の待つ距離1.9km/平均勾配5.1%の登坂に入ると、集団はフラムルージュ手前で最後まで粘ったルッチを捉えた。
フロリアン・セネシャル(フランス)が前日にスプリント勝利を挙げたマイヨヴェールのサム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)の為に集団を引くが、距離1.9km/平均勾配5.1%の登りはピュアスプリンターたちには厳しく、ベネットを含めたスプリンターたちの脚が止まり脱落。
残り500mで役目を終えたセネシャルと入れ替わるようにギヨーム・マルタン(コフィディス、フランス)がスピードを上げるも、番手についたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)がスプリントを開始。苦悶な表情を浮かべるクリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス)やマイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ)を置き去りに、スロベニアチャンピオンが家族の待つフィニッシュラインに先頭で飛び込んだ。


「こうやって勝てたのは素晴らしいし、とてもハッピーだよ。今日は選手全員にとって長くタフなステージだった。スタートからハイペースだった。しかし最後まで走り切る脚が残っていた」と語るのは、キャリア50勝まであと一つと迫ったログリッチ。今大会2勝目とボーナスタイム10秒を手に入れ、総合2位のマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)とのタイム差を41秒まで広げた。
この日のスタート直前、レース主催者が第7、第8ステージのコース短縮を発表。これはニース市が新型コロナウイルス感染拡大を受け、週末のロックダウンを決定したため。第7ステージのスタート地点はニースからル・ブロックに変更され、フィニッシュ地点はそのままに距離が166.5kmから119.2kmに短縮された。またニース市内で行われる予定だった最終日の第8ステージは、ル・プラン・デュ・バールからルヴァンまでの92.7km(110.5km)に変更。最終ステージがキャンセルになった昨年同様、2年連続でニースにたどり着くことなく閉幕することとなった。
第7ステージは1級山岳ヴァルドゥブロール/ラ・コルミアーヌ(全長16.3km/平均6.2%)が待ち受ける山岳フィニッシュ。総合優勝争いの行方が明らかになるクイーンステージだ。

パリ〜ニース2021第6ステージ結果
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 4:40:22 |
2位 | クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) | |
3位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) | |
4位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
5位 | オレリアン・パレパントル(フランス、AG2Rシトロエン) | |
6位 | ルーカス・ハミルトン(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) | |
7位 | ブライアン・コカール(フランス、B&Bホテルズ KTM) | |
8位 | カンタン・パシェ(フランス、B&Bホテルズ KTM) | |
9位 | セルジオ・エナオ(コロンビア、クベカ・アソス) | |
10位 | クリスツ・ニーランズ(ラトビア、イスラエル・スタートアップネイション) | |
134位 | 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) | 16:39 |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 23:22:53 |
2位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | +41" |
3位 | ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ・プレミアテック) | +50" |
4位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック) | +51" |
5位 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、モビスター) | +1'08" |
6位 | ティシュ・ベノート(ベルギー、チームDSM) | +1'14" |
7位 | ルーカス・ハミルトン(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) | +1'16" |
8位 | ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ・プレミアテック) | +1'21" |
9位 | ピエール・ラトゥール(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) | |
10位 | オレリアン・パレパントル(フランス、AG2Rシトロエン) | +1'23" |
その他の特別賞
ポイント賞 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) |
山岳賞 | アントニー・ペレス(フランス、コフィディス) |
ヤングライダー賞 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック) |
チーム総合成績 | アスタナ・プレミアテック |
text:Sotaro Arakawa
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