ストラーデ・ビアンケから連戦開催されたワンデーレース「GPインダストリア&アルティジアナート」で、21歳マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)がプロ初勝利。キンタナやモレマ、ランダと共に最後の登坂で抜け出し、力強いスプリントで勝利を掴んだ。
ストラーデビアンケから連戦したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) (c)CorVos
49歳ダヴィデ・レベリン(イタリア、ワークサービス・マルキオール・ヴェガ)が参戦(21位フィニッシュ) (c)CorVos
ストラーデ・ビアンケの翌日、同じイタリア・トスカーナ地方にてGPインダストリア&アルティジアナート(UCI1.1)が開催された。
舞台はラ・ルチアーノの街を拠点として2つの周回コースをそれぞれ4周回する190kmコースで、後半の周回では300mの登坂「サン・バロント(距離8.6km/平均3.5%)」が組み込まれる。最後のKOM頂上からゴールまではほぼダウンヒルのみであり、登坂力のあるアタッカーに有利だ。
パリ〜ニースと日程が重なるものの、2019年大会優勝チーム(2020年はキャンセル)であるボーラ・ハンスグローエを筆頭とした9のUCIワールドチームが顔を揃え、トレック・セガフレード(ニバリ兄弟、チッコーネ、モレマ、ブランビッラ)やバーレーン・ヴィクトリアス(ランダ、モホリッチ、ビルバオ)、イネオス・グレナディアーズ(エナオ、リベラ、ロドリゲス)、モビスター(バルベルデ、マス)といった、多くの強豪選手が先日のトロフェオ・ライグエリアから、そしてストラーデビアンケからの連戦に挑んだ。
単独逃げるマチェイ・ボドナル(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) (c)CorVos
終盤に勝ち逃げのアタックを繰り出したナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック) (c)CorVos
今年で43回目を数えるレースはイタリアチームを中心とした4名の逃げが生まれ、後半に入るとマチェイ・ボドナル(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)が独走に。それも3回目の「サン・バロント」で飲み込まれると、間髪入れずダウンヒル巧者のヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)がアタックした。
道幅いっぱいを使い、ダウンヒルを攻めに攻めたニバリにはやがてマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)やマッテオ・ファッブロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)が合流したものの、決定的な動きが生まれたのは最終周回のサン・バロントだった。
ドゥクーニンク・クイックステップがコントロールする精鋭集団から力強いアタックを仕掛けたのはナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック)。マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)が食らいつき、やや時間を空けてバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)とミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)が合流する。フィニッシュライン手前で牽制する間にイーデ・スヘリンフ(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)が追いつき、そのままゴールスプリントが始まった。
スプリントを制したマウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
プロ初勝利を挙げたマウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)をランダとモレマが囲う (c)CorVos
追いつきざまにアタックしたスヘリンフは登り勾配で失速。ライグエリア勝者モレマが先頭を突き進んだものの、その脇をファンセヴェナントが抜き去っていく。ドゥクーニンク2年目(昨年7月1日加入)のファンセヴェナントがモレマ、ランダ、キンタナというビッグネームを抑え、価値あるプロ初勝利を挙げた。
「最後の登りでアタックが生まれたことは予想通りで、そこで生き残るために脚を貯めていた」と振り返るファンセヴェナントは、1999年生まれの21歳。ウルフパック加入以前はベルギーナショナルチームの一員として力を伸ばし、2019年のツール・ド・ラヴニールでは総合6位。今季はプロヴァンスで区間8位に食い込み、ライグエリアでは3位と目立つ走りを見せていた。
「グランツールやモニュメントで勝ってきた選手たちと逃げたことで自信が湧き、ただただ逃げ切るために協力したんだ。上手くローテションが回り、フルスピードを終盤まで維持できた。こういう厳しいレース終盤でのスプリントには自信があったよ。この勝利はスーパーハッピーで、アメージング。決して忘れられない1日なった」と加えたファンセヴェナント。同日のパリ〜ニースではサム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)が勝利を挙げており、常勝軍団ウルフパックが今季の勝利数を8に伸ばしている。


ストラーデ・ビアンケの翌日、同じイタリア・トスカーナ地方にてGPインダストリア&アルティジアナート(UCI1.1)が開催された。
舞台はラ・ルチアーノの街を拠点として2つの周回コースをそれぞれ4周回する190kmコースで、後半の周回では300mの登坂「サン・バロント(距離8.6km/平均3.5%)」が組み込まれる。最後のKOM頂上からゴールまではほぼダウンヒルのみであり、登坂力のあるアタッカーに有利だ。
パリ〜ニースと日程が重なるものの、2019年大会優勝チーム(2020年はキャンセル)であるボーラ・ハンスグローエを筆頭とした9のUCIワールドチームが顔を揃え、トレック・セガフレード(ニバリ兄弟、チッコーネ、モレマ、ブランビッラ)やバーレーン・ヴィクトリアス(ランダ、モホリッチ、ビルバオ)、イネオス・グレナディアーズ(エナオ、リベラ、ロドリゲス)、モビスター(バルベルデ、マス)といった、多くの強豪選手が先日のトロフェオ・ライグエリアから、そしてストラーデビアンケからの連戦に挑んだ。


今年で43回目を数えるレースはイタリアチームを中心とした4名の逃げが生まれ、後半に入るとマチェイ・ボドナル(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)が独走に。それも3回目の「サン・バロント」で飲み込まれると、間髪入れずダウンヒル巧者のヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)がアタックした。
道幅いっぱいを使い、ダウンヒルを攻めに攻めたニバリにはやがてマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)やマッテオ・ファッブロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)が合流したものの、決定的な動きが生まれたのは最終周回のサン・バロントだった。
ドゥクーニンク・クイックステップがコントロールする精鋭集団から力強いアタックを仕掛けたのはナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック)。マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)が食らいつき、やや時間を空けてバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)とミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)が合流する。フィニッシュライン手前で牽制する間にイーデ・スヘリンフ(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)が追いつき、そのままゴールスプリントが始まった。


追いつきざまにアタックしたスヘリンフは登り勾配で失速。ライグエリア勝者モレマが先頭を突き進んだものの、その脇をファンセヴェナントが抜き去っていく。ドゥクーニンク2年目(昨年7月1日加入)のファンセヴェナントがモレマ、ランダ、キンタナというビッグネームを抑え、価値あるプロ初勝利を挙げた。
「最後の登りでアタックが生まれたことは予想通りで、そこで生き残るために脚を貯めていた」と振り返るファンセヴェナントは、1999年生まれの21歳。ウルフパック加入以前はベルギーナショナルチームの一員として力を伸ばし、2019年のツール・ド・ラヴニールでは総合6位。今季はプロヴァンスで区間8位に食い込み、ライグエリアでは3位と目立つ走りを見せていた。
「グランツールやモニュメントで勝ってきた選手たちと逃げたことで自信が湧き、ただただ逃げ切るために協力したんだ。上手くローテションが回り、フルスピードを終盤まで維持できた。こういう厳しいレース終盤でのスプリントには自信があったよ。この勝利はスーパーハッピーで、アメージング。決して忘れられない1日なった」と加えたファンセヴェナント。同日のパリ〜ニースではサム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)が勝利を挙げており、常勝軍団ウルフパックが今季の勝利数を8に伸ばしている。
GPインダストリア&アルティジアナート2021結果
1位 | マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 4:26:26 |
2位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | |
3位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
4位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック) | |
5位 | イーデ・スヘリンフ(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:03 |
6位 | ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード) | 0:04 |
7位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | 0:11 |
8位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 0:16 |
9位 | エディ・ダンバー(アイルランド、イネオス・グレナディアーズ) | |
10位 | ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード) |
text:So Isobe
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