2021/02/25(木) - 10:42
5時間弱に及ぶ長い1日。UAEツアー4日目の集団スプリントでサム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)が勝利し、キャリア通算50勝目を掴んだ。
ペルシャ湾に浮かぶアルマルジャン島を発着する、2021年UAEツアー(UCIワールドツアー)最長距離(204km)を走る第4ステージ。ビーチリゾートや高級住宅街が立ち並ぶ沿岸部と内陸の一本道を組み合わせたコースはものの見事に平坦で、前日ジュベルハフィートを乗り越えたスプリンターにとっては実質的に今大会最初の集団スプリントのチャンスだ。
逃げ切りの可能性がほぼゼロのこの日、積極的にアタックをかけようとする動きは生まれなかった。スタート直後に仕掛けたアレクシス・ブルネル(フランス、グルパマFDJ)は同調する動きがなかったことで集団に戻り、集団ひとかたまりのまま距離を消化する。開幕初日に集団を粉砕した風も穏やかで、51km地点の中間スプリントでは、かつてラボバンクで活躍したエリック・デッケルの息子、ダヴィド・デッケル(オランダ、チーム ユンボ・ヴィスマ)が先着している。
続いてドゥクーニンク・クイックステップやチームDSM、アスタナ・プレミアテックといったチームが横風分断を狙ってペースアップを図ったものの、決定的な動きが生じないまま終了。その後フランソワ・ビダール(AG2Rシトロエン)とオリヴィエ・ルガック(グルパマFDJ)のフレンチコンビが先行したことで、100kmを過ぎてようやくこの日初のエスケープが決まった。
ビダールとルガックは2分、距離にして1.5kmほどのリードを得て逃げ、追いかけるメイン集団先頭にはトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)が立つ。逃げとメイン集団は共に40km/hほどのスローペースでフィニッシュまでの距離を減らしていったが、徐々にペースアップしたメイン集団によって、30kmを残し二人はあっけなく吸収された。
カウンターアタックが生まれるでもなく、ペースアップが図られるでもなく、各チームが広がりながら西日に照らされた海岸線をひた走る。山岳ステージに挟まれたこの日は平坦コースにも関わらず、5時間に迫る長丁場のレースとなった。
残り10kmを切ってようやく集団スプリントに向けたペースアップがかかり、これまで溜めこんだエネルギーを爆発させるような猛スピードで突き進む。ロット・スーダルやボーラ・ハンスグローエといったスプリンターチームが60km/hに迫るペースで牽引し、残り1kmを切るとアンドレ・グライペル(ドイツ)を従えたイスラエル・スタートアップネイションが先頭を奪った。
しかしイスラエルトレインは残り500mで埋もれ、パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) を連れたマルティン・ラース(エストニア)が先頭を奪い取る。残り150mで発進したアッカーマンに、ケース・ボル(オランダ、チームDSM)が挑む形で70km/hに迫るスプリント勝負が始まった。
「スピードが落ちたので行かざるを得なかったけれど、少しタイミングが早過ぎた」と言うアッカーマンは伸びきらず、発射台役のミケル・モルコフ(デンマーク)とジャコモ・ニッツィーロ(イタリア、クベカ・アソス)の背後をつたいイン側から仕掛けたサム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)が伸びる。進路を塞がれ失速したデッケルやカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)も届かず、ベネットが今季1勝目を掴み取った。
開幕ステージで横風分断の餌食となり、スプリントを逃していたベネットがプロ通算50勝目を達成。Velonの公開データによれば、ベネットは最後の10秒間で平均1365W、最高1595Wを叩き出している。平均スピードは68.9km/h、最高スピードは69.2km/hだった。
「初日のスプリントを逃して少しフラストレーションが溜まっていたけれど、まだあと3回チャンスがあると信じモチベーション高くスタートした。それと同時に今年最初のスプリント勝負だったのでひどく緊張していたよ。オフトレーニングを終え、自分がどれだけ走れるのかまだ試せていなかったからね」と話すベネット。
「あんなに素晴らしい働きをチームが見せてくれれば、否が応でも勝利へのモチベーションは高まるよ。僕はチームメイトの動きにただついていけば良いと分かっていたし、最終盤の脚のコンディションも上々だった。混沌としたフィナーレだったけれど、ウルフパックの働きぶりはファンタスティック。キャリア50勝目をここでマークできたことを誇りに思うよ。暑く長いステージだったけれど、最高の気分だ」と加えている。
翌日登場する山頂フィニッシュ「ジュベル・ジェイス」を挟み、第6、第7ステージは再びスプリンター向きの平坦コースが用意されている。
ペルシャ湾に浮かぶアルマルジャン島を発着する、2021年UAEツアー(UCIワールドツアー)最長距離(204km)を走る第4ステージ。ビーチリゾートや高級住宅街が立ち並ぶ沿岸部と内陸の一本道を組み合わせたコースはものの見事に平坦で、前日ジュベルハフィートを乗り越えたスプリンターにとっては実質的に今大会最初の集団スプリントのチャンスだ。
逃げ切りの可能性がほぼゼロのこの日、積極的にアタックをかけようとする動きは生まれなかった。スタート直後に仕掛けたアレクシス・ブルネル(フランス、グルパマFDJ)は同調する動きがなかったことで集団に戻り、集団ひとかたまりのまま距離を消化する。開幕初日に集団を粉砕した風も穏やかで、51km地点の中間スプリントでは、かつてラボバンクで活躍したエリック・デッケルの息子、ダヴィド・デッケル(オランダ、チーム ユンボ・ヴィスマ)が先着している。
続いてドゥクーニンク・クイックステップやチームDSM、アスタナ・プレミアテックといったチームが横風分断を狙ってペースアップを図ったものの、決定的な動きが生じないまま終了。その後フランソワ・ビダール(AG2Rシトロエン)とオリヴィエ・ルガック(グルパマFDJ)のフレンチコンビが先行したことで、100kmを過ぎてようやくこの日初のエスケープが決まった。
ビダールとルガックは2分、距離にして1.5kmほどのリードを得て逃げ、追いかけるメイン集団先頭にはトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)が立つ。逃げとメイン集団は共に40km/hほどのスローペースでフィニッシュまでの距離を減らしていったが、徐々にペースアップしたメイン集団によって、30kmを残し二人はあっけなく吸収された。
カウンターアタックが生まれるでもなく、ペースアップが図られるでもなく、各チームが広がりながら西日に照らされた海岸線をひた走る。山岳ステージに挟まれたこの日は平坦コースにも関わらず、5時間に迫る長丁場のレースとなった。
残り10kmを切ってようやく集団スプリントに向けたペースアップがかかり、これまで溜めこんだエネルギーを爆発させるような猛スピードで突き進む。ロット・スーダルやボーラ・ハンスグローエといったスプリンターチームが60km/hに迫るペースで牽引し、残り1kmを切るとアンドレ・グライペル(ドイツ)を従えたイスラエル・スタートアップネイションが先頭を奪った。
しかしイスラエルトレインは残り500mで埋もれ、パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) を連れたマルティン・ラース(エストニア)が先頭を奪い取る。残り150mで発進したアッカーマンに、ケース・ボル(オランダ、チームDSM)が挑む形で70km/hに迫るスプリント勝負が始まった。
「スピードが落ちたので行かざるを得なかったけれど、少しタイミングが早過ぎた」と言うアッカーマンは伸びきらず、発射台役のミケル・モルコフ(デンマーク)とジャコモ・ニッツィーロ(イタリア、クベカ・アソス)の背後をつたいイン側から仕掛けたサム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)が伸びる。進路を塞がれ失速したデッケルやカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)も届かず、ベネットが今季1勝目を掴み取った。
開幕ステージで横風分断の餌食となり、スプリントを逃していたベネットがプロ通算50勝目を達成。Velonの公開データによれば、ベネットは最後の10秒間で平均1365W、最高1595Wを叩き出している。平均スピードは68.9km/h、最高スピードは69.2km/hだった。
「初日のスプリントを逃して少しフラストレーションが溜まっていたけれど、まだあと3回チャンスがあると信じモチベーション高くスタートした。それと同時に今年最初のスプリント勝負だったのでひどく緊張していたよ。オフトレーニングを終え、自分がどれだけ走れるのかまだ試せていなかったからね」と話すベネット。
「あんなに素晴らしい働きをチームが見せてくれれば、否が応でも勝利へのモチベーションは高まるよ。僕はチームメイトの動きにただついていけば良いと分かっていたし、最終盤の脚のコンディションも上々だった。混沌としたフィナーレだったけれど、ウルフパックの働きぶりはファンタスティック。キャリア50勝目をここでマークできたことを誇りに思うよ。暑く長いステージだったけれど、最高の気分だ」と加えている。
翌日登場する山頂フィニッシュ「ジュベル・ジェイス」を挟み、第6、第7ステージは再びスプリンター向きの平坦コースが用意されている。
UAEツアー2021第4ステージ結果
1位 | サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 4:51:51 |
2位 | ダヴィド・デッケル(オランダ、チーム ユンボ・ヴィスマ) | |
3位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) | |
4位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス) | |
5位 | マッテオ・モスケッティ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
6位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
7位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
8位 | ジャコモ・ニッツィーロ(イタリア、クベカ・アソス) | |
9位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | |
10位 | カーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) |
個人総合成績
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 12:50:21 |
2位 | アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:43 |
3位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 1:03 |
4位 | クリス・ハーパー(ニュージーランド、ユンボ・ヴィズマ) | 1:43 |
5位 | ニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーションNIPPO) | 1:45 |
6位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード) | 2:36 |
7位 | マッティア・カッタネオ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 2:38 |
8位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
9位 | ルーベン・フェルナンデス(スペイン、コフィディス) | 3:32 |
10位 | ファウスト・マスナダ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 4:47 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ダヴィド・デッケル(オランダ、チーム ユンボ・ヴィスマ) |
ヤングライダー賞 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
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