「魔の山」モンヴァントゥーの中腹にフィニッシュするプロヴァンス3日目をイネオス・グレナディアーズが制圧。独走したイバン・ソーサとエガン・ベルナル(コロンビア)がステージ、総合成績共にワンツーを達成している。
逃げに乗ったジェローム・クザン(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)たち (c)CorVos
南仏を舞台に開催中のツール・ド・ラ・プロヴァンス(UCI2.Pro)3日目は、当地が誇るモンヴァントゥーを駆け上がるクイーンステージ。雪に包まれた山頂ではなく、そこから6km下った中腹「シャレ・レイナール」にフィニッシュが引かれているが、登坂距離14.6km/平均勾配7.6%というプロフィールは破壊力満点。これまで2日間息を潜めてきたクライマーが登坂勝負を繰り広げた。
距離153.9km、主催者による難易度は最高レベルの星4つ。風邪をひいたティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)が未出走となったこの日はジェローム・クザンとダミアン・ゴダンというトタル・ディレクトエネルジーコンビを筆頭に、フロリアン・フェルメールス(ベルギー、ロット・スーダル)、ニコラ・バジオーリ(イタリア、B&Bホテルズp/b KTM)、アレッサンドロ・フェデーリ(イタリア、デルコ)、そしてルイ・ルヴェ(フランス、サンミシェル・オベール93)という6名が逃げた。
フランスレースらしいメンバー構成の逃げに対し、リーダーチームのドゥクーニンク・クイックステップに加えてイネオス・グレナディアーズやアスタナ、トレック・セガフレードといったクライマーを揃えるチームがメイン集団先頭を牽引する。モンドリアンカラーの総合リーダージャージを着用するダヴィデ・バッレリーニ(イタリア)もジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)のためにローテーションに加わった。
メイン集団をコントロールするゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
特にアタックも掛からず、平穏に進む逃げグループとメイン集団のタイム差は一時4分弱まで広がったものの、やはりモンヴァントゥーが近づくと縮小傾向に。緩斜面の登りが始るとアスタナ・プレミアテックがペースアップを図り、次々と逃げメンバーをキャッチしていった。
アスタナは残り9kmからアロルド・テハダ(コロンビア)を先行させて他チームの様子を伺ったが、エガン・ベルナルとイバン・ソーサ(共にコロンビア)を揃えるイネオス・グレナディアーズは動じることなく列車を組み、吸収。20歳のカルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)の高速牽引が始まると昨年総合3位のアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・プレミアテック)やワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック)たちが遅れを取った。
プロトンを牛耳るイネオスからは、残り5kmを切ったタイミングでイバン・ソーサ(コロンビア)がアタック。一発で独走に持ち込んだソーサに対し、マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)がジュリアン・アラフィリップ(フランス)のために追走したが、距離を縮めるには至らない。霧むせぶ「魔の山」ヴァントゥーでソーサが磐石の独走態勢を築き上げた。
ソーサは顔を歪めながらハイペースを保ち、もう一人のイネオスのリーダーであるベルナルはアラフィリップのアタックをマークする。先頭ソーサ、2番手ベルナル&アラフィリップ、4番手ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス)がそれぞれシャレ・レイナールを目指した。
モンヴァントゥーを制したイバン・ソーサ(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) (c)CorVos
2番手でフィニッシュするエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) (c)CorVos
ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)は3着 (c)CorVos
最後までペースを守ったソーサが最後の180度コーナーを回り、胸に十字を切り、両手ピースでフィニッシュ。その15秒後にはアラフィリップを千切ったベルナルが2位を確保し、イネオスのコロンビア勢がワンツーフィニッシュを達成した。
「とても難しいステージで、僕らの作戦はエガンか僕がアタックすること。僕ら二人はとてもよく協調できたと思う」と、ベルナルに19秒、ラフィリップに21秒差で総合首位に立ったソーサは言う。「チームが全力で仕事を果たし、その最後にああやって勝てたことが喜ばしい。作戦通りに走ることができたし、今日僕たちは最強だった」と加えている。
リーダージャージを手にしたイバン・ソーサ(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) (c)CorVos
アヴィニヨンからサロン・ド・プロヴァンスにフィニッシュする最終日の予想はゴールスプリント。昨年ユンボ・ヴィズマに押されていたイネオス勢が復活の狼煙を上げている。

南仏を舞台に開催中のツール・ド・ラ・プロヴァンス(UCI2.Pro)3日目は、当地が誇るモンヴァントゥーを駆け上がるクイーンステージ。雪に包まれた山頂ではなく、そこから6km下った中腹「シャレ・レイナール」にフィニッシュが引かれているが、登坂距離14.6km/平均勾配7.6%というプロフィールは破壊力満点。これまで2日間息を潜めてきたクライマーが登坂勝負を繰り広げた。
距離153.9km、主催者による難易度は最高レベルの星4つ。風邪をひいたティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)が未出走となったこの日はジェローム・クザンとダミアン・ゴダンというトタル・ディレクトエネルジーコンビを筆頭に、フロリアン・フェルメールス(ベルギー、ロット・スーダル)、ニコラ・バジオーリ(イタリア、B&Bホテルズp/b KTM)、アレッサンドロ・フェデーリ(イタリア、デルコ)、そしてルイ・ルヴェ(フランス、サンミシェル・オベール93)という6名が逃げた。
フランスレースらしいメンバー構成の逃げに対し、リーダーチームのドゥクーニンク・クイックステップに加えてイネオス・グレナディアーズやアスタナ、トレック・セガフレードといったクライマーを揃えるチームがメイン集団先頭を牽引する。モンドリアンカラーの総合リーダージャージを着用するダヴィデ・バッレリーニ(イタリア)もジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)のためにローテーションに加わった。

特にアタックも掛からず、平穏に進む逃げグループとメイン集団のタイム差は一時4分弱まで広がったものの、やはりモンヴァントゥーが近づくと縮小傾向に。緩斜面の登りが始るとアスタナ・プレミアテックがペースアップを図り、次々と逃げメンバーをキャッチしていった。
アスタナは残り9kmからアロルド・テハダ(コロンビア)を先行させて他チームの様子を伺ったが、エガン・ベルナルとイバン・ソーサ(共にコロンビア)を揃えるイネオス・グレナディアーズは動じることなく列車を組み、吸収。20歳のカルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)の高速牽引が始まると昨年総合3位のアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・プレミアテック)やワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック)たちが遅れを取った。
プロトンを牛耳るイネオスからは、残り5kmを切ったタイミングでイバン・ソーサ(コロンビア)がアタック。一発で独走に持ち込んだソーサに対し、マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)がジュリアン・アラフィリップ(フランス)のために追走したが、距離を縮めるには至らない。霧むせぶ「魔の山」ヴァントゥーでソーサが磐石の独走態勢を築き上げた。
ソーサは顔を歪めながらハイペースを保ち、もう一人のイネオスのリーダーであるベルナルはアラフィリップのアタックをマークする。先頭ソーサ、2番手ベルナル&アラフィリップ、4番手ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス)がそれぞれシャレ・レイナールを目指した。



最後までペースを守ったソーサが最後の180度コーナーを回り、胸に十字を切り、両手ピースでフィニッシュ。その15秒後にはアラフィリップを千切ったベルナルが2位を確保し、イネオスのコロンビア勢がワンツーフィニッシュを達成した。
「とても難しいステージで、僕らの作戦はエガンか僕がアタックすること。僕ら二人はとてもよく協調できたと思う」と、ベルナルに19秒、ラフィリップに21秒差で総合首位に立ったソーサは言う。「チームが全力で仕事を果たし、その最後にああやって勝てたことが喜ばしい。作戦通りに走ることができたし、今日僕たちは最強だった」と加えている。

アヴィニヨンからサロン・ド・プロヴァンスにフィニッシュする最終日の予想はゴールスプリント。昨年ユンボ・ヴィズマに押されていたイネオス勢が復活の狼煙を上げている。
ツール・ド・ラ・プロヴァンス2021第3ステージ結果
1位 | イバン・ソーサ(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | 4:08:14 |
2位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:15 |
3位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:18 |
4位 | ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:29 |
5位 | ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス) | 0:48 |
6位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
7位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | |
8位 | マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
9位 | ジャック・ヘイグ(ニュージーランド、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
10位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) |
個人総合成績
1位 | イバン・ソーサ(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | 13:13:16 |
2位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:19 |
3位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:21 |
4位 | ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:39 |
5位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | 0:57 |
6位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:58 |
7位 | ジャック・ヘイグ(ニュージーランド、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
8位 | マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
9位 | ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス) | |
10位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) |
山岳賞 | フィリッポ・コンカ(イタリア、ロット・スーダル) |
ヤングライダー賞 | イバン・ソーサ(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) |
チーム総合成績 | イネオス・グレナディアーズ |
text:So Isobe
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