2021/02/01(月) - 10:31
まさに手に汗握る、ライバル同士の一騎打ち。落車とパンクで形勢が変わるシーソーゲームの末、マチュー・ファンデルプール(オランダ)がワウト・ファンアールト(ベルギー)を退け勝利。3年連続4度目のシクロクロス世界チャンピオンに輝いた。
ベルギー最西端に位置する海沿いの街、オステンドで2日間続いたシクロクロス世界選手権の最終レースは、向こう1年間の世界チャンピオンを決定付ける男子エリート。コースの約20%が海沿いの深い砂という特殊なレイアウトを持つコース上では、今年も世界一を決めるにふさわしい白熱したレースが展開されることになる。
天気晴朗なれども波高し。気温1度、風速18km/hという北海沿いらしい天候の中、15時10分に15カ国から集った44名が一斉にスタート。マチュー・ファンデルプール(オランダ)がホールショットを獲り、トーマス・ピドコック(イギリス)を肩で弾いたワウト・ファンアールト(ベルギー)が直後のフライオーバーで先頭に立つ。レース開始直後から繰り広げられる、ライバル同士の戦いは他選手のペースを凌駕した。
サンドセクションを、21%勾配の巨大なフライオーバーを通過するたびに後続グループとの差を広げていくマチューとワウト。その後方ではローレンス・スウェーク、クィンティン・ヘルマンス、トーン・アールツ、マイケル・ファントーレンハウトというベルギー4名が続く。他選手と絡んだピドコックが10番手付近まで順位を落とした一方、最後尾スタートの元世界王者ゼネク・スティバル(チェコ)は圧巻のダッシュで一気に17番手までポジションを上げてみせた。
先頭を突き進む二人のうち、深いサンドセクションで完璧なコントロールを披露したのはファンアールトだった。オランダ勢の4カテゴリー完全制覇に待ったをかけるべくプレッシャーを掛けるファンアールトの背後では、ファンデルプールが降車を強いられ若干のリードを許してしまう。その差が3秒ほどまで広がったタイミングで、深い轍に前輪を取られたファンデルプールが宙を舞った。
ファンデルプールは幸い身体とバイクに問題はなくすぐさまレース復帰したものの、逃げるファンアールトとの差は12秒まで拡大。「マチューは今季僕より勝っているからこそ、プレッシャーを感じているはずだ」と話したファンアールトの言葉通りの展開になったものの、続く3周目に両者の差は急速に縮まっていく。ファンアールトがピットから遠い位置で前輪パンクに見舞われ、両者の立場が逆転した。
ペースダウンを強いられ、ライバルの先行を許したファンアールト。ピットでバイク交換を行いペースを取り戻したものの、一度開いた10秒の差は縮まりこそすれ、ゼロになることはなかった。「コンディションが良かったぶんパンクが悔やまれる。(レース開始後)30分くらいで負けたと思う。一度マチューとの距離が縮まったけれど、脚が終わってしまった」と悔やむファンアールトを尻目に、力強い走りを維持したファンデルプールがリードを10秒、15秒と広げていった。
その後方を走る3位グループから抜け出したのは、今季今ひとつ調子の上がらないまま世界選手権に挑んだアールツだった。さらに3月1日からイネオス・グレナディアーズ入りするピドコックが猛追し、スウェークらベルギー勢を抜き去って4番手。パワーコースに自信を覗かせていたスティバルは順位を維持し、この日5分42秒遅れの18位で6年ぶりの世界選手権を終えることとなる。
サンドセクションでも、そしてフライオーバーの登りの中間計測でもファンアールトを上回って突き進むファンデルプールは、最後までリードを崩すことなく8周回を走りきり、フィニッシュ。2回右腕を築き上げ、3年連続4度目のシクロクロス世界王者に輝くとともに、母国オランダに今大会4カテゴリー完全制覇を届けることに成功した。
直接的なランデブーこそ短時間だったものの、互いのミスで生まれた10秒差の攻防戦を制したファンデルプールは、「ワウトがパンクで戻ってきたのはラッキーだった」と打ち明ける。「それ以外の方法で彼に追いつけたかどうかは分からない。ただしそれでも、その時点でレースは決まっていなかったし、周回を重ねるごとに調子が上がっていくのを感じていた。コースにも慣れていったんだ。レースの後半戦は全てをコントロール下に置くことができていた」と振り返っている。
一方、「いつものような反撃ができず、自分自身にがっかりしている。いつものようなモチベーションが今日はなかった」と悔やむのは銀メダルに終わったファンアールト。「最初の2周は完璧な走りだったと思うけれど、その一方体力を費してしまったことも事実。世界選手権に勝つためには全てが100%でないといけない。パンクの後メンタルが崩れ、それ以上プッシュできなくなってしまった」と打ち明ける。
「マチューと僕は対等に渡り合えるがゆえ、リードした方が有利な展開に持ち込める。今日はそういう理想的な展開に持ち込んだものの、パンクでチャンスを無駄にしてしまった。今はがっかりしているけれど、もちろんマチューはチャンピオンにふさわしい選手だ。彼の走りは非常に力強く、あれ以上差を縮めることはできなかった。幸い次のレースはいつでもある。1週間の休息を経てから来年大会に向けてチャレンジしていきたい」と、ファンアールトはライバルを讃えている。
3番手を走るアールツは猛烈な勢いで迫るピドコックのプレッシャーを跳ね除け、笑顔で銅メダルを獲得。ピドコック以降はスウェーク、ファントーレンハウト、イゼルビッド、ヘルマンス、ファンデルハール、ニューウェンハイス、ファンケッセル、フェルメルシュと、12位までベルギーとオランダ勢が独占。日本でも馴染深いフェリペ・オルツ(スペイン)とスティーブ・シェネル(フランス)はそれぞれ26位と27位でレースを終えている。
ベルギー最西端に位置する海沿いの街、オステンドで2日間続いたシクロクロス世界選手権の最終レースは、向こう1年間の世界チャンピオンを決定付ける男子エリート。コースの約20%が海沿いの深い砂という特殊なレイアウトを持つコース上では、今年も世界一を決めるにふさわしい白熱したレースが展開されることになる。
天気晴朗なれども波高し。気温1度、風速18km/hという北海沿いらしい天候の中、15時10分に15カ国から集った44名が一斉にスタート。マチュー・ファンデルプール(オランダ)がホールショットを獲り、トーマス・ピドコック(イギリス)を肩で弾いたワウト・ファンアールト(ベルギー)が直後のフライオーバーで先頭に立つ。レース開始直後から繰り広げられる、ライバル同士の戦いは他選手のペースを凌駕した。
サンドセクションを、21%勾配の巨大なフライオーバーを通過するたびに後続グループとの差を広げていくマチューとワウト。その後方ではローレンス・スウェーク、クィンティン・ヘルマンス、トーン・アールツ、マイケル・ファントーレンハウトというベルギー4名が続く。他選手と絡んだピドコックが10番手付近まで順位を落とした一方、最後尾スタートの元世界王者ゼネク・スティバル(チェコ)は圧巻のダッシュで一気に17番手までポジションを上げてみせた。
先頭を突き進む二人のうち、深いサンドセクションで完璧なコントロールを披露したのはファンアールトだった。オランダ勢の4カテゴリー完全制覇に待ったをかけるべくプレッシャーを掛けるファンアールトの背後では、ファンデルプールが降車を強いられ若干のリードを許してしまう。その差が3秒ほどまで広がったタイミングで、深い轍に前輪を取られたファンデルプールが宙を舞った。
ファンデルプールは幸い身体とバイクに問題はなくすぐさまレース復帰したものの、逃げるファンアールトとの差は12秒まで拡大。「マチューは今季僕より勝っているからこそ、プレッシャーを感じているはずだ」と話したファンアールトの言葉通りの展開になったものの、続く3周目に両者の差は急速に縮まっていく。ファンアールトがピットから遠い位置で前輪パンクに見舞われ、両者の立場が逆転した。
ペースダウンを強いられ、ライバルの先行を許したファンアールト。ピットでバイク交換を行いペースを取り戻したものの、一度開いた10秒の差は縮まりこそすれ、ゼロになることはなかった。「コンディションが良かったぶんパンクが悔やまれる。(レース開始後)30分くらいで負けたと思う。一度マチューとの距離が縮まったけれど、脚が終わってしまった」と悔やむファンアールトを尻目に、力強い走りを維持したファンデルプールがリードを10秒、15秒と広げていった。
その後方を走る3位グループから抜け出したのは、今季今ひとつ調子の上がらないまま世界選手権に挑んだアールツだった。さらに3月1日からイネオス・グレナディアーズ入りするピドコックが猛追し、スウェークらベルギー勢を抜き去って4番手。パワーコースに自信を覗かせていたスティバルは順位を維持し、この日5分42秒遅れの18位で6年ぶりの世界選手権を終えることとなる。
サンドセクションでも、そしてフライオーバーの登りの中間計測でもファンアールトを上回って突き進むファンデルプールは、最後までリードを崩すことなく8周回を走りきり、フィニッシュ。2回右腕を築き上げ、3年連続4度目のシクロクロス世界王者に輝くとともに、母国オランダに今大会4カテゴリー完全制覇を届けることに成功した。
直接的なランデブーこそ短時間だったものの、互いのミスで生まれた10秒差の攻防戦を制したファンデルプールは、「ワウトがパンクで戻ってきたのはラッキーだった」と打ち明ける。「それ以外の方法で彼に追いつけたかどうかは分からない。ただしそれでも、その時点でレースは決まっていなかったし、周回を重ねるごとに調子が上がっていくのを感じていた。コースにも慣れていったんだ。レースの後半戦は全てをコントロール下に置くことができていた」と振り返っている。
一方、「いつものような反撃ができず、自分自身にがっかりしている。いつものようなモチベーションが今日はなかった」と悔やむのは銀メダルに終わったファンアールト。「最初の2周は完璧な走りだったと思うけれど、その一方体力を費してしまったことも事実。世界選手権に勝つためには全てが100%でないといけない。パンクの後メンタルが崩れ、それ以上プッシュできなくなってしまった」と打ち明ける。
「マチューと僕は対等に渡り合えるがゆえ、リードした方が有利な展開に持ち込める。今日はそういう理想的な展開に持ち込んだものの、パンクでチャンスを無駄にしてしまった。今はがっかりしているけれど、もちろんマチューはチャンピオンにふさわしい選手だ。彼の走りは非常に力強く、あれ以上差を縮めることはできなかった。幸い次のレースはいつでもある。1週間の休息を経てから来年大会に向けてチャレンジしていきたい」と、ファンアールトはライバルを讃えている。
3番手を走るアールツは猛烈な勢いで迫るピドコックのプレッシャーを跳ね除け、笑顔で銅メダルを獲得。ピドコック以降はスウェーク、ファントーレンハウト、イゼルビッド、ヘルマンス、ファンデルハール、ニューウェンハイス、ファンケッセル、フェルメルシュと、12位までベルギーとオランダ勢が独占。日本でも馴染深いフェリペ・オルツ(スペイン)とスティーブ・シェネル(フランス)はそれぞれ26位と27位でレースを終えている。
シクロクロス世界選手権2021 男子エリート結果
1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ) | 58:57 |
2位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー) | 0:37 |
3位 | トーン・アールツ(ベルギー) | 1:24 |
4位 | トーマス・ピドコック(イギリス) | 1:37 |
5位 | ローレンス・スウェーク(ベルギー) | 2:05 |
6位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー) | 2:14 |
7位 | エリ・イゼルビッド(ベルギー) | 2:18 |
8位 | クィンティン・ヘルマンス(ベルギー) | 2:23 |
9位 | ラース・ファンデルハール(オランダ) | 2:41 |
10位 | ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ) | 3:15 |
text:So Isobe
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