輪行せずともそのまま自転車を積んで、千葉や茨城でのサイクリングを楽しめるB.B.BASE。乗りもの大好きなCW編集部員の高木がその魅力を体験するツアーをレポート。潮来駅からつくば霞ヶ浦りんりんロードを走り、オープンしたばかりの「星野リゾート BEB5土浦」に宿泊しました。
B.B.BASEバスと両国国技館 photo:Michinari TAKAGI
2018年1月から運行を開始したサイクルトレイン"B.B.BASE"。Boso(房総)・Bicycle(バイシクル)・Base(基地)の略称だ。Bosoを冠するように、これまでは東京のJR両国駅と千葉県の房総半島各地を結んだ内房コース、外房コース、銚子コース、佐原コースの4つのプランが用意されてきたが、この2020年10月から佐原コースが新たに潮来駅と鹿島神宮駅まで延長され、ついに茨城県まで進出した。それと同時に名称も「鹿島・佐原コース」に変更となっている。毎週土日に1日1回往復運転をしている。週によって行き先が変わるため、毎週乗っても毎回違うエリアをサイクリング可能だ。
B.B.BASE最大の特徴は輪行をしなくても自転車を電車に乗せられるという点。両国駅まで近いサイクリストであれば、自走したまま千葉や茨城まで行けてしまう。一方、出発地点となる両国駅まで遠い場合は愛車を輪行袋に入れて、電車や車で来る方も多いという。
両国駅に到着したCW編集部員の高木 photo:Hirohisa YAMAGUCHI
西口改札を出ると足元にはB.B.BASEバイシクルステーションに向かって進行方向が記されている
レンタサイクルはロードバイクとクロスバイクの全29台が用意される
輪行で来た場合でも西口改札を出ると足元にはB.B.BASEバイシクルステーションがある広小路までは路面に案内が記されているため、初めて乗車する場合でも迷子になる心配はない。また、レンタサイクルも用意されており、手ぶらで気軽にB.B.BASEを利用したサイクリングを楽しむことができる。
広小路に到着すると、検温とアルコール消毒を行い、コロナウイルス対策も万全な中で受付をする。レンタサイクルを利用する方には広小路にあるB.B.BASEバイシクルステーションでスタッフさんが丁寧に自転車の調整と使用方法をレクチャーしていた。全29台のロードバイクとクロスバイクが用意してある。
10月にオープンしたばかりの自転車をコンセプトとした「べックスコーヒー両国」 photo:Michinari TAKAGI
サイクルスタンドを設置
店内はサイクリストが楽しめる空間に
土浦市長の安藤さんもツアーに参加されていた
B.B.BASEの専用ホームまで進行方向を示すマーク
B.B.BASEのスタッフが両国駅西口に今年の10月にオープンしたばかりの自転車をコンセプトとした「べックスコーヒー両国」を案内してくれた。店外にはサイクルスタンドを設置し、店内にはB.B.BASE特別仕様のロードバイクを展示している。
自転車に関する本が置かれ、自転車にまつわるものでアレンジされている店内はとてもサイクリストが楽しめる空間だった。B.B.BASEの利用者は乗車日当日に限り好きなドリンクの無料サイズアップサービスがあるというこで、是非、両国駅に立ち寄った際は利用してもらいたい。
B.B.BASEを利用しないと入れない両国駅3番ホームへ photo:Michinari TAKAGI
JRの駅員さんにB.B.BASEと一緒に撮ってもらった photo:Michinari TAKAGI
バイクをセットするのも簡単 photo:Yusuke Amino
ビンディングシューズでも滑りにくいB.B.BASE専用の床
2010年まで京浜東北線などで使用されていた209系 photo:Michinari TAKAGI
そして、B.B.BASEが待ち受ける専用ホームへ。改札口を通らず、両国国技館の横を通りながら専用ホームへのゲートを潜る。そして普段使われていない3番ホームに見えたのは編集部員の高木が学生の頃にとてもお世話になった京浜東北線の209系であった。2010年に運用を終了した引退車両の209系をリメイクしている車両に乗れるだけで感無量だが、さらに自転車専用車両になっていて鉄道&自転車好きとしてはとても嬉しかった。
乗車する車両に付くと、車内にはB.B.BASE専用のバイクラック。4ステップでバイクを固定する事ができるため女性でも簡単だ。まずは、前輪を固定するアームを下ろす。2段階でアームが伸びるため、もう一段階アームを伸ばし、愛車の前輪を乗っける。後はストラップをフレームに固定すれば搭載完了。試しにバイクをゆすってみたが抜群の安定感で愛車を安心してセットできる。
満席になるとこんな感じになる photo:Michinari TAKAGI
AC電源コンセントがあり、スマホやライトの充電できる
4号車両はフリースペースになっている
先程紹介した「べックスコーヒー両国」でテイクアウト photo:Michinari TAKAGI
JR東日本千葉支社の石田さんからB.B.BASEのクイズを交えたご挨拶 photo:Michinari TAKAGI
シルバー基調の重厚感がある内装で、スタイリッシュな洗練されたデザイン。思わず「かっこいい!!」と叫んでしまいそうだったのはここだけの秘密。ロード用のビンディングシューズでも滑りにくいB.B.BASE専用の床材は非常に安全。また、各席には、AC電源コンセントがあり、スマホやライトの充電などが可能となっている。どの視点から見てもサイクリストが使いやすい仕様であった。
いよいよ、潮来駅に向けて出発。B.B.BASEの4号車両はフリースペースになっていて、開放的な空間が広がっている。JR東日本千葉支社の石田さんからB.B.BASEのクイズを交えたご挨拶。そして、星野リゾート BEB5土浦 総支配人の宮越さん、キリンビールの榎並さん、そして土浦市長の安藤さんなど今回のツアーを企画した皆様からご挨拶があった。クイズでは「B.B.BASEで使用されている209系は製造されて何年の車両か?」と問題が出された。答えは1992年に製造され、今年で28年経っていることになる。ちなみに私は27歳のためちょっとセンパイ。B.B.BASEに更なる親近感が芽生えた。
駅のホームにある駅名の看板と愛車を一緒に写真が撮れる photo:Michinari TAKAGI
地元住民の方々が歓迎してくれた photo:Michinari TAKAGI
潮来駅の先の鹿島神宮駅へ向かうB.B.BASE
改札を出るとJR東日本千葉支社マスコットキャラクター「駅長犬」がお出迎え
駅舎を出ても、地元の方々から大歓迎 photo:Michinari TAKAGI
潮来駅に到着する手前の利根川を越える橋で、利根川を進むカヌーや船、土手にはB.B.BASEに向かって黄色い旗を振る地元の方々が!予想だにしないサプライズで凄くうれしかった。潮来駅に到着し、バイクラックから愛車を下ろし、駅のホームへ降りる。すると駅のホームでは和太鼓や笛の演奏の中、横断幕を持った駅員さんと地元の方々が、先程見かけた黄色い旗を振って、盛大に出迎えてくれた。
改札を出るとJR東日本千葉支社マスコットキャラクター「駅長犬」がお出迎え。温かいお茶と潮来産こしひかりの炊きたてごはん、まこものパウンドケーキ、が振る舞われた。その後はB.B.BASEバスの説明が。なんと、バスのトランクルームには18台の自転車を格納することができるのだという。ちなみに、B.B.BASEとして運行していない平日は、広告もかねてJRバスとして一般運行しているという。
温かいお茶と潮来産のこしひかり使用した炊きたてごはんなどが振る舞われた photo:Michinari TAKAGI
B.B.BASEバスとマヴィックカーと記念撮影 photo:Michinari TAKAGI
潮来駅から1分ほどにある「水郷潮来 あやめ園」に立ち寄った
水郷潮来あやめ姫とマヴィックのモトバイク
常陸利根川沿いを北上していく photo:Michinari TAKAGI
1日目となる今日のコースは下車した潮来駅から宿泊する星野リゾート BEB5までの約46kmのコースだ。潮来駅をグループに分けてそれぞれ出発していく。スタートしてすぐ、潮来駅から1分ほどにある「水郷潮来 あやめ園」に立ち寄った。あやめの開花時期は4〜6月となり、残念ながら咲いてはいなかったが、職人さんが手作りした竹風鈴と短冊がたくさん吊るされたアーチを潜り、潮来に来たことを歓迎されているようであった。
再度出発し常陸利根川沿いを北上。しばらく走ると霞ヶ浦が見えてくる。普段は荒川や多摩川を走る私は対岸が見えない程の広い景色にしばし圧倒されていた。つくば霞ヶ浦りんりんロードの途中には公共空気入れが備え付けられていて、パンク時には安心して修理できる。
ライドを楽しむマヴィック女子会の皆さん photo:Michinari TAKAGI
つくば霞ヶ浦りんりんロードの途中には公共空気入れを設置
潮来駅から10km走ると辿りつく「天王崎観光交流センターコテラス」
多くの参加者の皆さんが温めて足の疲れを取っていた photo:Michinari TAKAGI
潮来駅から10km走ると辿りつく「天王崎観光交流センターコテラス」。ここでは温泉に入ることができるほか、サイクリストには嬉しい足湯が外に設置されている。早速、多くの参加者の皆さんが温まって足の疲れを取っていた。温泉施設の横にはコテラスマルシェがあり、ドリンクや行方市の新鮮野菜も購入可能だ。
休憩中に星野リゾートのスタッフさんにBEB5土浦のオリジナルサイクルジャージのデザインについて、説明してもらった。BEB5のロゴになぜ濁音が付いているのかと思っていたが、これはカタカナの「ベブ」がロゴに隠れているのだとか。近くで見るとロゴ全体はホワイトで描かれ、カタカナが隠れている部分はライトグレーで、遊び心があるロゴであることが分かった。
BEB5土浦のオリジナルサイクルジャージの説明をしてもらった photo:Michinari TAKAGI
霞ヶ浦沿いを走る photo:Michinari TAKAGI
また、ジャージの横には不規則な格子柄で赤や青、緑が散りばめられているデザインで、これはBEB5土浦の部屋の色がモチーフになっているという。この色分けについては後編のBEB5土浦の施設紹介でじっくり説明することにしよう。
少し長めの休憩を取った後は再度、りんりんロードを進んで行く。次の目的地は更に14.7km走った先の「行方市 観光物産館こいこい」だ。若干、雲が多い空模様であったが、日差しはとても温かく、暑すぎず寒すぎず丁度良いサイクリング日和であった。
立ち寄った「行方市 観光物産館こいこい」 photo:Michinari TAKAGI
可愛いポニーが出迎えてくれた
食事処や地元野菜の販売など、買い物をする観光客でとても賑わっていた
霞ヶ浦大橋の写真を撮る参加者の皆さん photo:Michinari TAKAGI
風もほとんど吹いていなくて、スムーズに走った結果、あっという間に休憩ポイントに到着。こちらでは可愛いポ二―がお出迎えをしてくれた。立ち寄った「行方市 観光物産館こいこい」は大通りに面しており、観光バスや車、バイク、自転車の方々が多く立ち寄っている様子であった。中では食事処や地元野菜の販売など、買い物をする観光客でとても賑わっていた。
次に向かうのは、霞ヶ浦大橋を渡り3.8km先にある「ゲストハウス 古民家 江口屋」。明治後期に建てられた元造り酒屋の趣ある建物で、地元の名工によりゲストハウスに生まれ変わったという。普段は宿泊施設で食事だけの提供をしていないが、ピザづくりやバーべキュー体験も出来るため宿泊をしなくても楽しむことができる。
明治後期に建てられた元造り酒屋が生まれ変わりゲストハウスに photo:Michinari TAKAGI
霞ヶ浦マップと地酒 photo:Michinari TAKAGI
お昼御飯は茨城の名産品でいっぱい photo:Michinari TAKAGI
お昼御飯のメニューは釜で炊き上げた白米、蓮根とワカサギの揚げ物、佃煮、お味噌汁、たまご、そして茨城といえばの納豆と、ご飯がとてもすすむメニューだった。「ごちそうさまでした!とても美味しかったです!」。
この後は、りんりんポート土浦まで直接行くのかと思いきや、これまで平坦ばかりだったため、ガイドの方の提案で少しばかり登ることに。そこで、坂が大好きで有名なモデルの日向涼子さんを先頭に登り始めていく。頂上にはかすみがうら市歴史博物館があり、霞ヶ浦で使用される、有形民俗文化財である「帆引き船」が展示されていた。
今回一緒にライドした皆さんと一緒にお昼ご飯をを食べた photo:Michinari TAKAGI
坂が大好きで有名な日向涼子さんを先頭に登り始めていく photo:Michinari TAKAGI
有形民俗文化財である帆引き船
霞ヶ浦に向かって下っていく
坂を登った後は、再び霞ヶ浦に向かって下っていく。下り終えるとそこには収穫時期を迎えた蓮根畑が広がっていた。全国のれんこんの約半分は茨城産という事で正月のおせちで食べている方はお世話になっていることになる。
次の休憩ポイントは16km先の「りんりんポート土浦」。向かう途中でガイドさんオススメの手造りどら焼き専門店「志ち乃」へ少し寄り道。こういった寄り道ができるのも地元のツアーガイドさんがいるからだ。毎朝、手作りされているたくさんのどら焼きが並んでいた。
左は霞ヶ浦、右は蓮根畑のりんりんロード photo:Michinari TAKAGI
気温も暖かくサイクリング日和 photo:Michinari TAKAGI
どら焼き専門店「志ち乃」へ
りんりんポート土浦に到着
初日のライドで最後の休憩ポイントとなる「りんりんポート土浦」手前では、地元の方が旗を振りながら待っていてくれていた。更に、土浦市長の安藤さんと土浦市の公式マスコットキャラクター「つちまる」と地元バスのキャラクター「キララちゃん」が出迎えてくれた。
こちらでは、土浦銘菓「九万五千石」と「れんこん黒糖バウムクーヘン」が振る舞われた。ここまで40km以上を走ってきたため、エネルギーの補給に最適だった。
土浦市長の安藤さんとつちまる、キララちゃんがお出迎え photo:Michinari TAKAGI
デヴィ夫人から贈呈された自転車に特別に乗ることができた
予約すればタンデムバイクに乗れる
地元のお菓子でおもてなし photo:Michinari TAKAGI
そして、初日のライドのゴールとなる宿泊施設の星野リゾート BEB5土浦までは1.2kmと目と鼻の先。最後まで安全に走り、BEB5土浦があるサイクリングリゾート「PLAYatre TSUCHIURA(プレイアトレ土浦)」に無事到着した。BEB5土浦は3階にあるため、エレベータで上がっていくか、自転車を担いで階段を上ることになる。
入口を抜けると、弱虫ペダルのイベント中で主人公の小野田君や今泉君、鳴子君などのパネルが出迎えてくれた。1階にはスポーツ自転車店の「ル・サイク土浦」があるため、ライド中に消耗してしまったパーツ交換や修理も出来る。
BEB5土浦があるサイクリングリゾート「PLAYatre TSUCHIURA」 photo:Michinari TAKAGI
弱虫ペダルのスタンプラリーが開催されていて小野田君、今泉君、鳴子君のパネルが出迎えてくれた
宿泊する「星野リゾート BEB5土浦」 photo:Michinari TAKAGI
前編はここまで!そして、後編では星野リゾート BEB5の施設とイベントとかつて茨城県にあった「筑波鉄道」の廃線跡を走るライドを紹介していく。
text&photo:Michinari TAKAGI

2018年1月から運行を開始したサイクルトレイン"B.B.BASE"。Boso(房総)・Bicycle(バイシクル)・Base(基地)の略称だ。Bosoを冠するように、これまでは東京のJR両国駅と千葉県の房総半島各地を結んだ内房コース、外房コース、銚子コース、佐原コースの4つのプランが用意されてきたが、この2020年10月から佐原コースが新たに潮来駅と鹿島神宮駅まで延長され、ついに茨城県まで進出した。それと同時に名称も「鹿島・佐原コース」に変更となっている。毎週土日に1日1回往復運転をしている。週によって行き先が変わるため、毎週乗っても毎回違うエリアをサイクリング可能だ。
B.B.BASE最大の特徴は輪行をしなくても自転車を電車に乗せられるという点。両国駅まで近いサイクリストであれば、自走したまま千葉や茨城まで行けてしまう。一方、出発地点となる両国駅まで遠い場合は愛車を輪行袋に入れて、電車や車で来る方も多いという。



輪行で来た場合でも西口改札を出ると足元にはB.B.BASEバイシクルステーションがある広小路までは路面に案内が記されているため、初めて乗車する場合でも迷子になる心配はない。また、レンタサイクルも用意されており、手ぶらで気軽にB.B.BASEを利用したサイクリングを楽しむことができる。
広小路に到着すると、検温とアルコール消毒を行い、コロナウイルス対策も万全な中で受付をする。レンタサイクルを利用する方には広小路にあるB.B.BASEバイシクルステーションでスタッフさんが丁寧に自転車の調整と使用方法をレクチャーしていた。全29台のロードバイクとクロスバイクが用意してある。





B.B.BASEのスタッフが両国駅西口に今年の10月にオープンしたばかりの自転車をコンセプトとした「べックスコーヒー両国」を案内してくれた。店外にはサイクルスタンドを設置し、店内にはB.B.BASE特別仕様のロードバイクを展示している。
自転車に関する本が置かれ、自転車にまつわるものでアレンジされている店内はとてもサイクリストが楽しめる空間だった。B.B.BASEの利用者は乗車日当日に限り好きなドリンクの無料サイズアップサービスがあるというこで、是非、両国駅に立ち寄った際は利用してもらいたい。





そして、B.B.BASEが待ち受ける専用ホームへ。改札口を通らず、両国国技館の横を通りながら専用ホームへのゲートを潜る。そして普段使われていない3番ホームに見えたのは編集部員の高木が学生の頃にとてもお世話になった京浜東北線の209系であった。2010年に運用を終了した引退車両の209系をリメイクしている車両に乗れるだけで感無量だが、さらに自転車専用車両になっていて鉄道&自転車好きとしてはとても嬉しかった。
乗車する車両に付くと、車内にはB.B.BASE専用のバイクラック。4ステップでバイクを固定する事ができるため女性でも簡単だ。まずは、前輪を固定するアームを下ろす。2段階でアームが伸びるため、もう一段階アームを伸ばし、愛車の前輪を乗っける。後はストラップをフレームに固定すれば搭載完了。試しにバイクをゆすってみたが抜群の安定感で愛車を安心してセットできる。





シルバー基調の重厚感がある内装で、スタイリッシュな洗練されたデザイン。思わず「かっこいい!!」と叫んでしまいそうだったのはここだけの秘密。ロード用のビンディングシューズでも滑りにくいB.B.BASE専用の床材は非常に安全。また、各席には、AC電源コンセントがあり、スマホやライトの充電などが可能となっている。どの視点から見てもサイクリストが使いやすい仕様であった。
いよいよ、潮来駅に向けて出発。B.B.BASEの4号車両はフリースペースになっていて、開放的な空間が広がっている。JR東日本千葉支社の石田さんからB.B.BASEのクイズを交えたご挨拶。そして、星野リゾート BEB5土浦 総支配人の宮越さん、キリンビールの榎並さん、そして土浦市長の安藤さんなど今回のツアーを企画した皆様からご挨拶があった。クイズでは「B.B.BASEで使用されている209系は製造されて何年の車両か?」と問題が出された。答えは1992年に製造され、今年で28年経っていることになる。ちなみに私は27歳のためちょっとセンパイ。B.B.BASEに更なる親近感が芽生えた。





潮来駅に到着する手前の利根川を越える橋で、利根川を進むカヌーや船、土手にはB.B.BASEに向かって黄色い旗を振る地元の方々が!予想だにしないサプライズで凄くうれしかった。潮来駅に到着し、バイクラックから愛車を下ろし、駅のホームへ降りる。すると駅のホームでは和太鼓や笛の演奏の中、横断幕を持った駅員さんと地元の方々が、先程見かけた黄色い旗を振って、盛大に出迎えてくれた。
改札を出るとJR東日本千葉支社マスコットキャラクター「駅長犬」がお出迎え。温かいお茶と潮来産こしひかりの炊きたてごはん、まこものパウンドケーキ、が振る舞われた。その後はB.B.BASEバスの説明が。なんと、バスのトランクルームには18台の自転車を格納することができるのだという。ちなみに、B.B.BASEとして運行していない平日は、広告もかねてJRバスとして一般運行しているという。





1日目となる今日のコースは下車した潮来駅から宿泊する星野リゾート BEB5までの約46kmのコースだ。潮来駅をグループに分けてそれぞれ出発していく。スタートしてすぐ、潮来駅から1分ほどにある「水郷潮来 あやめ園」に立ち寄った。あやめの開花時期は4〜6月となり、残念ながら咲いてはいなかったが、職人さんが手作りした竹風鈴と短冊がたくさん吊るされたアーチを潜り、潮来に来たことを歓迎されているようであった。
再度出発し常陸利根川沿いを北上。しばらく走ると霞ヶ浦が見えてくる。普段は荒川や多摩川を走る私は対岸が見えない程の広い景色にしばし圧倒されていた。つくば霞ヶ浦りんりんロードの途中には公共空気入れが備え付けられていて、パンク時には安心して修理できる。




潮来駅から10km走ると辿りつく「天王崎観光交流センターコテラス」。ここでは温泉に入ることができるほか、サイクリストには嬉しい足湯が外に設置されている。早速、多くの参加者の皆さんが温まって足の疲れを取っていた。温泉施設の横にはコテラスマルシェがあり、ドリンクや行方市の新鮮野菜も購入可能だ。
休憩中に星野リゾートのスタッフさんにBEB5土浦のオリジナルサイクルジャージのデザインについて、説明してもらった。BEB5のロゴになぜ濁音が付いているのかと思っていたが、これはカタカナの「ベブ」がロゴに隠れているのだとか。近くで見るとロゴ全体はホワイトで描かれ、カタカナが隠れている部分はライトグレーで、遊び心があるロゴであることが分かった。


また、ジャージの横には不規則な格子柄で赤や青、緑が散りばめられているデザインで、これはBEB5土浦の部屋の色がモチーフになっているという。この色分けについては後編のBEB5土浦の施設紹介でじっくり説明することにしよう。
少し長めの休憩を取った後は再度、りんりんロードを進んで行く。次の目的地は更に14.7km走った先の「行方市 観光物産館こいこい」だ。若干、雲が多い空模様であったが、日差しはとても温かく、暑すぎず寒すぎず丁度良いサイクリング日和であった。




風もほとんど吹いていなくて、スムーズに走った結果、あっという間に休憩ポイントに到着。こちらでは可愛いポ二―がお出迎えをしてくれた。立ち寄った「行方市 観光物産館こいこい」は大通りに面しており、観光バスや車、バイク、自転車の方々が多く立ち寄っている様子であった。中では食事処や地元野菜の販売など、買い物をする観光客でとても賑わっていた。
次に向かうのは、霞ヶ浦大橋を渡り3.8km先にある「ゲストハウス 古民家 江口屋」。明治後期に建てられた元造り酒屋の趣ある建物で、地元の名工によりゲストハウスに生まれ変わったという。普段は宿泊施設で食事だけの提供をしていないが、ピザづくりやバーべキュー体験も出来るため宿泊をしなくても楽しむことができる。



お昼御飯のメニューは釜で炊き上げた白米、蓮根とワカサギの揚げ物、佃煮、お味噌汁、たまご、そして茨城といえばの納豆と、ご飯がとてもすすむメニューだった。「ごちそうさまでした!とても美味しかったです!」。
この後は、りんりんポート土浦まで直接行くのかと思いきや、これまで平坦ばかりだったため、ガイドの方の提案で少しばかり登ることに。そこで、坂が大好きで有名なモデルの日向涼子さんを先頭に登り始めていく。頂上にはかすみがうら市歴史博物館があり、霞ヶ浦で使用される、有形民俗文化財である「帆引き船」が展示されていた。




坂を登った後は、再び霞ヶ浦に向かって下っていく。下り終えるとそこには収穫時期を迎えた蓮根畑が広がっていた。全国のれんこんの約半分は茨城産という事で正月のおせちで食べている方はお世話になっていることになる。
次の休憩ポイントは16km先の「りんりんポート土浦」。向かう途中でガイドさんオススメの手造りどら焼き専門店「志ち乃」へ少し寄り道。こういった寄り道ができるのも地元のツアーガイドさんがいるからだ。毎朝、手作りされているたくさんのどら焼きが並んでいた。




初日のライドで最後の休憩ポイントとなる「りんりんポート土浦」手前では、地元の方が旗を振りながら待っていてくれていた。更に、土浦市長の安藤さんと土浦市の公式マスコットキャラクター「つちまる」と地元バスのキャラクター「キララちゃん」が出迎えてくれた。
こちらでは、土浦銘菓「九万五千石」と「れんこん黒糖バウムクーヘン」が振る舞われた。ここまで40km以上を走ってきたため、エネルギーの補給に最適だった。




そして、初日のライドのゴールとなる宿泊施設の星野リゾート BEB5土浦までは1.2kmと目と鼻の先。最後まで安全に走り、BEB5土浦があるサイクリングリゾート「PLAYatre TSUCHIURA(プレイアトレ土浦)」に無事到着した。BEB5土浦は3階にあるため、エレベータで上がっていくか、自転車を担いで階段を上ることになる。
入口を抜けると、弱虫ペダルのイベント中で主人公の小野田君や今泉君、鳴子君などのパネルが出迎えてくれた。1階にはスポーツ自転車店の「ル・サイク土浦」があるため、ライド中に消耗してしまったパーツ交換や修理も出来る。



前編はここまで!そして、後編では星野リゾート BEB5の施設とイベントとかつて茨城県にあった「筑波鉄道」の廃線跡を走るライドを紹介していく。
text&photo:Michinari TAKAGI
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