「勝利なんて考えてもいなかった」と語るのは第16ステージの集団スプリントを制したコルトニールセン。ステージ5勝目に一歩及ばなかったログリッチや、残り2kmまで逃げ続けたカヴァニャ、前日の発言を謝罪したマスなどのコメントを紹介します。



ステージ優勝 マグナス・コルトニールセン(デンマーク、EFプロサイクリング)

4年ぶり3度目のステージ優勝を飾ったマグナス・コルトニールセン(デンマーク、EFプロサイクリング)4年ぶり3度目のステージ優勝を飾ったマグナス・コルトニールセン(デンマーク、EFプロサイクリング) photo:CorVos
良いタイミングでスプリントができたのだと思う。最後のコーナーを曲がった辺りで先頭に近い良い位置につくことができた。そしてチャンスを待ち、残り200mぐらいでその時が訪れ、あとは持っているすべてを出し切るだけだった。

勝てるなんて思いもしなかった。このステージで優勝できるなんて考えてもいなかった。集団はもっと小さくなるだろうと思っていたので、ヒュー(カーシー)のサポートをしていたんだ。だけど残り25〜35kmのカテゴリー山岳を越える辺りで、突然チャンスがやってきた。なぜなら集団に僕より(スプリントの)速い選手がそれほど残っていなかったんだ。先頭にはまだ(レミ)カヴァニャがいたが、多くのチームが引き戻しにかかっていた。

この9ヶ月はすべての人にとって難しい時間だったと思う。(レースに)戻ってこられて、(9ヶ月振りの)勝利を掴めた意味は大きい。長い中断期間からは良い調子でレース復帰できたのだけど、新型コロナウイルスに感染してしまい再び離脱を余儀なくされた。そのため、このレースに向けたトレーニングが3週間しかできなかったんだ。だからこそこの勝利はとても嬉しい。

チームにステージ3勝目をもたらしたマグナス・コルトニールセン(デンマーク、EFプロサイクリング)チームにステージ3勝目をもたらしたマグナス・コルトニールセン(デンマーク、EFプロサイクリング) photo:CorVos


ステージ2位&マイヨロホ&ポイント賞 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)

5度目のステージ勝利がどうしても欲しかった。しかし今日はコルト(ニールセン)が一番速かった。ボーナスタイムを獲得することができて嬉しいよ。だから僕らにとって今日は良い一日になった。最後の登りでスプリンターたちが遅れていく姿を見て、ステージ勝利を狙えると思った。だから最後スプリントすることにした。(今大会では)総合リーダーは多少のスプリント力が求められるからね。

(明日の山岳ステージは)嘘をつかない。総合を決するステージになるし、イネオスやモビスター、それにカーシーによる仕掛けが見られるだろう。コントロールするのが簡単なステージではないだろう。でもチームは強さを見せている。ブエルタを通してここまでやってきたことを見せ、脚の調子が良いことを願い、マイヨロホをキープしたい。

総合成績のリードを拡大したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 総合成績のリードを拡大したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) (c)CorVos


ステージ3位 ディオン・スミス(ニュージーランド、ミッチェルトン・スコット)

1級山岳の登りでの調子は良く、強いチームが仕掛けてくると思っていた。でも実際はかなりコントロールされたおかげで(集団と共に)登り切ることができた。でも本当の試練はその後にやってきた。いくつかの小さい登り下りをモビスターが超高速で牽いていたんだ。それが脚への負担となった。

でも調子の良さは感じていたし、いいチャンスだった。正直、かなり悔しい。ログリッチのような選手は僕のように登りで力を消耗しないため、スプリントできる脚が残っていたのだろう。

サンウェブの(ヤシャ)ズッタリンについて行こうとした。彼は強い選手で、良いスプリントをすると分かっていたからね。そして彼の後ろから飛び出したのだけど、マグナスが一番強かった。



逃げ集団から一人飛び出すも残り2kmで捕まったレミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)

タイムトライアルでは悔しい思いをしたので、今日が最後のチャンスだった。良い逃げ集団だったのだが、メイン集団が激しい追走を見せ、そのまま最後まで行くことは難しかった。でもベストを尽くしたし、すべてを出し切った。追い風もありフィニッシュまでたどり着くことを願っていたのだが、それは叶わなかった。僕たちは再びウルフパックの精神を示すことができた。ウルフパックは決して諦めない。この精神を誇りに思う。

残り2kmまで力強く独走したレミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)残り2kmまで力強く独走したレミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos


新人賞&総合5位 エンリク・マス(スペイン、モビスター)

まずは昨日の発言について謝罪したい。「今日のようなステージはグランツールには必要ない」と言ったのだが、僕が間違っていた。昨晩そのことについて考え、謝罪の気持ちが湧き上がってきた。なぜならブエルタとここにいる皆は、多大な努力をもってこのレースに来ているんだ。それをイチ選手が文句を言うなんて最低の行為だ。

明日は最後のチャンスだ。とても難しいステージになるだろうし、天候に恵まれることを願っている。楽しみながら僕たちの力を見せたい。総合で5位、6位、10位なんて順位は僕のキャリアに何の影響も与えない。でも少しでもここから順位を上げることができれば、それは大きな変化へと繋がるだろう。差の広がりにくい地形ではあるが、状況が良ければライバルたちを痛めつけることができるだろう。



ガブリエル・ラッシュ監督(イネオス・グレナディアーズ)

明日はリッチー(カラパス)を全力でサポートする。コバティーリャでのフィニッシュが難しいことは周知の事実だ。何が起きてもおかしくないのでベストを尽くすだけだ。

今日は(最終山岳)登りとその下りで先頭に出ていたかった。なぜならコースがテクニカルで位置取りが難しく、最終山岳の登り始めから安全なポジションを確保しておきたかったからだ。

明日はスーパーハードな登りフィニッシュが待っている。チームは出来る限りリッチーのサポートしていきたい。他のチームもプレッシャーをかけてくるだろうからね。

山岳の登りと下りで先頭に出たイネオス・グレナディアーズ山岳の登りと下りで先頭に出たイネオス・グレナディアーズ (c)CorVos
text:Sotaro.Arakawa

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