2020/09/28(月) - 08:19
広島県中央森林公園で開催されたJプロツアー「広島森林公園ロードレースDay-2」は、集団スプリントを制した西村大輝がJプロツアー初優勝。宇都宮ブリッツェンは今季5勝目を挙げた。個人総合順位はレオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガが首位となり、リーダージャージを獲得した。
コースの残り1km付近にある「用倉大橋」 photo:Satoru Kato
ハイスピードで下りカーブを流れていく集団 photo:Satoru Kato広島森林公園ロードレース2日目のレースは、12.3kmのコースを6周する73.8kmの短距離レース。前日のDay-1のちょうど半分の距離となる。
この日の天気は朝から秋の青空が広がっていたが、Jプロツアーがスタートする正午に合わせるように雲が広がり、会場近くの三原市や東広島市でも24℃に届かない最高気温の涼しめな1日。その分、暑さによる消耗が少ないためか、ハイスピードなレースが展開された。
レース序盤 椿大志(キナンサイクリングチーム)と阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)の2名が先行 photo:Satoru Kato
スタート直後からアタック合戦が始まり、その中から椿大志(キナンサイクリングチーム)と阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)の2名が抜け出す。メイン集団はマトリックスパワータグがコントロールに入り、チーム右京、那須ブラーゼン、チームブリヂストンサイクリングも強力して、先行する2名との差を1分以内に維持する。
レース後半は再びフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ )がペースアップ photo:Satoru Kato
最終周回 展望台への登りでアタックするトマ・ルバ(キナンサイクリングチーム) photo:Satoru Kato
3周目に入ると差が縮まり始め、4周目に椿と阿部を吸収。そこからはマトリックスパワータグが集団先頭を固めてコントロールしていく。そして残り2周となる5周目に入ると、前日のリプレイを見せるかのようにフランシスコ・マンセボがペースアップ。コース後半の登り区間に入ると、キナンサイクリングチームが波状攻撃を開始してトマ・ルバや山本元喜らが飛び出していくが、マンセボがチェックして決定的な動きを許さない。ルバは最終周回残り3kmで再びアタックするが決定打とならず、このコースでは異例の集団スプリントでの勝負へ。
中央に今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)、その右(写真左)から西村大輝(宇都宮ブリッツェン)、反対サイドからレオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ )がスプリント photo:Satoru Kato
西村大輝(宇都宮ブリッツェン)がJプロツアー初優勝 photo:Satoru Kato
残り200m、集団右側から西村大輝(宇都宮ブリッツェン)のスプリントが伸び、中央から今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)、左側からは前日優勝のレオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ)が追いすがる。しかし今村もキンテロも追いきれず、西村がJプロツアー初優勝のガッツポーズを決めた。先頭集団の平均速度は42km/hオーバーというハイスピードレースだった。(Day-1のレースは39.67km/h)
表彰式 photo:Satoru Kato「ファンやスポンサーの皆さんが『次は勝ってください』とメッセージを下さり、チームメイトからも言われていたので、ようやく勝てて良かったです」と言って笑顔を見せる西村。ここまでのレースではチームの勝利に貢献する動きを見せつつ上位入賞するなど地力の片鱗は見せており、いつ勝ってもおかしくないと思わせていた。
「今日はずっとペースが早くて、アベタカさん(阿部嵩之)の逃げが決まった後もペースが落ちなかったのですが、チームメイトが細かいアタックに反応してくれたので最後まで脚を残してもがき切ることができました。レース後半はマンセボ選手のペースアップがめちゃくちゃ速かったですね。最後は作戦も関係なく
レオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ )がリーダージャージを獲得 photo:Satoru Kato各々が動くことになりましたが、得意の登りスプリントで「今だ!」というタイミングで行きました。優勝出来ることはどんなレースでも嬉しいので、次に向けてのはずみになると思います」と、語った。
個人総合順位は、3位に入ったキンテロが増田成幸(宇都宮ブリッツェン)を上回って首位となり、プロリーダージャージに袖を通した。2日連続で存在感を見せたマンセボにより息を吹き返した昨年のチャンピオンチーム。残り3戦もマトリックスパワータグが主導権を握ることになるか。
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この日の天気は朝から秋の青空が広がっていたが、Jプロツアーがスタートする正午に合わせるように雲が広がり、会場近くの三原市や東広島市でも24℃に届かない最高気温の涼しめな1日。その分、暑さによる消耗が少ないためか、ハイスピードなレースが展開された。
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スタート直後からアタック合戦が始まり、その中から椿大志(キナンサイクリングチーム)と阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)の2名が抜け出す。メイン集団はマトリックスパワータグがコントロールに入り、チーム右京、那須ブラーゼン、チームブリヂストンサイクリングも強力して、先行する2名との差を1分以内に維持する。
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3周目に入ると差が縮まり始め、4周目に椿と阿部を吸収。そこからはマトリックスパワータグが集団先頭を固めてコントロールしていく。そして残り2周となる5周目に入ると、前日のリプレイを見せるかのようにフランシスコ・マンセボがペースアップ。コース後半の登り区間に入ると、キナンサイクリングチームが波状攻撃を開始してトマ・ルバや山本元喜らが飛び出していくが、マンセボがチェックして決定的な動きを許さない。ルバは最終周回残り3kmで再びアタックするが決定打とならず、このコースでは異例の集団スプリントでの勝負へ。
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残り200m、集団右側から西村大輝(宇都宮ブリッツェン)のスプリントが伸び、中央から今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)、左側からは前日優勝のレオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ)が追いすがる。しかし今村もキンテロも追いきれず、西村がJプロツアー初優勝のガッツポーズを決めた。先頭集団の平均速度は42km/hオーバーというハイスピードレースだった。(Day-1のレースは39.67km/h)
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「今日はずっとペースが早くて、アベタカさん(阿部嵩之)の逃げが決まった後もペースが落ちなかったのですが、チームメイトが細かいアタックに反応してくれたので最後まで脚を残してもがき切ることができました。レース後半はマンセボ選手のペースアップがめちゃくちゃ速かったですね。最後は作戦も関係なく
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個人総合順位は、3位に入ったキンテロが増田成幸(宇都宮ブリッツェン)を上回って首位となり、プロリーダージャージに袖を通した。2日連続で存在感を見せたマンセボにより息を吹き返した昨年のチャンピオンチーム。残り3戦もマトリックスパワータグが主導権を握ることになるか。
Jプロツアー第11戦 広島森林公園ロードレース Day-2 結果(73.8km)
1位 | 西村大輝(宇都宮ブリッツェン) | 1時間44分24秒 |
2位 | 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) | +0秒 |
3位 | レオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ ) | |
4位 | 孫崎大樹(チームブリヂストンサイクリング) | +1秒 |
5位 | フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ ) | +2秒 |
6位 | 横山航太(シマノレーシング ) |
敢闘賞 椿大志(キナンサイクリングチーム)
中間スプリントポイント
2周回完了時 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)
Jプロツアーリーダー レオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ)
U23リーダー 織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)
女子 高校1年生の垣田真穂が優勝
女子 1周目から渡部春雅(駒沢大学高等学校)と樫木祥子(株式会社オーエンス)の2人が飛び出す photo:Satoru Kato
女子 5名に絞られた先頭集団 photo:Satoru Kato
女子 垣田真穂(松山城南高等学校自転車競技部)が優勝 photo:Satoru Kato
女子のFクラスタは5周61.5km。スタート直後から前日優勝の樫木祥子(株式会社オーエンス)と渡部春雅(駒沢大学高等学校)の2人が飛び出してペースアップ。そこに唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)、大堀博美(MOPS)、垣田真穂、大藏こころ(以上松山城南高等学校自転車競技部)が追いつく。その後渡部が遅れ、先頭集団は5名に。
登り区間ごとに樫木がペースアップを仕掛け、唐見と垣田が追従。最終周回では遅れていた大堀が追いついて4名となり、ホームストレートでのスプリント勝負へ。高校1年生の垣田が、リーダージャージの唐見を抑えきって初優勝した。
女子 表彰式 photo:Satoru Kato前日の2位に続き、優勝という結果に「自分でもびっくりしています」と話す垣田。「周りが強い選手ばかりで緊張していました。最後のスプリントは唐見選手が後ろにぴったりついて来たので、怖かったですが逃げ切ることが出来て良かったです」と、初優勝を振り返る。
先日行われたJOCジュニアオリンピックカップでは、U17の2km個人パーシュートとポイントレースで優勝。「でもトラック競技は始めたばかりなので、ロードの方が得意です」と言う。「今年は高校生の大会が少ないですが、練習はしっかり出来ていると思います。インターハイで優勝できるようになりたいです」と、目標を語った。
中間スプリントポイント
2周回完了時 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)
Jプロツアーリーダー レオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ)
U23リーダー 織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)
女子 高校1年生の垣田真穂が優勝
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女子のFクラスタは5周61.5km。スタート直後から前日優勝の樫木祥子(株式会社オーエンス)と渡部春雅(駒沢大学高等学校)の2人が飛び出してペースアップ。そこに唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)、大堀博美(MOPS)、垣田真穂、大藏こころ(以上松山城南高等学校自転車競技部)が追いつく。その後渡部が遅れ、先頭集団は5名に。
登り区間ごとに樫木がペースアップを仕掛け、唐見と垣田が追従。最終周回では遅れていた大堀が追いついて4名となり、ホームストレートでのスプリント勝負へ。高校1年生の垣田が、リーダージャージの唐見を抑えきって初優勝した。
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先日行われたJOCジュニアオリンピックカップでは、U17の2km個人パーシュートとポイントレースで優勝。「でもトラック競技は始めたばかりなので、ロードの方が得意です」と言う。「今年は高校生の大会が少ないですが、練習はしっかり出来ていると思います。インターハイで優勝できるようになりたいです」と、目標を語った。
F(女子) 結果(61.5km)
1位 | 垣田真穂(松山城南高等学校自転車競技部) | 1時間44分22秒 |
2位 | 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) | +0秒 |
3位 | 大堀博美(MOPS) | +6秒 |
Jユースツアー 結果(86.1km)
1位 | 森本凛太郎(松山城南高等学校自転車競技部) | 2時間11分49秒 |
2位 | 留目夕陽(東京都立八王子桑志高等学校自転車競技部) | +2秒 |
3位 | 石原悠太(松山城南高等学校自転車競技部) | +7秒 |
E1 結果(61.5km)
1位 | 小村悠樹(Kochel V.C. Sputnik) | 1時間32分57秒 |
2位 | 東 優仁(VC福岡(エリート)) | +2秒 |
3位 | 天野壮悠(VC VELOCE) | +3秒 |
4位 | 本多晴飛(ALL OUT reric) | |
5位 | 池田渓人(VC福岡(エリート)) | |
6位 | 大町健斗(Team Eurasia-iRC TIRE) | +4秒 |
E2・E3 結果(86.1km)
1位 | 松井大悟(イナーメ信濃山形-EFT) | 2時間13分51秒 |
2位 | 寺澤アンドリュウ(Team Eurasia-iRC TIRE) | +1秒 |
3位 | 栗山和之(ALL OUT reric) | +2分38秒 |
4位 | 湯山幸輝(KamiAllez IZUMO) | +3分27秒 |
5位 | 鈴木史竜(Team Eurasia-iRC TIRE) | +4分31秒 |
6位 | 高倉正善(ALL OUT reric) | +4分32秒 |
text&photo:Satoru Kato
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