2020/09/24(木) - 11:27
今回紹介するツール・ド・フランスプロバイクは、ジュリアン・アラフィリップ(フランス)のマイヨジョーヌ着用やサム・ベネット(アイルランド)のマイヨヴェール獲得など大成功を収めたドゥクーニンク・クイックステップ。TARMAC SL7や未だ現役のVENGEなどにフォーカスします。
ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク)のS-WORKS TARMAC SL7 photo:Makoto.AYANO
狙い通りのステージ優勝で3日間マイヨジョーヌを着用したジュリアン・アラフィリップ(フランス)や、最終シャンゼリゼステージなど区間2勝を収め、ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)を破ってマイヨヴェールを射止めたサム・ベネット(アイルランド)などを擁し、常勝軍団たるレース運びを見せたドゥクーニンク・クイックステップ。
パトリック・ルフェーブルGM率いる"ウルフパック"が駆るのは、もちろんスペシャライズドのS-WORKS TARMAC SL7。黒とガンメタリックに塗り分けられたチームカラーは軽さを意識したもので、「TARMAC」ロゴはシートステー下側に入るボーラ・ハンスグローエとは違い、シートチューブ上側にある。これは市販モデルでも共通する差異だ。
TOGETHER WE WINのレター入りスペシャルバイクを駆るサム・ベネット(ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:ASO/Alex Broadway
最終日までサム・ベネット(アイルランド)が乗ったS-WORKS TARMAC SL7。バーテープのみマイヨヴェール仕様だ photo:Makoto.AYANO
ジュリアン・アラフィリップ(フランス)のスペシャライズド S-WORKS TARMAC SL7 photo:Makoto.AYANO
レミ・カヴァニャ(フランス)はS-WORKS VENGEを愛用中 photo:Makoto.AYANO
スプリンターのベネットを始めほとんどの選手がTARMAC SL7に乗るが、"クレルモンフェランのTGV"ことTTスペシャリストのレミ・カヴァニャ(フランス)は引き続きS-WORKS VENGEを愛用中。タイムトライアルバイクは昨年デビューしたSHIV TT Discと、使用機材を100%ディスクブレーキ化している数少ないチームの一つだ。
シマノのグローバルサポートチームのドゥクーニンク・クイックステップだけに、コンポーネントは油圧ディスクブレーキのDURA-ACE DI2で統一。ディスクブレーキローターは軽量化を重視してかXTRのRT-MT900を装着するシーンが多く見られた。ハンドルはスペシャライズド製品を使う選手(ベネットやカヴァニャ)もいれば、PRO製品を使う選手(アラフィリップなど)もいるが、ステムはほぼ全選手がスペシャライズド。アラフィリップはステムギリギリまで厚く巻いたバーテープセッティングが特徴だ。
ナショナルチャンピオンカラーにペイントされたカスパー・アスグリーン(デンマーク)のSHIV TT Disc。ハンドルもワンオフだ photo:Makoto.AYANO
デンマーク国旗をあしらったアスグリーンのSHIV TT Disc。上の写真と見比べると左右非対称デザインであることが分かる photo:Makoto.AYANO
TTバイクの後輪はロヴァール321。ディスクブレーキ仕様だ photo:Makoto.AYANO
なお、相変わらずベネットはスプリンターながらDI2のスプリンタースイッチを使用していない。セラミックスピードがサプライヤーに就くためボトムブラケットやホイールハブはセラミックベアリング化されているが、リアディレイラーはシマノ純正のままだ。
使用率の高いクリンチャーホイールのRAPIDE。タイヤはTURBO COTTONだ photo:Makoto.AYANO
スプリンタースイッチを使わないサム・ベネット(アイルランド) photo:Makoto.AYANO
BBやホイールハブはセラミックスピード製へとアップグレードされている photo:Makoto.AYANO
ホイールはロヴァールの新型ホイール、ALPINSTとRAPIDEだが、継続してチューブラーモデルのCLXシリーズの使用率も高い。CLX50はもちろんCLX32を使用するシーンも散見されている。なおCLXのディスクブレーキ/チューブラー仕様は市販品には存在しなかったため、専用供給品あるいはメカニックによる組み直しと思われる。クリンチャータイヤはスキンサイドのTURBO COTTONで、チューブラータイヤはTURBO。このあたりのタイヤチョイスは興味深いところだ。TTバイクの場合ホイールは前自由/リア321というチョイスだった。
ボーラ・ハンスグローエとの違いはボトルケージ/ボトルがタックス製品であること。ベルギー(チーム)とオランダ(タックス)の間柄ゆえのチョイスだろう。
text:So Isobe
photo:Makoto.AYANO
![ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク)のS-WORKS TARMAC SL7](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/09/24/ayano2020tdf4e-143.jpg)
狙い通りのステージ優勝で3日間マイヨジョーヌを着用したジュリアン・アラフィリップ(フランス)や、最終シャンゼリゼステージなど区間2勝を収め、ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)を破ってマイヨヴェールを射止めたサム・ベネット(アイルランド)などを擁し、常勝軍団たるレース運びを見せたドゥクーニンク・クイックステップ。
パトリック・ルフェーブルGM率いる"ウルフパック"が駆るのは、もちろんスペシャライズドのS-WORKS TARMAC SL7。黒とガンメタリックに塗り分けられたチームカラーは軽さを意識したもので、「TARMAC」ロゴはシートステー下側に入るボーラ・ハンスグローエとは違い、シートチューブ上側にある。これは市販モデルでも共通する差異だ。
![TOGETHER WE WINのレター入りスペシャルバイクを駆るサム・ベネット(ドゥクーニンク・クイックステップ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/09/22/20200920tdf0012-aso-alex-broadway.jpg)
![最終日までサム・ベネット(アイルランド)が乗ったS-WORKS TARMAC SL7。バーテープのみマイヨヴェール仕様だ](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/09/24/ayano2020tdf18e-20.jpg)
![ジュリアン・アラフィリップ(フランス)のスペシャライズド S-WORKS TARMAC SL7](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/09/04/ayano2020tdf5e-445.jpg)
![レミ・カヴァニャ(フランス)はS-WORKS VENGEを愛用中](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/09/24/ayano2020tdf7e-160.jpg)
スプリンターのベネットを始めほとんどの選手がTARMAC SL7に乗るが、"クレルモンフェランのTGV"ことTTスペシャリストのレミ・カヴァニャ(フランス)は引き続きS-WORKS VENGEを愛用中。タイムトライアルバイクは昨年デビューしたSHIV TT Discと、使用機材を100%ディスクブレーキ化している数少ないチームの一つだ。
シマノのグローバルサポートチームのドゥクーニンク・クイックステップだけに、コンポーネントは油圧ディスクブレーキのDURA-ACE DI2で統一。ディスクブレーキローターは軽量化を重視してかXTRのRT-MT900を装着するシーンが多く見られた。ハンドルはスペシャライズド製品を使う選手(ベネットやカヴァニャ)もいれば、PRO製品を使う選手(アラフィリップなど)もいるが、ステムはほぼ全選手がスペシャライズド。アラフィリップはステムギリギリまで厚く巻いたバーテープセッティングが特徴だ。
![ナショナルチャンピオンカラーにペイントされたカスパー・アスグリーン(デンマーク)のSHIV TT Disc。ハンドルもワンオフだ](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/09/24/ayano2020tdf20e-90-2.jpg)
![デンマーク国旗をあしらったアスグリーンのSHIV TT Disc。上の写真と見比べると左右非対称デザインであることが分かる](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/09/24/ayano2020tdf20e-374-2.jpg)
![TTバイクの後輪はロヴァール321。ディスクブレーキ仕様だ](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/09/24/ayano2020tdf20e-88.jpg)
なお、相変わらずベネットはスプリンターながらDI2のスプリンタースイッチを使用していない。セラミックスピードがサプライヤーに就くためボトムブラケットやホイールハブはセラミックベアリング化されているが、リアディレイラーはシマノ純正のままだ。
![使用率の高いクリンチャーホイールのRAPIDE。タイヤはTURBO COTTONだ](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/09/24/ayano2020tdf4e-470.jpg)
![スプリンタースイッチを使わないサム・ベネット(アイルランド)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/09/24/ayano2020tdf12e-61.jpg)
![BBやホイールハブはセラミックスピード製へとアップグレードされている](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2020/09/24/ayano2020tdf7e-131.jpg)
ホイールはロヴァールの新型ホイール、ALPINSTとRAPIDEだが、継続してチューブラーモデルのCLXシリーズの使用率も高い。CLX50はもちろんCLX32を使用するシーンも散見されている。なおCLXのディスクブレーキ/チューブラー仕様は市販品には存在しなかったため、専用供給品あるいはメカニックによる組み直しと思われる。クリンチャータイヤはスキンサイドのTURBO COTTONで、チューブラータイヤはTURBO。このあたりのタイヤチョイスは興味深いところだ。TTバイクの場合ホイールは前自由/リア321というチョイスだった。
ボーラ・ハンスグローエとの違いはボトルケージ/ボトルがタックス製品であること。ベルギー(チーム)とオランダ(タックス)の間柄ゆえのチョイスだろう。
text:So Isobe
photo:Makoto.AYANO
Amazon.co.jp