ボーラ・ハンスグローエに所属するグレゴール・ミュールベルガー(オーストリア)がモビスターへと移籍する。契約は3年間。ワンデーや1週間程度のステージレースで結果を狙い、グランツールではエースをサポートする役目を負いたいと話している。



2月のチャレンジマヨルカでバルベルデと表彰台を分け合ったグレゴール・ミュールベルガー(右、オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)2月のチャレンジマヨルカでバルベルデと表彰台を分け合ったグレゴール・ミュールベルガー(右、オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
モビスターと3年契約を結んだグレゴール・ミュールベルガー(オーストリア)は、26歳ながらジロ・デ・イタリアに1度、ツール・ド・フランスに3度、そしてブエルタ・ア・エスパーニャに2度出場するなど、着実に経験を重ねるクライマー。

ネットアップ時代からトレーニーとして現チームに関わり、2016年に正式加入してから5年間を過ごした生え抜きのミュールベルガーは、2017年にはオーストリア選手権で優勝し、今季再開初戦のシビウツアーでは総合優勝。パトリック・コンラッドやフェリックス・グロスチャートナー(オーストリア)、レナード・ケムナ(ドイツ)らと共にボーラ・ハンスグローエの若手総合陣の一角を担う存在として頭角を現してきた。

今年のツール・ド・フランスは山岳アシストをこなしながら途中リタイア今年のツール・ド・フランスは山岳アシストをこなしながら途中リタイア photo:CorVos
「モビスターからチャンスを与えてもらい、彼らと契約を交わし、今後数年間の彼らと共に走り様々なことを吸収できる機会を嬉しく思う。自分のスキルを上げ、将来レベルアップするために良いチャンスだ。世界屈指の難易度を誇るワンデーレースや、ドーフィネ、バスク1周など山岳の厳しい1週間のステージレースで結果を残し、グランツールではリーダーのアシストを務めたい。ここまでの数シーズン、自分のトップコンディションは強さを発揮できたグランツールの最終週に訪れたと思う。アレハンドロ・バルベルデやホセ・ロハスといったベテラン選手からも多くを学ぶことができるはずだ」と、ミュールベルガーはモビスターの移籍発表にて語っている。

モビスターは放出したナイロ・キンタナ(コロンビア)やミケル・ランダ(スペイン)、リチャル・カラパス(エクアドル)らに代わって獲得したエンリク・マス(スペイン)がツール・ド・フランスで総合5位に入ったものの、2020年の勝利数は1と伸び悩み中。来季はミュールベルガーに加えてイバン・ガルシア(スペイン、現バーレーン・マクラーレン)を、そして女子チームには現世界王者のアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、現ミッチェルトン・スコット)を迎え入れる予定だ。

text:So Isobe