ロッテ・コペッキー(ベルギー、ロット・スーダル)が勝利したジロ・ローザ第7ステージの終盤に有力勢を巻き込む落車が発生。マリアローザを着用するアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)が手首を骨折し、世界選手権出場を取りやめる事態となった。
マリアチクラミーノ(ポイント賞ジャージ)を着用するマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ) photo:CorVos
ショッピングモールを走ってスタート地点に向かうアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) photo:CorVos
カンパニア州ノーラのショッピングモールからスタートするジロ・ローザ第7ステージ photo:CorVos
カンパニア州のノーラから山岳地帯を通過してマッダローニを目指すジロ・ローザ(UCIウィメンズワールドツアー)第7ステージ。レース後半に2回通過する3級山岳ヴァッレ・マッダローニ(距離4.1km/平均5.2%)は、コース難易度が上がる第8、第9ステージに向けての足慣らしだ。
ショッピングモールの館内からニュートラル走行を経てリアルスタートすると、シルヴィア・ザナルディ(イタリア、ビーピンクとアイナラ・エルブスト(スペイン、クロノス・カサドラダ)が4分半差をつけて逃げ、ここに前日の終盤に逃げるも落車したマリア・ノヴォロドスカヤ(ロシア、コゲアス・メットラープロサイクリング)らが合流。1回目のヴァッレ・マッダローニに入るとノヴォロドスカヤが独走に持ち込んだ。
18世紀に建造された「ヴァンヴィテッリの水道橋」をくぐるコースで2日連続逃げを試みたノヴォロドスカヤだったが、2度目の3級山岳ヴァッレ・マッダローニで激しいアタック合戦が繰り広げるメイン集団に飲み込まれる。2日目に1日限りのマリアローザを着用した総合6位のエリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)の加速によって、総合5位のミカイラ・ハーヴィー(ニュージーランド、エキップ・ポール カ)が振り落とされた。
石畳が敷かれた周回コース終盤区間を駆け抜ける photo:CorVos
しかし総合3位アンナ・ファンデルブレヘン(オランダ、ブールス・ドルマンス)がペースを緩めて牽引したため徐々に後続が追いつき、30名ほどとなった先頭グループが山頂をクリア。緩斜面の下りコースではアタックが続くものの抜け出すには至らず、CCC・リブがマリアンヌ・フォス(オランダ)の3日連続ステージ優勝を目論みペースメイクを担った。
しかし、ソラヤ・パラディン(イタリア、CCC・リブ)の牽引でスムーズにラスト500mまで迫ったタイミングで大きな落車が起きた。先頭パラディンが走行ラインを僅かに振ったことで波が生まれ、3番手リアヌ・リッパート(ドイツ、サンウェブ)の後輪とハスった4番手フォスが地面に叩きつけられる。地面に投げ出された選手たちの中には、マリアローザのアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)や、この日が誕生日だった重要アシストのアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)の姿もあった。
落車を免れた選手たちは石畳が敷かれた最終ストレートに突入し、力強いスプリントで飛び出したロッテ・コペッキー(ベルギー、ロット・スーダル)が後続を大きく突き放して勝利。「遅れながらも登りを耐え、集団に復帰できたとき大チャンスと感じた」と言うコペッキーが、第5ステージ2位、第6ステージ3位に続く念願のジロローザ初優勝を飾った。
力強いスプリントでジロローザ初ステージ優勝を挙げたロッテ・コペッキー(ベルギー、ロット・スーダル) photo:CorVos
手首が折れたまま力なくフィニッシュするアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) photo:CorVos
落車で最初に転倒したフォスは軽傷で済んだものの、片手をぶら下げて力なくフィニッシュしたファンフルーテンにはその後の検査で手首骨折という診断が下る。順調に3年連続マリアローザ獲得へ駒を進めていた世界王者が、脳震盪を起こしたスプラットと共にレースを去ることとなってしまった。
「良い位置につけ、後は無事にフィニッシュするだけだった。トラブルにも巻き込まれず良い一日を過ごし、残り500mまではレースを楽しんでいた。でも目の前で起きた落車を避けるすべは私には無かった」と、傷つきながらフィニッシュまで戻ったファンフルーテン。「手首が曲がっていたのを見てすぐ良くないこと起きたと分かった。マリアローザはもちろん、世界選手権も走れずアルカンシエル防衛も不可能になってしまった。本当に悲しい。とても落ち込んでいる」と、一瞬の落車で目標としていた2タイトル防衛のチャンスを逃したファンフルーテンは失望を口にしている。
マリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ)は軽い擦過傷 photo:CorVos
腫れ上がった左手首を確認するアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) photo:CorVos
「残念ながら最後の落車は避けられなかったけれど、いくつかの擦過傷だけで済んだのはとてもラッキー。クラッシュに巻き込まれた選手たちを思うと本当に気の毒で、早い回復を願っている」とフォスはフィニッシュ後にメッセージ。4年連続のアルカンシエル防衛を狙うオランダチームにとっても手痛い損失となった。
ミッチェルトン・スコットのチームドクターによれば、病院で応急処置を受けたファンフルーテンはオランダに帰国し、専門家の意見を仰いだ上で土曜日に手術を受けることになるという。右肩と脳震盪に苦しむスプラットは今後数日間の経過観察となる見込みだ。



カンパニア州のノーラから山岳地帯を通過してマッダローニを目指すジロ・ローザ(UCIウィメンズワールドツアー)第7ステージ。レース後半に2回通過する3級山岳ヴァッレ・マッダローニ(距離4.1km/平均5.2%)は、コース難易度が上がる第8、第9ステージに向けての足慣らしだ。
ショッピングモールの館内からニュートラル走行を経てリアルスタートすると、シルヴィア・ザナルディ(イタリア、ビーピンクとアイナラ・エルブスト(スペイン、クロノス・カサドラダ)が4分半差をつけて逃げ、ここに前日の終盤に逃げるも落車したマリア・ノヴォロドスカヤ(ロシア、コゲアス・メットラープロサイクリング)らが合流。1回目のヴァッレ・マッダローニに入るとノヴォロドスカヤが独走に持ち込んだ。
18世紀に建造された「ヴァンヴィテッリの水道橋」をくぐるコースで2日連続逃げを試みたノヴォロドスカヤだったが、2度目の3級山岳ヴァッレ・マッダローニで激しいアタック合戦が繰り広げるメイン集団に飲み込まれる。2日目に1日限りのマリアローザを着用した総合6位のエリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)の加速によって、総合5位のミカイラ・ハーヴィー(ニュージーランド、エキップ・ポール カ)が振り落とされた。

しかし総合3位アンナ・ファンデルブレヘン(オランダ、ブールス・ドルマンス)がペースを緩めて牽引したため徐々に後続が追いつき、30名ほどとなった先頭グループが山頂をクリア。緩斜面の下りコースではアタックが続くものの抜け出すには至らず、CCC・リブがマリアンヌ・フォス(オランダ)の3日連続ステージ優勝を目論みペースメイクを担った。
しかし、ソラヤ・パラディン(イタリア、CCC・リブ)の牽引でスムーズにラスト500mまで迫ったタイミングで大きな落車が起きた。先頭パラディンが走行ラインを僅かに振ったことで波が生まれ、3番手リアヌ・リッパート(ドイツ、サンウェブ)の後輪とハスった4番手フォスが地面に叩きつけられる。地面に投げ出された選手たちの中には、マリアローザのアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)や、この日が誕生日だった重要アシストのアマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)の姿もあった。
落車を免れた選手たちは石畳が敷かれた最終ストレートに突入し、力強いスプリントで飛び出したロッテ・コペッキー(ベルギー、ロット・スーダル)が後続を大きく突き放して勝利。「遅れながらも登りを耐え、集団に復帰できたとき大チャンスと感じた」と言うコペッキーが、第5ステージ2位、第6ステージ3位に続く念願のジロローザ初優勝を飾った。


落車で最初に転倒したフォスは軽傷で済んだものの、片手をぶら下げて力なくフィニッシュしたファンフルーテンにはその後の検査で手首骨折という診断が下る。順調に3年連続マリアローザ獲得へ駒を進めていた世界王者が、脳震盪を起こしたスプラットと共にレースを去ることとなってしまった。
「良い位置につけ、後は無事にフィニッシュするだけだった。トラブルにも巻き込まれず良い一日を過ごし、残り500mまではレースを楽しんでいた。でも目の前で起きた落車を避けるすべは私には無かった」と、傷つきながらフィニッシュまで戻ったファンフルーテン。「手首が曲がっていたのを見てすぐ良くないこと起きたと分かった。マリアローザはもちろん、世界選手権も走れずアルカンシエル防衛も不可能になってしまった。本当に悲しい。とても落ち込んでいる」と、一瞬の落車で目標としていた2タイトル防衛のチャンスを逃したファンフルーテンは失望を口にしている。


「残念ながら最後の落車は避けられなかったけれど、いくつかの擦過傷だけで済んだのはとてもラッキー。クラッシュに巻き込まれた選手たちを思うと本当に気の毒で、早い回復を願っている」とフォスはフィニッシュ後にメッセージ。4年連続のアルカンシエル防衛を狙うオランダチームにとっても手痛い損失となった。
ミッチェルトン・スコットのチームドクターによれば、病院で応急処置を受けたファンフルーテンはオランダに帰国し、専門家の意見を仰いだ上で土曜日に手術を受けることになるという。右肩と脳震盪に苦しむスプラットは今後数日間の経過観察となる見込みだ。
ジロ・ローザ2020第7ステージ結果
1位 | ロッテ・コペッキー(ベルギー、ロット・スーダル) | 2:52:12 |
2位 | エリザベス・ダイグナン(イギリス、トレック・セガフレード) | 0:02 |
3位 | カタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | 0:03 |
4位 | マルタ・カヴァッリ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス) | |
5位 | アンナ・ファンデルブレヘン(オランダ、ブールス・ドルマンス) | |
6位 | ソラヤ・パラディン(イタリア、CCC・リブ) | |
7位 | アン・サンテステバン(スペイン、セラティツィット・WNTプロサイクリング) | |
8位 | リアヌ・リッパート(ドイツ、サンウェブ) | |
9位 | アシュレー・ムールマン(南アフリカ、CCC・リブ) | |
10位 | フローイチェ・マッカイ(オランダ、サンウェブ) |
個人総合成績
1位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) | 20:29:43 |
2位 | カタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | 1:48 |
3位 | アンナ・ファンデルブレヘン(オランダ、ブールス・ドルマンス) | 2:03 |
4位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴィルアキテーヌ・フュチュロスコープ) | 3:03 |
5位 | ミカイラ・ハーヴィー(ニュージーランド、エキップ・ポール カ) | 4:21 |
6位 | エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) | 4:32 |
7位 | アシュレー・ムールマン(南アフリカ、CCC・リブ) | 4:34 |
8位 | マビ・ガルシア(スペイン、アレ・BTCリュブリャナ) | 4:38 |
9位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ) | 5:02 |
10位 | エリザベス・バンクス(イギリス、エキップ・ポール カ) | 5:56 |
その他の特別賞
山岳賞 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴィルアキテーヌ・フュチュロスコープ) |
ポイント賞 | マリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ) |
ヤングライダー賞 | ミカイラ・ハーヴィー(ニュージーランド、エキップ・ポール カ) |
チーム総合成績 | CCC・リブ |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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