ルクセンブルク2日目は、前日からコース内一般車が危険だとして選手たちがストライキを行う事態に。100kmに及ぶニュートラル走行を経て再開された僅か40kmレースの最後にアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)が勝利した。
マイヨジョーヌを着用したディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
後方でスタートを待つフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル) photo:CorVos
ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)らを先頭にスタートを切ったが... photo:CorVos
ルクセンブルク南東部のルミシュから、エスペランジュまでの160kmを走るツール・ド・ルクセンブルク(正式名称シュコダ・ツール・ド・ルクセンブルク、UCI2.Pro)の第2ステージ。
この日はマイヨジョーヌを着用したディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)らを先頭にスタートを切ったものの、前日の開幕ステージ中コースに入り込んだ対向車や路上駐車が非常に危険であり、第2ステージでも状況改善されていなかったとして選手たちが18km地点でストライキを行う事態に。
ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、グルパマFDJ)によれば、2日目もスタートアタックが掛かる中一般車両が集団を追い越し、ジャスパー・フィリプセンが落車しかけたという。他にも18km地点では規制されていない道路から一般車が入り込み集団に向かってきたなど、大事故に繋がる危険なシーンが展開されたことでレースを止めたという。
審判団との協議した結果、約100kmのニュートラル走行を行い、ラスト40km(1周14kmの周回コースを3周)でリスタートという超短距離レースに姿を変えた。
ニュートラル走行で残り40kmの再スタート地点を目指す photo:CorVos
補給地点で一旦停止し、リアルスタートが切られるとトレック・セガフレードを中心としたアタック合戦が勃発する。ルク・ヴィルトゲン(ベルギー、ビンゴール・ワロニーブリュッセル)とロイック・ヴリーヘン(ベルギー、サーカス・ワンティゴベール)が2人逃げを打ったものの、集団コントロールを担うUAEチームエミレーツは20秒以上のリードを許さない。2人が残り15kmで吸収されたことがアタックの呼び水となり、脚を使っていない選手たちが次々と飛び出しを図った。
クリテリウムのような慌ただしいレースの終盤に飛び出したエティエンヌ・ファンエンペル(オランダ、ヴィーニザブKTM)も最後のGPMシルン(距離500m/平均勾配8.8%/最大勾配11.7%)で吸収され、スプリンターを残したままスプリント勝負になだれ込む。UAEチームエミレーツを蹴散らしたグルパマFDJが主導権を握り、残り1kmのフラムルージュを駆け抜けた。
集団スプリントで圧勝したアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) photo:CorVos
今季勝利数を10に伸ばしたアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) photo:CorVos
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、バーレーン・マクラーレン)はスプリントに加わることなくフィニッシュ photo:CorVos
マイルズ・スコットソン(オーストラリア)からラモン・シンケルダム(オランダ)にバトンを繋ぎ、最終リードアウト役のジャコポ・グアルニエーリ(イタリア)がアルノー・デマール(フランス)を発射する。グルパマFDJが誇るリードアウトトレインの働きに報いるように、フランス王者が圧倒的な力でジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ)らをねじ伏せた。
ミラノ〜トリノを皮切りに、ツール・ド・ワロニーで区間2勝+総合優勝、ツール・ド・ポワトゥー・シャラントでは区間3勝+逆転総合優勝と連勝街道を突き進むデマールが今季合計10勝目。怪我で長期戦線離脱中のレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)を上回り、勝利数ランキングの単独首位に踊り出ている。
危なげなくリーダージャージを守ったディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
総合首位ウリッシは危なげなく19位で集団フィニッシュ。11位のジョン・アベラストゥリ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)以降はデマールから3秒差が付いたため、チームメイトのフィリプセンが4秒差の総合2位に。ルクセンブルクでUAE勢の活躍が目立っている。
なおレース後グアルニエーリは管理されていないコースに対する憤りをツイート。「安全が確保された状況でレースが行われることを強く望むが、明日状況が改善されるとは思わない。UCI(国際自転車競技連合)とCPA(プロ選手協会)から何かメッセージが発信されることを願う」と、強い口調で批判している。



ルクセンブルク南東部のルミシュから、エスペランジュまでの160kmを走るツール・ド・ルクセンブルク(正式名称シュコダ・ツール・ド・ルクセンブルク、UCI2.Pro)の第2ステージ。
この日はマイヨジョーヌを着用したディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)らを先頭にスタートを切ったものの、前日の開幕ステージ中コースに入り込んだ対向車や路上駐車が非常に危険であり、第2ステージでも状況改善されていなかったとして選手たちが18km地点でストライキを行う事態に。
ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、グルパマFDJ)によれば、2日目もスタートアタックが掛かる中一般車両が集団を追い越し、ジャスパー・フィリプセンが落車しかけたという。他にも18km地点では規制されていない道路から一般車が入り込み集団に向かってきたなど、大事故に繋がる危険なシーンが展開されたことでレースを止めたという。
審判団との協議した結果、約100kmのニュートラル走行を行い、ラスト40km(1周14kmの周回コースを3周)でリスタートという超短距離レースに姿を変えた。

補給地点で一旦停止し、リアルスタートが切られるとトレック・セガフレードを中心としたアタック合戦が勃発する。ルク・ヴィルトゲン(ベルギー、ビンゴール・ワロニーブリュッセル)とロイック・ヴリーヘン(ベルギー、サーカス・ワンティゴベール)が2人逃げを打ったものの、集団コントロールを担うUAEチームエミレーツは20秒以上のリードを許さない。2人が残り15kmで吸収されたことがアタックの呼び水となり、脚を使っていない選手たちが次々と飛び出しを図った。
クリテリウムのような慌ただしいレースの終盤に飛び出したエティエンヌ・ファンエンペル(オランダ、ヴィーニザブKTM)も最後のGPMシルン(距離500m/平均勾配8.8%/最大勾配11.7%)で吸収され、スプリンターを残したままスプリント勝負になだれ込む。UAEチームエミレーツを蹴散らしたグルパマFDJが主導権を握り、残り1kmのフラムルージュを駆け抜けた。



マイルズ・スコットソン(オーストラリア)からラモン・シンケルダム(オランダ)にバトンを繋ぎ、最終リードアウト役のジャコポ・グアルニエーリ(イタリア)がアルノー・デマール(フランス)を発射する。グルパマFDJが誇るリードアウトトレインの働きに報いるように、フランス王者が圧倒的な力でジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ)らをねじ伏せた。
ミラノ〜トリノを皮切りに、ツール・ド・ワロニーで区間2勝+総合優勝、ツール・ド・ポワトゥー・シャラントでは区間3勝+逆転総合優勝と連勝街道を突き進むデマールが今季合計10勝目。怪我で長期戦線離脱中のレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)を上回り、勝利数ランキングの単独首位に踊り出ている。

総合首位ウリッシは危なげなく19位で集団フィニッシュ。11位のジョン・アベラストゥリ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)以降はデマールから3秒差が付いたため、チームメイトのフィリプセンが4秒差の総合2位に。ルクセンブルクでUAE勢の活躍が目立っている。
なおレース後グアルニエーリは管理されていないコースに対する憤りをツイート。「安全が確保された状況でレースが行われることを強く望むが、明日状況が改善されるとは思わない。UCI(国際自転車競技連合)とCPA(プロ選手協会)から何かメッセージが発信されることを願う」と、強い口調で批判している。
ツール・ド・ルクセンブルク2020第2ステージ結果
1位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ) | 50:06 |
2位 | ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ) | |
3位 | アレクサンダー・クリーガー(ドイツ、アルペシン・フェニックス) | |
4位 | ヨルディ・ワルロップ(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ) | |
5位 | アモリ・カピオ(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ) | |
6位 | ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、グルパマFDJ) | |
7位 | エドゥアルド・グロス(ルーマニア、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス) | |
8位 | ルイ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | |
9位 | マーティン・ブディング(オランダ、リワル・レディーネス サイクリングチーム) | |
10位 | レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、NRRプロサイクリング) |
個人総合成績
1位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 4:03:11 |
2位 | ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ) | 0:04 |
3位 | アモリ・カピオ(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ) | |
4位 | エドゥアルド・グロス(ルーマニア、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス) | |
5位 | アレクサンダー・クリーガー(ドイツ、アルペシン・フェニックス) | 0:06 |
6位 | ルイ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 0:07 |
7位 | ヨルディ・ワルロップ(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ) | 0:10 |
8位 | レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、NRRプロサイクリング) | |
9位 | ペトル・ヴァコッチ(チェコ、アルペシン・フェニックス) | 0:12 |
10位 | ジョン・アベラストゥリ(カハルラル・セグロスRGA) | 0:13 |
その他の特別賞
山岳賞 | アクセル・ザングル(フランス、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス) |
ポイント賞 | ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ) |
ヤングライダー賞 | ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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