残り20kmの3級山岳で集団を破壊したエリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)は残り3kmで捉えられ、今大会初の集団スプリントで決着したジロローザ第5ステージ。圧倒的な加速でマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ)が今大会2勝目を掴んだ。
2級山岳マドンナ・デッラ・シヴィータで集団を絞り込むCCC・リブ photo:CorVos
イタリア中部を舞台に開催されているジロ・ローザ(UCIウィメンズワールドツアー)も折り返しの第5ステージ。ティレニア海に面したラツィオ州のビーチリゾート、テッラチーナを発着する110kmコースは今大会初にして唯一のピュアスプリンター向けレイアウトだ。
53km地点には登坂距離13kmの2級山岳が用意されるものの、後半は距離1.2kmの3級山岳サンタマリア・ビアージョを超えた先20kmはド平坦コースを突き進む。残暑厳しいテッラチーナをスタートすると複数のアタックが掛かったものの、2級山岳の勾配にペースを落とし、 CCC・リブの牽引によって全ての逃げは中間地点を過ぎることなく引き戻された。
マリアローザのアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) photo:Mitchelton-SCOTT
3級山岳サンタマリア・ビアージョで攻撃するエリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:Trek-Segafredo
登り返しを含めて合計20km以上に渡るダウンヒルでもアタックは決まらず、3級山岳サンタマリア・ビアージョに入ると第2ステージで1日限りのマリアローザを着用したエリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)が力強いダンシングでアタック。メイン集団を粉砕しても尚アタックを続けるロンゴボルギーニは下り区間で独走に持ち込んだ。
4分32秒遅れている総合6位のロンゴボルギーニの逃げを、マリアローザのアネミエク・ファンフルーテン(オランダ)擁するミッチェルトン・スコットは容認。ロンゴボルギーニに対して9秒差の総合5位につけるミカイラ・ハーヴィー(ニュージーランド)を守りたいエキップ・ポール カや、マリアンヌ・フォス(オランダ)でステージ優勝を狙うCCC・リブが追走グループを牽引すると、一時20秒まで広がったロンゴボルギーニのリードは急速に失われていく。
一時は逃げ切りも匂わせたロンゴボルギーニは残り3kmで捉えられ、山岳区間で50名ほどまで人数を減らしたメイン集団がスプリント体制を組み上げた。
2022年春での引退を表明している元世界王者シャンタル・ブラーク(オランダ)の単独アタックも不発に終わり、サンウェブやロット・スーダルが率いる形でラスト300mの直角左コーナーを通過。リードアウト役のアリソン・ジャクソン(カナダ、サンウェブ)の背後からロッテ・コペッキー(ベルギー、ロット・スーダル)が加速し、今大会最初の集団スプリントの火蓋が切って落とされた。
スプリントで今大会2勝目を掴んだマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ) photo:CorVos
ステージ通算勝利記録を27に伸ばしたマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ) photo:CorVos
最高スピード60km/hに及ぶ高速スプリント。コペッキーが後続を突き放して進んだが、唯一そのスリップストリームに滑り込み、残り100mから発進したのがマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ)。第3ステージの激坂フィニッシュを制し、第4ステージでは逃げ切りを許したフォスが今大会唯一と見込まれる平坦勝負でその力が優った。
フォスにとって今大会2勝目であると同時に、自身の持つジロ・ローザステージ優勝記録をさらに上書きする通算27勝目。「登りがあって決して簡単なステージではなかった。チームメイトと話して出来るだけハードな展開に持ち込んで集団を引き延ばした。アタックによってバラバラになったけれど、再びチームの助けを借りてレースを振り出しに戻し、ラスト300mのコーナーまで連れて行ってくれた。仕事を仕上げきることができて嬉しい」とフォスはレース後のインタビューで語っている。
逃げたロンゴボルギーニを他チームに追わせ、チーム力を温存したファンフルーテンは、安全に集団フィニッシュしてマリアローザをキープ。「これから難易度を増していく後半戦に向けて脚を休めることができた」と話している。

イタリア中部を舞台に開催されているジロ・ローザ(UCIウィメンズワールドツアー)も折り返しの第5ステージ。ティレニア海に面したラツィオ州のビーチリゾート、テッラチーナを発着する110kmコースは今大会初にして唯一のピュアスプリンター向けレイアウトだ。
53km地点には登坂距離13kmの2級山岳が用意されるものの、後半は距離1.2kmの3級山岳サンタマリア・ビアージョを超えた先20kmはド平坦コースを突き進む。残暑厳しいテッラチーナをスタートすると複数のアタックが掛かったものの、2級山岳の勾配にペースを落とし、 CCC・リブの牽引によって全ての逃げは中間地点を過ぎることなく引き戻された。


登り返しを含めて合計20km以上に渡るダウンヒルでもアタックは決まらず、3級山岳サンタマリア・ビアージョに入ると第2ステージで1日限りのマリアローザを着用したエリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)が力強いダンシングでアタック。メイン集団を粉砕しても尚アタックを続けるロンゴボルギーニは下り区間で独走に持ち込んだ。
4分32秒遅れている総合6位のロンゴボルギーニの逃げを、マリアローザのアネミエク・ファンフルーテン(オランダ)擁するミッチェルトン・スコットは容認。ロンゴボルギーニに対して9秒差の総合5位につけるミカイラ・ハーヴィー(ニュージーランド)を守りたいエキップ・ポール カや、マリアンヌ・フォス(オランダ)でステージ優勝を狙うCCC・リブが追走グループを牽引すると、一時20秒まで広がったロンゴボルギーニのリードは急速に失われていく。
一時は逃げ切りも匂わせたロンゴボルギーニは残り3kmで捉えられ、山岳区間で50名ほどまで人数を減らしたメイン集団がスプリント体制を組み上げた。
2022年春での引退を表明している元世界王者シャンタル・ブラーク(オランダ)の単独アタックも不発に終わり、サンウェブやロット・スーダルが率いる形でラスト300mの直角左コーナーを通過。リードアウト役のアリソン・ジャクソン(カナダ、サンウェブ)の背後からロッテ・コペッキー(ベルギー、ロット・スーダル)が加速し、今大会最初の集団スプリントの火蓋が切って落とされた。


最高スピード60km/hに及ぶ高速スプリント。コペッキーが後続を突き放して進んだが、唯一そのスリップストリームに滑り込み、残り100mから発進したのがマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ)。第3ステージの激坂フィニッシュを制し、第4ステージでは逃げ切りを許したフォスが今大会唯一と見込まれる平坦勝負でその力が優った。
フォスにとって今大会2勝目であると同時に、自身の持つジロ・ローザステージ優勝記録をさらに上書きする通算27勝目。「登りがあって決して簡単なステージではなかった。チームメイトと話して出来るだけハードな展開に持ち込んで集団を引き延ばした。アタックによってバラバラになったけれど、再びチームの助けを借りてレースを振り出しに戻し、ラスト300mのコーナーまで連れて行ってくれた。仕事を仕上げきることができて嬉しい」とフォスはレース後のインタビューで語っている。
逃げたロンゴボルギーニを他チームに追わせ、チーム力を温存したファンフルーテンは、安全に集団フィニッシュしてマリアローザをキープ。「これから難易度を増していく後半戦に向けて脚を休めることができた」と話している。
ジロ・ローザ2020第5ステージ結果
1位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ) | 2:47:27 |
2位 | ロッテ・コペッキー(ベルギー、ロット・スーダル) | |
3位 | エリザベス・ダイグナン(イギリス、トレック・セガフレード) | |
4位 | コリン・リヴェラ(アメリカ、サンウェブ) | |
5位 | リサ・ブレナウアー(ドイツ、セラティツィット・WNTプロサイクリング) | |
6位 | アリソン・ジャクソン(カナダ、サンウェブ) | |
7位 | サンドラ・アロンソ(スペイン、クロノス・カーサドラダ) | |
8位 | アミー・ピーテルス(オランダ、ブールス・ドルマンス) | |
9位 | エリク・イェレーナ(スロベニア、モビスター) | |
10位 | ヴィットリア・グァッツィーニ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス) |
個人総合成績
1位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) | 15:23:00 |
2位 | カタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | 1:56 |
3位 | アンナ・ファンデルブレヘン(オランダ、ブールス・ドルマンス) | 2:03 |
4位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴィルアキテーヌ・フュチュロスコープ) | 3:03 |
5位 | ミカイラ・ハーヴィー(ニュージーランド、エキップ・ポール カ) | 4:21 |
6位 | エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) | 4:32 |
7位 | アシュレー・ムールマン(南アフリカ、CCC・リブ) | 4:34 |
8位 | マビ・ガルシア(スペイン、アレ・BTCリュブリャナ) | 4:38 |
9位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ) | 5:19 |
10位 | エリゼ・チャビー(スイス、エキップ・ポール カ) | 5:36 |
その他の特別賞
山岳賞 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴィルアキテーヌ・フュチュロスコープ) |
ポイント賞 | マリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ) |
ヤングライダー賞 | ミカイラ・ハーヴィー(ニュージーランド、エキップ・ポール カ) |
チーム総合成績 | エキップ・ポール カ |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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