2020/09/15(火) - 10:51
ティレーノ〜アドリアティコ最終日恒例の短距離個人タイムトライアルでフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)が勝利。ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)は区間4位でフィニッシュしたが、好走したサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)がリードを守り抜き総合優勝を飾った。
ティレーノ〜アドリアティコの最終日は恒例のサンベネデット・デル・トロント個人タイムトライアル。全長10.05km、時間にして11分前後のハイスピード走行で8日間の戦いは締めくくられる。完全フラットなコースの獲得標高差は0mに近い。
この日はレース開始前に新型コロナウイルスの軽い症状を訴えたルーカス・ヴィシニオウスキー(ポーランド、CCCチーム)から陽性反応が検出され、ルームメイトのシュモン・サイノク(ポーランド)共々レースから撤退することに。CCCチームの他選手やスタッフは日曜夕方と月曜日朝に2度PCR検査を受け、全て陰性だったため最終ステージ出走にGoサインが下された。
平均スピード56.636km/hで10.05kmを駆け抜け、アワーレコードホルダーのヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、NTTプロアイクリング)を18秒、TT世界王者ローハン・デニス(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)を26秒上回って優勝したのは、トラック4km個人追抜のワールドレコードホルダーであり、イタリア個人TT王者のフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)だった。
イタリアチャンピオンのスキンスーツを着用し、ラスト2kmを平均スピード57.2km/h、平均パワー580ワット、最高パワー820ワットで走ったガンナがティレーノ〜アドリアティコ最終日に優勝。イタリア期待のTT/トラックスペシャリストはファビアン・カンチェラーラ(スイス)が保持していたコースレコードをも上回った。
「カンチェラーラの記録を上回ったと聞いて少し驚いたよ。今日このステージで勝利を掴むことは、来週の世界選手権を見据える上でとても重要だったんだ。リカバリーを続け、エネルギー満タン状態で世界選手権を走り、再び表彰台に上がることを目指している」と言うガンナ。母国イタリア開催の世界選手権を終えた後はグランツールデビューとなるジロ・デ・イタリアでゲラント・トーマス(イギリス)のサポートに徹しつつ、TTステージでの勝利を狙うと語っている。
注目の総合争いでは首位サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)が粘りを見せた。スタート時点でマリアアッズーラを守るSイェーツのリードは、2位ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)に対して16秒、3位トーマスに対して39秒。TTを得意としないピュアクライマーの走りに注目が集まった。
総合トップスリーの中で、下馬評通りの走りを披露したのはトーマスだった。トーマスは中間計測ポイントを7番手で通過するとペースアップし、ステージ優勝者ガンナから僅か26秒、ステージ3位デニスから僅か2秒遅れのステージ4番手(平均スピード54.269km/h)でマイカとSイェーツのフィニッシュを待つ。
苦しい表情でやってきたマイカは中間計測よりも順位を落としガンナから1分3秒遅れ(ステージ35位)に沈んだが、最終走者Sイェーツはガンナから50秒遅れ、トーマスから32秒遅れにまとめるステージ18位という好走でフィニッシュ。最終的にSイェーツはトーマンスに対して17秒差でティレーノ〜アドリアティコの総合優勝を達成した。
昨年大会最終TTでプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)に逆転負けを喫した弟アダムの借りを返した兄サイモンは「2018年の僕とは違うんだ。年をとったことでより多くの経験を積み、ストレスへの対処法を学んだんだ。このティレーノで僕の進化を披露できたと思う。状況管理と冷静さを貫くことができたので、結果的にチームはより強く信頼してくれるようになっている」と自信をのぞかせる。
ツアー・ダウンアンダーで総合7位、ツール・ド・ポローニュ総合3位、そしてティレーノ〜アドリアティコで総合優勝と、ジロ・デ・イタリアに向けて順調にコンディションを挙げているSイェーツ。「トーマスとマイカに対してどれだけの差で勝つのか、あるいは負けるのか確信が持てなかった。TTでうまく走れる時もあるけれど、それでも自信があるほどではない。ここから数日間の休養を取ってからジロに向けたトレーニングを行う。過酷な山岳ステージを走るために高地トレーニングを行う予定だ」と話している。
「よく走れた。努力できたし、とても良い判断でレースを走れたと思う。そして間違いなく(Sイェーツとの)17秒差は詰められるものではなかった」と、総合2位でティレーノ〜アドリアティコを終えたトーマスは振り返る。「シーズン再開後からずっとコンディションも良くなってきた。今日は最初から総合逆転できるとは思っていなかったが満足だ。そして、"ガンナディエ"が車かのごときペースで勝利したことも嬉しく思う。彼が(グレナディアにかけて)そう呼ばれている理由を証明してくれた。8日間の厳しい戦いを終え、今は休息を欲している。もう少しコンディションを上げられる気がするので、10月(のジロ)が楽しみだ」と加えている。
ティレーノ〜アドリアティコの最終日は恒例のサンベネデット・デル・トロント個人タイムトライアル。全長10.05km、時間にして11分前後のハイスピード走行で8日間の戦いは締めくくられる。完全フラットなコースの獲得標高差は0mに近い。
この日はレース開始前に新型コロナウイルスの軽い症状を訴えたルーカス・ヴィシニオウスキー(ポーランド、CCCチーム)から陽性反応が検出され、ルームメイトのシュモン・サイノク(ポーランド)共々レースから撤退することに。CCCチームの他選手やスタッフは日曜夕方と月曜日朝に2度PCR検査を受け、全て陰性だったため最終ステージ出走にGoサインが下された。
平均スピード56.636km/hで10.05kmを駆け抜け、アワーレコードホルダーのヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、NTTプロアイクリング)を18秒、TT世界王者ローハン・デニス(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)を26秒上回って優勝したのは、トラック4km個人追抜のワールドレコードホルダーであり、イタリア個人TT王者のフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)だった。
イタリアチャンピオンのスキンスーツを着用し、ラスト2kmを平均スピード57.2km/h、平均パワー580ワット、最高パワー820ワットで走ったガンナがティレーノ〜アドリアティコ最終日に優勝。イタリア期待のTT/トラックスペシャリストはファビアン・カンチェラーラ(スイス)が保持していたコースレコードをも上回った。
「カンチェラーラの記録を上回ったと聞いて少し驚いたよ。今日このステージで勝利を掴むことは、来週の世界選手権を見据える上でとても重要だったんだ。リカバリーを続け、エネルギー満タン状態で世界選手権を走り、再び表彰台に上がることを目指している」と言うガンナ。母国イタリア開催の世界選手権を終えた後はグランツールデビューとなるジロ・デ・イタリアでゲラント・トーマス(イギリス)のサポートに徹しつつ、TTステージでの勝利を狙うと語っている。
注目の総合争いでは首位サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)が粘りを見せた。スタート時点でマリアアッズーラを守るSイェーツのリードは、2位ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)に対して16秒、3位トーマスに対して39秒。TTを得意としないピュアクライマーの走りに注目が集まった。
総合トップスリーの中で、下馬評通りの走りを披露したのはトーマスだった。トーマスは中間計測ポイントを7番手で通過するとペースアップし、ステージ優勝者ガンナから僅か26秒、ステージ3位デニスから僅か2秒遅れのステージ4番手(平均スピード54.269km/h)でマイカとSイェーツのフィニッシュを待つ。
苦しい表情でやってきたマイカは中間計測よりも順位を落としガンナから1分3秒遅れ(ステージ35位)に沈んだが、最終走者Sイェーツはガンナから50秒遅れ、トーマスから32秒遅れにまとめるステージ18位という好走でフィニッシュ。最終的にSイェーツはトーマンスに対して17秒差でティレーノ〜アドリアティコの総合優勝を達成した。
昨年大会最終TTでプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)に逆転負けを喫した弟アダムの借りを返した兄サイモンは「2018年の僕とは違うんだ。年をとったことでより多くの経験を積み、ストレスへの対処法を学んだんだ。このティレーノで僕の進化を披露できたと思う。状況管理と冷静さを貫くことができたので、結果的にチームはより強く信頼してくれるようになっている」と自信をのぞかせる。
ツアー・ダウンアンダーで総合7位、ツール・ド・ポローニュ総合3位、そしてティレーノ〜アドリアティコで総合優勝と、ジロ・デ・イタリアに向けて順調にコンディションを挙げているSイェーツ。「トーマスとマイカに対してどれだけの差で勝つのか、あるいは負けるのか確信が持てなかった。TTでうまく走れる時もあるけれど、それでも自信があるほどではない。ここから数日間の休養を取ってからジロに向けたトレーニングを行う。過酷な山岳ステージを走るために高地トレーニングを行う予定だ」と話している。
「よく走れた。努力できたし、とても良い判断でレースを走れたと思う。そして間違いなく(Sイェーツとの)17秒差は詰められるものではなかった」と、総合2位でティレーノ〜アドリアティコを終えたトーマスは振り返る。「シーズン再開後からずっとコンディションも良くなってきた。今日は最初から総合逆転できるとは思っていなかったが満足だ。そして、"ガンナディエ"が車かのごときペースで勝利したことも嬉しく思う。彼が(グレナディアにかけて)そう呼ばれている理由を証明してくれた。8日間の厳しい戦いを終え、今は休息を欲している。もう少しコンディションを上げられる気がするので、10月(のジロ)が楽しみだ」と加えている。
ティレーノ〜アドリアティコ2020第8ステージ結果
個人総合成績
1位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 32:07:34 |
2位 | ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:17 |
3位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:29 |
4位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | 0:56 |
5位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ) | 0:58 |
6位 | ファウスト・マスナダ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 1:18 |
7位 | ジェームズ・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 1:41 |
8位 | マイケル・ウッズ(カナダ、EFプロサイクリング) | 2:12 |
9位 | ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード) | 3:02 |
10位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 3:10 |
その他の特別賞
ポイント賞 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) |
山岳賞 | エクトル・カレテロ(スペイン、モビスター) |
ヤングライダー賞 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ) |
チーム総合成績 | サンウェブ |
text:So Isobe
photo:CorVos,RCS Sport
photo:CorVos,RCS Sport
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