終盤に組み込まれた登坂距離5.8kmの未舗装登坂でアルカンシエルのアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)が独走。途中落車しながら1分以上のリードを稼ぎ出し、3年連続の総合優勝に向けて早くも首位に躍進した。
マリアローザを着用するエリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos
恒例の開幕チームタイムトライアルを終え、大会初のマスドステージとなるジロ・ローザ(正式名称はジロ・ディタリア・インテルナツィオナーレ・フェミニーレ:女子ワールドツアー)2日目は、パガーニコを出発してトスカーナの丘陵地帯を駆け巡る124.8km。
グロッセート県を縫うように走るコースは険しいアップダウンの連続だ。今年のジロ・ローザは長大山岳を走らない代わりに、主催者はこの第2ステージにストラーデビアンケに似た2箇所の未舗装登坂を組み込んだ。特に2級山岳に設定された2つ目の未舗装登坂「セッジャーノ」は残り11.7kmで頂上を迎える登坂距離5.8kmの険しい登りであり、ステージ成績と総合成績に影響を与える可能性が大。
トレック・セガフレードがコントロールするメイン集団 photo:CorVos
未舗装登坂「セッジャーノ」で独走するアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) photo:Mitchelton-SCOTT
長距離登坂が組み込まれないにも関わらず、124.8kmで獲得標高3100mという過酷なコースを走るこの日、やはりレースが動いたのは2番目の未舗装路登坂セッジャーノ。序盤の舗装区間で3年連続マリアローザを狙うアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)が動くと、即座に反応できたのはセシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴィルアキテーヌ・フュチュロスコープ)だけ。「総合成績でできるだけリードを稼ぎたかったので登り始めからフルガスで踏んだ」と言う世界王者はすぐさま独走態勢に持ち込んだ。
オランダ王者アンナ・ファンデルブレヘン(オランダ、ブールス・ドルマンス)が単独追走を行い、前日TTでマリアローザを射止めたエリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)やマビ・ガルシア(スペイン、アレ・BTCリュブリャナ)らが追走するが、力強いペダリングで突き進むファンフルーテンとのタイム差は15秒、25秒と広がっていく。無数の小石が散らばる、ストラーデビアンケ本戦よりも細く急で路面状態の悪い「白い道」で、ファンフルーテンの力が冴え渡った。
ファンフルーテンは最大勾配12.3%に達する終盤区間で一度落車したものの、ニュートラルサポートスタッフの助けを借りて再スタート。ファンデルブレヘンに対して30秒差で頂上をクリアした後は持ち前のスピードを発揮して独走態勢を確固たるものとしていく。登りと下り、平坦路を駆け抜け急勾配のアルチドッソ市街地に入った時、ファンデルブレヘンに対するリードは1分にまで広がっていた。
圧倒的な強さで独走勝利を飾ったアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) photo:CorVos
1分16秒遅れでフィニッシュするアンナ・ファンデルブレヘン(オランダ、ブールス・ドルマンス)とカタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム) photo:CorVos
結局、アタック1発で独走態勢を築き上げ、フィニッシュまでにリードを拡大したファンフルーテンは、ファンデルブレヘンと追い上げたカタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム)に対して1分16秒、セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴィルアキテーヌ・フュチュロスコープ)に対して1分29秒、そして5位以降に対して3分以上という圧倒的なタイム差でフィニッシュ。強い走りを取り戻した世界王者が大会2日目にしてマリアローザを手に入れた。
「グラベル区間からはタイムトライアル状態だった。コースの下見をしていたので未舗装区間がとても急かつテクニカルで、ペダルを外してしまう可能性があると分かっていたから最初からアタック。タイム差を稼ぐというチャンスを掴むことができたので嬉しい。当然総合優勝が目標だけど、まだまだ最終日まで長いのでローザに固執せず1日1日のレースに集中していきたい」とファンフルーテンは話している。
ステージトップスリーが表彰台に上がる photo:CorVos
マリアローザを射止めたアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) photo:CorVos
一方序盤からパンクに見舞われ、2度バイク交換を強いられたロンゴボルギーニは「未舗装区間で第1追走グループに入っていたのに中盤を過ぎて突然身体が動かなくなってしまった。(エネルギーが)空っぽだった。1日中身体の調子が悪かった」と、4分22秒遅れの14位でフィニッシュ。総合優勝圏外へと転落している。
明暗別れたジロ・ローザ2日目を終えた段階で、ファンフルーテンが総合2位ファンデルブレヘンに対して1分18秒を、総合3位ニエウィアドーマに対して1分33秒をリードする状況に。アルカンシエルを携えたファンフルーテンが、3年連続となるマリアローザ獲得に向けて大きな一手を放った。

恒例の開幕チームタイムトライアルを終え、大会初のマスドステージとなるジロ・ローザ(正式名称はジロ・ディタリア・インテルナツィオナーレ・フェミニーレ:女子ワールドツアー)2日目は、パガーニコを出発してトスカーナの丘陵地帯を駆け巡る124.8km。
グロッセート県を縫うように走るコースは険しいアップダウンの連続だ。今年のジロ・ローザは長大山岳を走らない代わりに、主催者はこの第2ステージにストラーデビアンケに似た2箇所の未舗装登坂を組み込んだ。特に2級山岳に設定された2つ目の未舗装登坂「セッジャーノ」は残り11.7kmで頂上を迎える登坂距離5.8kmの険しい登りであり、ステージ成績と総合成績に影響を与える可能性が大。


長距離登坂が組み込まれないにも関わらず、124.8kmで獲得標高3100mという過酷なコースを走るこの日、やはりレースが動いたのは2番目の未舗装路登坂セッジャーノ。序盤の舗装区間で3年連続マリアローザを狙うアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)が動くと、即座に反応できたのはセシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴィルアキテーヌ・フュチュロスコープ)だけ。「総合成績でできるだけリードを稼ぎたかったので登り始めからフルガスで踏んだ」と言う世界王者はすぐさま独走態勢に持ち込んだ。
オランダ王者アンナ・ファンデルブレヘン(オランダ、ブールス・ドルマンス)が単独追走を行い、前日TTでマリアローザを射止めたエリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)やマビ・ガルシア(スペイン、アレ・BTCリュブリャナ)らが追走するが、力強いペダリングで突き進むファンフルーテンとのタイム差は15秒、25秒と広がっていく。無数の小石が散らばる、ストラーデビアンケ本戦よりも細く急で路面状態の悪い「白い道」で、ファンフルーテンの力が冴え渡った。
ファンフルーテンは最大勾配12.3%に達する終盤区間で一度落車したものの、ニュートラルサポートスタッフの助けを借りて再スタート。ファンデルブレヘンに対して30秒差で頂上をクリアした後は持ち前のスピードを発揮して独走態勢を確固たるものとしていく。登りと下り、平坦路を駆け抜け急勾配のアルチドッソ市街地に入った時、ファンデルブレヘンに対するリードは1分にまで広がっていた。


結局、アタック1発で独走態勢を築き上げ、フィニッシュまでにリードを拡大したファンフルーテンは、ファンデルブレヘンと追い上げたカタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム)に対して1分16秒、セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴィルアキテーヌ・フュチュロスコープ)に対して1分29秒、そして5位以降に対して3分以上という圧倒的なタイム差でフィニッシュ。強い走りを取り戻した世界王者が大会2日目にしてマリアローザを手に入れた。
「グラベル区間からはタイムトライアル状態だった。コースの下見をしていたので未舗装区間がとても急かつテクニカルで、ペダルを外してしまう可能性があると分かっていたから最初からアタック。タイム差を稼ぐというチャンスを掴むことができたので嬉しい。当然総合優勝が目標だけど、まだまだ最終日まで長いのでローザに固執せず1日1日のレースに集中していきたい」とファンフルーテンは話している。


一方序盤からパンクに見舞われ、2度バイク交換を強いられたロンゴボルギーニは「未舗装区間で第1追走グループに入っていたのに中盤を過ぎて突然身体が動かなくなってしまった。(エネルギーが)空っぽだった。1日中身体の調子が悪かった」と、4分22秒遅れの14位でフィニッシュ。総合優勝圏外へと転落している。
明暗別れたジロ・ローザ2日目を終えた段階で、ファンフルーテンが総合2位ファンデルブレヘンに対して1分18秒を、総合3位ニエウィアドーマに対して1分33秒をリードする状況に。アルカンシエルを携えたファンフルーテンが、3年連続となるマリアローザ獲得に向けて大きな一手を放った。
ジロ・ローザ2020第2ステージ結果
1位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) | 3:53:20 |
2位 | アンナ・ファンデルブレヘン(オランダ、ブールス・ドルマンス) | 1:16 |
3位 | カタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | |
4位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴィルアキテーヌ・フュチュロスコープ) | 1:29 |
5位 | アシュレー・ムールマン(南アフリカ、CCC・リブ) | 3:07 |
6位 | マビ・ガルシア(スペイン、アレ・BTCリュブリャナ) | |
7位 | ミケイラ・ハーヴィー(ニュージーランド、エキップ・ポール カ) | 3:11 |
8位 | ソラヤ・パラディン(イタリア、CCC・リブ) | 3:52 |
9位 | エリカ・マグナルディ(イタリア、セラティツィット・WNTプロサイクリング) | 3:55 |
10位 | アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 3:57 |
個人総合成績
1位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) | 4:13:20 |
2位 | アンナ・ファンデルブレヘン(オランダ、ブールス・ドルマンス) | 1:18 |
3位 | カタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | 1:33 |
4位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴィルアキテーヌ・フュチュロスコープ) | 2:54 |
5位 | ミケイラ・ハーヴィー(ニュージーランド、エキップ・ポール カ) | 3:26 |
6位 | アシュレー・ムールマン(南アフリカ、CCC・リブ) | 3:54 |
7位 | マビ・ガルシア(スペイン、アレ・BTCリュブリャナ) | 4:01 |
8位 | アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 4:07 |
9位 | エリゼ・チャビー(スイス、エキップ・ポール カ) | 4:15 |
10位 | エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) | 4:27 |
その他の特別賞
山岳賞 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) |
ポイント賞 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) |
ヤングライダー賞 | ミケイラ・ハーヴィー(ニュージーランド、エキップ・ポール カ) |
チーム総合成績 | CCC・リブ |
text:So Isobe
photo:Cor Vos
photo:Cor Vos
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