2020/09/09(水) - 09:38
ティレーノ〜アドリアティコは2日連続の集団スプリントに持ち込まれ、2日連続でパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が勝利。フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)は2日連続の2位に甘んじた。
ティレーノ〜アドリアティコ(UCIワールドツアー)の2日目は、トスカーナ州をアドリア海沿いに南下する201km。カマイオーレからフォッロニカを目指すコースはおおよそ平坦だが、フィニッシュまで残り13km付近に登場する「イモスティーノ」の登り(距離1.3km/平均5.2%)がスプリンターにとっての関門だ。
初日のチームTTの舞台となったリード・ディ・カマイオーレから少し内陸に入ったカマイオーレ旧市街をスタートするとすぐ、レース前インタビューで2日連続の逃げを宣言していたマルコ・カノラ(イタリア、ガスプロム・ルスヴェロ)を含む5名がエスケープ。
ここからメカトラに見舞われたジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼル)が遅れたため、先頭ではカノラ、ニコラ・バジオーリ(アンドローニジョカトリ・シデルメク)、ウンベルト・オルジーニ(バルディアーニ・CSF・ファイザネ)、エドアルド・ザルディーニ(ヴィーニザブKTM)というプロチーム所属のイタリア人選手4名が逃げる形となった。
気温29℃のトスカーナ州を南下する4名だったが、97.5km地点のGPMカステリーナ・マリッティマ(距離4.9km/平均4.3%)をバジオーリに続いて2位通過し、山岳賞ランキング2位に浮上したカノラはチームカーと意見を交わして離脱する。マンパワーの1/4が減ったエスケープの後ろではリーダーチームのマッテオ・ファッブロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)が長時間牽引役を担い、ゲラント・トーマス(イギリス)を従えたイネオス・グレナディアーズも集団前方に陣取った。
TTスペシャリストのマチェイ・ボドナール(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)とアレクサンドル・リアブシェンコ(ベラルーシ、UAEチームエミレーツ)が牽引するメイン集団は、残り50kmを切ってタイム差を1〜1分半でコントロール。強い向かい風の中、逃げ開始後4時間半、距離にして約175kmを平均38.8km/hで逃げ続けたエスケープだったが、スプリントに向けて勢いづく集団に残り15kmで飲み込まれる。スプリンターチームや総合チームが肩を寄せ合いながら「イモスティーノ」の登りに突入した。
しかし複数チームによる徹底的なペースメイクが入ったことで、アタックが生まれることなく、そして誰一人として遅れることなく頂上をクリアした。CCCチーム、ドゥクーニンク・クイックステップ、アルペシン・フェニックス、イネオス・グレナディアーズといったチームが下りと平坦路を飛ばし、ポール・マルテンス(ドイツ、ユンボ・ヴィズマ)のアタックを封じ込めながらフィニッシュまでの距離を減らしていった。
最終盤に入るとオランダ王者マチュー・ファンデルポール(アルペシン・フェニックス)が前日激しく落車したティム・メルリエ(ベルギー、アルペシン・フェニックス)のために超強烈なハイペースを刻み、集団を一列棒状に絞り込む。中切れが発生する中、リードアウト役のフロリアン・セネシャル(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)の背後でタイミングを待ったスプリンターたちがほぼ同時に加速した。
左側から順にリック・ツァベル(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション)、ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)、フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)、パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)、そしてメルリエが横一線でスプリント。全員がバイクを投げる接戦の末、ホイール半分の差で先着したアッカーマンが雄叫びをあげた。
力強いスプリントでリードを築き、ガビリアたちの追い上げを僅差で抑えたアッカーマンが開幕2連勝。19秒間に渡って平均1170ワット(最高1380ワット)、平均スピード68.9km/h(最高71.0km/h)を出力し続けたアッカーマンは2日間でボーナスタイム合計20秒を得ている。
「チームは今日もとてもうまく走ってくれた。最後はとてもエキサイティングだった。僕自身はリードアウトを完璧に信頼することができた。実際あれ以上(フィニッシュまで)タイミングを待っていたら勝利を逃していたと思う。スプリントしてから風が強く吹いていることに気づいたけれど、その時点で脚を緩める選択肢はなく、そのままスプリントを続けたんだ。脚も調子良く何とか先頭でフィニッシュラインを越えることができた。土曜もチャンスがあるかもしれないので楽しみにしているよ」と、2日連続でガビリアを下したアッカーマンは話している。
アッカーマンが総合リーダーの証マリアアッズーラとポイント賞ジャージをキープし、2日連続2位のガビリアは総合2位。翌日は無数のアップダウンをこなしてから距離2.3kmで平均3.7%という緩斜面の登りにフィニッシュするパンチャー向けステージであり、クラシックハンターたちが虎視眈々とマリアアッズーラ着用を狙っている。
ティレーノ〜アドリアティコ(UCIワールドツアー)の2日目は、トスカーナ州をアドリア海沿いに南下する201km。カマイオーレからフォッロニカを目指すコースはおおよそ平坦だが、フィニッシュまで残り13km付近に登場する「イモスティーノ」の登り(距離1.3km/平均5.2%)がスプリンターにとっての関門だ。
初日のチームTTの舞台となったリード・ディ・カマイオーレから少し内陸に入ったカマイオーレ旧市街をスタートするとすぐ、レース前インタビューで2日連続の逃げを宣言していたマルコ・カノラ(イタリア、ガスプロム・ルスヴェロ)を含む5名がエスケープ。
ここからメカトラに見舞われたジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼル)が遅れたため、先頭ではカノラ、ニコラ・バジオーリ(アンドローニジョカトリ・シデルメク)、ウンベルト・オルジーニ(バルディアーニ・CSF・ファイザネ)、エドアルド・ザルディーニ(ヴィーニザブKTM)というプロチーム所属のイタリア人選手4名が逃げる形となった。
気温29℃のトスカーナ州を南下する4名だったが、97.5km地点のGPMカステリーナ・マリッティマ(距離4.9km/平均4.3%)をバジオーリに続いて2位通過し、山岳賞ランキング2位に浮上したカノラはチームカーと意見を交わして離脱する。マンパワーの1/4が減ったエスケープの後ろではリーダーチームのマッテオ・ファッブロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)が長時間牽引役を担い、ゲラント・トーマス(イギリス)を従えたイネオス・グレナディアーズも集団前方に陣取った。
TTスペシャリストのマチェイ・ボドナール(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)とアレクサンドル・リアブシェンコ(ベラルーシ、UAEチームエミレーツ)が牽引するメイン集団は、残り50kmを切ってタイム差を1〜1分半でコントロール。強い向かい風の中、逃げ開始後4時間半、距離にして約175kmを平均38.8km/hで逃げ続けたエスケープだったが、スプリントに向けて勢いづく集団に残り15kmで飲み込まれる。スプリンターチームや総合チームが肩を寄せ合いながら「イモスティーノ」の登りに突入した。
しかし複数チームによる徹底的なペースメイクが入ったことで、アタックが生まれることなく、そして誰一人として遅れることなく頂上をクリアした。CCCチーム、ドゥクーニンク・クイックステップ、アルペシン・フェニックス、イネオス・グレナディアーズといったチームが下りと平坦路を飛ばし、ポール・マルテンス(ドイツ、ユンボ・ヴィズマ)のアタックを封じ込めながらフィニッシュまでの距離を減らしていった。
最終盤に入るとオランダ王者マチュー・ファンデルポール(アルペシン・フェニックス)が前日激しく落車したティム・メルリエ(ベルギー、アルペシン・フェニックス)のために超強烈なハイペースを刻み、集団を一列棒状に絞り込む。中切れが発生する中、リードアウト役のフロリアン・セネシャル(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)の背後でタイミングを待ったスプリンターたちがほぼ同時に加速した。
左側から順にリック・ツァベル(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション)、ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)、フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)、パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)、そしてメルリエが横一線でスプリント。全員がバイクを投げる接戦の末、ホイール半分の差で先着したアッカーマンが雄叫びをあげた。
力強いスプリントでリードを築き、ガビリアたちの追い上げを僅差で抑えたアッカーマンが開幕2連勝。19秒間に渡って平均1170ワット(最高1380ワット)、平均スピード68.9km/h(最高71.0km/h)を出力し続けたアッカーマンは2日間でボーナスタイム合計20秒を得ている。
「チームは今日もとてもうまく走ってくれた。最後はとてもエキサイティングだった。僕自身はリードアウトを完璧に信頼することができた。実際あれ以上(フィニッシュまで)タイミングを待っていたら勝利を逃していたと思う。スプリントしてから風が強く吹いていることに気づいたけれど、その時点で脚を緩める選択肢はなく、そのままスプリントを続けたんだ。脚も調子良く何とか先頭でフィニッシュラインを越えることができた。土曜もチャンスがあるかもしれないので楽しみにしているよ」と、2日連続でガビリアを下したアッカーマンは話している。
アッカーマンが総合リーダーの証マリアアッズーラとポイント賞ジャージをキープし、2日連続2位のガビリアは総合2位。翌日は無数のアップダウンをこなしてから距離2.3kmで平均3.7%という緩斜面の登りにフィニッシュするパンチャー向けステージであり、クラシックハンターたちが虎視眈々とマリアアッズーラ着用を狙っている。
ティレーノ〜アドリアティコ2020第2ステージ結果
1位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 5:01:53 |
2位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | |
3位 | リック・ツァベル(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション) | |
4位 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
5位 | ティム・メルリエ(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | |
6位 | ダヴィデ・チモライ(イタリア、イスラエル・スタートアップネイション) | |
7位 | ロレンツォ・マンザン(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) | |
8位 | ルーカ・パチオーニ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | |
9位 | フロリアン・フェルメルシュ(ベルギー、ロット・スーダル) | |
10位 | マイク・テウニッセン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) |
個人総合成績
1位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 7:59:28 |
2位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | 0:08 |
3位 | マグナス・コルトニールセン(デンマーク、EFプロサイクリング) | 0:16 |
4位 | リック・ツァベル(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション) | |
5位 | ニコラ・バジオーリ(アンドローニジョカトリ・シデルメク) | 0:17 |
6位 | ポール・マルテンス(ドイツ、ユンボ・ヴィズマ) | |
7位 | シモン・ペロー(スイス、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | 0:18 |
8位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | 0:19 |
9位 | ダヴィデ・チモライ(イタリア、イスラエル・スタートアップネイション) | 0:20 |
10位 | ロレンツォ・マンザン(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) |
その他の特別賞
ポイント賞 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) |
山岳賞 | ネイサン・ハース(オーストラリア、コフィディス・ソルシオンクレディ) |
ヤングライダー賞 | ニコラ・バジオーリ(アンドローニジョカトリ・シデルメク) |
チーム総合成績 | ボーラ・ハンスグローエ |
Text:So.Isobe
Photo:CorVos
Photo:CorVos
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