登坂フィニッシュが用意されたコッピバルタリ2日目に、ドゥクーニンク・クイックステップのアンドレア・バジオーリ(イタリア)が勝利。若干21歳のネオプロがジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)らを下し総合首位浮上に成功した。



登坂直後に用意されたフィニッシュラインを通過する選手たち登坂直後に用意されたフィニッシュラインを通過する選手たち photo:CorVos
セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ2020第2ステージ コースプロフィールセッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ2020第2ステージ コースプロフィール photo:www.gsemilia.itイタリア中部のエミリア・ロマーニャ州で開催中のセッティマーナ・インテルナツィオナーレ・コッピ・エ・バルタリ(UCI2.1)2日目は、リミニに隣接するアドリア海に面したビーチリゾート地リッチョーネを出発し、丘の上に建つ街ソリアーノ・アル・ルビコーネを目指す166.5kmだ。

ルビコーネに引かれたフィニッシュライン手前には石畳を含む登坂区間(登坂距離3,000m/平均勾配6.4%)が用意され、レース中盤からこの登坂を合計5回登る。この日はジョン・イリサーリ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)を含む5名がエスケープし、リーダーチームのドゥクーニンク・クイックステップがメイン集団のペースメイクを担った。

逃げグループはフィニッシュまで20kmを切って吸収され、アップダウンコースでアタックが激化する。4回目の登りでは総合首位ミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)自らジャコポ・モスカ(イタリア、トレック・セガフレード)と飛び出したが吸収され、最後は幾多ものアタック合戦を耐え抜いた30名による登坂スプリントへ。コンチやディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)、ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)ら軽量パンチャー勢を相手に、大きなリードを稼ぎ出したアンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が勝利した。

ナルバエスやコンチを突き放すアンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)ナルバエスやコンチを突き放すアンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
登坂スプリントで圧勝したアンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)登坂スプリントで圧勝したアンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:www.gsemilia.it
「チームとして2日間で2回も勝てるなんて信じられない。完璧な滑り出しだ。逃げグループを監視下に置くという戦略を完璧にこなしたチームの働きぶりを言葉にできない。登りはかなり厳しかったけれど僕向きで、テンポが上がる中で冷静さを保ちラスト150mで仕掛けたんだ」と話すバジオーリ。今年イタリアの名門育成チーム、コルパックからワールドツアー昇格を果たした21歳の軽量スプリンターにとっては、8月序盤のツール・ド・ラン第1ステージに続くプロキャリア2勝目であり、後続にタイム差をつけたことでチームメイトのホノレからリーダージャージを受け継いだ。

 プロ初年度で2勝目を挙げたアンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) プロ初年度で2勝目を挙げたアンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
「ラン初日にプロ初勝利し1日リーダージャージを着たけれど、今回は母国での勝利だっただけに特別に感じるよ。まだレース終了まで2日あるので、このファンタスティックなチームと走る時間を楽しみたいと思う」と加えたバジオーリ。"ウルフパック"のUCIレース勝利数は31を数え、2位UAEチームエミレーツに10勝差でワールドチーム勝利数ランキング首位を邁進中だ(ランキング最下位は1勝のモビスター)。
セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ2020結果
1位 アンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) 4:21:58
2位 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) +0:01
3位 ニコラ・コンチ(イタリア、トレック・セガフレード)
4位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
5位 マウロ・フィネット(イタリア、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス) +0:06
6位 ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)
7位 ジャコポ・モスカ(イタリア、トレック・セガフレード) +0:09
8位 ヤン・バークランツ(ベルギー、サーカス・ワンティゴベール)
9位 ギャビン・マニオン(アメリカ、ラリーサイクリング)
10位 ルーカ・ワッケルマン(イタリア、ヴィーニザブKTM)
個人総合成績
1位 アンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) 6:44:46
2位 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) +0:13
3位 ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) +0:16
4位 ニコラ・コンチ(イタリア、トレック・セガフレード) +0:29
5位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) +0:30
6位 ジェームス・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
7位 イバン・ソーサ(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) +0:34
8位 ジャコポ・モスカ(イタリア、トレック・セガフレード) +0:41
9位 メルハウィ・クドゥス(エリトニア、アスタナ) +0:42
10位 マウロ・フィネット(イタリア、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス) +0:46
その他の特別賞
ポイント賞 アンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)
ヤングライダー賞 アンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)
山岳賞 ヨハン・ヤコブス(スイス、モビスター チーム)
text:So.Isobe
photo:CorVos