ナショナル選手権に続き、フランスでヨーロッパ選手権が開幕。初日に開催された男女エリートTTでシュテファン・キュング(スイス)とアンナ・ファンデルブレヘン(オランダ)が初のタイトルを手にした。
男子エリート トップタイムをマークしたシュテファン・キュング(スイス) (c)CorVos
変則スケジュールの中、各国ナショナル選手権から連続開催されたヨーロッパ選手権。白地に青帯のコンチネンタルチャンピオンジャージを目指す合計5日間の戦いがフランス北西部のブルターニュ地域にある街プルエーで開幕した。
市街地を発着する25.5kmコースはスタート後800mで「ブルターニュ・クラシック(GPプルエー)」に使われる登りコル・ド・レソ(距離1000m/平均勾配4.1%)をクリアし、後半にも距離900m/平均勾配5.6%の登りが待ち受ける。難易度の低い登りは完全なTTスペシャリスト向けだが、コース距離が長くないため遅れの挽回は難しい。
昨年度覇者レムコ・エヴェネプール(ベルギー)不在の男子レースで好走したのは6番目スタートのジャスティン・ウォルフ(ドイツ)だった。コンチネンタルチームのバイクエイドに所属する27歳は暫くホットシートを守ったものの、ワールドツアー勢揃い踏みの後半組がフィニッシュすると徐々にポジションを落とすことに。まずはフランスTT選手権で優勝したばかりのレミ・カヴァニャが1分13秒上回る圧倒的なタイムを叩き出した。
一昨年の欧州TT王者ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー)はカヴァニャのタイムに迫ったものの、最終的に4秒届かない。すると「スタート台を駆け下りてすぐに調子が良いと分かった」と言うシュテファン・キュング(スイス)が中間計測ポイントでカヴァニャを7秒上回った。
男子エリート2位(+17秒)レミ・カヴァニャ(フランス) (c)CorVos
男子エリート3位(+21秒)ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー) (c)CorVos
笑顔を見せるシュテファン・キュング(スイス) (c)CorVos
「荒い路面と起伏に富んだブルターニュのワインディングコース。ひたすら集中してプッシュし続けるコースは完全に僕向きだった。用意していたプラン通りに走ることができたよ」と振り返る現スイスTT王者は、最終的にカヴァニャを17秒上回ってフィニッシュ。最終走者のアレックス・ドーセット(イギリス)は1分3秒遅れに沈んだため、キュングが初の欧州タイトルを手に入れた。
「僕の最後のレースは山ばかりのドーフィネだった。だから先週TTバイクに乗った時全く良いフィーリングがなかったんだ。でもそこから調子を上げて、今日ようやく良い感触を得ていた。スタート台を降りた瞬間に"脚が良い感じだ"と思ったよ。そこからはすごくレースを楽しめた」とキュングは振り返っている。
女子エリート優勝 アンナ・ファンデルブレヘン(オランダ) (c)CorVos
女子エリート2位(+31秒)エレン・ファンダイク(オランダ) (c)CorVos
女子エリート チェーントラブルでストップするマーレン・ロイセール(スイス) (c)CorVos
同じ25.5kmコースを使った女子レースを制圧したのはアンナ・ファンデルブレヘン(オランダ)だった。ファンデルブレヘンは今シーズン絶好調のアネミエク・ファンフルーテン(オランダ)不在のレースで、1分以上のリードを稼ぐ圧倒的な走りでフィニッシュ。4年連続でチャンピオンジャージを守り抜いてきた最終走者エレン・ファンダイク(オランダ)は31秒遅れ、ファンデルブレヘンが2016年のロード選手権に続く2着目の欧州チャンピオンジャージを獲得した。
「ずっと狙っていたこのレースで勝てて嬉しい。レース休止期間中に良い調整ができたので勝つことができた。今回のアップダウンコースはうまくスピードを繋げることが本当に難しかったけれど、とてもうまく走れた」と言うファンデルブレヘン。来季限りでの現役引退を表明しているリオ五輪覇者、2018年の世界王者がまた一つ特別なタイトルを手にしている。
初の欧州TTタイトルを掴んだアンナ・ファンデルブレヘン(オランダ) (c)CorVos

変則スケジュールの中、各国ナショナル選手権から連続開催されたヨーロッパ選手権。白地に青帯のコンチネンタルチャンピオンジャージを目指す合計5日間の戦いがフランス北西部のブルターニュ地域にある街プルエーで開幕した。
市街地を発着する25.5kmコースはスタート後800mで「ブルターニュ・クラシック(GPプルエー)」に使われる登りコル・ド・レソ(距離1000m/平均勾配4.1%)をクリアし、後半にも距離900m/平均勾配5.6%の登りが待ち受ける。難易度の低い登りは完全なTTスペシャリスト向けだが、コース距離が長くないため遅れの挽回は難しい。
昨年度覇者レムコ・エヴェネプール(ベルギー)不在の男子レースで好走したのは6番目スタートのジャスティン・ウォルフ(ドイツ)だった。コンチネンタルチームのバイクエイドに所属する27歳は暫くホットシートを守ったものの、ワールドツアー勢揃い踏みの後半組がフィニッシュすると徐々にポジションを落とすことに。まずはフランスTT選手権で優勝したばかりのレミ・カヴァニャが1分13秒上回る圧倒的なタイムを叩き出した。
一昨年の欧州TT王者ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー)はカヴァニャのタイムに迫ったものの、最終的に4秒届かない。すると「スタート台を駆け下りてすぐに調子が良いと分かった」と言うシュテファン・キュング(スイス)が中間計測ポイントでカヴァニャを7秒上回った。



「荒い路面と起伏に富んだブルターニュのワインディングコース。ひたすら集中してプッシュし続けるコースは完全に僕向きだった。用意していたプラン通りに走ることができたよ」と振り返る現スイスTT王者は、最終的にカヴァニャを17秒上回ってフィニッシュ。最終走者のアレックス・ドーセット(イギリス)は1分3秒遅れに沈んだため、キュングが初の欧州タイトルを手に入れた。
「僕の最後のレースは山ばかりのドーフィネだった。だから先週TTバイクに乗った時全く良いフィーリングがなかったんだ。でもそこから調子を上げて、今日ようやく良い感触を得ていた。スタート台を降りた瞬間に"脚が良い感じだ"と思ったよ。そこからはすごくレースを楽しめた」とキュングは振り返っている。



同じ25.5kmコースを使った女子レースを制圧したのはアンナ・ファンデルブレヘン(オランダ)だった。ファンデルブレヘンは今シーズン絶好調のアネミエク・ファンフルーテン(オランダ)不在のレースで、1分以上のリードを稼ぐ圧倒的な走りでフィニッシュ。4年連続でチャンピオンジャージを守り抜いてきた最終走者エレン・ファンダイク(オランダ)は31秒遅れ、ファンデルブレヘンが2016年のロード選手権に続く2着目の欧州チャンピオンジャージを獲得した。
「ずっと狙っていたこのレースで勝てて嬉しい。レース休止期間中に良い調整ができたので勝つことができた。今回のアップダウンコースはうまくスピードを繋げることが本当に難しかったけれど、とてもうまく走れた」と言うファンデルブレヘン。来季限りでの現役引退を表明しているリオ五輪覇者、2018年の世界王者がまた一つ特別なタイトルを手にしている。

男子レース結果(25.6km)
1位 | シュテファン・キュング(スイス) | 30:18 |
2位 | レミ・カヴァニャ(フランス) | 0:17 |
3位 | ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー) | 0:21 |
4位 | アレックス・ドーセット(イギリス) | 1:03 |
5位 | エドアルド・アッフィニ(イタリア) | 1:15 |
6位 | ヤン・トラトニク(スロベニア) | 1:26 |
7位 | ジャスティン・ウォルフ(ドイツ) | 1:30 |
8位 | ライアン・ミューレン(アイルランド) | 1:41 |
9位 | ヤン・バルタ(チェコ) | 1:43 |
10位 | アントニー・ルー(フランス) | 2:03 |
女子レース結果(25.6km)
1位 | アンナ・ファンデルブレヘン(オランダ) | 34:03 |
2位 | エレン・ファンダイク(オランダ) | 0:31 |
3位 | マーレン・ロイセール(スイス) | 0:59 |
4位 | リサ・ブレナウアー(ドイツ) | 1:14 |
5位 | ヴィットリア・ブッシ(イタリア) | 1:33 |
6位 | ジュリエット・ラボウ(フランス) | 1:44 |
7位 | アンナ・プリフタ(ポーランド) | |
8位 | アレナ・アミアリウシク(ベラルーシ) | 1:46 |
9位 | リサ・クライン(ドイツ) | 1:49 |
10位 | オードリー・コルドン=ラゴ | 2:09 |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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