2020/08/15(土) - 08:29
クリテリウム・デュ・ドーフィネ第3ステージの中盤に登場した超級山岳マドレーヌ峠でダヴィデ・フォルモロ(UAEチームエミレーツ)がアタック。66kmを独走したイタリアチャンピオンがステージ優勝を飾り、安定の走りを見せたプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)が総合リード拡大に成功した。
クリテリウム・デュ・ドーフィネ第3ステージの157kmコースは至ってシンプル。残り70kmを切ってから標高2,000mの超級山岳マドレーヌ峠(距離17.3km/平均8.3%)を越え、一旦渓谷まで駆け下りてから最後は1級山岳サンマルタン=ド=ベルヴィル(距離14.8km/平均6%)を駆け上がる。フィニッシュ地点のサンマルタン=ド=ベルヴィルは、2019年ツール・ド・フランスの最終山岳決戦地となった第20ステージのフィニッシュ地点バル・トランス(距離33.4km/平均5.5%)の中腹に位置する標高1,419mの街だ。
激しい雹に見舞われた前日とは打って変わって晴れた空の下、落車で仙骨を骨折したダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)らを除く154人がスタートを切る。開始後すぐに形成された逃げグループには、ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAEチームエミレーツ)やピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール)、ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ)といった『すでに総合争いから脱落したオールラウンダー』を含む9人が乗った。
逃げグループ内で最も総合成績が良いのは、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)から4分54秒遅れのイタリアチャンピオン、フォルモロ。ユンボ・ヴィスマ率いるメイン集団から3分30秒のリードで超級山岳マドレーヌ峠の登坂が始まると、食らいつくラトゥールをふるい落とす形でフォルモロが単独先頭となる。フィニッシュまで66kmもの距離を残して独走に持ち込んだフォルモロは、メイン集団とのタイム差を5分25秒にまで広げ、バーチャル総合リーダーとして最後の1級山岳サンマルタン=ド=ベルヴィルに向かった。
メイン集団ではナイロ・キンタナ(コロンビア)率いるアルケア・サムシックが牽引を担当するシーンも見られたが、この日もユンボ・ヴィスマが常に集団先頭に位置した。グリーンジャージを着るワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)がこの日も献身的な牽引を見せ、先頭フォルモロとのタイム差を3分50秒に縮めた状態で1級山岳サンマルタン=ド=ベルヴィルの登坂を開始する。
ユンボ・ヴィスマがファンアールト、デュムラン、クライスヴァイク、クス、ログリッチという強力なメンバーでメイン集団をリードした一方で、まだ急激なペースアップが行われる前にクリストファー・フルーム(イギリス、チームイネオス)が脱落。続いて残り5km地点でゲラント・トーマス(イギリス)も遅れ、チームイネオスはパヴェル・シヴァコフ(ロシア)とエガン・ベルナル(コロンビア)という若い2人に勝負を託すことになった。
残り6km地点で飛び出したレナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)は先頭フォルモロの1分後方にまで迫りながらもメイン集団に吸収。セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィズマ)の強力な集団牽引によってフォルモロのリードは刻々と縮まっていったが、フラムルージュ(残り1kmアーチ)の時点でタイム差は1分。最終的にフォルモロは33秒のタイム差をもってフィニッシュラインに飛び込んだ。
終始ユンボ・ヴィスマの支配下に置かれたメイン集団は約15人に絞られた状態でサンマルタン=ド=ベルヴィルの街中へ。ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFプロサイクリング)のアタックにログリッチやシヴァコフが反応した一方でベルナルは失速。安定の走りでステージ2位に入ったログリッチがボーナスタイム6秒を獲得し、総合リードを広げることに成功した。
メイン集団は距離14.8kmの登坂で先頭フォルモロとのタイム差を約3分詰めた。フォルモロの登坂平均スピードが21.1kmだったのに対し、ログリッチは23km/hだった。
「マドレーヌ峠の麓でリードが3分しかなかったので、アタックして独走に持ち込むしかないと自分に言い聞かせた。最終山岳では逃げグループから飛び出せないと判断して、祈るような気持ちでマドレーヌ峠でアタックしたんだ」。実に66kmもの独走勝利を果たしたイタリアチャンピオンは喜ぶ。
「ストラーデビアンケで好走して(2位フィニッシュ)良いシーズン再開を迎えていた。ミラノ〜サンレモでは思うような走りができなかったものの、今日はハードワークが報われたよ」。UAEチームエミレーツは今シーズン15勝目。ドゥクーニンク・クイックステップのシーズン23勝に次ぐ勝利数を残している。超級山岳&1級山岳を先頭通過したフォルモロは山岳賞ジャージを手にした。
「今日もハードなレースだったけど、チームは改めて強さを見せつけることができたし、良い1日だった」と語るのはイエロージャージを守ったログリッチ。「でも決して総合で大きく遅れている逃げメンバーではなかったのでペースを弱めることができなかった。週末の2ステージも厳しい戦いになる。チームとして自分たちの仕事に集中して、自信を持って挑みたい」。
第3ステージを終えてログリッチはティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)から14秒、エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)から20秒のリード。チームメイトのシヴァコフから遅れ、ログリッチから9秒遅れたベルナルはヤングライダー賞ジャージを手放すとともに総合7位に順位を落としている。
クリテリウム・デュ・ドーフィネ第3ステージの157kmコースは至ってシンプル。残り70kmを切ってから標高2,000mの超級山岳マドレーヌ峠(距離17.3km/平均8.3%)を越え、一旦渓谷まで駆け下りてから最後は1級山岳サンマルタン=ド=ベルヴィル(距離14.8km/平均6%)を駆け上がる。フィニッシュ地点のサンマルタン=ド=ベルヴィルは、2019年ツール・ド・フランスの最終山岳決戦地となった第20ステージのフィニッシュ地点バル・トランス(距離33.4km/平均5.5%)の中腹に位置する標高1,419mの街だ。
激しい雹に見舞われた前日とは打って変わって晴れた空の下、落車で仙骨を骨折したダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)らを除く154人がスタートを切る。開始後すぐに形成された逃げグループには、ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAEチームエミレーツ)やピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール)、ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ)といった『すでに総合争いから脱落したオールラウンダー』を含む9人が乗った。
逃げグループ内で最も総合成績が良いのは、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)から4分54秒遅れのイタリアチャンピオン、フォルモロ。ユンボ・ヴィスマ率いるメイン集団から3分30秒のリードで超級山岳マドレーヌ峠の登坂が始まると、食らいつくラトゥールをふるい落とす形でフォルモロが単独先頭となる。フィニッシュまで66kmもの距離を残して独走に持ち込んだフォルモロは、メイン集団とのタイム差を5分25秒にまで広げ、バーチャル総合リーダーとして最後の1級山岳サンマルタン=ド=ベルヴィルに向かった。
メイン集団ではナイロ・キンタナ(コロンビア)率いるアルケア・サムシックが牽引を担当するシーンも見られたが、この日もユンボ・ヴィスマが常に集団先頭に位置した。グリーンジャージを着るワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)がこの日も献身的な牽引を見せ、先頭フォルモロとのタイム差を3分50秒に縮めた状態で1級山岳サンマルタン=ド=ベルヴィルの登坂を開始する。
ユンボ・ヴィスマがファンアールト、デュムラン、クライスヴァイク、クス、ログリッチという強力なメンバーでメイン集団をリードした一方で、まだ急激なペースアップが行われる前にクリストファー・フルーム(イギリス、チームイネオス)が脱落。続いて残り5km地点でゲラント・トーマス(イギリス)も遅れ、チームイネオスはパヴェル・シヴァコフ(ロシア)とエガン・ベルナル(コロンビア)という若い2人に勝負を託すことになった。
残り6km地点で飛び出したレナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)は先頭フォルモロの1分後方にまで迫りながらもメイン集団に吸収。セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィズマ)の強力な集団牽引によってフォルモロのリードは刻々と縮まっていったが、フラムルージュ(残り1kmアーチ)の時点でタイム差は1分。最終的にフォルモロは33秒のタイム差をもってフィニッシュラインに飛び込んだ。
終始ユンボ・ヴィスマの支配下に置かれたメイン集団は約15人に絞られた状態でサンマルタン=ド=ベルヴィルの街中へ。ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFプロサイクリング)のアタックにログリッチやシヴァコフが反応した一方でベルナルは失速。安定の走りでステージ2位に入ったログリッチがボーナスタイム6秒を獲得し、総合リードを広げることに成功した。
メイン集団は距離14.8kmの登坂で先頭フォルモロとのタイム差を約3分詰めた。フォルモロの登坂平均スピードが21.1kmだったのに対し、ログリッチは23km/hだった。
「マドレーヌ峠の麓でリードが3分しかなかったので、アタックして独走に持ち込むしかないと自分に言い聞かせた。最終山岳では逃げグループから飛び出せないと判断して、祈るような気持ちでマドレーヌ峠でアタックしたんだ」。実に66kmもの独走勝利を果たしたイタリアチャンピオンは喜ぶ。
「ストラーデビアンケで好走して(2位フィニッシュ)良いシーズン再開を迎えていた。ミラノ〜サンレモでは思うような走りができなかったものの、今日はハードワークが報われたよ」。UAEチームエミレーツは今シーズン15勝目。ドゥクーニンク・クイックステップのシーズン23勝に次ぐ勝利数を残している。超級山岳&1級山岳を先頭通過したフォルモロは山岳賞ジャージを手にした。
「今日もハードなレースだったけど、チームは改めて強さを見せつけることができたし、良い1日だった」と語るのはイエロージャージを守ったログリッチ。「でも決して総合で大きく遅れている逃げメンバーではなかったのでペースを弱めることができなかった。週末の2ステージも厳しい戦いになる。チームとして自分たちの仕事に集中して、自信を持って挑みたい」。
第3ステージを終えてログリッチはティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)から14秒、エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)から20秒のリード。チームメイトのシヴァコフから遅れ、ログリッチから9秒遅れたベルナルはヤングライダー賞ジャージを手放すとともに総合7位に順位を落としている。
クリテリウム・デュ・ドーフィネ2020第3ステージ結果
1位 | ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 4:06:56 |
2位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 0:00:33 |
3位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | |
4位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
5位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFプロサイクリング) | |
6位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・マクラーレン) | |
7位 | ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ) | |
8位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | |
9位 | パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームイネオス) | 0:00:39 |
10位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | |
11位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック) | 0:00:42 |
12位 | ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) | |
13位 | リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード) | |
14位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 13:14:35 |
2位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 0:00:14 |
3位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:20 |
4位 | ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ) | 0:00:24 |
5位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・マクラーレン) | 0:00:26 |
6位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFプロサイクリング) | |
7位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) | 0:00:31 |
8位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 0:00:32 |
9位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック) | 0:00:35 |
10位 | リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード) |
その他の特別賞
ポイント賞 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) |
山岳賞 | ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAEチームエミレーツ) |
ヤングライダー賞 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFプロサイクリング) |
チーム総合成績 | ユンボ・ヴィスマ |
text:Kei Tsuji
photo:CorVos
photo:CorVos
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