2020/08/08(土) - 08:15
2.5km、平均勾配4%の最終登坂で繰り広げられたスプリント。残り350mからロングスパートを仕掛け、ライバルを出し抜いたリチャル・カラパス(エクアドル、チームイネオス)が先着。リーダージャージを着用し翌日のクイーンステージに挑むこととなった。
ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の出生地ヴァドヴィツェをスタートし、スロバキア国境に近い山岳地帯を縫うように走ってビエルスコ・ビャワの周回コースを目指すツール・ド・ポローニュ第3ステージ。
序盤から2級、1級、2級、1級、2級、1級、1級とカテゴリー山岳が連続し獲得標高は3352mに達するものの、いずれもクライマーによる総合争いを演出するには難易度が低い。およそ2km+αを登った先にフィニッシュラインが引かれたコースは登坂力を有したパンチャー向けであり、同時に総合勢にとっては翌日に控えるクイーンステージの脚試しとなる。
山岳ポイントを稼ぐには絶好のこの日、逃げグループを構成したのはカンタン・ジョレギ(フランス、AG2Rラモンディアール)とカミル・グラデク(ポーランド、CCCチーム)、タコ・ファンデルホールン(オランダ、ユンボ・ヴォズマ)、そしてパトリック・ストーツ(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)という4名。
50%がポーランド人選手で構成されたエスケープ内では、グラデクとファンデルホールンがそれぞれが山岳ポイントと中間スプリントを分け合った。ストーツと争ったグラデクは山岳ポイントを集め、最終的にジュリアス・ファンデンベルフ(オランダ、EFプロサイクリング)から山岳賞ジャージを奪うことに成功している。
メイン集団では総合首位マッズ・ピーダスン(デンマーク)擁するトレック・セガフレードではなく、レムコ・エヴェネプール(ベルギー)を従えたドゥクーニンク・クイックステップが徹底的なペースメイクを行い他チームを牽制した。
第1ステージの落車で昏睡状態に置かれていたファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)が意識を取り戻したという吉報がレースに届く中、徐々に逃げグループのリードは失われていく。残り40kmに迫ろうかというタイミングでメイン集団からはトーマス・マルチンスキー(ポーランド、ロット・スーダル)がするすると抜け出したものの、トレック・セガフレードのペースアップにドゥクーニンク勢が反応するなどメイン集団がペースアップしたことで吸収される。整った石畳路面も組み込まれた市街地コースに入ると、今度はネイサン・ハース(オーストラリア、コフィディス・ソルシオンクレディ)がアタック。序盤の逃げから唯一生き残っていたファンデルホールンを残り28km地点で捉え、メイン集団を背に単独逃げを試みた。
快調にビエルスコ・ビャワの周回コースを飛ばしたハースだったものの、メイン集団を率いるドゥクーニンク・クイックステップにとって単独逃げ以上にコントロールしやすい状況は無い。一時タイム差は1分まで広がったものの、ボーラ・ハンスグローエやチームイネオスがメイン集団のペースアップを図ったことで、最終周回突入(残り7km)を前にしてハースの一人旅に終止符が打たれた。
イネオスが刻むハイテンポによってジャージ死守を宣言していた総合首位ピーダスンは遅れ、およそ40名の集団が残り2.5kmから始まる平均勾配4%の登りに突入。果敢に飛び出したオリヴィエ・ルガック(フランス、グルパマFDJ)は残り1.1kmで飲み込まれ、次なるアタックを許さないハイペースで突き進んだことで登り集団スプリントへの筋道が出来上がっていく。UAEチームエミレーツがディエゴ・ウリッシ(イタリア)のためにリードアウトを行う中、残り350mという早いタイミングでカラパスが仕掛けた。
「最後の市街地サーキットコースはとても集団がナーバスだった。それでもチームメイトが最終コーナーまでに完璧な場所まで連れて行ってくれた」と言うカラパスは、エヴェネプールやマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)、スプリンターとして唯一残っていたジョン・デゲンコルプ(ドイツ、ロット・スーダル)が躊躇する隙を突いてリードを広げてみせる。最終局面で追い込むウリッシやルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ)を退け、2019年のジロ・デ・イタリア覇者がフィニッシュラインに飛び込んだ。
「とても嬉しいよ。今日はチームとしていいレースを走ることができた。こうしてスプリントで勝つのもいい気分だ」と語るカラパスは、ボーナスタイム10秒を得て総合首位浮上に成功。2位ウリッシに4秒、エヴェネプールに10秒差で翌日のクイーンステージに臨むこととなった。
ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の出生地ヴァドヴィツェをスタートし、スロバキア国境に近い山岳地帯を縫うように走ってビエルスコ・ビャワの周回コースを目指すツール・ド・ポローニュ第3ステージ。
序盤から2級、1級、2級、1級、2級、1級、1級とカテゴリー山岳が連続し獲得標高は3352mに達するものの、いずれもクライマーによる総合争いを演出するには難易度が低い。およそ2km+αを登った先にフィニッシュラインが引かれたコースは登坂力を有したパンチャー向けであり、同時に総合勢にとっては翌日に控えるクイーンステージの脚試しとなる。
山岳ポイントを稼ぐには絶好のこの日、逃げグループを構成したのはカンタン・ジョレギ(フランス、AG2Rラモンディアール)とカミル・グラデク(ポーランド、CCCチーム)、タコ・ファンデルホールン(オランダ、ユンボ・ヴォズマ)、そしてパトリック・ストーツ(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)という4名。
50%がポーランド人選手で構成されたエスケープ内では、グラデクとファンデルホールンがそれぞれが山岳ポイントと中間スプリントを分け合った。ストーツと争ったグラデクは山岳ポイントを集め、最終的にジュリアス・ファンデンベルフ(オランダ、EFプロサイクリング)から山岳賞ジャージを奪うことに成功している。
メイン集団では総合首位マッズ・ピーダスン(デンマーク)擁するトレック・セガフレードではなく、レムコ・エヴェネプール(ベルギー)を従えたドゥクーニンク・クイックステップが徹底的なペースメイクを行い他チームを牽制した。
第1ステージの落車で昏睡状態に置かれていたファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)が意識を取り戻したという吉報がレースに届く中、徐々に逃げグループのリードは失われていく。残り40kmに迫ろうかというタイミングでメイン集団からはトーマス・マルチンスキー(ポーランド、ロット・スーダル)がするすると抜け出したものの、トレック・セガフレードのペースアップにドゥクーニンク勢が反応するなどメイン集団がペースアップしたことで吸収される。整った石畳路面も組み込まれた市街地コースに入ると、今度はネイサン・ハース(オーストラリア、コフィディス・ソルシオンクレディ)がアタック。序盤の逃げから唯一生き残っていたファンデルホールンを残り28km地点で捉え、メイン集団を背に単独逃げを試みた。
快調にビエルスコ・ビャワの周回コースを飛ばしたハースだったものの、メイン集団を率いるドゥクーニンク・クイックステップにとって単独逃げ以上にコントロールしやすい状況は無い。一時タイム差は1分まで広がったものの、ボーラ・ハンスグローエやチームイネオスがメイン集団のペースアップを図ったことで、最終周回突入(残り7km)を前にしてハースの一人旅に終止符が打たれた。
イネオスが刻むハイテンポによってジャージ死守を宣言していた総合首位ピーダスンは遅れ、およそ40名の集団が残り2.5kmから始まる平均勾配4%の登りに突入。果敢に飛び出したオリヴィエ・ルガック(フランス、グルパマFDJ)は残り1.1kmで飲み込まれ、次なるアタックを許さないハイペースで突き進んだことで登り集団スプリントへの筋道が出来上がっていく。UAEチームエミレーツがディエゴ・ウリッシ(イタリア)のためにリードアウトを行う中、残り350mという早いタイミングでカラパスが仕掛けた。
「最後の市街地サーキットコースはとても集団がナーバスだった。それでもチームメイトが最終コーナーまでに完璧な場所まで連れて行ってくれた」と言うカラパスは、エヴェネプールやマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)、スプリンターとして唯一残っていたジョン・デゲンコルプ(ドイツ、ロット・スーダル)が躊躇する隙を突いてリードを広げてみせる。最終局面で追い込むウリッシやルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ)を退け、2019年のジロ・デ・イタリア覇者がフィニッシュラインに飛び込んだ。
「とても嬉しいよ。今日はチームとしていいレースを走ることができた。こうしてスプリントで勝つのもいい気分だ」と語るカラパスは、ボーナスタイム10秒を得て総合首位浮上に成功。2位ウリッシに4秒、エヴェネプールに10秒差で翌日のクイーンステージに臨むこととなった。
ツール・ド・ポローニュ2020 第3ステージ結果
1位 | リチャル・カラパス(エクアドル、チームイネオス) | 5:04:54 |
2位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
3位 | ルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ) | |
4位 | ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ) | |
5位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | |
6位 | ルカ・メズゲッツ(スロベニア、ミッチェルトン・スコット) | |
7位 | ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) | |
8位 | ライアン・ギボンズ(南アフリカ、NTTプロサイクリング) | |
9位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | |
10位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) |
個人総合成績
1位 | リチャル・カラパス(エクアドル、チームイネオス) | 13:02:36 |
2位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 0:04 |
3位 | カミル・マウェツキ(ポーランド、CCCチーム) | |
4位 | ルカ・メズゲッツ(スロベニア、ミッチェルトン・スコット) | 0;06 |
5位 | ルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ) | |
6位 | ライアン・ギボンズ(南アフリカ、NTTプロサイクリング) | 0;10 |
7位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | |
8位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | |
9位 | ニールソン・ポーレス(アメリカ、EFプロサイクリング) | |
10位 | エディ・ダンバー(アイルランド、チームイネオス) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ルカ・メズゲッツ(スロベニア、ミッチェルトン・スコット) |
山岳賞 | カミル・グラデク(ポーランド、CCCチーム) |
チーム総合成績 | ボーラ・ハンスグローエ |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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